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2007年9月17日 (月)

本感想:天下無敵のお嬢さま!③ひと夏の恋は高原で

濱野京子・作、こうの史代・絵。フォア文庫、童心社。シリーズ第三弾。
はっきり言って美少女、お嬢様(あくまで自称)の小学生、沢崎菜奈を語り手に、彼女と友達が活躍して周囲に起こる事件を解決するSFミステリシーズ第三弾。
(内容がSFミステリなので、以下感想ネタバレあり)

今回は、避暑地軽井沢(この表現自体ノスタルジックさをかもし出す)を舞台に、隣にやってきたアメリカの大金持ちのヤンキー娘(笑)キャシーに振り回されて、彼女の大ボケにレギュラー陣はツッコミ役。そして事件発生という訳だ。

今回は、家庭用ロボットが次々と登場するが、ペットロボットのネーミングがネコ型ロボット大好きの私をニヤリとさせる。他にも茶運びロボットがあの動物型なのは想像すると笑える。ついでに言うと悪役のネーミングにも吹き出した。

そして謎解きに向かうと哀しい真実に菜奈たちは直面するというのが、このシリーズの持ち味だ。そこには個人的な事情に加えて、社会的歴史的風刺も入る。今回はキャシー一家が日系人というところがミソだ。

キャシー側の描写に代表されるのがアメリカ文化のケバさ安っぽさの風刺と見るのは早計だろう。物語を読み進めると、いわゆる本物だから価値があるとか偽物だから無価値とかいうが、価値というものは、それを持つ人次第で、その輝きは決まるという意図が見て取れると思う。安っぽさの裏にも深い人間の想いがある。
それを現していると私には思われるエピソードの一つに元女子プロレスラーのメリーさんの「ガラス玉(の輝き)なら見慣れている」、というのは、プロレス好きでもある私は感嘆した!そうイミテーションの装飾でもレスラーは輝いていた。

おっと、忘れてはならないのが現代ストーリーマンガ屈指の技巧派、こうの史代の挿絵だ。今回は彼女の得意技?の一つが肝試しルートの絵で効果的に出ている。

いわゆるケータイ小説は、以前の刺激的な題材や文体で読者を引っ張るものばかりではなくなったようだが、それでも自分の世界だけで構成されているような狭さを感じる。
濱野京子の小説は、子供の世界という、広くて深くて難しい世界を平易な言葉で描写して、大人が子供に伝えるべき仕事をきちんとしている、と私は思う。

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