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2008年10月 9日 (木)

韓国純情漫画感想:「らぶきょん」新展開の17巻にこの漫画の意義を再強調したい

パク・ソヒ作。佐島顕子訳。新書館発行。

おそらく、元々は作者も、翻訳している新書館側も、この辺り、シンとチェギョンの離婚で物語は終了を見込んでいたと思われる。
しかし、ドラマ化され、日韓両国で好評。韓国純情漫画としては破格の売行と話題性で、連載は延長された(多分)。日本の漫画出版界ではよくあることであり、かつ、読者はファンや漫画マニアであるほど、延長による新展開を嫌がることが多い。
しかし、韓国では事情が違うことを踏まえつつ、日本の読者から見ても積極的な評価と期待をあえて試みたい。

この一年の間で、韓国ではさらに純情漫画雑誌が一誌休刊し、私の手元にある、同誌連載コミックスの「最新刊」のいくつかにも、作者からその旨、説明した上で「この続きは描き下ろしで出すことになるがいつになるか?・・」という寂しいコメントが載っている。
それを思えば、「宮」こと「らぶきょん」の、連載長期化という「元気の良さ」が何と嬉しいことか!

さて、今巻の特徴は、別れたシンとチェギョンの苦悩がこれでもか!と繰り返し描かれ、内容的にも重苦しさ最大で、読むのが辛いと漏らすファンも存在する。

しかし、それだけ作者パクソヒは(この人、絵自体はまだまだ発展途上だが)その心理描写は、深みを増している。
主役の二人だけではない、ユルの狂気にも似た危険な愛憎と冷徹な計略を秘めた複雑な心理も、読む者を戦慄させて離さない。その他大勢の登場人物たちも、各々の立場上の思惑と、個人の情との板挟みで苦悩しながら行動している様子が余すところなく描かれ、群像劇の深みも増している。
これまでの、本作は韓国伝統文化の見直しというエキゾチズム、オリエンタリズムと王室ロマンスというお約束で話題をリードしてきたともいえる。それが定着した今、これからは、純粋に作者のストーリーテリングと心理描写の力量で読ませる段階がスタートしたのだ、と評価と期待をしたい。

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