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2008年12月 6日 (土)

マンガ感想:この世界の片隅に 第42回

「晴れそめの径(みち)(20年11月)」(漫画アクション2008.12.16№24)~を通して見る長谷川町子『サザエさん うちあけ話』の体験実話集としての異色さ~

今回の話のエピソード、すずさんが米兵に道を教えたら、子供と間違われてチョコレートをもらった、というエピソードで、またしても長谷川町子女史の「サザエさん うちあけ話」を思い出した。

この中の9章「こわかった話」にやはり、これと同じ「実話」マンガがある。(福岡の話)こっちはもっと派手(笑)。町子と姉の二人しかいない夜に、酔っぱらった米兵が大勢押し掛けてきて「覚悟」を決めて町子が出て行くと、小柄な彼女を子供と思ってチューインガムとチョコレートをくれたというのだ。そして町子は「カムヒアー」と米兵たちを誘導し、中学の先生の所へ連れて行く。明示されていないが英語が分かる人だったらしい。翌日の先生のコメントによると「女と遊ぶところを探して迷ったらしい」と。

こんなことを書くと短絡的な人は昨今直ぐパクリ?と騒ぎだすが、これはノンフィクションだから別問題だ。あるいはこうの史代はこのエピソードを参照したかもしれないし、戦後当時こういうエピソードは他でも、あったとしてもおかしくはない。そんなことを言いたいのではない本題はこれからだ。
「サザエさん うちあけ話」には、写生をしていると憲兵にスパイ容疑でしょっ引かれるというエピソードと同じ話が、以前にも「この世界の片隅に」に出てきていたが、他にも戦中戦後実話として凡百の戦争体験とは全然違うエピソードがあるのだ。
7章では、戦中マンガを描くのをやめて畑仕事に精をだし、作物が常に豊作で、以下引用する
『菜園の努力の実は、ご近所に配っても、軒からつるしても、ろうかにも食堂にまでのさばり大豊作の農林省の如く頭をかかえたものです』
ところが、ここからは私の記憶だが、これをNHK朝の連続テレビ小説でドラマ化した「マー姉ちゃん」で、このエピソードをそのまま映像化したところ。新聞のテレビ番組感想投書欄に、『あの当時はみな食べ物がなくて苦労していたのになんて不謹慎な描写だ』という大意の投稿が掲載されたのだ。抗議されたってねえ・・・ホントの話なんだからしょうがない。
かように(笑)長谷川町子女史の「サザエさん うちあけ話」という自伝漫画には、紹介しだすと切りがないほど、面白いエピソード満載なのだ。むしろフィクションや雑学集作るのに、この本を読まない方が調査不足だ、と言っても過言ではない。

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コメント

どの時代もそうですが、ステレオタイプな思い込みってありますよね。


私も「戦場に架ける橋」を見て、捕虜になったイギリス兵が、敵であるはずの日本軍のために鉄道の橋を造り、イギリス軍本隊がその橋を破壊するのに対し、捕虜になったイギリス兵達は逆に橋を守ろうとするのに、違和感を感じました。


でもこの作品はアカデミー賞を取っているのですよね。

少なくとも、1950年代の実際に大戦を経験した米英の人々の多くは、違和感を感じていなかったということなのでしょう。


国同士が敵味方に分かれても、人間はそう簡単に割り切れないということなのでしょうか。


サザエさん打ち明け話は、私も原作、連ドラ、ともに見ました。もう30年以上前になりますが。

投稿: 三浦泰浩 | 2011年8月12日 (金) 15時33分

立て続けにコメントありがとうございます。またいつでもご連絡ください。

投稿: とべイサオ | 2011年8月12日 (金) 21時45分

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