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2006年9月16日 (土)

いいぞ!海野つなみ『後宮』第二巻

第一巻の感想でも書いたが
http://tobeisao.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/1_e569.html
「とはずがたり」という「食えない」作品に挑む意欲作として注目していたが、第二巻目に入って、期待以上あるいは原作以上に面白くなってきた。

原作を知らない読者には、これでも登場人物が多くて相関関係が複雑に感じられるかもしれないが、実は驚くほどわかりやすくなっている。原作は現代語訳で読んでも相当読みにくいし長いのだ。

さらに一巻を読んだ時は必要以上に絵がシンプルだと感じていたが、二巻を読んでいるうちにこれも、私の読みが浅いことを悟った(笑)。複雑なストーリーをわかり易く見せる単なる古典の「マンガ化」ではない、原作の本質を作者が解釈した結果だ。それは女流日記文学の古典ではなく、今日的なメロドラマ、知的な恋愛エンターテインメントだということだ。

「とはずがたり」は何度も言うように複雑だが、恋愛様式のオンパレード、ドタバタから涙までドラマがてんこ盛りで、次から次へと展開するところは帯ドラマ的で、読者を飽きさせない様におそらく計算して書いている。

だからマンガもウエットなペンタッチを避け、ドライで記号的、図式的な絵になった(と思う)。
マンガらしく二条の側女や女房達もキャラクター化して、舞台背景の解説やドタバタを演じさせたりするところは単に読者向けだけでなく、原作へのツッコミにもなっている。マンガの女房たちのツッコミ、ギャグシーンこそ海野つなみが「とはずがたり」を十二分に咀嚼している事をうかがわせる。

今後さらに繰り広げられる二条の波乱万丈の人生が、いかに描かれるかますます楽しみになった。

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