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2006年5月15日 (月)

意欲作!海野つなみ『後宮』1巻

作者のことは全く知らず、題名が気になって調べてみると、同作者のファンサイト等を見るに、古典「とはずがたり」の漫画化だという。
しかし同作にはファンも未だ戸惑いを隠せない様子。
「とはずがたり」といえば日本古典文学全集のラインナップに必ずあるが、私はどんな話か全く知らないことに気が付いた。で、さらに調べてみると

発見が昭和十年代!直ぐに時局が悪化して、研究が進んだのは戦後になってから、という新しい古典?、
内容は、人によっては古典の○○や○×より面白いとさえ評す、鎌倉時代の宮中女房の男性遍歴を綴ったものだというではないか。
なるほど中高校の古典文学史では教えられない筈だ。
過去には、中央公論社の古典の漫画化シリーズでいがらしゆみこが漫画化したらしい。

とにかく現代語訳でも読んでみようと探すと、親父の本棚に、筑摩叢書版、冨蔵徳次郎訳があったので、読んでみると、これは一筋縄ではいかない。
複数の男性と愛し愛される恋愛小説だが、場面によってはどうみてもドタバタシーンとしか思えない箇所もある。
さらに調べてみると戦後の多くの国文学者、歴史学者が日記文学として検証し、文学者が様々な解釈をおこなっているが、さらに、これ等を否定して、類稀なる知的なフィクションであるとする説もあり、まだまだ評価の定まらない作品だ。

さて、漫画に戻ると、
つまり、これは極めて意欲的な作品だ。源氏物語等と違って読者も少ない原作を少女マンガ連載にする挑戦的な試みだ。

一巻を読了したが面白い。単なる「もののあはれ」な話ではないことを踏まえて笑いあり涙ありシニカルな視点ありの、「知的」なのがよい。
この調子で期待したい。心配なのは情緒的な悲恋ものではない話に読者がついてこれるかどうかだ。

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