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2019年12月 8日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20191208)

Tigau4「이건 좀 아닌것 같아 !」4巻。한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。全編カラー。3巻の記事はこちら
今巻でも「絵」というか見せ方そのものは普通なのだが、設定が特異なので、以下、同じ前振りを書いておくが、『24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。
ヒョンビンの相棒となったのは、祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。』
4巻は、3巻のエピソードの続きで、愛嬌のある竜の主(竜神か、河の神かよく分らない)が、泣き暮らしている。親友のようにして飼っていた虎が亡くなってからずっと自分を責めている。その主が髪の長い美形だったので、ヒョンビンは冥界に降りて(文字通りエレベーターで)、虎にその思いを伝えてあげることにした。そこは所謂地獄という感じでなくて、花の咲いているような所で、詳細は不明だが、どうやら人や神々に飼われていた動物達の霊も来ている所らしい。後は、虎と主がお互い一緒に暮らして幸せだったとヒョンビンが伝えた。
その後のエピソードもアルバイト先の女性が飼い猫を亡くして気を病んでいるので、死んだ猫の霊の気持ちを彼女に通訳して慰める。
次回への引き、としては、ヨジュンがヒョンビンを母親に紹介する。これが恐ろし気な大蛇なのだが、変身して人間の女性姿になったところで続く。
※今回の人(または神?)とペットの関係については、背景となる現代韓国社会を、おこがましいが私なりに補っておく。
所謂「ペット」の話だが、昨今の日本でも、高齢化に伴い、単なる愛玩動物から晩年の友、家族として葬儀は?とか災害避難の時どうする?とか話題になるが、韓国でも『伴侶動物』という言葉が作られていて従来のペットの感覚からさらに深い、対等な友愛で結ばれた関係性に、マーケティングにおいても(所謂ペット産業、市場から「伴侶動物市場」へということだ。)注目されているのだ。

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2019年11月30日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:番外編 #今日本人に一番薦める韓国純情漫画 #安倍晋三内閣退陣 #現行自民党主流派一掃

Sori5今更ながら、はっと気が付いたんだが今の日本人に一番薦める韓国純情漫画はこれだ。
「대답하세요! 프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」1巻。
「대답하세요! 프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」2巻。
「대답하세요! 프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」3巻。
「대답하세요! 프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」4巻。
あらゆる点で醜悪な現代日本の安倍晋三内閣行政とは、対照的な架空の今日的理想的LGBT時代の英国政治をBL漫画の手法で描いた技巧的な快作。

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2019年11月26日 (火)

本感想: #谷中の街の洋食屋紅らんたん #濱野京子 作 ポプラ文庫ピュアフル

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濱野京子作、ポプラ文庫ピュアフルレーベル「ことづて屋」シリーズのスピンオフ作品。タイトルの知る人ぞ知る、谷中の洋食屋を舞台にした連作。私は谷中そのものではなくて、ちょっとずれて?弥生美術館(文字通り東大の弥生門の前にある)が好きで、二十余年、企画展示を観に通い続けている。
挿絵イラストはぐっと今風になった?が、中身は、時間がゆっくりと流れていくような老人たちの物語。でもなごみ作品と一味違う、油断できない。カバーにも帯にも書いていないがこれは、ミステリーだ。派手な展開や深い伏線があるわけではないが、人生の酸いも甘いも嚙み分けた老いの生と迫り寄る現実の重みをさらりと書き込んでいる。シンプルな構成なので、感想も書き込むとネタ晴らしになってしまうので、一気に私の共感ポイントを一点。私もコーヒーは味より香りがいい。飲むのは紅茶、それも紅茶専門店で淹れたものに限る(笑)。

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2019年11月22日 (金)

似非「表現の自由論者」とでも呼ぼうか

ネットにはびこる、論議、論争、討論というのは実は、悪質な教育ディベートだと考えている。どこが悪質かというと、肯定側と否定側を本人の意思に関係なく分かれるゲーム的な筈のところを、一方が常に特定側を選んでおいた上で、討論中でも勝手に恣意的な選択肢を作って相手に一方的に選ばせようとするところだ。しかも、本来の議論というものは対立軸を調整、よりよい妥協点を探り、進路を作成しなければならないのに、自分の主張に迷いも妥協もなく相手を言い負かすことに終始する。ここから得られるのはゆがんだ充足感、矮小な達成感、手前勝手な勝利意識etc.でしかない。これらの呆れた満足感に見覚え、聞き覚えはないだろうか。「痴漢」「女嫌い」のメンタリティだ。

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2019年11月 3日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20191103)

Rure33「RURE(루어)」33巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。32巻の記事はこちら
※これまで砂漠の王国を「パイル」と表記してきたが、32巻の記事から、これを「ファイル」に変更した。韓国では外来語の語頭の「ㅍ」の発音は「p」音だがアルファベット表記は「F」を充てるので日本語に訳すときは「フ」にするのが一般的であるのでこれに合わせる。
※さて、今巻の巻末では、作者ソ・ムンダミより、設定の大きな変更のお知らせ。単行本4巻で(と言われても、私は全く記憶はないが)、北の大国ワン・ウィライの王女아수스(アスズ)姫が皇帝のことを「アボジ様(お父様)」と言及しているが(と言われても、くどいようだが私自身は全く記憶がないが)、ここまで連載してきて、皇帝は「お母さま」に変更することにしたというのだ。つまり大神女に次ぐ権力者の地位は男性ではなく女性に限る、政治権力の構造を維持するのにも女性神格化を続ける必要があると考えるようになったからだ、ということだそうだ。略してしまうと簡単だが、巻末漫画で作者は、この設定考察の推移について解説に9頁を費やしている。
32巻でハルの体内から実体化した「空虚」はハルを包み込んで消え失せた。やがて目覚めたチャ・クン・タマル王子に、ミルは「この額の逆印章がシン・ハルの生きている証」と告げる。
ワン・ウィライのファイル進撃の陣地に、アスズ姫が合流した。皇帝陛下(つまり母)に謁見。しかしミルとファイル国王ミュールゲンの子供二人を拉致したことは、腹心の部下にしか明かしていない。
そしてファイル王国に舞台が戻り、タマル王子に26巻に登場しハルと出会った、歴史を記録し探求する一族「ヨラム」が接触してきた。彼らの要件は、「空虚」がハルの姿で現れて、ヨラムの図書館を破壊したというのだ。そしてタマルは「空虚」を幻視する。それは図書館のデータの欠片か、それとも、今の「空虚」か。
※なるべく簡単に記述したが、各々のドラマがカルカチュアライズされたタッチでありながら、大胆で意表を突く絵作り、緊張感あふれるドラマ、名調子な語りで、各エピソード共表現の工夫が凝らされている。。







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2019年10月26日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20191026)

Ferua12「펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」12巻。김연주(キム・ヨンジュ)。鶴山文化社。11巻の記事はこちら
※初版限定特典第3弾として11巻に続いてイラストカード4枚が添付されていた。
※私はこの漫画を読み始めた時は、アシアスは、他所の若い領主達と革命でも起こす陰謀を巡らしているのかとも思っていたが、ここまで来るとうがち過ぎだったか?とも思うようになった。何か起こりそうで起こらない、のほほんとした(笑)展開で長期連載を引っ張って「魅せる」筆力もキム・ヨンジュにはある。
11巻に続いて、滞在中の国王一行に随行中のライスル侯爵夫人、イグレインは、夜宴中になんとかアシアスに接触しようとするのだが、回廊を巡って彼に近づこうとする、次から次へと、主な登場人物達と対峙してしまい、思わずモノローグ「全宇宙が私を邪魔しているの⁈」はっきり言ってみんな表面的にはイグレインに敬意を表しているが、対話は緊張感をはらみ優しくはない。
さらに、その中でも10巻では、しきりにオルテーズに粉をかけていたように見えた親衛隊のノックスがイグレインの未練に対して厳しく接して二人の対話が続く。またしてもイグレインのモノローグ「いつから私の故郷は私の涙と同じ意味となったのだろう」。そして国王一行はフェルアを離れた。続いてインターミッション的なエピソードは、同じく10巻では妊娠中だった親衛隊の誰かの妻、アンナ夫人が出産。
続いて今度は、突然、オルテーズの実母が、オルテーズの妹マリナだけを連れて来訪。オルテーズとアシアスの二人に、子供は未だなのかとプレッシャーをかけるが、はっきり言ってこのやり取りはコメディだ。というところで続く。



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2019年10月20日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20191020)

1「회랑식 중정(回廊式中庭)」1巻。김연주(キム・ヨンジュ)。大元CI社。
펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」等のキム・ヨンジュの新作。※初版限定付録として両面イラストカードが添付されていた。
私はキム・ヨンジュを称して「超然たる少女世界」と名付けている。東洋風西洋風でも本編の架空の舞台背景をあまり具体的に説明しないシンプルで常に謎めいた作風だ。今回は、引用されている実在する書名や、「東京」や「京城」の地名が登場するところから、架空の世界ではなく日帝占領下の韓国の首都、京城の名門家庭の邸内のドラマらしい。タイトルは文字通りこの邸の建造形式を指す。
邸の主は若い3人の兄姉弟で、長男が日本で言うところの大旦那様、女学生の長女がお嬢様(朝鮮の固有語でアガシ)または女主人(朝鮮の固有語でマニム)、学生の弟래희(レヒ)が若旦那様だ。
しかし主役は、この家の使用人の一人、美形の青年、윤(ユン)のようだ。彼の事情はまだ描かれないが、ハングルが読み書きできるだけでなくかなり語学の素養もありそうだ。これに気付いた세희(セヒ)お嬢様が何を考えているか分からないが、彼を自分の勉強部屋へ出入り、本を自由に読むことを許可した。ユンも使用人達も困惑する。これを巡って邸内に起きる波紋がドラマのイントロだ。
大旦那様の재희(チェヒ)は、以前に結婚し邸にやってきた新妻は若く美しい洋装のモダンガールで自由闊達な人に見えたが、突然首を括って自殺した。しかも彼女は妊娠四か月だったという。しかし夫のチェヒ兄は、この6か月間仕事で東京に出ていた。以来、彼女の話はこの家ではタブーとなっている。
※何やら不穏な引きだったが本の表紙カバー裏面の形容も「ミステリ時代物」となっている。

 

 

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2019年8月30日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190830)

Tiara18 「Tiara(ティアラ)」18巻。原作이윤희(イ・ユニ)。漫画카라(カラ)。ソウル文化社。17巻の記事はこちら.
※本当にいつものことだがこの作品、次々と新設定、新キャラが登場して、要約が大変。
ようやく再会したサセニア王女(セヌー)は一度死んだ?おかげで、王位継承者の儀式「アジェンドの涙」で失った感情を回復していた。こうして再会を喜び合えるフェイだが、17巻でも皇太子との権力争いを見せていた皇帝のお妃がさっそくその家門の能力で攻撃を仕掛けてきた。しかし、第三王子サンリョンの能力で遮られ、実の息子で第二王子のサンホにも止められる(※彼は今の所、母親と違ってひょうひょうとして権力争いの気はない。彼は、リューン帝国の家門の能力の発現を感じ取る能力があるらしい。)
皇太子サンレーと妃がしきりに、セヌーと誰かが似ていると、モノローグしている。それが、皇太子の昔の婚約者らしい。
ここで、皇帝が三週間振りに目覚めたという知らせが入る。そして、この世界の長命種族エランやフラシアンは、寿命が長い代わりに、長い眠りに入るという設定がキスチェルからフェイに説明される。
リューン帝国皇帝の姿は未だ読者に明かされないが、政務のブランクを埋めるために、サンレー、サンホ、サンリョンも皇帝に謁見の為、宮廷内に能力者家門の者がいない隙をついて、妃が今度はフェイ達に魔獣を仕掛けてきた。そこで、フェイ自身の能力が発言した。時空間を越えて鳥人形態の魔人と意思疎通し召還し、魔獣を撃退した。
一方アジェンド帝国側では、フェイロン国王(アキ(アーケランス)第二王子の兄)アーセルスは、16巻で古の神の門で受けた衝撃で、家門の能力を発現できず、籠り切り。ウェイ王国のレイラン王女に助けられたアキは、レイラン王女の連れてきた錬金術師ケイ特有の治癒力でケガを治す。さらにいかなる目的か?ケイは、かつての「第一王女の乱」といわれる今のアジェンド帝国皇帝の妃がリューン帝国の刺客に暗殺された事件、「第二王女の乱」と言われ「엘세스 마이아(エルセス・マイア)アジェンド帝国・オレン王国女王、衛星都市キフレンの王女」とリューン帝国を巡る謎の事件に鍵があるとほのめかす。
リューン帝国では、フェイの様子や力を見たセヌーは、ロストチャイルドの能力ではない、フェイ自身固有の家門の力だ。それをわからぬ筈のない皇族審判官が禁忌の力を使った=反逆罪とみなすのは奇妙だ、と女性護衛騎士クレンシア・カストリスに打ち明けた。アジェンド、リューン両帝国の王族の思惑に疑念を感じたクレンシアは、リューン帝国からの脱出を決意し、クリスチャン・カストリスの提案に乗り、秘密の非常口にフェイら一行を導く。
巻末の解説によると、リューン帝国の家門の権力は、古の神々の力をどれだけ多く受け継いでいるか、能力の大きさで決まる。能力は古の神の力だけでなく、家門特有の能力もあるという。















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2019年8月16日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190816)

Lovelyugly4「러블리 어글리(Lovely Ugly)」4巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。3巻の記事はここ
ヒロイン、イ・ルナが見る人物相関図では、なぜルナには「Lovely」シ・ナモンには「Ugly」なのか、は依然不明なまま。
4巻でも見せ場だったの恋愛相関図は遂にでない。だがさらにいちゃつくカップルの新キャラまで登場。
先ず、インターホンに現れたナモンの元カノは、ナモンの12歳年上の義母だった。元々はナモンの中学校時代の先生だった。
なんでそんなややこしいことになったのか詳細な説明はないが、少年時代の痛い恋愛の思い出の所為で、ナモンは、あまり彼女と仲は良くないようだ。
しかしルナが、ナモンの彼女としてあいさつすると、この時、相関図ではなくて、ルナに対する、負の感情ばかりが表出された。
何か気づいたのかナモンが、ルナの目を塞ぐ程だった。だが、この女性とナモンとのドラマはこれ以上深入りはなし。むしろナモンとルナがますますいちゃつく。
そして新キャラが男性二人、オールとソントが登場、芸能事務所所属で、新ユニットでデビューを目指しているのだが、なぜこんな唐突に、と読者が思うところで、このシェアハウスの以前からの入居者で、後からルナが大学に入学し、入居して来たときに挨拶と激励を受けた所為でオールがルナに一目惚れ、しかしソントはオールが好きだった。
二人がスタジオで歌のレッスンに励み、お互いを認めあうことに加えて、ソントはルナから「二人は、十分条件を備えている。十分に好きあっている」と妙な激励を受ける。描写はされていないが、ルナには二人の相関図が見えていたのかも知れない。
そしてオールはルナとナモンがそうなったのを目撃、ショックを受けたのだが、ソントには見ているしかない。
そしてシェアハウスの一同での飲み会。初めてルナからナモンを紹介されたのだが、この時、ナモンの方が何を血迷ったか、オールとソントを見て、知る人ぞ知るカート・ヴォネガットの昔の講演録より
「思い切り親にショックを与えてやりたいけれど、ゲイになるほどの勇気がないとき、せめてできそうなことといえば芸術家になることだ」(※円城塔訳「これで駄目なら」より引用)
を引用した。芸能人、アイドルもれっきとした芸術家の一員だという流れのセリフの締めの言葉だったんだが、今となっては「親にショック」=「ゲイ」云々は性差別と成り得る。
※私はストーリーそのものより独特な表現手法に関心が向いていたのだが、それらが抑制され、新コンビ登場に加え、ナモンの天然か危ないのかよく分からない面が現れて新展開となるのか、また先が読めなくなった。

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2019年8月 6日 (火)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190806)

Tiara17「Tiara(ティアラ)」17巻。原作이윤희(イ・ユニ)。漫画카라(カラ)。ソウル文化社。16巻の記事はこちら.
※この作品の感想にいつも書く愚痴だが次から次へと新ネタと伏線が頻出するので要約に苦労する。
※のみならず、ブランクを埋めるか、吹き飛ばすかのような勢いで刊行が続き、既に18巻が私の手元にあり、読書中だ。
16巻で、フェイ達はリューン帝国の砂漠地帯に出現したところで続いたが、そこにリューン帝国皇太子ウン・サンレー(은산뢰)であり「待っていた」と。フェイら一行は王宮に招待されそこに軟禁されるが、拘束というより外部の攻撃から護衛している様子。
リューン帝国の風俗は、アジェンド帝国が欧風なのに対し、東洋風。ここからリューン帝国の複雑な事情が現れてくる。帝国内で皇太子と、義母(つまり現皇帝の後宮の妃)帝国の鬼門を守る一族でその名も鬼妃、とその息子、つまり皇太子の異母弟サンホ、サンリョンというより実質、鬼妃と皇太子の権力闘争があり、皇太子の父である皇帝は健在らしいのだが未だ姿を見せず。くわえて皇太子もフェイらの扱いに手をこまねいているのは、フェイとその妹、セヌー、その母親達のアジェンド帝国との確執、アジェンド帝国の内乱、が絡んでいるらしいが、リューン帝国皇太子側も真相が分からない為らしい。
さらに、フェイとアジェンド帝国の神官長の息子キスチェルの前に、15巻でも登場した古(いにしえ)の神が再び現れて警告めいた預言を(主にキスチェルに対して)する。彼女はマルーと名乗り、常に目隠しをしている(未来視をしているらしい)。古の神々は数千年は楽に生きられる、という。
フェイとキスチェルに同行してきた女性護衛騎士クレンシア・カストリスは、再登場したクリスチャン・カストリスがまた提案してきて今度は、サセニア王女の為ならここを出るリューン帝国の連中も知らない非常口を教えるともいう。※要するにカストリス家という同門だが主人がフェイ、セヌーの異母姉妹各々に分かれている、微妙な関係らしい。
一方、アジェンド帝国側では、「엘세스 마이아(エルセス・マイア)アジェンド帝国・オレン王国女王、衛星都市キフレンの王女」は王国審判官エルフェルンと、ウェイ王国のレイラン王女とうまく取引(脅迫?)して拘束を解かれた。
そして、サセニア王女(セヌー)の方から、フェイ達の到来を聞くや直ぐに会いに来た。
※巻末の解説ページは「リューン帝国」について、例によって色々解説されているがフラシアンとなった古の神々と民が異世界に通じる門を開いて大量移動した場所。ウン家はその最有力者だった一族の末裔であり、本編に登場している神マルの異父兄が、現ウン家の祖先ということらしい、ああどんどんややこしくなっていく・・・。

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2019年7月 7日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190707)

Sori4「대답하세요!  프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」4巻。임주연(イム・チュヨン)。大元CI。3巻の記事はこちら
3巻の記事に付けた感想を再掲する⇒※どうやらこの漫画は、愛と政治を無関係にはしないが、全てが政治性を帯びながらプライベートに政治対立を持ち込まないし、同性愛も含めた現代社会のマイノリティ問題を理想的に克服しつつある世界観と言ってよさそうだ。BLに留まらない、大人のエンターテインメントに仕上がることを期待している。
と書いておいたが、このプライベートと政治ドラマの「せめぎあい」がタイトに迫ってくる。今回はエピソードは、主人公、首相のベンジャミン・ノエルの母、オペラ歌手のレオノーラ・ノエルと家の財政を在米で仕切る、ノエルの妹、エルウィン・ノエルが登場。ベンジャミン・ノエルの両親の出会いから始まり、ノエルの実家で女王陛下とノエルとトーマス・カーディナル労働党党首の乗馬。そして馬小屋でベンジャミンとカーディナルのセックス。並行してベンジャミンの秘書、マリーズ・リューが首相宅で盗聴装置発見。以前に出た保安責任者はベンジャミン自ら処分。ヘレン前首相、共和党党主の地元選挙区、つまり共和党の票田にトマス・カーディナルが乗り込み、そのカリスマ的魅力で一日で地元有権者の心をつかみ、補欠選挙で労働党候補当選。一方でベンジャミンは、トマスと対立して労働党を離脱した女性議員レティシア・スウィフトを単身で訪問「来年総選挙でトマスを撃つ狙撃手」として説得、共和党に入党させる。
さらに一方で(笑)、レオノーラ・ノエルはトマスに、息子ベンジャミンの天性の人に好かれようとする才能が両刃の剣である=自分の受ける愛の代償に他者を不幸にしかねないことを語る、だから家を守ることはエルウィンに任せたのだというのだ。※今後への心理的伏線か?
補欠選挙結果の出た夜、トマスはベンジャミンに、「あなたとの契約は終わりにしてほしい」という言い回しで二人の恋の終わりを宣言するのだが・・・。
※本当に、いつもながらおなか一杯になるようなエピソード群だが、この作者の軽妙洒脱なタッチでスムーズに展開するのだ。しかも作者後記漫画で
『ようやくここまで来たが、ここからが本当の始まりです』と或いはクライマックスか?と思った読者に対して実に意欲的な宣言。



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2019年6月25日 (火)

私の選んだ #韓国の現代SF小説 その3

Photo_20190625222901「위대한 침묵」(偉大なる沈黙)해도연(ヘ・トヨン)小説集より
「위그드라실의 여신들」(ユグドラシルの女神たち)

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私の選んだ #韓国の現代SF小説 その2

Photo_20190624223501「여성작가SF단편모음집」(女性作家SF短編アンソロジー)より
「바이센테니얼 비블리오필」(バイセンテニアル ビブリオフィル)전혜진(チョン・ヘジン)
※チョン・ヘジンは韓国の純情漫画「Liberté 리베르떼 (リベルテ)」「Lady detective(レディ ディティクティヴ)」などの原作担当者でもある。





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私の選んだ #韓国の現代SF小説 その1

Photo_20190624215501「옆집의 영희 씨」정소연 (「隣のヨンヒさん」チョン・ソヨン小説集)
収録作より代表作「우주류」(宇宙流)と表題作「隣のヨンヒさん」は中央大学のシンポジウムのレジュメで既訳だったので
「앨리스와의 티타임」(アリスとのティータイム)。
続いて、
「마산앞바다」(※마산は馬山で地名だが問題は앞바다の方で「沖合」という既訳もあるのだが私は思うところあって「馬山内海」と訳して読んだ)





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2019年6月12日 (水)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190612)

Concours11「더 콩쿠르 the concours (ザ・コンクール)」11巻。정설화(チョン・ソルファ)作。ソウル文化社。10巻の記事はこちら。フランス仕込みの新鋭の韓国青春漫画。
最終審査に残った3人は、アン・ホギョン、ソン・ウィジュ、チョン・シャオ。しかし10巻で、主人公の高校生안호경(アン・ホギョン)のヴァイオリンをチラ見した、胡散臭いヴァイオリンコレクターが、裏で図った。取材記者がコンクール主催者ダンカン・オーヘイの関係者がホギョンにヴァイオリン貸与、つまり便宜を図ったと騒ぎ立てた。これがバイオリン工房のイ・ヒャンギを指している訳だ。ヒャンギはコンクール優勝者に提供されるヴァイオリンの前の所有者である故人チェギョンの実妹だからだ。
審査員は、これは審査に影響はないと判断したが、次回のホギョンに、このヴァイオリン貸与は禁じると発表した。
これで困ったホギョンの前に再び、このコレクターが現れ、ヴァイオリン貸与先を世話しようと提案してきたのだ。※これが狙いだったらしい。読者から見ると、不穏なところだが、結果的にホギョンに貸与業者を紹介してくれたのは彼の師匠だった。
※サブエピソードとしては、その他の競演者、挑発的なドナ・レボは演奏中、観客を本当に挑発して「魅」せる。天才肌のアントン・ローゼンウィーラーは楽しそうだし実力は最高だが余りにマイペースでオーケストラとの共演に不向き。ソン・ウィジュは全身汗だくで腕の激痛に苦しみ耐えながら、スーツの上着すら腕への負担とばかり脱ぎ捨て演奏を全うする。だが、イ・ヒャンギは「私は愛する人達の力にすらなれない」と失意から立ち直れないまま・・・。



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2019年6月 9日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190609)

Simuchon12「심청(「沈清」=シムチョン)」第12巻。完結。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。11巻の記事はこちら
11巻で、スウが自分の血をつけたかんざしでイアン=ヘユンを刺す。すると龍の鱗の甲冑が消え失せた。だが目覚めたヘユンは「ソル、あなたは言ったな、香炉は私(=ヘユン)のものだと」
しかし、ソルはまだ香炉をヘユンに渡す訳にはいかない。ソルもヘユンも龍の力で世界を自分の足元にひれ伏せさせたい。
スウが今度は、イアン=ヘユンの身を庇う。それを見てシムチョンが今度はためらわず投げつけた龍の剣がスウとイアン=ヘユンを串刺しにした。さらに現れた西海龍王が剣を引き抜き、ソルを刺す。
これでソルは止めをさせるが、イアン=ヘユンは、スウの血が注ぎ込まれたので、ヘユンは死んでもイアンはまた再生できるというのだ。
後日イアンは目覚めたが、シムチョンは父親を捜すこと、北海龍王の娘の転生として龍と李王との盟約を結ばねばならず、西海龍王の力でもう一度時間を跳ぶ、だが、父にはどうしても会えない、ソルが死ぬ直前、そういう絶対に解けない呪いをかけたのだ。龍の力に目覚め転生を繰り返してシムチョンの前に現れた李王は、シムチョンの中に残る龍の力で最後の一度、自分の戻りたい時を選び跳べと促す。
シムチョンの深層心理(?)が選んだのは、物語の一番最初、父親と別れる前、龍王のいけにえになる前だった。
今度は道を決して誤らない、そう決意してシムチョンは行動を開始する。旅中の李王に出会い、悪の花の種子をその体内から取り除き、再び縁がイアンと出会わせ、お互いの愛を確かめ、再び旅立ち、蓮の花に乗り、間違いなく東海龍王の使いとして李王の前に現れ、西海龍王を公然と人々の面前に呼び込み、白昼堂々と人と龍の交渉が始まるのだ。
※以下シムチョンの独白を拙訳で抄訳を試みてみる「敵は隠れている時が強い。だが既に姿を現した敵はもう恐ろしい存在ではない。ソル、あなたが付け入るスキはもうどこにもない」「今度こそ完全な勝利の戦いが始まる」(完結)
※種々、論理と呪術のアクロバットな展開合戦だったが、シムチョンの知恵と勇気と自由を巡る戦いを活写したといっていいだろう。作者イ・ソヨンの今後のさらなる新作を期待しよう。

 

 

 

 

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2019年6月 1日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190601)

Crosstheline「cross the line(크로스 더 라인)」1巻。ソウルメディアコミックス刊。허윤미(ホ・ユンミ)作。
※うかつなことに全然気づかなかったが、「ソウル文化社」はいつの間にか「ソウルメディアコミックス」に社名変更していたらしい。
※「당신만의 앨리스(あなただけのアリス)」のホ・ユンミの新作。
尊属殺人での服役を終えて出所してきた女性、은하연(ウン・ハヨン)は、教導所(刑務所)前でいきなり拉致された。さらった連中は大手サラ金会社で12年前の両親の債務の支払いを引き継ぐことを求めてきたのだが、裏社会の組織でもあるらしい。しかし、この連中、人のいいところもあって、彼女の不幸を憐れんでか、別に何かを課したり強制することもなく、表紙に描かれている、組織の、強面のまだ若い常務が自分のマンションにウン・ハヨンを住まわせ、秘書以下部下達が面倒を見始める。まだ登場人物の因縁、背景は不明。
この連中がハヨンの身の回りの世話をする場面はコメディだが、挿入されるハヨンの過去は、幼女時代からの親のネグレクト、虐待シーンがリアルで実に痛い。作者の後記によると、今まで時代劇が続いていたが初の現代劇連載で、ヒロインを再起不能な不幸のどん底から始める、と張り切って抱負を語っている。
※この手の話のお約束は、このクールな常務の内なる愛で彼女は幸せになる、という展開の筈だが、どうなるか、注目。


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2019年5月25日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190525)

Tiara16「Tiara(ティアラ)」16巻。原作이윤희(イ・ユニ)。漫画카라(カラ)。ソウル文化社。15巻の記事はこちら.
※この作品の感想にはいつものことだが次から次へと新ネタと伏線が頻出するので要約に苦労する。
15巻に登場したクリスチャン・カストリスの提案は、この状況では、ここ衛星都市キフレンの魔法陣は既に警護されて利用することは出来ない、だからアジェンド帝国の帝都にあるという伝説の「ロストチルドレン」だけが使える秘密の通路でリューン帝国に向かえ、そこまでの追手は妨いでやるというものだった。
長い一夜の騒乱は続く、フェイロン国王(アキ(アーケランス)第二王子の兄アーセルス)と王国審判官エルフェルンは、「엘세스 마이아(エルセス・マイア)アジェンド帝国・オレン王国女王、衛星都市キフレンの王女」を拘束するのに手を焼き、アジェンド帝国の神官長の息子キスチェルは、ここで初登場したキスチェルの父親、文字通りの帝国神官長と遭遇。秘密の通路はごく限られた成人した神官のみが知る場所、通称フラシアンの墓碑、神々が眠る渓谷だと教えられる。アーセルスによって拘束されたアキは、14巻に登場した、ウェイ王国のレイラン王女に助けられて脱出を図る。
教えられた谷に向かったキスチェルとフェイは、古の神(※ある程度14巻に解説されている)が現れ(※キスチェルのモノローグに寄ればフェイのロストチルドレンの力が古の神を発動させた?)何やら伏線めいた預言をして消えた、条件は整ったらしい、扉は開かれ、フェイ達はそこに入ってゆく。
追手のアーセルス国王達も神官に強制してこの場所に来たが、門をくぐろうとした途端衝撃を受けて失神、追跡を断念した。
そしてフェイ達はリューン帝国の砂漠地帯に出現したところで続く。
※巻末の解説ページは「王国審判官」について。アジェンド帝国王族は長い歴史と強大な実権を有するので、王国審判官もこの王権を牽制するために大規模な法律と組織と権限、実力を持っているとのこと。



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2019年4月 5日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190405)

  • 「無明記(무명기)」第11巻。윤지운(ユン・チウン)作。大元CI。10巻の記事はこちら
    절 (=チョル=絶)先生と呼ばれる医師。身の回りの世話をしている侍女は풍원(プンウォン)漢字は、風園または豊園。先生の昔馴染らしい男、無盡(ムジン) 三人を中心とした中華圏時代劇奇談集。
    ※チョル先生とムジンの回想記がまだまだ続く。相変わらずセリフが難しくて、実際の歴史に基づいた描写か、全くのフィクションか私の読解力ではわからない。
    ムジン兄弟の要請で、日々亡父の妾の体調を管理することになったチョルと妾の葛藤は続く。
    ここに作者ユン・チウンの卓越した心理描写と優れた漫画技巧が冴える。
    彼女は美しく兄弟前でのしおらしい態度と異なり、彼女の真意を疑うチョルの前で取り繕う様子はない。むしろ積極的に語りだした。最初にムジン兄弟の父から逃亡をしようとした時、罰として両足の腱を切られた、惨い話だが、すると彼を挑発して、彼女の夫を殺させて復讐した。しかし一方で、チョルが彼女を診るようになってからも時々亡き夫の悪夢を見て苦しむ。
    したたかなようだが具体的な野心を燃やしてみせる訳でもない。そうこうしているうちにムジンが彼女と寝てしまった。
    まだまだこのムジンとチョル先生の回想は続くようだが、この女性の複雑な人間像にこそ精彩がある。

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2019年3月17日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190317)

Hanagatiredo3_2「花が散れども」3巻。송 하(ソン・ハ)作。大元CI。2巻の記事はこちら
王ラアンの「巡礼」(※私は行脚と書いてきたが、作中で「巡礼」と表現された)の旅程が半ばに差し掛かり、ラアンの生まれ故郷に入ったところで、ラアンの足に凍傷が出た。そこで一人になってラアンが自分の生き神としての能力を試す場面が描かれた。足元の雪が解け、花が咲いたが、あくまで足元と周辺だけで、ラアンは酷く消耗したようだ。
戻ってきた、というより大気の変化を感じ取ったイノク達が迎えに行ったラアンの体調を見て取った侍従長サンホ(※3巻の表紙の人物)は、巡礼中止を強行に進言したらしい。
これが決定、連絡が伝わると、護衛の兵士から民、首都ウンホで待つ神官達まで激しく動揺した。
首都に戻るとイノクはラアン直属の護衛になったことでサンホを通じて宮中の今まで縁のなかった部署にも出入りする。少数の臣下達で色々技術を研究しているラアンの直属部署だった。
※つまりラアンの生き神としての力に頼らない方向性をラアン自身が模索しているということだ。
さらにイノクは、ラアン自ら国外から取り寄せた書物を読み解こうとしていることも知る。書を見たイノクは、自分はこれを読める、訳せると明言するのだった。
※ラアンとイノクが親密になっていく展開と共に、この国オンランがまだ交易規模が小さい、識字率も高くないことが伺える。但し作者の後書き漫画によるとオンランでは性別に関係なく結婚するのが自然なことだそうだ。
一方民の間でも動きがある。天体観測などの技術や知識を独自に国外から入手、学んだ人々が何かオンランの気象状況の危機を知ったらしい。
※どうやらこの作品は王権神授国家の終焉を自然と人心の変化の両面から描く群像劇となりそうだ。まだ地味だが今後の展開が期待される。

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2019年3月 9日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190309)

Lovelyugly3「러블리 어글리(Lovely Ugly)」3巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。2巻の記事はここ
ヒロイン、イ・ルナが見る人物相関図では、なぜルナには「Lovely」シ・ナモンには「Ugly」なのか、は不明なまま。今巻ではこの相関図も控えめ。オーソドックスにカップルのいちゃつき描写が続く。
先ずナモンは戸惑うルナを余裕たっぷりに丁寧に口説いていく。
次は、ジュ・エリと張り合っている女が彼を連れてハロウィンパーティに行くと聞いて、ルナはカップルマネージャー失敗の挽回とばかりに、エリに相棒のマ・ルハンを連れていけ、と強硬に勧める。ルハンも2巻でエリを本気で口説いていただけに、自ら積極的にエリにアピール。エリもまんざらではなさそうで、ルハンを連れて行くと、ルハンはアドリブで大活躍。
そして次のエピソードではシ・ナモンの女性関係の痛い思い出が描かれた。それが終わると今のルナとナモンがいちゃついているところに、その昔の女がインターホンに現れた、というところで続く。
※という訳?で、次はサイコな修羅場か、ユニークな実験的描写?「人物相関図」はどうなるのか?オーソドックスなラブコメに路線変更か?と、ストーリーそのものより表現手法に私の関心は向いている。

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2019年2月21日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190221)

Tigau3「이건 좀 아닌것 같아 !」3巻。한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。全編カラー。2巻の記事はこちら
やはりあまりに設定「だけ」特殊なので、1巻、2巻と同じ前振りを「また」書いておくと、『24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。
ヒョンビンの相棒となったのは、祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。』
3巻では、『ヒョンビンの体質に気付いているが「ウル」かどうか彼の目的もまだ不明な青年、チョンス』が出ずっぱり。ヒョンビンがバイトしてるお店の新しいオーナーとして現れたり、ヨジュンとヒョンビンを巡って三角関係(の真似?)を演じたり、ヒョンビンを誘惑しているが、目的がいまだに不明。しかも外見を自由自在に変えられる。ヒョンビンには「(彼女が言うところでは)匂い」で見破られた。
他には、ヨジュンの学生仲間達が登場して、ヒョンビンをヨジュンの彼女として遇したりのエピソードが挿入された。最後は、なぜか三人で登山中(※韓国では登山と言っても本格的なものではなく、サークルでハイキングというか、森林浴みたいな雰囲気をするのが老若男女問わずかなり以前から普及している)山中の川で竜宮と竜の出張所みたいなところにヒョンビンが迷い込んだ。※この竜がなかなか愛嬌がある。

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2019年2月 9日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190209)

Aoiglass7「푸른 유리(青い瑠璃)」第7巻。오지혜(オ・チヘ)。ソウル文化社。6巻の記事はこちら
※前の記事で今後の期待として『ミルとソルが分かれたことでストーリーも本格的に枝分かれ、多視点ドラマ化したようだ。未知の過酷な古代史の世界に生きる彼らの運命やいかに?』と書いておいたが、それほど月日が流れていない続き、が展開された。
靺鞨のジャマルタの元の仲間の集団に身を寄せたソル=瑠璃は、泥だらけ髪をざんばらにしながらも仲間達と村=というより砦といった感じか=を守ったり日常生活に追われ、日が暮れて独りになるとミルを想って泣く。そんな彼女を見守るジャマルタは、過去に妹をどこかに捨ててきたトラウマがあってソル=瑠璃を助けたらしい。読者にはソル=瑠璃がそれでもたくましくなったことが伺えるように描かれている。この砦の隊長マッチャンルンタは、靺鞨のどこかの有力部族長の息子でその意味では同族支配だが、彼自体家族のはみ出し者で、自由な気風の持ち主。瑠璃というより誰であろうと身分や部族で判断しない。瑠璃をどうするつもりなのかと問う仲間に、「本物の姫が現れた、答えはあの娘が教えてくれる」と。「ジャマルタと瑠璃が夫婦になるとしても俺は反対しない」。
一方チョンは同族の村の有力者の養女となって、貴婦人然となっていた。しかし養女は表向きで力関係は義父は臣下でチョンが姫のようだ。そして楽浪の王子達への復讐を策謀している。
そして砦を襲った連中に誘拐された仲間の少女を助けるためにソル=瑠璃は身代わりになり、連中が実は、傷病人を抱え飢えと逃亡で苦境に陥ってる集団であることを知ると、彼らと交渉や説得をはじめ、助けに来たジャマルタにも手を出さないように諫めたのだが、気の弱い奴が手を滑らして放たれた矢がソル=瑠璃を貫いてしまった。彼女の生死は?。
※この冒険ですっかりソルが「瑠璃」として生まれ変わったように成長したことが分かる。
最後はミルの相変わらず穏やかで元気そうな姿で続く。
※表紙絵を見ても分かるように挿入されたカラー口絵も一段と本編とは独立してエキゾチックさや艶を増してきた。

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2019年2月 2日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190202その2)

Tiara15「Tiara(ティアラ)」15巻。原作이윤희(イ・ユニ)。漫画카라(カラ)。ソウル文化社。14巻の記事はこちら
※14巻が出たのが2015年。事情があったらしいがイ・ユニとカラのコメントはどちらもコミックス刊行の喜びとブランクのお詫び、御礼。本当に良く出たなあって感じ。
さて、リュ―ン帝国の、元王族の暗殺者=유영(ユヨン)は、拉致したフェイの妹=正式名リドラ・サセニア(사세니아)・アジェンド・オレン・第2王女=セヌー(세느)の身柄保証と引き換えにフェイを傷一つ付けずに連れてくること、を命じられると、直接フェイの前に現れ、フェイが自らリューン帝国に来れば、セヌーを無事に帰国させる、と交換条件を出してきた。
ところがこの二人の会話、周囲の者には聞こえなかったらしい。ただ王族関係者だけが「ロストチルドレン」の禁忌の力の発生を感じ取った。しかもこの力が使われたということは即、「反逆」を意味するというのだ。
そこで、フェイロン国王(アキ第二王子の兄)は王国審判官エルフェルンを召集する。王族の者がその地位に就くのに適切か判定する役目で、その判定は王族すら逆らえない。禁忌の力も感じ取れるらしい。他にもフェイを監視するホムンクルスが増えて衛星都市キフレンが騒がしくなる。
しかしそんなことは全く知らないフェイは、ユヨンの取引に応じ自ら単独でリューン帝国に向かおうとする。この行動でフェイは審判官エルフェルンにより正式に反逆罪で逮捕、連行されそうになったが、ここでアキとアジェンド帝国の神官長の息子キスチェルがフェイを奪取、逃亡を図るが、そこに現れたのは過去にフェイを殺そうとしたり、セヌーをさらった男。クリスチャン・カストリスと名乗ったが、目的はセヌーだ、と。
※ただでさえ、物語の舞台設定もキャラクターも続出する作品だった上に、このブランク。展開は読めない、が面白い。再会を喜び速やかに続巻を期待している。




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#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190202)

Rure32「RURE(루어)」32巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。31巻の記事はこちら
※これまで長いこと砂漠の王国を「パイル」と表記してきたが、今後これを「ファイル」に変更することにする。韓国では外来語の語頭の「ㅍ」の発音は「p」音だがアルファベット表記は「F」を充てるので日本語に訳すときは「フ」にするのが一般的であり、私自身、キム・ヨンジュの「펠루아 이야기 a Tale of Felluah」を「フェルア物語」と訳しているのでこれに合わせる。
31巻に続きファイル(パイル)内戦の夜は続く「印章」篇。
31巻で黒い翅族の姿で現れたハル。しかしチャキの言葉が分からない「私はルディムナの力を失った」。失意のハルは、上昇し空から様子を見るしかない。
力強くアジ演説を叫ぶミル。ミュールゲンを排し、民と共に「チャ・クン・タマル」を連呼し呼び込む。血まみれで凱旋するタマル王子。その禍々しい姿に民は息をひそめるが、その時、空間にルキアの精霊たちが現れた。周辺には草花が咲き誇る奇跡が。もう間違いない、真のチャ・クン、砂漠の王の凱旋に、民衆は今度こそ歓声を上げる。
だが、タマルは冷静に「兄に会いに行く」と部下とミルと共に、王族だけが開けられる秘密の通路にそのまま入っていく。だがそこに既にミュールゲン国王の姿はなく、もう一人の兄アサハがいた。※これは本物か?それとも実は・・・という伏線か?
ともかく、内戦の夜は終わった。
独りになったミルは尊大な態度で、空から降りてきたハルを呼び込む。ミルは語る「私達は一対のルアーだ」と。今こそ、私から奪った力の全てを返してもらう、と。「さらば、ハル」。
しかし矢が飛んできた。タマルが駆けつけてきた。「チャ・クン・タマルの名でお願いする、ルキア・ミル、望みは何か。どうか(ハルを)助けてくれ」
しかし、ミルは異変に気付いた。ハルから力の全てが戻ってこない。一匹だけ精霊が残っている。何故だ。
さらに、突然ハルの身に古の翅族の亡霊(?)が現れ「ルアーだ、殺せ」。ハルの翅が姿を変えタマルの胸を貫いた。
タマルを治癒しようとするミル、しかし、傷に込められた力がミルのルアーの力と拮抗して妨害する。何の力だ。
すると今度は、ハルの中からハルの胸を貫いて生身の裸女が現れた。息も絶え絶えのハルがつぶやく「空虚・・・」31巻でもハルが幻視し、それ以前にも幻視したハルを構成する3人の一人「空虚」が実体化したのだ。
ハルを構成する3人については29巻の記事参照

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2019年1月26日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190126)

Yonpunon2「ヨン、プンホン(연. 분홍)」2巻。サブタイトルが「花のワルツ」。이로모(イ・ロモ)作。鶴山文化社。「PARTY」誌連載中。連載はモノクロだが、この単行本は全編カラー漫画。1巻の記事はこちら
バレエ学校の教師、ユ・ミラの過去が描かれたが、娘は亡くなったらしい。しかしミラのモノローグは「私は娘を愛してやれなかった」と心の闇のようで、具体的なことは、一冊の絵本のことのみ。
この絵本は、「猫は全て知っている」という、友情と個性をテーマとした、作中世界では割と有名なロングセラーのようだ。そして、この絵本が、ミラと、バレエ学校に通う15歳の少女노하(ノハ)と、美しい二人のバレリーナ、ソンウ・ヨンとフィル・プンホンをつなぐようだが、まだはっきりしない。
ヨンとプンホンは、幼いころからバレエをやっていて、今の二人は、ドイツでかなりの修行を積んで帰国、今後の所属先を探しているところで、このバレエ学校は、プンホンの母親が経営しているらしいが、二人はここの所属ではなく、このバレエ学校を随時稽古場として利用しているだけらしい。
この二人の過去のエピソードも度々挿入されるのだが、ヨンの視点では、プンホンは幼い時から可愛くて、輝いていたという。それが、青春時代にヨンはフランスの交通事故で両親を失い自分だけが生き残り帰国、失意の時、声をかけてきたプンホンは、むしろとても大人に見えた、という。
そしてヨンの方は、このバレエ学校に入団を決めた。プンホンはこんな小さなバレエ団ではあなたの経歴には不十分だと反対するのだが、私は直ぐに主役になりたい、だからこの小さなバレエ団がいい、と。
※ミラと、ヨン、プンホン、この三人の語り、会話も色々描かれているのだが、これらをうまくまとめて各々の心情を把握するには、まだ難しい。これからの展開が気になる。

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2019年1月14日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20190114)

Simuchon11「심청(「沈清」=シムチョン)」第11巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。10巻の記事はこちら
逆転に次ぐ逆転劇。龍神として目覚めた国王はそのまま宮中に留まり、イアン=ヘユンのイアンはどちらかが目覚めてもお互い対話が可能になり、イアンの記憶が途切れることもなくなった。
両者を思い通りに動かそうとしたソルの思惑は外れたかに見えた。
この間にシムチョンはイアン=ヘユンと合流、さらに東海龍王の娘シアは、二人を「龍の剣」の部屋に導き、如意珠のないイアン=ヘユンは「半神半人の王」に成り得ず、北海龍王の娘ヘファの転生であるシムチョンだけがこの剣を扱える。剣自体は「門を開く鍵」でしかないが、シムチョンがつかえば龍の力を封じた「香炉」を切ることができるのだ。
だが、ここにソルの使いとしてソルの妹スウが現れ取引を持ち掛ける。シムチョンの父親の身とイアン=ヘユンを交換しようというのだ。苦悩するシムチョンだが意を決して「イアン、あなたがソルのところへ行って」と告げる。
イアン=ヘユンは宮中の、あの龍の鱗を見つけた井戸に行く、そこにはソルが待っていた。スウの手で如意珠をイアン=ヘユンの胸に入れる。これで彼は龍の鱗で作った甲冑と剣で武装した完全な「半神半人の王」となり井戸の壁に「香炉」の隠し場所の門を開けるのだ。
そこにまた、龍の剣を手にしたシムチョンが現れた。そしてソルは東海龍王の結界に閉じ込められ、さらにスウが香炉の半分を結界に投げ込んだ。だがこの行為はスウによれば、これでソルは香炉の力を吸収する。しかし闇の力であるソルは光の力を吸収してもこれを使えない。元々西海龍王に忠誠を誓っていたスウは、姉であるソルを裏切る時を待っていたのだ。「シムチョン、ソルの心臓を龍の剣で貫け」だがシムチョンには殺生はできなかった。
イアン=ヘユン「さあ、俺の番だ」と自ら龍の剣を取り、門を開き香炉を手に入れ玉座へと転移した。だがそこには逃げたソルが隠れていた。ソルの体内に吸収させられた香炉の半分を取り出し、イアン=ヘユンが持ってきた香炉の半分を奪い遂に一つに合体した。
しかしまたしてもスウが自分の血をつけたかんざしでイアン=ヘユンを刺す。すると龍の鱗の甲冑が消え失せた。だが目覚めたヘユンは「ソル、あなたは言ったな、香炉は私(=ヘユン)のものだと」
※相変わらず難解な展開だが、どうやら竜神達とその娘達、人間達の攻防は決着せず、まだ誰も目的を成就するための真の龍の力を手中にし発現させてはいないらしい。

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2019年1月10日 (木)

本感想: #この川のむこうに君がいる #濱野京子 作 理論社

Photo私にとって共感できるかできないかが基準となるのが濱野京子という作家だ。福島の原発事故以後のもどかしさ、違和感。「がんばろう」というフレーズは当時既に当事者を追い詰めるから禁句、と心理・精神分析学が普及していた筈だ。私は渋谷生まれの世田谷育ちだが、秋田生まれの親父そっくりの話し方だと他人から言われていたし、私は親父と叔父の電話で聞く声が全く区別ができなかったから私は秋田訛りが身についているんだろう。私は埼京線の通勤帰宅の車内で濱野京子の小説を読んでいるし職場は浮間舟渡にある。音楽ことに楽器は全く素人だがクラリネットよりサックスの方がカッコいいと思っている。学校の標準服はスカートよりもパンツスタイルの方がいいと思う。
と読みながら次々と想起されていく。そして人の心には誰でも人との間に川がある。
だがいつか、その川の見知らぬ橋を渡って見知らぬ向こうの世界へ行くこともあるのだろう。

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2018年12月30日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181230)

Ferua11「펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」11巻。김연주(キム・ヨンジュ)。鶴山文化社。10巻の記事はこちら
※初版限定特典第2弾として10巻に続いてイラストカード4枚が添付されていた。
国王夫妻御一行がお立ち寄りになった。詳しいことは読解できなかったがライスル侯爵夫妻がこれに同行している。
という訳で今回は、ライスル侯爵夫人つまりイグレインとオルテーズのアシアスを巡る恋の鞘当てが中心。
城の中でかつてここで暮らした思い出に浸るイグレイン。
晩餐の後の真夜中、月明かりの下、二人だけで踊るアシアスとオルテーズ。ロマンチックな場面。
ところが翌日、皆で狩りと森の中で散策。ここでの会話の中で、イグレインとアシアスにもこれと同じことがあったと、イグレインから(誰のこととは言わないが誰のことかは明らかに)語られた。二人ともお互いポーカーフェースだが嫉妬にかられたのだ。
ここでまたしてもオルテーズの突発的奇行が炸裂(笑)。「アシアス・ラブレイ」と叫ぶと彼に飛び掛かり、つまり何をするつもりか分からなかったが、結果としてつまずいて彼に頭突きをかましてしまった。
その晩、恥ずかしくて枕から顔をあげられないオルテーズ。今は言いたくない「なぜあなたはイグレインと同じことを私としたのよ!」とは。だがアシアスは何か察したらしく「わが伯爵夫人は嫉妬が爆発したことを絶対認めたくないということか」
「すまん。オルテーズ。考えが浅かった」「あの女は何年この城にいたの」「15年ぐらい」「私もそれだけこの城にしっかり暮らさなければ」
※描きようによってはドロドロした展開になりそうなエピソードもキム・ヨンジュの端正でシャープな線で描いた美しい城内や田園風景を背景とすれば牧歌的な世界に映る。

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2018年12月26日 (水)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181226)

Sori3「대답하세요!  프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」3巻。임주연(イム・チュヨン)。大元CI。2巻の記事はこちら
ヘレン前首相の入院中の病院の爆破テロ。しかし、ベンジャミン・ノエルは無事。ヘレンも一命は取り留め、緊急手術、そのまま昏睡状態に。涙にくれるノエルだが、いつまでもこうしてはいられない。ノエルとトーマス・カーディナル労働党党首の二人は、お互い、あるいは各々のスタッフとこの事件の真相を推理、調査に動きだす。
と思えば、挿入される場面では正体不明の脅迫者と脅迫されているまだ何者か不明なテッド・シムスンなる人物が登場。
まだ正体不明と言えば、トーマスのスタッフから、ノエルの中の悪い妹、エルウィン・ノエル、父親の引退後、会社経営を一手に引き受けている彼女が急に帰国する、という情報がトーマスにもたらされる。
そして夜になると、ノエルとトーマスの濃厚なベッドシーン描写。
で、朝を迎えるとトーマスは朝食を作り、その間に、ノエルは、(2巻で登場した若い)女王陛下とともにテムズ川沿いをジョギングしながら犬に散歩をさせて、通行者達の目を丸くさせる。女王の特別な要請によるものだという。この間を利用して表向きは御法度の政治的対話を女王はノエルと交わすのだった。
さらにこの日の政務ではモニター越しの対話でアメリカ大統領登場。ナオミ・デインズという年配のいかにも老獪そうな女性だった。
そして、昏睡が続くヘレンを見舞ったノエルは、彼女は替え玉であることを見破った。党の補佐官ベアトリスを追及すると手術後48時間でヘレンは回復し、身を隠したという。その真意はまだ秘密。
一方でノエルの女性秘書マリーズ・リューとトーマスの会話でリューは、「トーマスは、ノエルの初恋の相手だと思います」と衝撃(笑)発言。
※ストーリーだけ並べるとおなか一杯になりそうだが(笑)、この作者の持ち味である軽妙洒脱なタッチで読ませる。
※どうやらこの漫画は、愛と政治を無関係にはしないが、全てが政治性を帯びながらプライベートに政治対立を持ち込まないし、同性愛も含めた現代社会のマイノリティ問題を理想的に克服しつつある世界観と言ってよさそうだ。BLに留まらない、大人のエンターテインメントに仕上がることを期待している。

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2018年12月18日 (火)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181218)

Mumyouki10「無明記(무명기)」第10巻。윤지운(ユン・チウン)作。大元CI。9巻の記事はこちら
절 (=チョル=絶)先生と呼ばれる医師。身の回りの世話をしている侍女は풍원(プンウォン)漢字は、風園または豊園。先生の昔馴染らしい男、無盡(ムジン) 三人を中心とした中華圏時代劇奇談集。
※チョル先生とムジンの回想記がまだまだ続く。相変わらずセリフが難しくて、実際の歴史に基づいた描写か、全くのフィクションか私の読解力ではわからない。
※但し作者が後書きで『唐の時代は全盛期でも兵士は農閑期だけ訓練を受け、武器も自前で調達していたので、農耕民族である漢族が何年もかけて騎馬民族の地を制圧したというのはファンタジー』だと思うし読者にもそう思ってください、という意味の解説を書いている。
ムジン兄弟の回想で、母を帰郷させることに失敗、母は首を括って自殺(?)した。この件で兄弟は実の父をひどく恨み続けていた。
そして長い戦に遂に勝利した後。兄弟は王の前で父を弾劾、死罪に追い込み、ムジン自ら父の首を切ってさらし首にした。
そして都市に戻って二人も官吏としての仕事に就くのだが、亡父の邸内に妾の存在を知った。元々田舎の貧民の妻だったのが夫に売られてしまったらしい。まだ若く美しい女に当然ムジン兄弟の心は傾いていくようだが、チョルだけは彼女の目に単なる、か弱い薄幸な女ではない、辛酸を舐めてきた故に、したたかに品定めする眼差しに気づいていた。
※戦の後は、対照的にメロドラマの緊迫感、という展開で続く。

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2018年12月 1日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181201)

Vampiretoshokan9「뱀파이어 도서관(=ヴァンパイア図書館 Vampire Library)」9巻。이선영(イ・ソニョン)作。鶴山文化社。8巻の記事はこちら
美食家バロンとカベルのバトルで、マノが「美食家」の体の部位から「臭い」が発せられると感じたら、そこが弱点だということが分かったようだ。そしてバロンはカベルに敗れ洞窟内に生き埋めとなった。
マノは疑問を感じた、転生したカベルの恋人、イブ達は皆、平凡な人間だったという、ではなぜ、カベルとイブは出会えるのか。
カベルの主治医は、マノに、それは運命だと告げる。さらにイブ達の運命は100年に一度誕生し、25歳以上生きられないと。これを何度も経験したカベルの苦しみを理解してほしいと。
これが前振りで、出張していた司書ルイとカベルが戻ってきたらカベルがボロボロになっていた。イブと名乗る黒衣の女性が現れて以降、カベルが大荒れだったそうだ。では本物の転生イブなのか?と誰もが思ったが、彼女についてカベルが語り始めた。
彼女は何代目かのイブの姉で、姉妹でカベルを愛してしまい、病弱なイヴを殺して自殺に見せかけた。しかし事実を知ったカベルは己の罪深さに苦しみつつも姉を拒絶。すると姉がこれからは私がイブの代わりだ、と宣言した。そしてカベルがもう一度見てくれる日まで生きたいと美食家に血を吸われ、自らも美食家の一人のヴァンパイアとなったのだ。
※さてこの三角関係にいかなる決着がつけられるのか。

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2018年11月25日 (日)

本感想:「#風と行く者」#上橋菜穂子 作 #佐竹美保 偕成社

Kazetoyukumono上橋菜穂子の守り人シリーズ外伝の新刊長編。バルサ16歳とジグロ、ロタ王国の氏族の対立、少数民族サダン・タラム<風の楽人>を巡る因縁が二十年後に再び甦る鎮魂の物語。
いつものことながらエキゾチックな旅と冒険の物語の筆致が冴えわたる。決してケレン味があるわけでもない、むしろ簡潔な文体が精彩を放つ。今回はさらに旅の楽師、しかもこのシリーズだからただの旅芸人ではなく、一夜の恋と遊びで子供を成す、父親不在?のコミュニティが興味深い。
そして読み進むにつれて、またしても歴史の真実を巡る愛憎と葛藤。常に読者であるこちらの現実の歴史を巡る世界の対立と愛憎が交錯して物語世界に耽溺は許されず、心穏やかではいられなくなる。但しこれも、いうまでもなく上橋菜穂子の魅力、異世界の幻想物語が現実を挑発するのだ。
そして、この非常に難しい決着に、二つに一つを選んで犠牲者を出したりしない。二十年前のジグロ、現在のバルサといういずれも「よそ者」が介入し妥協点、解決策を見出すのだ。しかも真実に蓋をしない、現実状況を固定しないのも小気味いいし、対立を融和に変えて新しい世界の交流と発展を期待させるのが感動的だ。

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本感想: #ラッキーな菜子 #浜野京子 作、装画・挿絵/ #くまおり純

Girigirinohonya講談社のアンソロジー、競作リレー小説「ぎりぎりの本屋さん」収録。2016年発売の「ぐるぐるの図書室」の2年ぶりの企画第二弾といったところか。
ぎりぎりの立場に追い詰められた少年達が迷い込む不思議な今にもつぶれそうな「ぎりぎりの」ような古ぼけた本屋の物語。
「ぎりぎりの本屋」さん。そういわれて?原体験を、あるいはイメージを他人と共有できるのは何時までか。あるいはもう無理なのか。街の本屋さんはネットのブックショップの興隆の一方で減る一方。私の知っていた本屋も次々と廃業していった。かろうじて都心の鉄道の駅ビル、郊外のショッピングモールに大型書店の支店、チェーン店、あるいは鉄道自身が経営する書店が入っている。私もオンラインショップ以外で普段利用する本屋といえば駅ビル内のそういう本屋が増えた。神保町には通っているが。これからは「街の本屋」と言えば、駅ビルやモール内の書店を皆イメージするのかもしれない。
さて、ここに登場する本屋は、まだ作者、濱野京子と私がイメージを(多分)共有できる古いタイプの本屋が、現代ならではの問題を抱えた、しかし自身はそのことに無自覚な少女が、追い詰められた時に彼女を救うべく現れる、本屋とそこの店員らしき謎の少年がヒーローのごとく現れる。これは本は学びの導き手、手助けであるという寓意だろうか。
しかし、少年達はやがて、自分の危険な状況を自覚し回避できるようになる、助け合える誰かに出遭う。これは体験のことであり、体験が活かされるようになる時、本がヒーローであることは終わり、自分自身がヒーローになる、という成長のことかもしれない。

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2018年11月11日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181111)

Hanagatiredo2「花が散れども」2巻。송 하(ソン・ハ)作。大元CI。1巻の記事はこちら。しかし、大きな勘違いを私はしていた。王ラアンの行脚が主人公イノクの育った地に入って、イノクと弟が再会したら、「姉さん」と呼び掛けた。イノクは女だったのだ。あえて言い訳するならそれだけ性差を意識させる描写は少ないということだ。それがわかって1、2巻のキャラクターの輪郭線を見直すと近衛兵の隊長ファヨンは女だし、近衛兵達は男女混成。王を補佐する6神官も老若男女だ。
さて、ラアンと呼ばれる王(2巻の表紙)は、世襲ではなく、ネパールの生き仏ダライ・ラマのように転生する神王制度らしい。イノクの話を通じてイノクの今は亡き祖父が知恵者で、民の寒くなった居住環境を改善する仕組みを考案していたことを知り、イノク等が暮らす村に入ると今はイノクの弟が住む家に投宿することになった。
キャラクター達もなかなか立っている。侍従長サンホはラアンに一番近い同行者で若いがかなり頭の切れる男で性格温厚。ラアンと同郷でラアンが神王の転生者として発見される以前から幼馴染。
6神官の一人、長い髪を振り乱す若い男で宮中儀礼の総監担当なのに気難しい上に口が悪くて奇行も目立つウンス。サンホとウンスは所謂悪友らしい。
サンホとウンスその他の6神官も含めたこの国の権力者たちは思惑は色々だが、この神王制度にはかなりクール、危機感は共通のようだ。
2巻では、行脚を続けるラアンが出身地の村に入ると、若い男達に襲われる。理由はやはり土地が寒くなって収穫が落ちている不満からだった。これも結果としてイノクが攻撃の最初の一撃を防いだ。
※作者の描写技術はソフトな線で、脇役は釣り目でまだ韓国漫画の類型だが、ほほ問題ない水準だろう。今後の展開は、民には「神としての王」に対し国土の寒冷化の不満が広まりつつある、この国の王制の運命は?、イノクと王の関係は?というところか。架空世界の時代劇といっても通常の中華圏風宮廷ものとはかなり違うのでやや地味だがユニークさが興味深い。

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2018年11月 4日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181104)

Kimuchi3「미스터 김치(ミスター・キムチ)」3巻。※全3巻完結。原作:채정택(チェ・チョンテク)。作画:김의정(キム・ウィジョン)。(거북이북스=亀ブックス=ゴブギブックス)発行。コミックス1巻2巻から実に丸5年ぶりの第3巻。しかし韓国の出版社と作者にしてみれば、こうして日本の一読者が、覚えていてずっと新刊を待っていたとは想像もできないだろう。
残念なことは、ここまで、3巻の刊行を引っ張ったことについて、本の何処にも、出版社のサイトにも誰からの言い訳もないことだ。一体この5年間、何があったのだ?
とにかく、ドラマは、韓日米の主役のお三方がようやく顔を合わせて、物語は終息に向かった。今更その感想、物語を一々、書き出すのも野暮ってものだろう。
今は、完結篇刊行を喜び、作者の今後の新作と活躍を祈念する。

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アニメ感想: #宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち #yamato2202 #第六章回生篇

本日、配偶者と新宿ピカデリーで観てきた。毎度最初に思うことは、原作クレジットに「松本零士」「豊田有恒」両氏の名前がないのは寂しい。色々あったことはリアルタイムのニュースと後のノンフィクションで知っているが、西崎義展が亡くなって随分経つし、そこを何とかしてもらえないだろうか。
内容は、ドラマもビジュアルも何より声優の演技陣は、主役から脇役まで最高水準。前は加藤に持ち掛けられた悪魔の取引に、この齢になると胸が痛くなるほど共感して涙をそそられたが、今回も次から次へと繰り出されるアイディアのアクロバットの数々に飽きさせない。「試される愛」「時間断層工場に始まる戦争風刺の痛切さ」「G計画のおぞましさと女性キャラの必然性」「サーベラーとガトランティスの究極的な関係の設定」「シンギュラリティに対する人間的な回答」「波動レンズという飛び切り超絶的なSFアイディアのアクション」「今度は斉藤の背負った業の発覚」etc.
エンディングクレジットに「石塚運昇」さんへの謝意があってジーンときた。

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2018年10月29日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181029)

Simuchon10「심청(「沈清」=シムチョン)」第10巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。9巻の記事はこちら
9巻を受けて、龍神と人間の織り成す複雑な愛憎と復讐のドラマの謎に、シムチョンが巻き込まれ立ち向かう。
イアンが目覚めたが、意識をヘユンに乗っ取られずに頭の中でヘユンと対話することが可能になっていた。
東海龍王の判断では、ソルが宮中を侵犯している今、「門の鍵である王」とシムチョンがこちらにあるのは幸運。
イアンはこの状況に疲れ、シムチョンに一緒に逃げようと訴えるが、シムチョンは一緒に戦ってくれと願うのだった。
東海龍王は、シムチョンに謎解きを始めた。
シムチョンが蓮の花の船で訪れた「現代」はソルが「時間の欠片」で作り出した舞台で、かといって全くの幻ではなく、財閥の長男は、朝鮮国王であり、執事である女性は、宮中の侍女だった。
ソルの目的は、海と陸、人間と神の力の均衡を崩すために、龍神の力を封じて宮中に隠された「香炉」を破壊することだという。
龍族の男は如意珠の力を体現し、女は如意珠の力で、各自の異なる能力を発現させる。
さらにシムチョンには「北海龍王」の娘、「ヘファ」の魂が転生しているというのだ。そして堕落の花の根源はこの北海龍王の如意珠であり、これを砕けるのシムチョンだけ。そうなれば堕落の花の力を消滅できる。だが如意珠を砕けば北海龍王の死を意味する、故にヘファはこれをできず北海龍王は堕落の花に憑りつかれたままでいる。
シアはシムチョンとイアンを北海龍王の元へ送り込む。
一方ソルは、「香炉」を守る「水鏡」の場所を見つけ、これを破壊した、だがシムチョンは同時にヘファの悲しみを幻視しつつも北海龍王の黒く染まった如意珠を入手した。
シムチョンは東海龍王から受けた西海龍王の如意珠の欠片の力で、北海龍王の如意珠を「浄化」した。この浄化の力こそシムチョンがヘファの転生である証であるという。
次は、宮中の「香炉」をソルから守ること。シムチョンは遂に王に謁見する。
ソルは、シムチョンと王の初夜に、王より先にシムチョンの元にイアン=ヘユンを差し向ける。そこにはあの侍女が現れる。彼女の正体はソルの妹であり、その力でイアン=ヘユンの中の半神半人の如意珠とシムチョンの額に埋め込まれていた東海龍王の如意珠の欠片を取り出したのだ。さらにソルはその二つを融合させて一つの如意珠を作り出した。この如意珠の力で、イアン=ヘユンを操り、「香炉」の場所へ導かせ、封印を解く「門の鍵」にしようとした。
しかしこの瞬間を待っていた東海龍王はシムチョンとイアン=ヘユンを空間跳躍させた。
※ややこしいけれども、ソルにわざと如意珠をくれてやる代わりにイアン=ヘユンを奪取する、スリリングな攻防が展開している訳だ。
シアはシムチョンに国王の堕落の花を浄化させることを命じた。
シムチョンはこれに成功するが、目覚めた国王は、西海龍王そっくりで、東海龍王から見れば「龍神として目覚めた王は、宮廷を守るために立つ。ソル、お前は先ず自分の息子と争わねばならぬ」。ソルはこれに対抗するために、上述した如意珠の力を利用して、一面に大雷雨を轟かせ、宮廷人を殺害する。ソルから見れば、「龍王の如意珠の力で起こした豪雨は龍王が生きている限り止めることは出来ぬ。しかし龍神として目覚めた時から良い記憶がない宮廷を国王が守ると思うか。シムチョン、お前は怪物を目覚めさせたのだ」と。
この混乱に乗じ西海龍王の侍女がソルの腕から指輪の形にした「時間の欠片」を奪取した。これでソルは時空跳躍ができない。
この「時間の欠片」はシムチョンの元に跳んできた。
ソルの前に現れた国王はソルに「雨を止めよ」と。ソルの妹は言う「雨を止めるためには如意珠を破壊せねばなりません。しかし半分といえど東海龍王の如意珠は東海龍王が生きている限り破壊することはできません。しかし、殺すことも容易くはありません」
※さて、極めてややこしくなったので私自身がストーリーを整理するためにずらずら書き記したが本当にややこしい(笑)。雨の原因となっている龍の如意珠は、イアン=ヘユンの半神半人の如意珠と、東海龍王の如意珠の欠片を合わせたもの、ソルにしてみれば、人間の国が水没し、自分の子供二人と東海龍王が殺し合い、全て滅してしまえという運命全てに対する復讐か?。時間の欠片を入手したシムチョンに策はあるか?。匿われたイアン=ヘユンの運命は?。

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2018年10月13日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181013)

Concours10「더 콩쿠르 the concours (ザ・コンクール)」10巻。정설화(チョン・ソルファ)作。ソウル文化社。9巻の記事はこちら
フランス仕込みの新鋭の韓国青春漫画。
仕切り直しコンクールのオーケストラとの共演を前に主人公の高校生안호경(アン・ホギョン)の親友にしてコンクールのライバル、성의주(ソン・ウィジュ)は腕のあちこちに痛み止めの注射を医師にしてもらっていた。一見表情変化のないクールな母親は、このコンクールにこだわる息子の真意をつかみかねていた。
そしてコンクール、オーケストラとの共演が始まった。天才肌のバイオリニスト達が各人各様の表情を見せる。
コンクールを辞退したダンカン・オーヘイは、正式にプロデューサーとして進行管理活動をする。
先ず天才少年ベン・クレイは経験したことのないプレッシャーに敗れた。対照的にホギョンは、直前までの緊張が、いよいよ本番となると、スタジオ練習の代わりに利用したトンネル内の練習を想起してオーケストラと夢中で共演し天才性を発揮する。この試験はホールに観客を入れて公開されたが、ホギョンの父母兄姉達も招待された。何の専門教育を受けたこともないホギョンの見たこともない晴れ姿に、父母は涙し、読者のこちらももらい泣きだ。
次の米国女性ドナ・レボはロックでもやりそうな挑発的な衣装で現れる。同時にウィジュは控室に入るが、さらにその一方で、ホギョンに、辞退したリサ・ノビアの関係者だったバイオリンのコレクターが接触、バイオリンの製作者を確認したいだけだといって、立ち話でホギョンのバイオリン(バイオリン工房のイ・ヒャンギから借りている)の記名をチラ見して「わかった」と言って立ち去った。これも何かの伏線だろうが、コンクールはまだ続く。

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2018年10月 8日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181008)

Lady_sherlock1「レディ・シャーロック(Lady Sherlock = 레이디 셜록)」第1巻。김달(キム・タル)作。Lezhin Comics。レジンエンターテインメント社。第1巻のサブタイトルは「선홍빛 연구(鮮紅色の研究)」。
日本では主に「緋色の研究」として訳題されている作品を脚色したシャーロック・ホームズのパスティーシュ、ウェブトゥーン版(※Webtoon 韓国独特のインターネット漫画の表現形式)最新作、といったところか。
この作者、これまでも主役に女性を設定した東洋史漫画を発表しているらしい(※私は未読)。そういう点では文化的性差を挑発的に風刺する作風が持ち味のようだ。
本作では、タッチは極めて簡潔ですっとぼけているが、ホームズのみならず、レストレイド刑事、犯人も女性にして、基本はユーモラスだが、事件の因縁話は男女のシリアスなメロドラマを展開しながらも押しつけがましくないエンターテインメントに仕上がっている。
※本筋とは別に興味深いのは、時々、男性キャラ、例えばワトソン博士でもシリアスシーン、あえて例えるなら歌舞伎の「見得切り」のような、そのキャラの見せ場では、突然女性キャラに転換して描いて見せる、という表現手法をしている所だ。
※第2巻は「四つの署名」が予告されている。
※本書は初版限定で表紙カバーが2種類重なって発売された。
※このWebtoonサイト「レジンコミックス」日本向け展開も積極的なようで
https://www.lezhin.com/ko(韓国サイト)

https://www.lezhin.com/ja(日本向けサイト)があるので、日本でも詳しい人には周知のことかもしれない。(私は、インターネット漫画については無知)

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2018年10月 4日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20181004)

Rure31「RURE(루어)」31巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。30巻の記事はこちら
31巻の帯も30巻に続き「パイル内戦」篇。
※この作品。設定解説、ナレーションが実にうまい、名調子。性懲りもなく私は全部拙訳して声に出して読みたいくらいだ。
全巻の、タマル王子との密約の帰路、商人チャキにシン・ミルは語る「力に目覚めると、もっと力が欲しくなるのだ」チャキは一時ミルから禍々しい気を幻視した。
一方、완・위라이(ワン・ウィライ)の神殿では、青い月の一族、ルークが自分の前世に覚醒し始めた。それは一族の伝説の始祖エクル(에클)。そして彼は大神女の正体にも何か気づいたようだ。
そんなルークの苦悩を知ってか知らずか大神女シン・ミョンファは、ヤノクに自分が直に見知った青い月の一族とルディムナの因縁を語り始める。
『青い月の一族は千年を越えてこのルディムナに生きてきても、ここはお前達の故郷ではない。(中略)千年前大災厄の時に現れた青い月。そこがそなた達の故郷だ。翅族は単純に次元を跳ぶものではなかった。次元を跳びそなた達の故郷の星をルディムナの空に引いてきたのだ。その余波でそなたの先祖達はルディムナに堕ちてきたのだ。両族の世界がともに滅亡する危機だった。ルディムナは生き残った。だが青い月は違った。そこは本当に何もなかった。』
ルキアである、ヨークナーを食ってしまい、従者二人とともに砂漠の飛行生物ルマーニャに乗って旅をしているハルのところには次々、ルキアが、自分を食え、とやってくる、それが使命だと、だがハルは、その代わりに、ルキアのルアーの力を解き放ち、自由になって自分の運命を考えろ、と突き放す。そうしたら今度は、ハルが自分を解放してくれるという噂がルキアに広まって、またルキアがやってくる。
そんな時に、以前に幻視した「空虚」が現れた。私がこうして出てこれるということは、お前が私を呼んでいるのだ。神力は消えない、交換されるだけだ。お前が精霊の力を解けば、解いた神力を、大精霊を食えば、その神力をお前は吸収している。神としてのお前は子供と同じ、ルキアは異類食だ。食べて少しずつ成長すべきところをお前は飛び越えてしまっている。苦悩するハル。
だが遂にハルは決意する『私は人だ。私が望むものは全て人の中にある。地上に行く』
そしてパイル内戦、タマル王子自ら率いる反乱軍が王宮に迫り、神殿のシン・ミルは密約通り、城門を開き、火を放つ命を下すが、王の軍が神殿に反逆者逮捕に現れた、情報が漏れていたらしい、ミルらは、神殿地下の秘密の迷路を通って脱出に成功したが、子供は何者かに拉致された。
ここで、ミルとミュールゲン国王の子供二人を拉致した張本人が現れた。北の大国ワン・ウィライの王女아수스(アスズ)姫。
※この姫はコミックス21巻に登場し、22巻では名のみ兄王子や妹姫の話題に出ていた。パイル王国にはミュールゲン王の婚約者として、神殿のトップである王国の司祭「渓谷のルキア」シン・ミルと対立中、この謀略自体は、ミュールゲン現国王の子であり、黒い翅族でもある人質をとることでワン・ウィライが、パイル国を牽制し、将来の征服が狙いであることは、22巻の話題を読者が記憶していれば推定できるように描かれている。さらに、以前に描かれたワン・ウィライの貴族の成人式、人身供儀で黒い翅は大神女によって切り落とされる筈なのに、アスズ姫は、ミルの子(繰り返すが背中に黒い翅が生えている)に自分の黒い翅を広げて見せて、打ち解けさせた。姫が言うには『一度切り落とした翅をまたつけた』と。これも今後の伏線か。
最後はチャキ。国王軍の捕縛を逃れたところにハルが現れた。『久し振りね。チャキ』

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2018年9月28日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180928)

Yoruwokakerusonbi20「밤을 걷는 선비」(夜を駆けるソンビ)」20巻(ソウル文化社)。完結。原作조주희(チョ・ジュイ)。作画担当は한승희(ハン・スンヒ)。19巻の記事はこちら
※先ず毎度同じ、しかしこれが最後のお断わりですが、邦題は「夜を歩く士(ソンビ)」が通用していますが、私のこだわりで「駆ける」で最後まで通します。
※これまたいつもの、そして最後の前口上ですが、ゾンビではない、日本では士大夫ともいう、在野の地主で教養人、人格者でもあり、名士とか名家の旦那をさす。

決戦の日食は続く。ヤンソンは生きていた。キィが常用していた薬に予め毒を盛っていたらしい。ヤンソンが噛まれる直前に、キィは血を吐いた。決戦時には全身に毒が回っていた。決戦に、美女スウヒャンもソンヨルに加勢する。最後に老王に一矢報いようと飛び掛かったキィだったが、自分に良くしてくれた亡き王子に変身し、歴代の王達を幻視して、老王の胸に抱かれようとして、太陽光に焼かれ消滅してしまう。
一方、ソンヨルは、ヤンソンを始めとして、皆が布を被せて助かった。
決戦は終わり、日食は明け、ヤンソンとソンヨルは山に籠って暮らし、王子は王に即位。以前から出てる虎狩人か護衛兵か隠密かよく分からない人は、あくまで宮廷に雇われた狩人だった。数年後に、宮廷を出た狩人が山にヤンソンを訪ねると、ソンヨルとの間に男子を成していた。ソンヨルは日中は山中を放浪し、夜になると館に帰ってくる生活をしていた。
さらに時を経り、ヤンソンが亡くなると、ソンヨルは、やはり不死のスウヒャンに息子を頼むと文を送って山に姿を消した。
スウヒャンは青年となったソンヨルとヤンソンの息子の前に現れ、人間の世界に彼を誘うのだった。
※原作者チョ・ジュイの後書き漫画は、これまでの紙漫画からウェブ誌への掲載媒体の激動など時代の変化を振り返り、最後の謝辞を描いて本当に完結。
※また一つ長期連載の純情漫画が終わった。美しく妖艶な絵と壮絶なバンパイアアクション、娯楽性たっぷりのドラマ展開。何も不満はなかった。面白かった。

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2018年9月19日 (水)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180919)

Lovelyugly2「러블리 어글리(Lovely Ugly)」2巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。1巻の記事はここ
1巻の記事で書き忘れたこととして、ドラマの主な舞台は、大学生達のシェアハウス。2巻ではこのシェアハウスのオーナーも登場。シ・ソンジュンさん33歳。どうやらハウスの一階で学生相手のカフェも営業しているらしい。
やはり1巻の記事では「圧倒的な情報量」とあいまいな形容をしたが、2巻ではさらに、ヒロインのイ・ルナ自らのセリフで、さらに具体的な解説(?)が語られた。ルナがなぜカップルマネージャーとなれるのか。なんと、小学生の頃から彼女の眼には、カップルと成り得る男女を見ると二人の関係が文字通り「人物相関図」として今後の関係の矢印、人物の性格や関係を指す単語が目に見えるのだ。ドラマの解説サイトなどに掲載されるあの相関図そのものだ。何という人を食った設定(笑)。※今時のSFなら情報分析映像とか色々理屈付けするところだがそういうもっともらしい?設定は一切なし。
だが、今回ばかりは、シ・ナモン先輩(男)とジュ・エリ先輩(女)の間に人物相関図が見えず、イ・ルナ自身とシ・ナモンとの間に人物相関図が見えてしまった。さらにジュ・エリと幼馴染のマ・ルハンの間にも人物相関図が見えてしまう(こちらは現段階ではマ・ルハンからジュ・エリへの一方的な片想いのようだが)。
この状況にイ・ルナが早々とカップル・マネージャー役を諦め、親友コ・チヨンの積極的な押しもあってジュ・エルとシ・ナモンに、ルナ自身のナモンへの気持ちを告白。だがジュ・エルは既に二人の視線や表情で気が付いていて、サバサバとしたものだった。
だがその一方で、ルナとナモンの相関図にはなぜかルナには「Lovely」ナモンには「Ugly」という形容が現れた。この「Ugly」と何か?というところで続く。

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2018年9月16日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180916 )

Sori2「대답하세요!  프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」2巻。임주연(イム・チュヨン)。大元CI。一巻の記事はこちら
一巻の記事で書いたことを再記するが「展開を読んでいくと、同性愛であることに関するタブー、白眼視ネタは皆無。つまり、LGBTはすでに浸透して、マイノリティ意識はない、その意味で理想の世界なのだ。」さらに感想の締めとして
「※読者としての私は、果たしてこれは性的マイノリティの現実に対するアンチテーゼ、理想社会を追求していくのか、あくまで二人のBLに収束するのか、政治的スリラーとのバランスをどう描くか、この作品は見掛け以上に挑発的な注目作かもしれないと期待している。」
と書いておいたが、2巻分では、仕掛け人、ヘレン前首相は、健康診断と称して?さっさと入院。そしてベンジャミン・ノエル新首相は、女王陛下に謁見。この女王も就任したばかりで若かった(笑)。でもってノエルと二人でVサインで自撮り。
※ここに小さく、さりげなくVサインで写真撮らせた政治家の始まりは、かのチャーチル英国首相だった、と蘊蓄が入った。
ここから先は、ノエル達の行動を通じて、英国議会に関する蘊蓄が続いているといってよい。※日本ではほとんど報じられる機会のない、おそらく英国マニアしか知らない政治慣習が描かれていて、これはこれで結構面白いのだ。
ストーリーとしては、昼間は、トーマス・カーディナル労働党党首との議会内での緊張感あふれる丁々発止の政治の駆け引き、夜は首相官邸内ので二人のイチャイチャ。間にはトーマスがマスコミの前を堂々とノエルが待つ官邸に表玄関から入っていく場面もあり。
二人の各々のスタッフ、閣僚、なんとか補佐官、探りを入れる政治記者等も次々登場、老若男女、黒人もいる。
※つまり理想的な民主主義的展開、二人の「敵」となるような組織、差別的な人物は全然見つけられない。
しかし遂に最後に事件勃発。ノエルではなく、ヘレンが入院している病室が爆発。この病院前に見舞いに来ていたノエルが秘書の制止も聞かずに、院内に飛び込んで行ってしまった、ノエルの安否やいかに?そして、ヘレンの秘書であり、現共和党補佐官の一人ベアトリスのスマホにはメッセージが届く「あなたがこれを聞いているということはあなただけは無事だったということね。英国を頼むわ」

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2018年8月20日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180820)

Harukun5「하루꾼」5巻。鶴山文化社。보민(ポミン)作。4巻の記事はこちら。 人間の不幸の時間を食べる存在「ハルックン イヴ」とさらにその不幸から増殖した?ハルックン達を狂言廻しとした、人々の様々な不幸を描く連作。※私はこの「ハルックン」をどう訳すべきかわからないまま、遂に「第一部完結。ご愛読ありがとうございました」が表記されてしまった。
今回収録エピソードは、最後のオールカラーの短編は、ある野球少年の最後の一球に対する選択を描いた小品。プレ最終回のほぼ一冊を占めるエピソードは、文字通り不幸を描く、一口で言えば「資本主義の寓話」とでもいうところか。
貧しい港町にやってきた帆船は、多くの金銀財宝を積んできで、その財貨で村で交易、というより、町でほぼ一方的な買い物をして、村を潤した。
物語の中心は、その船の乗船者として姿を見せる二人と、その港町で裁縫職人の少女と細工物を彫る職人の少年。
だが、外部から戦争の影が忍び寄り、国の為政者の無能が噂され、少年にはこの町を出て贋金作りの誘いがかかる。
この船の二人の正体がハルックンだったようで、船から突然、金銀財宝が消えてしまう。町の人々が二人をいくら責めても、二人を庇った少年と少女にも何も答えず、戦火が突然町を襲い、船も砂上の楼閣のごとく消え失せた。だが少年と少女は、むしろ晴れ晴れとした表情でまた日々を生きる決意をする。
※輪郭線をあいまいに見せる描き方、登場人物名を全てアルファベット一文字にするなど、実験的な作風と寓話的な展開で貫いた。これらが成功していたかは疑問だが、次回作も期待させるには十分だった。

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2018年8月18日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180818)

Tigau2「이건 좀 아닌것 같아 !」2巻。한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。全編カラー。1巻の記事はこちら
一応、1巻と同じ前振りを書いておくと、24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。
ヒョンビンの相棒となったのは、祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。
そして、新たなエピソードは、画家の義父と実母に精神的に追い詰められ、頼りの兄は家を出て行ってしまっている少女をヒョンビンとヨジュンが救い出す、と要約すれば日本の漫画でもあるようなパターンで分かりやすいのだが、設定がひとひねりしてあって、この少女はやはり「人間の不幸な人生の記憶を食うために「ウル」が作り出した人形」だったというのだ。
ここで、ヒョンビンは自分の力の一部を少女に与えて、人間として生き続けられるようにした。少女に今後の、文字通り人生を生き直すことを促したのだ。
今巻では、ヒョンビンの体質に気付いているが「ウル」かどうか彼の目的もまだ不明な青年、チョンスの出番は、ほとんどなかったが、ヒョンビンに力を奪われた上で見逃されたウルを見つけて食べた(吸収した?)。
まだ、ユニークな設定描写とリアルな人生描写の話運びが物足りないような気がするが、韓国の漫画は日本のそれに比べて「つかみ」に一気に入らないので、今後に注目・期待したい。

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2018年8月16日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180816)

Simuchon9「심청(「沈清」=シムチョン)」第9巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。8巻の記事はこちら
龍神と人間の織り成す複雑な愛憎と復讐のドラマの謎を、シムチョンが解き明かしていく展開と要約してもよさそうだ。
西海龍王がソルの前に現れた。かつて愛し合った二人だが、西海龍王は、定めに従い、ソルは抗った。復讐の為にソルは西海龍王に堕落の花の種を植え付けた。そして現在の朝鮮国王も、ヘユン=イアンも父親は西海龍王だという。
そしてソルは、国王には堕落の花の種を植え付け、もう一人の息子の魂を二人に分離した、それがヘユン=イアンだということらしい。
堕落の花の種を育てるのは、これもソルが西海龍王から受けた「時間のかけら」と呼ばれるもので作った指輪の力であり、復讐の完成のために国王と王妃の初夜の時に、龍王の真の力の源「如意珠」という玉を使って、国王とヘユン=イアンを入れ替えるというのだ。
西海龍王は、ソルから「時間のかけら」を取り返し、ソルからこれ以上の力を封じ、さらにソルに「如意珠」を奪われる前にシムチョンの前に現れ、自身の心臓から「如意珠」をシムチョンにつかみ取らせた。
西海龍王はシムチョンに「私の二人の息子を守ってくれ」と懇願した。
シムチョンは、やはり東海龍王の娘であり、宮廷の巫女シアに「如意珠」を渡したが、シアについて「海と陸の均衡を図るのが己の務めでありこれを妨害するものは敵だと明言するシアに、全てを明かしてしまうと、ヘユン=イアンは敵となり排除されかねない。これは西海龍王の頼みに反する」とヘユン=イアンの真実は明かさない。
シムチョンはシアに
「今の国王は己が半神半人であることに覚醒していない、堕落の花の所為だ。これではソルに対抗できない。しかし「如意珠」はソルに絶対必要なものだ、これを確実に守らねばなりません」とのみ訴える。
するとそこに東海龍王本人が現れ「私が預かり、国王と直接会おう」と宣言した。
※「如意珠」については、龍が咥えた宝玉として、調べるといろいろな神話、説話が出てくるようだ。なじみのない私が知ったかぶりするのはやめておこう。

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2018年6月30日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180630)

Mumyouki9無明記(무명기)」第9巻。윤지운(ユン・チウン)作。大元CI。8巻の記事はこちら。절 (=チョル=絶)先生と呼ばれる医師。身の回りの世話をしている侍女は풍원(プンウォン)漢字は、風園または豊園。先生の昔馴染らしい男、無盡(ムジン) 三人を中心とした中華圏時代劇奇談集。
チョル先生とムジンの回想記が続く。中央アジアと思しき地で戦が始まり、ムジンは頭角を現しつつある若い武将、チョル先生も軍医として同行し、戦に明け暮れ、野営地での兵士の治療に血生臭い、張り詰めた日々を生き抜いている。
※セリフがかなり難しくて、実際の歴史に基づいた描写か、全くのフィクションか私の読解力ではわからない。
そんな野営地のゲルの中で治療を受けて過ごす夜という舞台で、チョル先生を相手にさらにムジンの回想が始まった。今度はムジンの生まれる前、ムジンの両親の若き日のエピソードが始まり、ムジン兄弟の少年時代のエピソードが続く。ムジンの父も母も才知に長けた人物だったが、それ故に生き方が激しく対立、不仲になっていった。その状況を目の当たりにしながら成長していく兄弟は、孤立した母が合法的に家を出て、故郷へ帰還させてやれる手段を講じる為に立身出世を求め、文武に励んでいく。
※この辺りの各キャラのセリフがかなり(私には)難しく、正確な把握がまだできていない。
※今巻の作者の後書き漫画は、取材中に知った、中央アジアでの中世の戦時、飢餓を防ぐ方法として兵馬の血を抜いて飲み、あるいは遊牧民の羊の臓物を生で食って栄養を補完したという歴史を若干引き気味に紹介している。あるいはモンゴル馬は体が小さくて足が太くてあまりかっこよくないという印象を描いている。

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2018年6月17日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180617)

Nabi24「Nabi」24巻。김연주(キム・ヨンジュ)。大元CI。23巻の記事はこちら。長い連載が遂に完結。私が韓国純情漫画のファンタジージャンルの最高峰に位置付けている、「脱世俗」「超然たる少女世界」そんなフレーズが似合う?シンプルで抽象から日常的コミカルまで、研ぎ澄まされたタッチのキム・ヨンジュの世界を堪能した。
ハリムと、眠り続けるソン・ソリュウの元へ、ホン・ハヨン=ミョウウンとリュウサンが訪ねてきた。ハヨン=ミョウウンがソリュウの願いをかなえるために、とはいってもミョウウンにしてもどうすればいいのかよく分からないようだ。そしてしばらく山中の庵で4人で暮らすのだが、その間にも、朝目覚めると、世界が少しずつ変化している、ことが繰り返されている。
そして遂に、ソリュウが目覚めると、そこにはミョウウン、リュウサン、ハリムもいるが逃亡してきた山中ではない。またソリュウは眠り、また目覚める。4人はそれぞれの場所で暮らしているが、世界は平和で穏やかな日々へと変化していく。
ソリュウの独白「私にとって予知は旅なのだ」(長いエピローグとモノローグが続く)今度はミョウウンが「ソリュウ、私はあなたを探し続ける。(中略)私とあなたが出会う世界へ」
※ソリュウは長い苦悶の果てに、世界を変えるとか救うとかいう意識とは別次元の境地へと悟りを開いた、といったところか。ミョウウンの存在は、ソリュウにとっての絶対的な他者、ハナ、ハリム、リュウサンは・・・とまあ解釈は色々、可能だろうが今は余韻に浸ろう。
まだ「フェルア物語」は連載中だし、キム・ヨンジュは今後もまだまだ傑作、佳作をものしていくだろう。

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2018年6月 9日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180609)

Yoruwokakerusonbi19「밤을 걷는 선비」(夜を駆けるソンビ)」19巻(ソウル文化社)。原作조주희(チョ・ジュイ)。作画担当は한승희(ハン・スンヒ)。18巻の記事はこちら
※先ず相も変わらず、のお断わりですが(これも今回と次巻を残すのみのようだ)邦題は「夜を歩く士(ソンビ)」が通用していますが、私のこだわりで「駆ける」で最後まで通します。これまたいつもの前口上ですが、ゾンビではない、日本では士大夫ともいう、在野の地主で教養人、人格者でもあり、名士とか名家の旦那をさす。
決戦前日の夜、バンパイアのソンビ、キム・ソンヨルとヒロイン、ヤンソンは一夜を共にし、決選当日の朝を迎えた。
バンパイアとなった妓女、スウヒャンも明らかに死に装束の白衣で、ヤンソンと別れたソンヨルの前に現れた。※このスウヒャンの美しさ、作画のハン・スンヒの妖艶なタッチが哀しいまでに「女」であることが表現されている。
ソンヨルと別れたヤンソンは、行幸の名目で移動中の王族の行列に出くわし、王子を護送中の、以前から出てる虎狩人か護衛兵か隠密かよく分からない人につかまり、王子と一緒に無理やり清国に向かわされそうになるのだが、王子とヤンソンの説得に折れて三人で宮廷に引き返す。だが、ヤンソンは自分にやることはまだ残っていると、単身、宮廷地下室に通じるパンパイア、キィの隠れ家に向かう。そこでキィと対面する、ヤンソンに襲い掛かるキィ・・・。
そして地上に場面は移り、日食開始と共に、遂にキィが現れ、宮廷武官達の凄絶な決戦が始まった。
一方、スウヒャンはソンヨルに告げる「ヤンソンは、宮廷にいます」。
キィに襲い掛かるソンヨル、二人の対決が始まった。※ヤンソンはどうなったのか、キィは「俺が殺した。お前(ソンヨル)を本当の妖怪にするために」と嘯いているが、不明。
※原作者チョ・ジュイの後書き漫画は、ストーリーは基本、九尾の狐の話(※さらに注。韓国では妖怪の代名詞といえば九尾の狐、お化けといえばトッケビの話が圧倒的に多い)であり、そこに様々なジャンルの要素を組み込んでいったことを「残すところあと一巻です」と興奮しながら面白おかしく描いている(笑)。

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2018年6月 2日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180602)

Aoiglass6「푸른 유리(青い瑠璃)」第6巻。오지혜(オ・チヘ)。ソウル文化社。5巻の記事はこちら
前巻で白い肌の謎の少年ミルと分かれ分かれとなった古代の楽浪の姫ソル(솔)=今の仮名は瑠璃=と靺鞨のジャマルタは大雨に逃亡を阻まれ、失意のまま隠れ続ける。楽浪の第三皇子に取り入ってソルや第一皇子の始末をつけると請け負ったチョンとその同族で旧知の関係だった村の有料者も大雨でミルやソル、ジャマルタの捜索は足止め。
しかし吊り橋から転落したミルは、重傷を負いながらも生きていた。
どこかの国の皇子(高句麗か?)謎の男ホンムンと、手練れの間者達がいかなる思惑あってかミルを助け匿っていたのだ。
一方、靺鞨のジャマルタは、元の仲間達に発見された。命令違反で処罰されようとするのを身を挺して庇うソル。二人に冷酷な言葉を浴びせながらも追手から匿う隊長と、気のいい仲間達と二人は同行することになる。
ホンムンとその部下の思惑は一枚岩ではなく、何かトラウマを抱えていてフラッシュバックするホンムンに対し、ミルの存在は後顧の憂いとなる、と警告する部下。一体彼らとミルにはどんな因縁があるのか、まだ読者には不明。そして部下はホンマンに無断でミルを解放する。
しかしミルは自ら村に戻り人に私刑されるのを望むかのように呪詛のハッタリをかます。それでも及び腰となる村人。己の存在に絶望しかかるミルだが、以前から登場してミルに助けられ、彼を慕う孤児が、彼を励ます。
※ミルとソルが分かれたことでストーリーも本格的に枝分かれ、多視点ドラマ化したようだ。未知の過酷な古代史の世界に生きる彼らの運命やいかに?、とこれからの展開が楽しみだ。

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2018年5月31日 (木)

本感想:#ドリーム・プロジェクト #濱野京子・作。#やぼみ・装画・挿絵。(PHP)

Dreamprojectやはり私にとって濱野京子とは共感の作家だ。一目でわかった、クラウドファンディングだな、と。わたしもここ数年、企画の経験はないが、常に何か企画に投資、応援し続けている。身の回りを、購入品、リターンがいくつか取り囲んでいる。
※ここで変則的なレビューだが本を読む前に私のクラウドファンディング体験の感想を記しておく。まず応援は投資とは限らない。私の経験では、私が金を出すことより、企画参加の呼びかけを何度もリツイートする方が、企画が達成した。私のおかげだというつもりは全くないが、そういう心掛けが大切だ。経験から、残日数僅か、低達成率でも毎日リツイートすると驚く程土壇場で大逆転、達成する。だから私の応援した企画のほとんどに私の名は残っていない。
※目標は達成し資金は集まったが結果的に結実しなかった企画もあった。でも落胆や怒り失望はなかった。企画者を責める気にもならなかった。夢に投資した、でも上手くいかなかった、それだけの話だ。
※不遜ながら企画についても意見を。企画者はサイトを出来るだけ更新すること。
※桁違いの投資規模の企画を成功させてきた人物が政治家とのコネはやはり大事だ、とコメントしていたことがあるが、これも傲岸不遜ながら「甘い」!と言っておこう。そんな心掛けでは思いがけないところで足元を救われるぞ。
さて、本の感想に戻そう。
表紙カバーを外すとさらに装画の上にクラウドファンディングの模式図を被せた、一ひねりした装幀になっていた。
上記の自分の体験と自然に比較し一喜一憂しながら読んだ。
本書を読むと従来の募金との違い、その利点がよく分かる。募金活動自体は子供でも出来るが金集めというハードルは高い、集めた現金の管理責任も重い。
クラウドファンディングは企画自体は子供でも出来る、ということが本書が児童書であることでよく分かる。一方でインターネットという口コミによる参加、応援、クレジットカード利用による資金管理が大人の仕事、管理責任であることが明確であり、かつ便利。
なんだか、解説、学習読み物みたいな印象になったが、無論、本書は小説。そこには文字通り老若男女、家族親類から、友人、コネ、赤の他人まで、個性豊かな人から無名の人まで、一つの目標の為にだが、各自必ずしも一丸にならずとも(⇒却って一丸になると大政翼賛、近視眼を招きかねない)、無理しなくても、一人一人の持ち味を活かしていけば、なんとかなるという、所謂根性ドラマとは対照的なアイデンティティの魅力が肩の力を抜いて読める。

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2018年5月20日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180520)

Ferua10「펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」10巻。김연주(キム・ヨンジュ)。鶴山文化社。9巻の記事はこちら
※初版限定特典としてイラストカード4枚が添付されていた。
※本編はいつまにかフェルアの城内に戻っていたらしい。あるいは私が例によってどこかで読み違えていたか?
親衛隊の紅一点、ジュルスの双子の兄弟、ノックスがしきりにオルテーズに粉を掛けてきているようだ。当然、オルテーズにその気はないが。
インターミッション風のエピソードは、妊娠中のアンナ夫人(確か親衛隊の誰かの奥さん、だったかな?)とジュルスと侍女を一人連れて「徒歩で」城下の書店に、本編に時々出てくる話題、人気ロマンス小説「ユディットとチギスムント」シリーズの新刊、第五巻を買いに行く話。
そして、国王夫妻御一行が冬の別宮に行く途中、フェルアに寄ることにした、というのでその接待準備の様子など。
※作者の後書き漫画は、この国王接待晩餐の余興としての、アントルメ(Entremets)に関する蘊蓄。そして「宮廷夫人たるオルテーズがよく歩いて出かけるのは馬車を描きたくない誰かの怠慢です、とかいう言い訳。これで思い出したが、以前に作者が馬車というのは調べると意外に正確に描き辛いとぼやいていた。
※今春、作者のもう一つの長期連載「Nabi(ナビ=蝶)」が完結したので、当分、いつもの形容だが、インディーズ系ともシュールとも異なるキム・ヨンジュの表現力だけに許されたのんびりムードの漫画に焦点を合わせることになりそうだ。

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2018年5月19日 (土)

漫画家は昭和の #記号表現 を本気で見直す時ではないか

性や暴力の問題よりも「貧乏」の記号表現を考えてみよう。未だにボロ服で貧乏をイメージしている人ははっきり言って多いと思うが、実際には、耐久性、デザインや品質の向上、低廉化で「服装で」貧乏は見えにくくなっている。公園のホームレスがダウンジャケットを着ているからといって、私は持ってないとクレームつけるか。身の回りの品についても(日用、専用を問わず)ちょっと前にもテレビの報道番組で話題になったように、あれを持ってる、これを持ってるから貧乏じゃないとかは、もうそういう時代じゃあないだろう。仕事に車を欠かせない人は増え、防犯性が向上した共同住宅は密閉性が高まり、クーラーの換気の有無は死活問題だ。繰り返すが昭和の貧乏表現を平成は食い尽くしてきた。偏見を打破する風刺の為にも、新しい記号表現に取り組むべきではないか。

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2018年5月17日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180517その2)

Hanagatiredo1「花が散れども」1巻。송 하(ソン・ハ)作。大元CI。「ISSUE」誌連載中。作者は、他にBLらしきインターネット漫画をウェブサイトで連載中らしいが、単行本はこれが初めてだと、表紙見返しにコメントが付いている。
架空の東洋風世界が舞台。寒い大陸のある国、オンラン(온란)。この王権神授らしき国の王は、国を温暖にしてくれるという神話を前提として成り立っている。王の呼称はラアン(라안)。オンランの年中行事として若きラアン自ら自分の足で国内を行脚する最中から物語は始まる。
幼い頃見たラアンの姿が忘れられず、近衛兵となった赤い目をした(表紙絵)異民族の少年イノク(이녹)。山道で襲われ、崖から転落したラアンを身を挺して助けた功でラアン直属の護衛に取り立てられる。ラアンが襲われたことに加え、周囲の人々の口の端から、年々、オンランが寒くなり、ラアンの神格性も薄れ始めていることがうかがえる。
※この先、イノクを目を通して王国の落日が描かれる群像劇となるのか、BLものとなるのかなど、先はまだ見えてこない。今のところ、コメディードラマ中心で、可愛いタッチで描かれている。

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#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180517)

Yonpunon1「ヨン、プンホン(연. 분홍)」サブタイトルが「花のワルツ」。이로모(イ・ロモ)作。鶴山文化社。「PARTY」誌連載中。連載はモノクロだが、この単行本は全編カラー漫画。
タイトルは、二人のバレリーナの名前。バレー教室の趣味クラスに通う15歳の少女노하(ノハ)は、ある日この美しい二人ソンウ・ヨンとフィル・プンホンに出会い、魅せられて、ずっと迷っていた一ランク上の専攻クラスに通う決心をする。今のところは、この三人と周囲の人々の物語となるようだ。このヨンとプンホン、各々複雑な家庭事情があったようだ。
物語は、さらにノハが専攻クラスの教師、やはり魅力的なユ・ミラに出会う。このミラも娘となにかあったらしい。
※他にも伏線らしきところがあるが、まだよくわからない。表紙を見ても分かるように、柔らかいタッチで、まるで色鉛筆のような淡い色彩に、日本でいうところのスポ根バレー漫画とは異なり、リアルな日常の中のドラマでのんびりとしたムードが漂っている。韓国のストーリー漫画は日本のそれほど一気に「つかみ」に入らないので、まだ先は不明だが期待作だ。

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2018年5月13日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180513)

Rure30「RURE(루어)」30巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。29巻の記事はここ
30巻の帯は「パイル内戦」篇。
※29巻は、「青い月の一族」のヤノクが、北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の大神女シン・ミョンファの夫となり、連れ戻しに来た兄ルークに「子供がいるから、帰れない」と発言しルークは、「俺も残る」と言い出した。大神女によれば、子が生まれるとルディムナの生命体と青い月の一族は一体となる、というところまでだった。
が、どうやら、青い月の一族は、ルークに、大神女に対し暗殺の密命を課したようだ。
一方、パイルではヒロイン、シン・ハルの双子の妹ミルが、肉体は眠り続けるハルの精霊の精神や、シン・ミョンファと交感することで、本来のルアーの力を目覚めさせ、肉体の視力も回復し、久し振りに登場したパイル商人チャキを通じて隠密裏に、ミュールゲン国王と内戦中のタマル王子の陣を訪れる。
ミルとの会見でタマルは、ミュールゲンも知らないパイルの王家の秘伝を語りだす。
パイルに真のルアーはいない。やってくるのを待つだけ。以下例によって(性懲りもなく)拙訳の抄訳を試みる。
『私はパイル王家の全知識と秘伝を継承した正統後継者である、28代チャ・クン(=王の称号)タマル。王家はルアーが生まれない。何故なら最初のルアー、ハベクが生きたまま封印されているから。我らはルアーが生まれても印章を受け継げず、発現できない未成熟なままで死んでいく。
だが(ハルとミルにあった時は)まだ何も知らなかった。ハルと共にルディムナを離れ(ハルとミルの故郷である)「果ての島」に行った時、印章が現れ、ルナファー(ルアーの精霊)が消滅し、ルアーの知識が一度に浮かんできた。同時に覚った、ハルがルアーでないことを。ハルがルディムナに合わない未来が怖ろしかったが、私はハルの未来が視えなかった。結局、私はハルを「果ての島」に残して離れた。
印章を受けられず統制できない力が予言として現れるのが未来視。さらに私(が視た未来)は運悪く故郷の滅亡と共にあなた(ミル)が現れた』
しかし、ミルは臆することなく、来訪目的を提起する。簒奪者ミュールゲンを排す為に、解放者タマル殿下と同盟を結ぼうと。タマルは即、受諾。
※異世界SF冒険ファンタジー大河漫画としてまた新しい政治的うねりの期待だ。作者によると表紙のキャラはタマル。

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2018年4月21日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180421)

Vampiretoshokan8「뱀파이어 도서관(=ヴァンパイア図書館 Vampire Library)」8巻。이선영(イ・ソニョン)作。鶴山文化社。7巻の記事はこちら
理事長コンラッドの秘書キムが登場した。理事長の用ではなく、キムの弟が、以前に登場したヴァンパイアハンターの組織の局員で、その弟の依頼で、ある調査をしているという。
その弟の上司セホが、主人公マノの孤児院時代の先輩だったのだが、事件の時の図書館長カベルの超能力(言霊)で図書館に関する記憶を喪失されて以降、何か精神的トラウマに悩まされているというのだ。
カベルによると彼の「忘却」の力で記憶喪失になるより前に、精神的ショックの経験があるなら、あり得るという。マノはセホが心配になり、弟に会いに行くキム秘書についていき、成り行きで弟と二人でセホを尾行することになる。
セホは、少年時代世話になった精神科医に相談に行ったのだが、相手は変装した「美食家」の3番目バロン。セホを助け、バロンと対峙することになったマノだが、マノの呼び掛けで瞬時にカベルも助けに来る。カベルとバロンのバトル開始。
※もうお馴染み?今どきのBL風オカルト・アクション・ラブコメ(笑)。
今回新たな伏線が①バロンの口を通して語られた。美食家の数字は「生まれた」順序で、皆、一番目の美食家「アイン」から「生まれた」という。この時カベルが、アインの名に激しく反応した。②マノには「美食家」の「臭い」が嗅ぎ分けられるらしいことに、図書館司書オリビアが気付いた。

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2018年4月15日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180415)

Tigau1「이건 좀 아닌것 같아 !」한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。前作が「김영자 부띠끄에 어서 오세요(キム・ヨンジャ ブティックへようこそ)」の作者の新作。リアルタッチな前作から今度は現代を舞台にしたファンタジー。
24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。
さらに、ヒョンビンに食われてしまうことが、彼らの最期にして無上の喜びらしいのだ。そうやって彼女は、これまで無数のウルを体にエネルギーとして取り込んできた。
彼女の両親も人の姿はしているが、母親がやはり上位捕食者で、ヒョンビンはその血を継ぎ、父親は、母と眷属の契約を結んで、結婚したウルで、花の類だったらしい。眷属の誓いを結ぶと、母やヒョンビンに食われないで済むらしい。眷属として他に、雀の姿をしたウルがいる。
但し、ヒョンビンは他人に見えない世界の様々な姿の存在が見えるために、その言動で他人から妙な奴と見られて、子供の頃から人付き合いに苦労してきたコンプレックスがある。
今、ヒョンビンの周囲に、人の姿の二人の男が現れた、
一人は、ヒョンビンの体質に気付いているが「ウル」かどうか彼の目的もまだ不明な青年、チョンス。
もう一人は祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。
チョンスは、ヒョンビンと出会ったヨジュンを襲った。何か因縁があるらしい。しかし衰弱したヨジュンに、ヒョンビンはエネルギーの一部を与えて救命した。この行為で、ヨジュンは、ヒョンビンの眷属となり、彼女を主人と崇めることになった。
そしてヒョンビンの前に、これまでとは異なり「お前の人間との辛い関係の記憶を食わせろ」というウルが現れ、彼女に精神的な揺さぶりをかけてきた。ここでヒョンビンの精神にヨジュンが現れて救出を図る、というところで続く。
※基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。

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2018年4月 7日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180407)

Sori1「대답하세요!  프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」1巻。임주연(イム・チュヨン)。大元CI。
ファンタジー大作「CIEL The Last Autumn Story(シエル)」や、きらびやかな魔法少女もの「Pure Crown」のイム・チュヨンの新作。
※これまで、イム・ジュヨンと表記してきたが、「イムジュヨン」は姓と名を続けて発音するときの慣習なので、表記としては改めることにする。
簡単に言うとこれは、イギリス議会政治を舞台として、政治家同士のBLもの。イム・チュヨンは同人誌ではBLも描いてきたそうだが、ここは商業誌。あくまでフィクションと但し書きは頻出するが、舞台背景は(多分)同人誌よりリアルで細かい。
保守党の新人一年生議員、ベンジャミン・ノエルは大学時代の先輩後輩、とはいえ特に親しくしたわけでもない、労働党の若き党首、トーマス・カーディナルに飲みに誘われると、いきなりデレッとしちゃって(笑)その夜の内に、彼の家でベッドを共にしてしまう。そして翌朝、トーマスと、保守党党首、ヘレン・ポッツ首相の秘密会談の取材に殺到した記者団の前に半裸の姿をさらしてしまい、一気に恋愛スキャンダルが全国に伝わる。
ここからが、真のフィクションとしての本領発揮。展開を読んでいくと、同性愛であることに関するタブー、白眼視ネタは皆無。つまり、LGBTはすでに浸透して、マイノリティ意識はない、その意味で理想の世界なのだ。
実は、この恋愛スキャンダルは、まだ政治家としての名もキャリアもないノエルを、一気に次期党首、総理へと成り上がらせるために、ヘレン首相が仕掛けたものだった。しかも、野党党首カーディナルを何らかの理由で、ノエルは今、国で一番重要でかつ身の危険が迫っている人物だ、一晩、最も確実な方法で彼を守るにはカーディナル、あなたしかいないと説得したから、目も体も離れてはいけない=いきなり寝台を共にするほかない、と仕向けたものだったのだ。同じ理由で、ヘレン首相は、保守党次期党首選挙の他の候補も説得して立候補を辞退させ、目的をさくさくと進めていく。※その理由はまだ明かされていない。
今のところ、この政治的スリラー背景と、対照的にストーリーは、世論、プレス、与野党のスタッフらのすったもんだのコメディで二人の恋愛は、スキャンダルというよりはむしろ国を挙げて歓迎、祝福ムードで展開していく。
※読者としての私は、果たしてこれは性的マイノリティの現実に対するアンチテーゼ、理想社会を追求していくのか、あくまで二人のBLに収束するのか、政治的スリラーとのバランスをどう描くか、この作品は見掛け以上に挑発的な注目作かもしれないと期待している。

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2018年3月31日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180331)

Lovelyugly1「러블리 어글리(Lovely Ugly)」1巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。「네가 있던 미래에선(君がいる未来では)」の作者の新作連載。
他人の恋の面倒を見るの得意で、カップル・マネージャー、略してカマとも呼ばれる二十歳の学生イ・ルナが、先輩の美人で有名なジュ・エリの恋を助けようとして相手の、兵役を終えて復学してきたばかりのその名も、シ・ナモンに一目惚れ、この三人に加えて、ルナの親友の女子学生コ・チヨン、カパとしてのルナの相棒幼馴染の男子マ・ルハンを巻き込んで、とくるとお約束なラブコメだが、一巻だけ見ても、過剰なまでに吹き出し(※余談だが韓国の漫画界ではこれを「言葉風船」という)が多くて、セリフの細切れのように、見た目に絵面が騒々しく、いかにもピーチクパーチクさえずっている感じ。
このセリフも、実際の韓国の若者言葉か作者の造語か分からないが、英単語、熟語をさらに省略したことまでは何とかわかる。
どうやらこれが作者の持ち味の一つらしい。前作はBL風なSFだったが、細部のSF的アイディアの解説やデータが頻出して、紙面を満たしていた。今回はそれが恋に関するセリフのやり取りの吹き出しということ。固く言えば情報量で圧倒する。
※作者の後書き漫画によるとここまでの制作中に、完全にコンピュータ原稿の執筆環境になったそうだ。

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2018年3月24日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180324)

Rure29「RURE(루어)」29巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。28巻の記事はここ
29巻の帯は「空虚」篇(=공허)。
※もはや、ヒロイン、シン・ハルが全てのドラマの背景にあるとはいえ、ダイナミックに同時多発的となり、完全に多視点ドラマと化している。
「青い月の一族」のヤノクが、北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の大神女シン・ミョンファの夫となり、連れ戻しに来た兄ルークに「子供がいるから、帰れない」発言に対してルークは、「俺も残る」と言い出した。
※ここから数ページはギャグシーンとなり、ルークが、種族の過去の記憶を有し、共感能力に卓越した青い月の一族の子育てがいかにデリケートなものか、具体的にまくし立てている。つまり超能力SFのパターン、テレパシストが心の平衡を維持するのにいかに苦労するか、という話だ。ヤノクは子育てのことは何も知らないのだ。
そうこうしているうちに、近衛兵とシン・ミョンファに包囲されたが、表面的にはミョンファは、ルークを歓迎する。そして青い月の一族とルアーの混血について、難しい解説をする。以下抄訳を拙訳で試みる。
『青い月の一族の転生術の本質は、ルディムナと交流、子孫の生成だ。その呪術を生み出したルアーの一族、ハベク(河伯)は最善を尽くした。だが、真の解決策は男ルアーではなく、女ルアーしかできない。私は過去ルアーだった。ルアーは全ての世界と調和を成す存在であり、全ての世界の調和を探す存在だ。時空を旅する力は失ったが私が生む子は、青い月の一族でもルディムナと調和を図る存在となるのだ。排斥され続けたお前の一族がついにルディムナの種族になるということだ。転生術が無くても子孫の繁殖が可能、ルディムナの生命体が青い月の一族に拒否感を持たなくなり、術師は、青い月の一族を判別できず、今のように隠れて生きなくてもいい。同時に青い月の一族の呪いである転生が消える。』
※果たしてこれは、青い月の一族にとって本当に恩恵なのか、読者にはまだ不明だ。
一方ワカでルキア、ヨークナーを食ってしまったハルは、従者二人とともに砂漠の飛行生物ルマーニャに飲み込まれる。その中でハルは三人の女を幻視する。
※ここから舞台劇の演出のような絵が展開する。以下、拙訳で抄訳。
「私は空虚の存在」「私はソネッティの子」「私はルアーの印章」
三人揃って「お前を成す根本だ。我ら三人でお前を誕生させた。誰も予想できないことだった。」
※つまり、三人が個々に望んだが、それが一人の子になって現れるとはだれも望まなかった。ハルは望まれて生まれた子ではない、というのだ。だがハルは宣言する。
「私はルアーではないし、翅族でも、空虚の存在でもない。でもルアーと翅族の力、空虚の存在を持っている。私は生きている」
そして、ハルは目覚める。すると旅の道連れだった幻獣が眠り続けて目覚めない。とりあえずやることは決まった、とルマーニャで、この幻獣を治療してくれそうな術師を巡る旅を始めた。
そして、パイルではミュールゲン国王とタマル王子の内戦だが、王子の連戦連勝。その渦中でタマルは軍師からミュールゲンが消えたという噂を聞く。
実は、ミュールゲンは消えたのではないが、城内奥深くに引きこもっている。まだ詳細は描かれないが、眠ると、シン・ミルの呪術に限られた時間だけ、精神が閉じ込められるようだ。それでかなり衰弱している。ミルの傍ではハルの幻獣の精神だけが存在していて、これがミルの呪術を増幅しているらしい。
そして今、シン・ミョンファがミルの前に姿を現した。

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2018年3月10日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180310)

Simuchon8「심청(「沈清」=シムチョン)」第8巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。7巻の記事はこちら
複雑な、海を司る龍王「達」とその娘達と人間の愛憎関係が、推理で解かれ、あるいは告白され、明らかとなって来る。
王宮内では、シムチョンは龍の鱗を大皇太后に提出して、これで王妃は決まりかと思ったら、王妃候補オ・ハヨンが、龍の鱗は自分が見つけたのをシムチョンが強奪したと訴えてきた。
シムチョンは弁明すると匿っているイアンのこともすっかり話さねばならないので、これに黙して語らず。これにより、オ・ハヨンが皇太后から真の勝者と認められ、シムチョンは幽閉されてしまう。
そのシムチョンの前に、西海龍王が現れ「ヘユン」は、イアンに憑依したのではなく、海の神々の代表東海龍王の娘、ソルが人間の魂(イアン)と神の魂(ヘユン)の二つを一つの体に作った存在だと語る。
ソルは、かつて西海龍王と愛しあったが、龍王と朝鮮王朝の盟約(東海龍王の娘=ソルと李朝国王の婚姻)を優先した西海龍王と東海龍王を憎悪し出奔した。
ここまでの展開で、龍王の娘、宮中の巫女「シア」は、ソルは「堕落の花」の種を宮中の人々に植え付けただけでなく、オ・ハヨンを「破壊の呪符」として使い、自分自身では侵入できなかった王宮の結界を弱体化、無力化しているのだと推理した。
しかし、既に結界は破られ、大皇太后とシムチョンが謎の昏睡状態に陥った。これも既に宮中に侵入可能となったソルがやったことらしい(シムチョンの方はまだ何かの伏線かもしれない)。
これに加えて、シアの姿に変身したソルは、李朝国王とオ・ハヨンの婚礼の儀場に現れ、用済みになった彼女を殺害してしまう。
眠るシムチョンは夢の中で「盟約」のいきさつを幻視する。かつて堕落の種を宿し、花を咲かせてしまった北海龍王が、海を荒らし続け、人間を不幸にしている様を見かねた、北海龍王の娘が、父を火炉に封じ込め、さらにこれを二つに分け、片方を東海龍王に、片方を李朝国王に守らせ、加えて自らが国王の妃となることで海を司る龍王と人間の王双方に力の均衡を図る盟約を定めたのだった。
そして目覚めたシムチョンに国王は、と続く。
※西海竜王はシムチョンに「お前の真の王はヘユンかイアンか」と問うた。シアはシムチョンこそ王妃となる運命の人と繰り返し説き、ソルは運命に復讐を誓う。シムチョンは私は王妃になりたいのか?真の目的はあくまで父を探し出すことだと自問自答する。主要な登場人物がシムチョンの「運命」を問い直すことで物語は収束、求心を維持しているようだ。そして振り返れば作者は本作について最初に「シムチョンに『自由』を与えたい」と抱負を記していた。運命と自由を巡る物語の今後に期待。

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2018年2月19日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180219)

Mumyouki8「無明記(무명기)」第8巻。윤지운(ユン・チウン)作。大元CI。7巻の記事はこちら
절 (=チョル=絶)先生と呼ばれる医師。身の回りの世話をしている侍女は풍원(プンウォン)漢字は、風園または豊園。先生の昔馴染らしい男、無盡(ムジン) 三人を中心とした中華圏時代劇奇談集。
7巻の続きというよりは、前段を受けて、チョル先生とムジンの因縁の回想モードに入った。異界、この作品で言うところの「虚」の世界で母を失ったチョルが、虚と実の世界を行来する老医師の弟子となり、医術を学び、彼に付いて俗世にいき、老師亡き後もこちらで暮らすようになり、山中で偶然、戦で辺境地帯に逃れた、本来かなりの高位の武将(王?)らしき人物配下の若き武官だったムジンと知り合って、その医術を見込まれたのと初めて飲んだ酒に酔って睡眠中に狐になってしまったのを見られてしまい、好奇心をそそられた所為で、強引に軍医として引き入れられてしまった。そして軍内部で馬や武術を訓練される日々が始まり、また戦が、というところでさらに続く。長い回想篇の真っ只中となった。
※残念ながら、この件、歴史との絡み具合が無学な私にはまたしても全く不明。ムジンの主人は、この地域の異民族の実力者と同盟を結ぼうと画策中らしい。

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2018年2月10日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180210)

Kondanbetukyoku8「혼담별곡(=婚談別曲)」8巻。完結。조민영(チョ・ミニョン)作。鶴山文化社(학산문화사)。前巻の記事はこちら
毎度の前口上=結婚仲介業が普及しているというユニークな設定をした時代劇で、相変わらず私とは何故か言葉の読解の相性が悪いが、何故か気になる作家の漫画、8巻完結。
さて、ここまで来たら、もう私が無理に貧弱な翻訳力で、筋をたどるまでもないだろう。鷹婦人(매씨여인)を追い詰めることはできなかったが、国王も動いて、表立っては使えないが、証拠書類を握ったことで、少なくとも政治の黒幕になることは防げたようだ。
鷹婦人の下にいた謎の絵師、実は現国王の異母弟らしいウン・シンクン(=은신군)も国外に逃がした。
後は、左捕庁(좌포청)のコン部長と都の金融を握るソン・インミョン(송인명)の末娘ソン・ナキョン(송낙연)=結婚仲介業者を名乗るペク・ヨンシル(백연실)との仲だが、これも最後は無事に婚儀を挙げられたハッピーエンドだ。
※とにかく読解するには最後まで苦労したが、ユニークな設定と、もはや韓流ファンにはお馴染みの韓流時代劇の波乱万丈な展開で飽きさせなかった。また一人次回作も期待したい漫画家となった。

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2018年2月 3日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180203)

Dousenaratahon9「이왕이면  다홍(どうせならタホン)」9巻。이상은(イ・サンウン)作。鶴山文化社。前巻の記事はこちら
タホンと彼女が暮らす男所帯の家の末っ子(ウジンの母親違いの義弟)小学生のトユンとその友達と昆虫採集の為のキャンプに山に行って、友達の一人の体調が悪くなり、ソンホが子供達を連れて一端、下山、山林の中に残されたタホンとウジンに雨が、で続いたが、その夜から始まり、色々背景、シチュエーションは変わるのだが、今回は一冊分まるごと、ウジンとタホンがお互いへの想いを持て余して、ウダウダ、グダグダ、悶々とするのを交互に描くだけで続いてしまった。
※これは、口の悪い人が読んだら、飽きるとツッコむところかもしれないが、ある意味では
作者、イ・サンウンが前回も書いたように、ラブコメディのお約束ストーリーをサクサクと展開する筆力は認めてもいいのかもしれない(笑)。

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2018年1月28日 (日)

アニメ感想: #宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち #yamato2202 #第四章篇天命篇

やはり最初に、何度でも言っておきたい、「何とか諸事情問題を和解解決して原作クレジットに『松本零士』『豊田有恒』両氏の名前を復活させてくれないと、寂しくてしょうがない」
・何故新宿ピカデリーで態々観るかというと、他では感じられない、おじさんおばさん圧wを感じられるからだ。
・さて、「無慈悲な神は愛を知らず、人のみが愛を知る」昨今個人的にこのフレーズが気になってしょうがないが、今回も鑑賞中、このフレーズが頭を離れなかった。
・フレーズといえば「ヤマトの諸君」以下、宣伝でも頻出する、あまりにも有名なデスラー復活の決まり文句が、こういうシチュエーションでラストに出てくるとは全く読めなかった。これは本当に驚いた。
(以下ネタバレあり)
・サーベラーにここまで凝りに凝った設定を背負わせたのにも驚いたし、さらにガトランティス人全体にここまで設定をしたり、とにかく、アイディアに手抜き無し、次から次へと繰り出される趣向の数々に飽きることがなかった。
・テレザードのアイディアだけでなく凝りに凝ったwビジュアルも見応え。
・そしてテレサ、反物質を越えてラプラスの悪魔wに設定を変えた上に手塚治虫の「火の鳥」もかくやと思わせる(多分)縁=円=循環型の仏教的思想を語らせるところまでの徹底ぶり。
・そして日本の声優陣の最高水準の芝居の素晴らしさ。
・手抜きのないエンターテインメントの充実っぷり。

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2018年1月27日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第9回「旅立ち」(20180127)

3年越しの大作ドラマ、原作派としては絶賛とまではいかないが、異世界ファンタジードラマのノウハウがないNHKが試行錯誤の連続で本家NHK大河ドラマよりも頑張ったのだけは認める(と上から目線)。それでも、「わからない」とか「韓流ドラマみたい云々」なんて思考ゼロなツイートに与する気は全くないが。
原作に至高のイメージをしていた私には、特撮やセット、衣装の粗ばかりが目についたが、卑怯な(笑)NHKはサイトに、上橋菜穂子先生の称賛コメントを掲載、リンクして、原作ファンは原作者を盾に取られた感があるので、色々言い辛いが(笑)、最大限健闘した、とほめておこう(と、最後まで上から目線でした)。まとめると、小説のドラマ化にあたる構成の脚色は、成程こうなるのか=昔からよく言うことだが、小説がイメージの拡散に対して、ドラマはイメージの収束。視線を集約させるところがポイントなんだなということは原作が大作だけによくわかった。さらに意地悪く言うなら、腐ってもNHK、為政者を様式美で引き立てない、あくまで俗物ぞろい=ある意味で「人間臭く」演出したことには「らしさ」がでていた。(あくまで最後まで上から目線で締めようか)

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2018年1月20日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第8回「神なき世界」(20180120)

「神なき世界」このサブタイトルは結構いいと思う。『守り人』の世界には、確かに神はいない、しかしナユグという異界が厳然と存在する。そして今回は最終回の一回手前、文字通り、人間世界のドラマだけ。「王国」の政治体制と「為政者」の世代交代が両軸となった人間臭いドラマが展開した。そこに、ラストに綾瀬バルサの「戦遊び」のツッコミが突き刺さる。セリフの頭に「男の」を入れてもいいと私は思う。
ヒュウゴの鈴木亮平の異民族振りはメークだけの力ではないな。異民族の軍師らしい緊張感、ず太さ、賢明さを醸し出す役作りは圧巻。
対して為政者のエキセントリックさはヨゴ国帝の藤原竜也に代表されているが、人気のラウル王子役の方も、基本は新興の専制王国の強権主義の力とふてぶてしさの筈だが、意外に裏に線の細さを秘めている雰囲気も裏読みできるかも?というのはうがち過ぎか。
チャグムは今回は人間として汚れた、たくましく成長した「若い王子」の姿を見せたが、残り一回で「平和外交」で時代と政治体制の転換期に心を砕く姿を表現できるか、そこに加えてナユグという「異界の豊穣」と「俗世の天災」のせめぎ合いが十分表現できるか、期待より不安が残る。

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2018年1月15日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:番外篇「ブラックフェイス」と「ムーミン」(20180115)

Sekaimangasanpo1

Sekaimangasanpo2_4「世界漫画散歩」1巻と2巻。강기린著。이야기의숲(話の森)刊。ライター等フリーで色々仕事をしている著者が地方紙に連載した、世界各国の漫画、アニメーション作品と作者、その政治、社会、文化、歴史的背景を解説したエッセイ。関連記事はこちら。最近話題のトピックが偶々この本中にもあるのだ。
1巻2章「흑인을 놀린 우표 다섯 장」でメキシコの漫画「Memin Pinguin」とそれを記念した切手の黒人差別問題から始まり、アメリカのミンストレルショーのブラックフェイス問題を解説している。
2巻6章「핀란드를 수놓은 트롤 가족」で「スウェーデン」の「ムーミン」を解説しているが、別にムーミンの舞台がスウェーデンだと言っている訳ではない。スウェーデンのトーベ・ヤンソンの家庭に、スウェーデンの学校に通う為にフィンランドからやって来た「姪」が伝えるトロール伝説を基にムーミン・トロールの物語を作り出したというエピソード。本文でもトーベヤンソン他界後もムーミンはフィンランを離れませんでした、と締めている。

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2018年1月13日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第7回「傷だらけの再会」(20180113)

諸々の感想吹っ飛ばしてインパクトがあったのは鳴り物入りの特撮ではなかった。顔を見せないタルシュ兵の中で、ただ一人顔を見せた六平直政だったという演出だった。 タンダのけがを原作の腕から足に何故変更したのか、と思っていたが、この足切断と手伝いシーンを盛り上げるためだったのか。 嫌な言い方だけど、腕より視覚的に、切迫感と多人数の手伝いの説得力があった。タルシュ兵のマスクが新時代の戦の非人間性を現していたのに対して、独りだけ顔を晒したタルシュ兵がその強さと優しさの人間性をクローズアップした。 逆に狂気を露呈させていくばかりのヨゴの帝が滅びゆく古王国と王権神授国家のシステムを代表していく。 他にタンダ役の東出昌大の演技というより天然ボケっぷりが、戦で心も体も傷ついて、それと引き替えにやっとバルサを得るという切なさが悲劇性を増す。 やはりNHKドラマは戦争の為政者と庶民の対照を強調している。

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2018年1月 6日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第6回「戦下の別れ」(20180106)

今回はタラノ平野の最前戦の泥臭くて生々しい絶望感と砦の戦の特撮が圧巻。その中でタンダが少年を必死にかばうシーンに焦点を当てるのが、痛々しい緊迫感と厭戦感を醸し出すのがいい。
前に戻って歌うトトの米良美一の「闇」篇と変わらぬ、アニミズム的ファンタジー世界のリアリティが超満点。
逆に女性視聴者大騒ぎのイーハン王役のディーンフジオカだけ、相変わらず物語に馴染んでない気がしてるんだがなあ。
ガカイの小者振りが相変わらずだなあ。実際の近代史においてもこういう内向き官吏が王権神授的国家の黄昏をもたらしたんだろうな。
カッコいいという評価も多い、ラウル王子の食卓の上歩きは、下品で私は買えない。
古き王国ヨゴの帝の末期症状のエキセントリックさに磨きがかかり古き王国の断末魔が象徴されている。
チャグム王子がバルサとの別れで、片目から一滴大粒の涙がボロッと落ちた演技は素晴らしかった。

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#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180106)

Concours9「더 콩쿠르 the concours (ザ・コンクール)」9巻。정설화(チョン・ソルファ)作。ソウル文化社。8巻の記事はこちら
フランス仕込みの新鋭の韓国青春漫画の第9巻。表紙の着飾った女性が手に持っているのはハンマーと鑿(のみ)である。つまり、このキャラがバイオリン工房の이향이(イ・ヒャンギ)。
ダンカン・オーヘイの回想篇である8巻の続きでは、手首を切ったチェギョンは亡くなった。そして彼女の遺品であるバイオリンが、ダンカンに任され、そのバイオリンがコンクールの賞品となるのだ。そして6巻辺りでコンクール会場に現れた謎の中年女性が、チェギョンの母であり(つまりダンカンの義母でもある)、ダンカンこそがこのコンクールを管理していたのであり、さらに、パイオリン工房のイ・ヒャンギは、8巻の回想に登場していた、少女時代はやはりバイオリン演奏を学んでいたが、姉チェギョンや義兄であるダンカンにはかなわないことを悟って、演奏者を諦めた、チェギョンの妹の成長した姿だった。
コンクールが仕切り直しとなり、一端帰宅、登校した主人公の高校生안호경(アン・ホギョン)とホギョンの親友にしてコンクールのライバル、성의주(ソン・ウィジュ)。校内には二人の活躍を祝す横断幕が掲げられ(※日本の学校と同じようなもの)。騒ぎとまではいかないが学校側は大喜びだ。しかし定期試験目前であり、ホギョンに関してはこっちの結果は散々なようだ。
そして友人達からは既にネットでコンクールの不正がスキャンダルな話題にあふれていることを知らされる。
一方イ・ヒャンギは、バイオリンの修理にすっかり自信を喪失し、ホギョンに貸したバイオリンのサウンドポストの修理も他に回す。師匠からのイタリア留学の勧めにも返事が出来ない状態。
そして次の審査は、オーケストラとの共演だが、リハーサルに行ったホギョンは困った。オーケストラと指揮者との共演もまったく未経験でどうやっていいかさっぱりわからない。とりあえずウィジュの薦めてくれたソロバイオリニストとオーケストラの共演の映像を音楽室で視聴して見様見真似で練習するのだが、その映像は故チェギョンが生前、今回の賞品のバイオリンで演奏する姿だった。
※他のコンクール出場者の各人各様の人間模様も挿入され、ドラマもペンタッチも既に達者なものだ。作者の後書き漫画は、購入した自転車に対する興奮振り、の近況を伝える。

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2018年1月 4日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180104)

Kimigairumiraideha11「네가 있던 미래에선(君がいる未来では)」11巻。이시영(イ・シヨン)。大元CI社。10巻の記事はこちら。※実はこの本は、まる一年前に出版されていたのを今まで私は見逃していた。つまり既に完結しており、作者は新連載を昨年から始めている。
前巻の続き。トビアスがA.27に「お前の本名は何だ」と問うと、A.27が凍り付いた。が、しかし、A.27が「アンドレアス」が本名だといったら今度はトビアスが凍り付いた。その名の姉がいるからなのだ。しかも、当のアンドレアス姉が、突然やってきた。実はトビアスは、彼女が大の苦手。赤ん坊の時アンドレアスがトビアスを殺そうとしたからだ、というのだ。
これについてアンドレアスは、最初から地位・財産も名声も持って生まれたトビアスに嫉妬して確かに殺そうとしたのだが、あまりの可愛さにその気が失せたと告白。とりあえず和解したようだ。
※このアンドレアス、9巻や8巻のダンテさんの回想シーンに登場した、ダンテさんの前の女主人だったようだ。
そしてトビアスは、最期の願いとして、自分がリコーダーの演奏会を開くから過去に自分と関わった人物達を招待しろ、というのだった。アンドレアスはA.27に、「トビアスは演奏会後も生きていられると思ってはいない」と語るが。
演奏会を控えて、A.27は原因不明の昏睡状態に陥り、夢を見る。この夢は、9巻のA.27の回想シーンに出てきた人との会話の続きだった。以前この人物を私は「かつての先輩」と私は思って書いておいたが、この人は父親、火星独立の英雄、自由の闘士、アンディー(アンドレアス)の不治のウイルスに侵された晩年の姿だった。
アンディは言う「君といるこの瞬間こそ、僕の黄金期だ。君とこうしているからこそ、今が光り輝くんだ」※前の会話シーンでは「君が生きる未来では僕は過去になる」と。
目が覚めたA.27はトビアスに言う「私達と未来を生きましょう。旦那様」と。
その夜、トビアスは「生きてやる。お前がいる未来で」
モノローグ『彼はその後、31日を生きた』※トビアスの演奏会や臨終の場面はなかった。
ラストは、どうやらA.27はトビアスの遺産として宇宙飛行船モビー・ディック号とダンテさんを相続し、アンディーを名乗り、フリーになったらしい。
モノローグ「最後に、真の始まりをしたい。他の誰でもない私の為の、未来のための、始まり」
※10巻の記事でも書いたが、BL風コメディで味付けされた、かなり凝ったSFアイディアが次々登場する作者によれば本格SFとまではいかない、SFチックなSpecial Feature、を私は結構楽しめた。この11巻の表紙カバーはトビアスの白スーツ以外は、黒の喪服で正装正装したこれまでの主な登場人物勢揃い。

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2018年1月 3日 (水)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180103)

Anatadakenoaris11「당신만의 앨리스(あなただけのアリス)」11巻。ソウル文化社。허윤미(ホ・ユンミ)作。10巻の記事はこちら
完結。反乱の夜。国王は、アリスをかばって銃弾を浴びる。だが、国王の生死を確認できぬまま、アリスは、時間跳躍し、現代に戻る。そもそもが乗用車ごと川に落ちたのが始まりだったが、瀕死の所で助け出され、昏睡状態から目覚めたのだ。
※国王が果たしてどうなったのかはっきりとは描かれずアリスが嗚咽するばかりだ。これは私の読解では、朝鮮王朝史の常識なので明示されなかったのか、あくまで架空の歴史だったのか分からない。
※またアメリカ舞台で始まった話だと思っていたが、アリスが追い込まれた河は漢江、つまりソウルだったようだ。
職場復帰したアリスは、やはり企業内の派閥闘争の渦中だったらしくて、そこにはどこか国王を思わせる若い重役がいた。国王のイメージを重ねつつ、彼の秘書としてのアリスのビジネスの日々が始まる。
※この作者、漫画の技術はまだ発展途上だと思っているが、今巻での国王への思慕の記憶と、現代の若き経営者との葛藤と両者のイメージのオーバーラップで揺れ動くアリスの心情描写で読ませる。次回作にも期待したい。

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本感想:#ソーリ! #濱野京子・作。#おとないちあき・画。(くもん出版)

Photo帯コピー「総理大臣になりたいって笑われるような夢なの!?」ここから始まるストーリーはいくらでも予想可能だろう。同時にそこに問われる「現代社会」の問題は無尽蔵だ。それらの諸テーマをまとめれば、問題の原点を見直そう、伝え直そう、ということではないか。
作中で、人生最初の政治システムへの参加「学級委員」を考えるきっかけに、図書館でマンデラの伝記に出会い感動を受ける。政治参加を問い直せば、国会見学という学習方法論の見直し。当然の流れとして問うまでもなく女性の政治参加は街の街頭演説に見出せる。
LGBTという言葉こそ直接出てこないが、バレンタインデーの男から女へのチョコなんて菓子メーカーの販売戦略に一つに過ぎなくて何らこだわる必要はない。友達、お世話になった人に感謝や好意の贈り物、誰でも何でもいいわけだ。
義務教育を図書館で調べれば、教育を受けるのは「権利」だ。
時代の必然として国際交流は向こうから問いかけてくる。必然的に異文化の問題。十二支ですら、中華圏から日本に流入した段階で豚と猪は、混然となってしまったことをもはや文化の誤りを正せとは言えないだろう。文化とは純粋なものではない。
戦後五十年、先人達が積み重ねてきたものを私達は、次世代に伝えるべきどころか、この不況二十年で余裕を失い、忘却してしまった。今こそ、基本と原点と方法を私達は勉強し直そう。

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2017年12月23日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第5回「「槍(やり)舞い」(20171223)

こうしてみるとログサム王は卑怯なエボシ太夫(もののけ姫)だ。神殺しをバルサに負わせようとしたわけだ。但し彼も、来るべき強権主義・専制君主制に対応すべく王権神授国に終止符を打とうとしたのだ。米良美一さんのトトが出ると、やはりNHKの特撮より異世界リアリティが増すのは如何ともしがたい。セットや撮影はずいぶんよくなったが、小道具と合成は相変わらず玩具っぽく、嘘っぽい。
しかし、シリーズ構成として、「闇」を後ろに回したのは良かった。バルサの遍歴を描いた上で、成長した彼女が己のアイデンティティに向かい合ったので共感を得られた。
誰を恨むか、私か運命か、愛していたのは誰か、、人はこうした問いを度々発するが、共感はするが、同時になかなか納得のいく答えを得られないものだ、しかし、それは己の心がけ一つだと、これは残された生者の生き方次第だというのは納得のいく答えだ。槍舞いもそうだが、結局、弔いは死者ではない、残された生者の為にあるのだ。
他には、綾瀬バルサの殺陣は腰が入って素晴らしいし、吉川晃司との槍舞いは様式美といい、スピード感といい、やはり素晴らしかった。

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2017年12月16日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第4回 ログサムの野望」(20171216)

あらためて思うのは、ナユグという異界が見える少数と人間の世界しか見えない多数で、政治に対する姿勢が異なる、という対照(対等ではないので厳密には異なるが)。
さて、冒頭は久し振りにタルシュ帝国からヒュウガの鈴木亮平の出番が多いし、メイクも異国感がいいねえ。対峙する嶋田久作は芝居を超えた怪人振り(笑)が相応しいので思わず笑っちゃう。にしてもこの二人は芝居が、役者が違うなあ。
但し、やはりタルシュ帝国の衣装は生地の所為かなあ、競馬の騎手みたいで安っぽく見えるんだよなあ。
鹿賀丈史の聖導師さまは、やはり「料理の鉄人」を彷彿とさせるのがまずいよなあ。これまた笑っちゃうのは本人の所為じゃない。
対するというより一蓮托生の帝の藤原竜也はもう線の細さからくるエキセントリックさ極まれりで古き国の黄昏に相応しい。
ログサムは野心家だが、間違っちゃいけないのはいわゆる悪人とは異なる(悪いことしてるけどさ)。貧しく弱い国を強化するのはこの俺だ、という野望は、権謀術数で既得権益を狙う官吏とは異なるということだ。そうしなければ、来る強権主義国家の専制時代にはカンバル国は生き残れない。だからバルサという武人に、自分に変わり山の王という「神殺し」をさせようとしているのだ。
これと対照しているの上述したように、ログサムの倅はナユグが見えるから、父の独裁をとめようとしているのだ。人同士が争っている場合ではない時が来るのが不安だからだ。
後半は渡辺いっけいの独壇場か。バルサとの槍舞いのプレリュードと、幕引きのクライマックスは、これほど懐の深い役者とは驚いた。綾瀬バルサには、ますます期待が高まって来た。

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2017年12月11日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20171211)

Nabi23_2「Nabi」23巻。김연주(キム・ヨンジュ)。大元CI。22巻の記事はこちら
リュウサンのこれまでの人生がカットバックされ、その都度予知者の손소류(ソン・ソリュウ)が彼に話しかける場面が描かれていく。『リュウサン、あなたを助けてあげる』
次には、ミョウウン묘운(=妙雲)とソリュウの対話シーンが入り、ソリュウが『ハヨン(※ミョウウンの昔の名前)様も私に人生を下さい』
そして、現在?に戻り、相変わらず眠り続けるソリュウだが、飛行船が墜ちた夜、政変、戦火を避けて、ソン家は逃亡、取り残されたソリュウを、またしても、ハリムが背負って山中に逃亡、潜伏する。その潜伏の日々がハリムの視点で描かれている。
潜伏といっても山中の家でソリュウを寝かせ、ハリムが山や街で物資を調達している日々で、これまでの登場人物にも出遭っているのだが。
※今回は、また一段と淡々とした展開で、この後の展開がまるで読めない。作者キム・ヨンジュの日常をコミカルに描きつつも研ぎ澄まされた、脱世俗、超然としたタッチが張り巡らされた空間に、作者独特、唯一無二の緊張感が満ちているかのようだ。難解なのか私の読解力不足なのか本当に分からない。

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2017年12月 9日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第3回 ルイシャ贈り」(20171209)

武田鉄矢っていうのは昔から何をやっても「武田鉄矢」だねえ(笑)。原作の構成と登場人物を絞り込んだことで、世界政治の為政者と関わったこととその変化に直面して、ジグロという他人の気持ちに「共感」し、己の復讐心の狭量さに思い至るバルサの心境の変化とアイデンティティの成長が、分かりやすくなっていた。その上でログサム王が迫る、嘘をついているのはどっちだと問う「悪魔の選択」は同時にバルサの試練。

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2017年12月 2日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第2回 カンバルの闇」(20171202)

結論は「トト」こそリアリティだった!。
前半は、中村獅童のカンバルのログサム王の冷酷非情振りが目玉かと思ったが違った。インパクトでは実は「米良美一」さんだったのだ。これまでのこのドラマは異世界ファンタジーのリアリティを醸し出す特撮に四苦八苦、紆余曲折、試行錯誤etc.の連続で。
しかもネタバレになるが、この異世界はこれで完結・完成した世界ではなく、さらに隣り合わせに人間の世界でない異界が現存している世界なのだ。
ところが第一部では、この異界の魔物が正体を現したとたんに特撮が怪獣映画のようになってしまい、第二部では特撮は大分違和感がなくなったが、考えてみると、アスラの魔力以外に露骨な異界の出番がなかったのだ。
だが、今回はそうはいかない筈だ。早くもルイシャ自体、正直言えば東急ハンズで買ってきたのか、とツッコミたくなった。それが、米良美一さんのトトが出てきたら、失礼ながら普段なら同氏の存在自体リアリティを感じられない存在だが、それが異世界の中で異界を伝える「トト」になったら驚くべき違和感のなさ、伝える言葉にリアリティが付いてきた。もしかしたらこの大河ファンタジーのリアリティは「米良美一」によって達成されるのかもしれない、と当たらない予想をしておこう。

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#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )番外篇:SFから見るアジアの未来(中央大学文学部主催シンポジウム)(20171202)

という訳で、先日に引き続き、行ってきました。今度は、大学主催で、同年代の中国と韓国の女性SF作家の顔合わせで、大きな教室で、高学歴学生・研究者を集めたシンポジウムで、内容もより複雑で高度なものだった。
私の感想は、韓国側代表のチョン・ソヨンさんの方に絞らせてもらうが、
・中学時代、カール・セーガンの「惑星へ」を買う為に小遣い3か月分貯めた。
・初めて翻訳した本は、ケイト・ウイルヘルムの「鳥の歌今は絶え」21歳の時だった(※私も学生時代、ウイルヘルムは好きでサンリオSF文庫の訳書4冊読んだ)。
・SFの未来に対する想像とは、技術予測は小さなこと、重要なのは社会を、異なる世界をオープンマインドで受け入れられる事、異なる世界に対する想像がアジアのSFに重要。
・現実の社会が他国に対する認識を歪めているが、SFならそれを越えられる。
・境界はSFにとっては些細なこと。隣の部屋から他国まで乗り越えて、よりよい社会に導く為に。
・韓国人が、韓国語で表現するSFとは何か?それが韓国人SF作家共通の悩みだ。
第二部の討論では司会がしきりに女性としての、女性ならではSFに対する認識を問いかけるのだが、私の印象では、チョン・ソヨンさんの回答は
・SFが性に偏るのは好くない。性差別は批判されるべきだが、自分のSFは女性的とは思わない。
・弁護士として人権問題に関わっているが、SF小説の執筆とは別に考えている。
※どう聴いても、おそらくチョン・ソヨンさんは自分の書くSF小説では、ジェンダーの問題を扱っているつもりはない。あくまで普遍的な人間のアイデンティティを表現している、という意識のようだ。しかし、これこそが、私だけではない、「作家も読者も女性が多数派の韓国SF小説マーケットのチョン・ソヨンさんの小説」(⇒この事実・現象自体がSFであり、フェミニズムやジェンダー論の研究対象ではないのか)を読んだ時に「外国人」の受ける印象との認識の差、違和感だと思う。

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2017年12月 1日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )番外篇:韓国の女性SF作家のトークショー

わずか一時間、参加者十数人程度のミニイベントだったが久し振りに私の中のSFの血が騒いだ。充実の情報量だった。この内容を公開してしまっていいものだろうか(※ダメッだったら遠慮なくクレーム付けてください。直ぐ削除します。)
・韓国のSF小説の世界は、作家も読者も女性が多く、SF作家は30名から50名、その中から小説を出版できる人は10数名。SFなら面白くなくても買う・読む読者は800人と言われているらしい。
(※まずここで、フェミニズム、ジェンダー論として、韓国SF小説マーケット自体が実に興味深いのではないか?)
・韓国SF小説の世界を表現する単語なら「若い」「進歩的」「女性」
・韓国SF小説史はPC通信から出発した。(※後で「するとSF漫画の方が歴史が長いのではないか」と質問したら、特に否定しなかった)
・SF小説とファンタジー小説は、作家と読者いずれもかなりの隔たりがある。チョン・ソヨンさんが好きなSF作家は「アーシュラ・K・ル・グィン」「ロジャー・ゼラズニイ」「テッド・チャン」(※後で「ファンタジー作家として名前が浮かぶのは?」と聞いたらかろうじて浮かんだ(?)のが「トールキン」と。「なるほど日本と比べてもかなり壁がある」、と私が感想を伝えた)
・SF作家専業では、生活できないので、大半の作家は、定職が他にあり(チョン・ソヨンさんご自身弁護士)小説は短編中心、発表媒体は科学雑誌や文芸誌。欧米SFの翻訳が作家修行。ソヨンさんも欧米SFを二十冊位翻訳したそうだ。
・※私の印象では、逆に文学的SFと理工系SFには作家も読者も特に隔たりはなさそうな印象を受けた。
・韓国SFは作家は高学歴である。
・私からの質問でSF「漫画」「ゲーム」「小説」「映画」「アニメ」のファンの壁はあるかと矢継ぎ早に?聞いたのだが、これはあくまで私の聞いた印象としてはそんなにはなさそうだった。但しいずれもジャンルSFの比率自体があまり大きくなさそうだった。それでも今は、インターネット漫画「WEBTOON」にSFやファンタジーが多いという回答だった。
※イベント終了後は、購入した韓国SF短編小説アンソロジーにサインをしていただいた。
さらに、↓これは大変だ(笑)全然知らなかった。

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2017年11月30日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20171130)

Rure28「RURE(루어)」28巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。27巻の記事はここ
28巻の帯は「神の意のままに」篇といったところか(=신의 뜻대로)。
※波乱に富んだ展開、多彩なキャラの新・再登場、繰り出されるアイディア設定で、盛りだくさん。粗筋すら書き尽くせない程だが、大きくは、前半と後半の2つの舞台、ハルの隠されていた恐るべき姿の一つが現れるのと、大神女신명화(シン・ミョンファ)の下す号令だ。作者のカリカチュアライズされたタッチが大きく怒涛のうねりを見せて戦慄を覚える程だ。

翅族の村でしばらく過ごすシン・ハルは、徐々にルアーの印章の力が低下していることに気づいて愕然とする。翅の力が本来のもので、ルアーの印章は奪った力だからだ。
ハルは、新たな学びを必要と感じ、志願してきた女戦士二人をつれて砂漠の中の交易都市、ワカに旅に出る。ワカは、この物語で最初にハルたちが訪れた都市だ。
パイルの戦の動きに、ワカも金と人の動きが活発になっている。そして以前に出てきたワカの市長の下に新たに総監マヒルという若き実力者が登場した。
このマヒルがどうも北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の関係者であることをうかがわせる。
そして以前にハルも会ったことがある鳥の姿のルキア、ヨークナーが現れ、このマヒルとも友人だったとかで最後の別れをしにきたという。そしてヨークナーは、ワカの入り口にやってきたハルの前に現れる。
※ここからの絵作りが本当にダイナミック、前半の圧巻。文字通り人が変わったハルがヨークナーを食ってしまった。
具体的な背景はまだ解説がないが、ヨークナーは自覚的に、ハルは無自覚に、この為に、この場所に来たのだった。これがサブタイトル「神の意のままに」だったらしい。
何やら意味ありげな数え歌のようなものをハルは感じ取る。※私で可能なら、後で拙訳を試みたい。
正気に返ったハルを、突然の雨が打つ。天の何者かがハルに語りかけ、その声はワカの人々の頭の中にも入りこんでくる(人々は「天のロクが話している」と)。
後半は延期されていたワン・ウィライの儀式「인신공양(人身供養)」が行われる。
火を焚き、以前にも出てきたこの日の為に神殿に囲われた薬漬けにされた奴隷達は焼かれ、次に貴族の子供達の成人式が続く、大神女シン・ミョンファ自ら剣を取ると、子供達の背から黒い片翼が現れ、この翼を一人ずつ一刀両断していく。
※この凄絶な光景を描写と併せてこれを目撃したパイルのルク将軍の手記という形式で解説していく。
※この光景は群衆に公開されており、貴族の子供達が苦しむ様を眺め、儀式後には神殿から薬草とパンが配られるので群衆は喜ぶ。焼かれた翼の燃え残りは、万能治療薬として人気があり高値で取引される。つまりこれらがセットとなって、神殿の財源、権威、権力が維持されているのだ。
さらに儀式終了後、シン・ミョンファは、高らかに神がかりのように聖戦を宣布する。「空虚」という名の悪神が現れた、皆これと戦え、と。そこに映し出された姿は黒い翼の生えたシン・ハルの姿だった。
この狂乱の夜に紛れて「青い月の一族」のルークは、ヤノクを連れ戻しに、彼の寝所に忍び込むが、ヤノクは拒絶する。曰く「子供がいる。俺の子だ。だから行けない。ルーク兄」と。

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2017年11月25日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 バルサ、故郷へ」

最初は違和感ありありだった、構成の脚色にこちらが慣れたのか、あちらこなれたのか(笑)。OPのバルサの「闇舞い」をイメージした?華麗にして象徴的な赤い衣装が良い。
原作の導入部を吹っ飛ばして、チャグムと共に一気に世界政治と国内謀略の世界に突入する構成は、小説の緩急とは違い、ドラマは観る者をそらさない戦術に出る(笑)。
ロケは相変わらず、森林内にスモーク焚いてごまかして(笑)、セットは、先の商業国家の活気とエキゾチックさ、新興国の威圧感、その前の黄昏の王国の見掛け倒しの荘厳さ、とはこれまた違う、厳しい自然環境の中の暮し振りとやはり厳しい人心、切迫感が出ている。
キャラクターでは、「新」聖導師の鹿賀丈史は、笑っちゃうほどハマり過ぎ、吉川晃司はアイドル時代の生意気さがいまだ偏見の残る私には別人のようだ。
なんといっても出色は、渡辺いっけいのカグロ、最初はあるいはいい人にするのかな、とも思っていたが、ハードアクション、油断ならない胡散臭さまで、ハードさと重みがあって驚きの巧さ。
中村獅童のカンバル王のウザい事、この上なさ(笑)とカグロの息子の反応から、もはやこのまま国王に謁見してはならない、いったん逃亡に転ずる、ドラマ構成の必然性もきっちりと出ていた。次回への引きと収束性は十分だろう。

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2017年11月 9日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:パク・ウナ 二冊②(20171109)

Panurukonju7「방울공주(鈴姫)」7巻パク・ウナ(박은아)作。鶴山文化社。
6巻が出てから実に四年ぶりの新刊。生きていた兄の、弟への憎悪やコンプレックスは、死んだ母親の愛の力にはかなわなかった。亡くなった母は生前、貧乏人や孤児に惜しみなく善行を施していたので、人々がその恩に報いるために、独り生き残った兄の面倒を見てくれていたのだ。兄はこのまま下層の人々の中で生きるという。ムキョルは都の宮廷勤めに戻ることにした。
飲み屋兼宿屋で働き、ここでムキョルを待つパンウルは、宿の客だった三人組が盗賊であると推理した。
実際、この三人は宿を出て、国王の子で怪しげな術や式神を使う謎めいた姫(설란公主)の嫁入行列を薬を使って襲い、姫をさらっていった。パンウルは官吏にこの賊の人相を証言したが、噂の拡散を警戒した官吏によって、宮廷の独房に監禁されてしまった。
さらに、6巻のパンウルの前世の罪のエピソード、あれっきりかと思ったら続きが描かれて、今のパンウルやムキョルと交錯し始めた。婚姻を控えた竜宮の姫に懸想した人狼が、姫を追う一途な想いがさてどんな結果をもたらすか、と続いている。

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2017年11月 6日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:パク・ウナ二冊①(20171106)

Nocturn10「nocturne(ノクターン)」第10巻(大元CI)。作者パク・ウナ(박은아)第9巻の記事はここ。9巻から二年半ぶりの単行本。
ポムは学校をやめてしまっているようだが、入院している母親には普通に会っている。ユーリとトウクの間も特に変化はない。
しかし、ポムの母親はポムに「あなたとユーリがお互いに好きならいいが、どうも釈然としない。あなたはユーリに、お姫様に対するように接している」
一方、ユーリは、トウクにいきなりキスして「愛しているわ、おじさん。私の気持ちに気づかない振りをしないで」と自分の気持ちをぶつけるが、「私はお前の父親になるつもりはない」とすげなくトウクに拒絶される。ユーリは「ごめんなさい。私に父親は必要ない。母さん一人から生まれたと思ってる」
※この場面の二人の心情をはかるのは大変難しいが、トウクは、ユーリの気持ちをそらしているし、そんなトウクにユーリもそれ以上追求しない。つまり二人の気持ちはかみ合っていないと思われる。トウクはユーリのあくまで後見人であり、オ・スミンの娘に過ぎない。だがユーリはやはりトウクを愛しているが相変わらずその表現は乱暴だ。
画家정화백=チョン・ファベクの絵のモデルのアルバイトも、彼自身がかつてのオ・スミンへの愛と、彼女そっくりな実在のユーリの存在(彼女の実の娘とは未だ知らない)に気持ちを整理できず「これ以上この絵に満足できそうにない」と作業の打ち切りをユーリに宣言し最後のモデル代を渡してもう来なくていいと告げる。
するとユーリはまたしてもポムに会って「私があなたにしてあげられるのはこれしかない」ともらった金をそのまま渡そうとする。
当然ポムは傷つき「好きなら好きと言ってくれ。そうでないなら俺の前に現れるな。金なんか要らない。」と泣く。
ユーリは、トウク、ファベク、ポムと、立て続けに自分を拒絶された孤独感に包まれる。
ポムの母は、病院にトウクを呼んで、ユーリとポムの関係について話し合い、トウクが「保守的」だと指摘する。さらに、事故の所為でユーリはポムに(罪悪感で)「心理的に(甲乙関係の)乙です。そんな関係は健康とは言えない」と告げる。
※甲乙関係とは、契約用語から派生した流行語で、日本でも契約書で「甲」が「乙」が、と書くが、韓国では、実際の力関係が著しく「甲>乙」となっている現実を訴えている。
そして、ポムに渡そうとした大金の出所がトウクでないのならどうやってユーリは入手したのか?と疑問を呈する。
※後日、この疑問をトウクはユーリに問うのだが、読者から見るとこれがまたとんでもない(笑)。ズバリ「援助交際をしているか」とツッコむのだ。当然ユーリは「してない」と答え、それでトウクもそれ以上ツッコまない。どうもトウクの心情描写はともかく、表に出る表情、言動は常人とはちょっとズレている。まあ元々そういう描写のキャラクターだが。
そして、ファベクのギャラリスト、ソン・ヒョンジョンは、すっかり落ち込んでる彼のアトリエから絵を見つけ出す、(どんな絵か読者には見せないが)「これはトウクさんが買いそうね」とトウクにアクセスして「ぜひ見せたい絵がある」と強引にアポを取った。
さて、これで、画家ファベクと故オ・スミン、その娘ユーリ、その後見人トウクのややこしい因縁が一気に解決するかどうか。(読者には分かっているのだが)
※ユーリはやせっぽちだが、徐々に背が伸びたか、小顔に描かれているようだ。それが一段とトウクとの関係の痛々しさと(私の恒例の表現で言うところの)「タイトロープ」を渡るような緊迫感を増しているかのようだ。

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2017年10月29日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20171029)

Mumyouki7「無明記(무명기)」第7巻。윤지운(ユン・チウン)作。大元CI。6巻の記事はこちら
절 (=チョル=絶)先生と呼ばれる医師。身の回りの世話をしている侍女は풍원(プンウォン)漢字は、風園または豊園。先生の昔馴染らしい男、無盡(ムジン) 三人を中心とした中華圏時代劇奇談集。
6巻の人間の娘になったインコの話の終盤から始まる。自分のしたことをひたすら後悔して実家で独り余生を送り後は死をひたすら待つ老婆として現在に至る。
次のエピソードではチョル先生がプンウォンに嫁入りの話を持ち出すが、プンウォンはこれを激しく拒絶。無粋な(笑)先生は、当惑するばかりでムジンに呆れられる(笑)。
このエピソードはいわば前振りで、本題は「狐の新郎(=夫)」。山にキノコを採りに入り道に迷ったプンウォンは旅をしているという奇妙な女性に出会い、身の上話を聞く。
彼女は人の姿になった狐に見初められ、狐の家に連れていかれ日本で言えば竜宮城の浦島状態を過ごし、すっかり嫁入りするつもりで家に戻るが、家族は彼を激しく拒絶。屋敷に護符を貼って侵入を防いだ。外から呼びかける彼に、返事をする勇気がなかった彼女は、男があきらめていなくなると激しく後悔し、今度は彼女が彼を探して旅をし続けているというのだ。だが、プンウォンが幻視した?ところでは彼女は既に人間の女の新鮮な生き血を求める魑魅魍魎に既に食われてしまっているらしい。日暮れと共に彼女は消えていった。
※作者の後書きによると、韓国では狐にまつわる故事は多く、人狐が人間の娘を嫁にしようとする話もたくさんのバリエーションがあるそうだ。さらに作者によると、そうした狐と人の故事では、人間が「狐ども」を徹底的に殺戮してしまうのに、狐が人を殺す話はないという。
この後、プンウォンは自分の気持ちをチョル先生にぶつけるのだが、すげなくされる。
※チョル先生にしてみればやはり人と狐の子でありしかも不老不死らしい先生と、鬼神を目視し取り憑かれやすいプンウォンも普通の人とは違うので、そういう関係にはなれないのだ。
その次のエピソードは人間同士のドロドロ(笑)
※元は朝鮮時代後記の故事だが友情を強調した話だったたしい。
旅の一行を泊めた先生たちの屋敷に、彼らを追って、強盗が押し入る。ここで強盗と旅のお嬢様との復讐の因縁が語られるのだが、この心理描写が、この作者、さすがに業が深い。
加えて、プンウォンはまだ見たことがなかったが、チョル先生とムジンは剣も強い。強盗と殺戮を演じることとなる。結果として強盗は全員殺されるが、ここでムジンの様子がおかしくなる。チョル先生に刃を向けて「何故、俺を生かした」と迫る。これにチョル先生も挑発するかのように微笑して「誰も、お前を望んでいなかった。お前を軽蔑するためさ」と返す、ところで続く。

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2017年10月22日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20171022)

Ferua9「펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」9巻。김연주(キム・ヨンジュ)。鶴山文化社。8巻の記事はこちら
相変わらず?王宮滞在中のようだが、さらに一段とエピソードらしいエピソードがない不思議なムードに拍車がかかった。
エピソードとしては、オルテーズとアシアスの寝室で、アシアスの枕元に何度も花が添えられているのにオルテーズが気付いた。アシアスはオルテーズの仕業だと思っていたのだが、オルテーズは自分ではない、と語る。オルテーズは、親衛隊のジュルスの仕業かと思って彼女を叱責するのだが、ジュルスの方は身に覚えがないようで、読者としても真相が不明。これが後に引くのか全く先が読めない。
もう一つは、オルテーズが、これまたある夜突然何かに閃いて、寝室を出て執務中のアシアスの所に行くのだが、オルテーズはアシアスを見ても「もうわかった」と言うだけで、アシアスにも読者にもオルテーズは何のようだったのか分からない。
他には、アシアスのモノローグ「オレは結婚にも、その相手にも何の期待もしていなかった。それがこうして目を見張るような宝石に変わった」と密かにオルテーズを賛美した。
※まさにストーリーよりも描写だけで読ませてしまう?インディーズ系ともシュールとも異なるキム・ヨンジュの表現力だけに許された純情漫画。

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2017年10月14日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20171014)

Midnightpartner5

Midnightpartner4_2「Midnight Partner」第4巻と5巻同時発売で完結。김민희(キム・ミニ)作。Eコミックスメディア社。前回の記事はこちら
以前までの解釈の訂正、ヒロイン、ナウンの高校の先生を『秘密組織の仕事をしているらしい』と書いてきたが、これは間違いで、先生は、独自に活動していたようだ。
という訳で、新展開。高校を出たナウンは就職先を探すのだが、元々足が不自由で走ることもままならないので、これが印象を落とすのかアルバイトすら見つからない。
黄色い鬼神が見える力が発生し、これらを追う時だけ、足が治るので、ナウンにとって黄色い鬼神退治は、恐怖と同時に自由に走ることができる喜びでもあるのだ。
そして、都市の繁華街の中で、黄色い鬼神に遭遇した先生とナウンは、この鬼神を「フェプタ(=FEPTA=펩타)」と名付けて、フェプタ退治を仕事とする企業と出会う。一見、害獣駆除会社みたいな連中だ。
先生とナウンの活躍を見た、ここの社員は当然、彼らをスカウトし、二人は揃って就職することとなった。ここの活動も基本的に先生とナウンのように二人組で行われ、体から黄色い武器を作り出して鬼神を「除去」する方をターミネイター、ターミネイターの「目」の役割をするナウンの立場をナビゲーターと名付けていた。
こうして、この会社を通じてより強大なフェプタを相手にした二人の活躍と、先生を巡るナウンと女性社員の恋の鞘当ても描かれる。
より強いフェプタということはつまり、フェプタを発現させる人間の心の闇が深い、ということであり、それを知ってナウンも人間的により成長していくという展開だ。
そして、登場する最後の敵はこの会社の大口取引先の、大手製薬会社の若き御曹司。この製薬会社は、フェプタの研究、フェプタを発現させる人向けの精神薬開発で大もうけをしている企業であり、しかもその御曹司のフェプタこそ、最強だった。
御曹司は実は盲目で、彼の発現させるフェプタは彼の「目」でもあった。それが御曹司の複雑な生い立ちとコンプレックスが生み出す龍の姿となって人に襲い掛かるが、この強大な黄色い龍の暴走を抑え、退治するのがナウンたちの活躍の見納めだった。
※これまで何度も書いたように、ストーリーもさることながら、タッチが極めてユニークな作者なので、次はどこから何が出てくるか新作を期待したい。

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2017年10月 7日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20171007)

Yoruwokakerusonbi18「밤을 걷는 선비」(夜を駆けるソンビ)」18巻(ソウル文化社)。原作조주희(チョ・ジュイ)。作画担当は한승희(ハン・スンヒ)。17巻の記事はこちら
いつもの断わりですが、邦題は「夜を歩く士(ソンビ)」が通用していますが、私のこだわりで「駆ける」で最後まで通します。これまたいつもの前口上ですが、ゾンビではない、日本では士大夫ともいう、在野の地主で教養人、人格者でもあり、名士とか名家の旦那をさす。
さて、長期連載もいよいよクライマックスを控え始めたようだ。
17巻で王子(多分後の正祖)や、バンパイアのソンビ、김성열(キム・ソンヨル)が独自に推理した、バンパイア、귀=キィ(漢字語で「鬼」の朝鮮語発音、日本の音読み「キ」と同じようなもの)の朝鮮王朝への襲撃決行日が日食の時であることについて、既に現国王、英祖も、予測していて、王族等を行幸の名目で急遽、宮廷から移動させていて、その上に、清国に向かわせることも手配済だった。この一行に王子らは、ヒロイン、ヤンソンを加えるように手配して、彼女を朝鮮から脱出させるつもりだった。
一方、14巻で、壮絶な死を迎えていたと思われていたバンパイアとなった妓女、수향(スウヒャン)は片腕こそ失ったままだが生き返っていた。しかしヤンソンの前に現れたスウヒャンはもう執着は捨てた、自然を眺めて生きている、と語るが・・・。※あるいは日食の決戦に加わる覚悟かもしれない。
分かれる前に、夜の市場の賑わいの中で名残を惜しむヤンソンとソンヨル。
※原作者チョ・ジュイの後書き漫画は、時代劇のストーリーを考える苦心談の数々を面白おかしく描いている(笑)。

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2017年10月 1日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20171001)

Tonka3「童果祓い」第三巻、完結。우나영(ウ・ナヨン)作。鶴山文化社。二巻の記事はこちら。※原題「童果풀이」の「~풀이」をどう訳せば効果的かわからないままで話が完結してしまった。残念だがご意見、ご助言を歓迎します。
※詳しいことは分からないが、神の子を産む定めとなったものを「과선」というらしい。
女神「선도성모」から主人公열음(ヨルム)への最後の試しが始まる。これが心理攻撃で、自分の世界へ帰ってきたと思ったら、皆が皆、彼女を中傷、蔑む、一度はうちひしがれるヨルムだが、これに愛で応えて、試しを乗り切り、遂に三番目の品を受け取る。これで神を産む準備ができた、と言っても直接胎から産むのではなく、3つの品の力をヨルムの精神が調和させることで神が誕生するという。この時に、以前に登場した天界の謎の男が現れ、攻撃してきて生まれてきた神を取り込もうとしたが、神の力は大き過ぎ、吸収しきれずに自滅した。
ようやく千年振りに神を産む大任を果たしたヨルム。人間界に帰り、元の生活に戻るが、そこに生まれた神が現れ、ヨルムを母と呼んで、自分を生んでくれたお礼として7日に一度、夢の中で天界へ、天界の使い여곤(ヨゴン)に会いに行けるようにしてくれると約束する。神はヨルムも自覚していなかったヨゴンへの気持ちを汲み取ったのだ。
※ここで、ラストに、ヨゴンに会ったヨルムが言うセリフの言い回しがちょっと面白い。直訳すると
「週末わたしとカップル(=커플)して!(=해요)」
日本語に訳すなら「つき合って」くらいの意味か。
※結果としては、絵はよかったのだが、ストーリーや設定、キャラクター作りはまだ不十分だったようだ。新人作家の長編デビュー作だったので、次回作に期待したい。

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2017年9月30日 (土)

本感想:ビブリオバトルへ、ようこそ! 濱野京子・作。森川泉・絵。(あかね書房)

Photo「ビブリオバトルへ、ようこそ!」濱野京子・作。森川泉・絵。(あかね書房)
濱野京子の小説は、描写に共感することが多いので読み進まなくなってしまう、とこれまでも度々書いてきたが、今回はまた一段とその状況が長くなった。何しろ書評=本の感想と学校図書室がテーマだから、あまりにもツボだ。
ここのところ、ビブリオバトルのことはなんとなく見聞きしていたが、児童書のタイトル、テーマとして、色々な作家に競作させているようだな、位にしか、感じていなかったが、こうして、実際にビブリオバトルテーマの小説を読んでみていると、ずっと昔、書評と言うのはいかに面白そうでも、読者も書評の書き手にシンパシーがないとだめではないか、と漠然と考えていたことを思い出した。ビブリオバトルは、紹介者の色々な意味での「顔」が見えるんだな、その点だとまだ、バトルである必然性は感じないのだが。
さて、本書のヒロインは、好きな男子につられて本を読み始め、彼にアピールするために、ビブリオバトルに参加する、という動機だ。他にも、参加者は、本好きとは限らない、動機は様々、本好きでも参加拒否する子もいる。そこがドラマであり、読者は、そのいずれにも共感できるところがいい。
この過程こそが単なるブックレビュー、今時で言うところのブックトークとの違いか。
バトルそのものだけを考えれば「本」を巡ってなぜ競い合う、と疑問を呈するのは当然だが、競い合うことで技術は向上する、そう、読書感想文のテクニックがこれまでの国語教育には欠けていたのだ、他者の存在とその重要性を意識するようになる、翻って個性も顕現する。
※私自身、韓国の純情漫画(少女漫画)のレビューについて省みるところが大きい。
※絵は、著者のあかね書房からの前作「アカシア書店営業中!」の森川泉、作中にもアカシア書店が「ゲスト出演」している。そして気が付いた、同作に続いて本が媒介する「場」の存在を訴えたかったのかもしれない。
※ヒロインの祖母が本への誘い手としていい味を出している。本は世代をつなぐのだ。
※韓国ネタがあって当然私としてはニヤリ。
※「ビッグイシュー」誌は、私も購入するようになって延べ三百冊位の筈だ。
※ヒロインが最後に紹介する本は、やはり濱野京子だ、と思わせる。

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2017年9月24日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20170924)

Simuchon7「심청(「沈清」=シムチョン)」第7巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。6巻の記事はこちら
イアンに憑依した「ヘユン」は完全にはイアンを制御できていないらしく、イアンの意識が目覚め、改めてシムチョンと再会する。ともかく後宮の秘密の通路と部屋(特定の宮女と王しか知らない場所)にイアンを匿い、如何にして後宮からイアンを連れ出すかシムチョンと宮女が悩んでいる間にも、じっとしていられないイアンのこと、また勝手に部屋を抜けてうろうろし出す。
するとイアンは井戸の中に、光る「龍のうろこ」を見つけてしまう。だがその直後、王妃候補(名は、오하영=オ・ハヨン)に襲われる。ハヨンはイアンを殺してその肝を食おうとしているのだ(その頬には、またしても「堕落の花」の紋様が現れている)。
危ういところで憑依しているヘユンが出てきて、難を逃れるが、ハヨンの正体は、憑依ではなく、カツラで変装した、3巻から4巻に登場した男の肝を食って不老不死となっている妓女だった。
なぜ彼女が王妃候補になりすまして宮中に来たかはまだ不明だが、彼女のモノローグによればイアンと再会したのは何の因縁か知らないが、彼の肝が嗜好と相性がいいと感じていたので、この機に何としても食ってやる、と狙い出したのだ。
シムチョンの前でも、イアンの中でヘユンとイアンの意識が争い、まだヘユンを知らないシムチョンはヘユンが出てきたときは直感で「あなたは誰だ?」と混乱しながらも問う。
そしてイアンが見つけた龍のうろこを入手する。しかし、シムチョンは、これを直ぐに報告しようとしない、自分は今、本当に王妃になりたいのか、と自問し、葛藤し始めた。
だが、これが密使に変装した国王にバレてしまう。この様子に国王は、シムチョンが自分を拒絶している、という負の感情で、体内の堕落の花をまたしても増幅させていく。
一方、イアンの掌に何度も、実家の女性執事が書いた紋章が現れるので、彼女にそっくりなシムチョン付きの宮女に、これを見せて問い詰めるが、宮女は動じず取り合わない。
続いてイアンは(※本当にじっとしていられない奴だ)シムチョンと共に、秘密の通路を調べ始めて、そこに先代王の肖像画を見つけると、猛烈な頭痛で失神。これを観察していたソルによれば、ここに張られた結界は特に強くてヘユンでも耐えられなかったらしい。
また、龍王の娘、宮中の巫女「シア」は、宮中に張られた結界がそこかしこで弱くなっているのに気づく。もし結界に侵入できない鬼神の類が、入宮を許可されたものを使ったらどうなるか、と結界の盲点を推理する。
ハヨンが今度は、秘密の通路内でシムチョンを襲う。だが、シムチョンの動きを見守っていた、国王等に助けられた。これで王妃選びは決まったようなものだが、国王はまだ密使を装ったままで、龍のうろこを隠すシムチョンに、龍のうろこを直ぐに太皇太后に提出しろ、と命じるのだった。
※自分の気持ちを持て余すシムチョン、そんなシムチョンに国王は、堕落の花の悪影響もあって動揺しつつも、もう待ってはいられないと行動を迫るのだった。多視点ドラマの展開でしかも見た目のキャラと真の正体のキャラが錯綜するので、読み取りに苦労しつつも、またそれが面白い。

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2017年9月11日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:番外篇「#韓国アニメ大全」(かに三匹)感想

長年韓国アニメーションを渉猟し続け、同人誌やトークライブ、SNSでレビューしてきた著者だけあって、アニメ現物のみならず、関連情報をネットから韓国の法律、条令などまで一次資料にあたって裏付けをとりネットに流布するガセネタもしっかり検証した労作。
私如き、足元にも及ばないが、一点だけ粗探しをお許しいただきたい。
レビュー最後の最後「Green Days 大切な日の夢」これ日本語の資料が皆同じ間違いをしている。「1960年代」を舞台にしていないのだ。以下拙ブログを。
韓国アニメ感想:DVD「Green Days 大切な日の夢 (原題소중한 날의 꿈/Green Days)」
韓国アニメ感想:真!韓国映画祭2012「Green Days 大切な日の夢 (原題소중한 날의 꿈/Green Days)」
韓国のアニメ映画感想: 『Green Days~大切な日の夢~』 特別試写会

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2017年9月 5日 (火)

#私のツイートにレスを付けた気の毒な人を記録しておこう(20170905)

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2017年9月 3日 (日)

アニメ感想: #gundam #origin 「ガンダム ジ・オリジンⅤ 激突 ルウム会戦」

配偶者と本日新宿ピカデリーで「ガンダム ジ・オリジンⅤ 激突 ルウム会戦」を観た。遂にガス虐殺とコロニー落としのブリティッシュ作戦。観る方が期待するものが、「ヤマト」とは自然に全然異なるものになっているのを体で感じる。その期待通りの「痛さ」に涙する。
安彦の漫画原作は既読だけれど、実際に動くシャアの赤いモビルスーツの目の覚めるようなアクション、の前に、一瞬目を閉じ、かっと見開いて一気に動き出すシャアをゴーグルではなく、素顔で見せる、緩急の転換がいい。アムロはまだ無気力児童だけれどw、ドズルが、セイラが、戦争で凶暴な顔に変る「痛さ」、開戦前夜、クラブで一曲弾きながら歌い涙するハモンの哀愁とレトロ感覚、戦争アクションの大きな流れと人々の感情の変化のいずれもやっぱり「ガンダム」の痛みは見応えがある。

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2017年9月 2日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20170902)

Vampiretoshokan7「뱀파이어 도서관(=ヴァンパイア図書館 Vampire Library)」7巻。이선영(イ・ソニョン)作。鶴山文化社。6巻の記事はこちら
館長カベルの出張中に美食家カルテルという名の女性が、さる美形タレントのマネージャーとして、撮影場所を借りに図書館へやってきて、マノをピンチに陥れる。彼女の力は、直近の未来を予知する能力であり、相手の次の行動を読んで先手を打つアクション漫画向けのキャラだ。マノを相手に大立ち回りを演じるも、彼女は犯罪者ではなく理事長コンラッドの部下で、彼の命を受け、マノを試しに来たのだった。
そして彼女によって明らかになったのは、マノは彼女が出会った初めて、自分の予知を外した男だったこと。さらに、マノはカベルがかつて愛した女性イブの10番目のそして最後の転生者であるという確信だった。これでカベルとマノの絆はさらに深まったのだった(笑)。
※今どきのBL風オカルト・アクション・ラブコメ・ペア(笑)カベルとマノの関係について伏線が一つ明らかになったわけだが、私的にはマノのアルビノにも伏線はっていると期待しているんだが。

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2017年9月 1日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20170901)

Anatadakenoaris10「당신만의 앨리스(あなただけのアリス)」10巻。ソウル文化社。허윤미(ホ・ユンミ)作。9巻の記事はこちら
※この作者、漫画の技術はまだ発展途上だと思っているが、今巻では、なかなか複雑な葛藤を描写する。
側室ソギョンこと、現代から転生したアリスは、王から異母弟のことを聞く。王はこの弟のことは可愛くてしょうがない、だが今、病に伏せっていることが心配だと悩んでいる。
さらに、ソギョンを思慕していた若い官吏、今は国王の腹心の部下が、この異母弟の病が、毒を盛られている為であることを突き止め、宮中の勢力争いに利用されるか犠牲となるか切迫した状況だと報告しに来た。
ここでアリスは、冷徹な秘書の思考で、この件を王に伝えないように要請する。国王の負担になる情報はいけないし、確かに異母弟の存在は将来、現国王の障害と成り得るからだ。
苦悩する官吏だが、続いて、調査と言葉尻から、かつてソギョンを陥れた黒幕が、ソギョンが思慕していた重臣であることも突き止めてしまう。
アリスも冷徹なままではいられない、自ら手をまわして、異母弟に服毒していた医女を押さえ、密かに薬を無害なものにすり替えさせた。※この黒幕も上記の重臣であった。この人の動機は全て現国王を守る為なので、ソギョンの件も詳細は不明だが動機は同じなのだろう。
そこへ、宮廷に謀反の知らせが入る。国王は鎮圧に動かざるを得なくなる。続いて、反乱軍が宮中に夜襲をかける急報まで王に届く。
アリスに密かに王命が下った。直ぐに宮廷を脱出せよ、と。
※急転直下、緊迫した夜が始まった。国王、その異母弟、アリス、官吏、重臣、暗躍する後宮の側室達まで現れ、文字通り風雲急を告げる宮中の夜。

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2017年8月30日 (水)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20170830)

Megaderu6「눈이 나려 꽃(芽吹く)」6巻。임해연(イム・ヘヨン)。鶴山文化社。5巻の記事はこちら
王妃、ソルファの束ねる後宮に新しい火種の予感として、今まで全然話のなかった先代国王妃を非主流派重臣が、再擁立しようと、画策中の動きが出てきて国王とソルファが悩ましい顔をしている。専制を欲しいままにして、現国王も皇太子時代に散々辛酸を舐めたらしいが、遂にクーデターを起こし、大粛清の果てに、彼女は宮廷内の屋敷に蟄居させられているらしい。
本筋の方は、ソルファが後見している少女ホヨは、養母の政略で老重臣と婚儀を決められそうで憂鬱(多分、後妻か側室だ)。そのホヨが好意を持っている、他国の人質の王子は、彼が惚れてしまった女性が、実は国王妃であることを知って動揺し、馬術で落馬、軽傷を負う。後宮では、側室の一人が懐妊するも、毒を盛られ流産する事件が起こり、捜査中だが、懐妊自体が狂言で、流産も自作自演劇の可能性が臭う。
※作者後記として、作中の後宮の階位。位別の髪飾りの文様の図解。側室の親族など関係者の王宮内の勢力、階位の解説などもかなり詳しく解説されている。

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