« アニメ「精霊の守り人」徹底トーク④ | トップページ | 『ふたつのスピカ』11巻(柳沼 行) »

2006年11月10日 (金)

『神の守り人』来訪篇、帰還篇

神山監督、上橋菜穂子先生のトークイベントに催促されたかのように、購入してから4年近く、未読のままだった同書を慌てて読む。

読み出すと、シリーズ最大の大作も、行き帰りの電車の中、帰宅後もぐいぐい読ませる迫力だ。

これまでも呪術的要素の濃い作品だったが、ここではついに国家レベルでの信仰の争いに踏み込んだ。しかも、今回は、少女が、「神」の器となり、民族対立の歴史の矢面に立たされる。

ファンタジーでは、少女に神霊を憑依させて、それを利用して起きる争いの図式というのは珍しくはないが、ここでは、少女アスラの内面にまで踏み込み、果たして彼女は、運命を受け入れるのか拒絶するのか。
登場人物全てが彼女を巡って争い、策謀する。しかし彼女の運命は、彼女自身が選択しなければならないのだ。その感情の振幅に目が離せない。

同時に、バルサは言うに及ばず、登場人物の生きる為の葛藤の描写が切なく愛しい。そして人々の生活描写の豊饒さ、自然との戦いの厳しさ。
いずれもが人間らしく生きることとは何か、読むものに再考を迫ってくる。

キャラクターとしては、敵役のシハナが魅力的。頭が切れ、大局観に基く冷徹な行動力、敵として完璧。しかもバルサとのアクションシーンも読み応え十分だった。

|

« アニメ「精霊の守り人」徹底トーク④ | トップページ | 『ふたつのスピカ』11巻(柳沼 行) »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

上橋菜穂子」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/174938/12629983

この記事へのトラックバック一覧です: 『神の守り人』来訪篇、帰還篇:

« アニメ「精霊の守り人」徹底トーク④ | トップページ | 『ふたつのスピカ』11巻(柳沼 行) »