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2007年6月16日 (土)

アニメ感想:精霊の守り人 十一話

「花酒をタンダに」

サヤのお見合いの話、といっても、お見合いの場面が一切無いのがミソだろう。

このアニメ、不親切で説明が少ないから(笑)、位置関係を把握すのに時間がかかったが(今回はキャストを観るまで分からなかった)、なるほど興味深い描写が一杯だった。

トーヤとサヤはタンダの実家(家長は伯父さん)に世話になっていて、前回の嫁にきてくれって話もきていて、街に戻ることにしてタンダが二人が住む家を借りた、その矢先、縁談がまとまりかけた。
で、伯父さんの家で前祝に花酒を出したところ、サヤが・・・。
場所がヤクーの家でヤクー人の伯父さんだからこそ自然に「魂抜け」の台詞も口をついて出る。

バルサは、いい話だから勝手に丸め込んじまったわけか、と掃き捨てるようにいったが、これはやはりバルサが基本的に家や土地に無縁な流浪人の立場だから言える。
仲人が上手くまとめてしまう、というのはいかにも日本文化がモチーフらしい話だね。

で、そこに起きるアクシデントがヤクーのアニミズム文化に誘因したという設定が実に面白い。サヤが寝かされているタンダの伯父さんの家に、大きなヤクー文様の敷物や壁掛け(これもいつも書くことだが明らかにアイヌ文化がモチーフ)、それに対して米問屋の旦那達と仲人の新ヨゴ装束(≒日本)の違和感。
このミスマッチが花酒を媒介に「縁談」という確固とした日常を異界へと引き寄せた。

結末から先に言ってしまえば、この場所、酒というアイテム、満月という時期、と条件がそろい異界を引き寄せ、タンダの呪術も成功させた。

話戻して、ナユグが描かれた。
壮大で美しく、しかし、山と思ったものが巨亀(笑)というシュールさ、風にうかがえる自然の活力・・・全体に漂う威圧と違和感。これが今後どこまで美しく狂いだすか楽しみ。

異界と俗世を行き来する蝶の動きによって、帰る方法が判明するという描写も巧い。
※リアルな日常描写にシャーマニズム描写を極力自然につなげていた。並みのファンタジーアクションアニメとは対照的な演出だ。

ラストにチャグムが意味ありげに笑いながら二人を見上げるシーン、原作小説のチャグムのツッコミ(笑)に代わる映像ならではの効果だねえ。

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