« コードギアス 反逆のルルーシュ | トップページ | レ・ミゼラブル 少女コゼット »

2007年1月14日 (日)

マンガ感想:お見事!「後宮」第三巻

海野つなみ・作(講談社)

★先ず、無事三巻が出たことを喜びたい。源氏物語とは真逆で、極めて世間の認知度が低い古典「とはずがたり」を原作にした少女マンガがこうして連載が続いている。掲載誌「KISS」はエライ。太っ腹(そもそも私もマンガ読むまで「とはずがたり」のことを知らなかった。タイトルを後宮としたのも少しでも世間の関心を引くための計算か)。
★その上で、作品そのものを味わう・・・面白い。
★第三巻と対応する原作部分の現代語訳を読み直して、海野つなみの巧さにうなる。
★単なるマンガで読む古典の類とは異なる見事な解釈と脚色、そして緻密な歴史風俗考証。
★原作ははっきり言って読むと「変」なのだ。古典だから分かりにくいだけの話ではない。これは日記文学と解説されることが多いが、おそらく違う、日本史上初の、「実在の人物を登場させた」メロドラマ、恋愛エンターテインメントなのだ。
★それをメロドラマとして現代人が読んでも共感し得るように、キャラクターの陰影を深め、歴史的背景も奥行きのある、自然なストーリー展開にした海野つなみの力量と努力には脱帽。
★第三巻部分のメインストーリーは、主人公、二条の三番目の男の話だ。それ自体の描き方も見事だが、個人的に一番の注目点は、Act.17,所謂「粥杖(かゆづえ)」のエピソードだ。
★これこそ、原作のもっともヘンな件であり、どう読んでもここだけドタバタ、スラップスティックなエピソードで(故にこの原作が「日記」ではなく、「小説」であるとする根拠の一つ)、この「お笑い」場面をどう描くか期待していた。
★結果は、素晴らしい!ちゃんと笑えるし、前後とのつながりも違和感なくスムーズ(原作は、この件がストーリーから浮いている)。あるいは、本作のペンタッチもこの件を描くときの為の計算の上だったのかもしれない。

|

« コードギアス 反逆のルルーシュ | トップページ | レ・ミゼラブル 少女コゼット »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/174938/13492777

この記事へのトラックバック一覧です: マンガ感想:お見事!「後宮」第三巻:

« コードギアス 反逆のルルーシュ | トップページ | レ・ミゼラブル 少女コゼット »