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2008年12月13日 (土)

ちはやふる 3巻(講談社 末次由紀)

変な例えだが、末次由紀は、芸術家タイプではなく、昔堅気の腕利きの職人タイプのマンガ家だと思う。

3巻目のテーマは、チーム作りだ。個人としての上達と仲間作りを2巻で経た千早は、遂に「部活動」を始める。新しい部活動を立ち上げる・・・一番楽しい時だよねえ。見るたびに初々しい瑞々しい魅力的なシチュエーションだよねえ。それをトントンといいムードとテンポで進めておいて、その後の試練作りの見せ方の巧いこと。「試練」を表現するのは、目の表情のないガリ勉クン・・・というお約束なキャラでみせているのが本当に巧い。先ず、その「机くん」のセリフ「僕は上達してるはず」・・・「はず」読み慣れた者、世間連れした奴にのみピーンとくる予兆。そしてその後、試合が進み、表情の表現のない彼の焦燥、虚脱、呆然自失が周囲の高揚感、喧噪のみを通じてひしひしと伝わってくる。これまで、そしてこの後の千早の焦燥、緊張感、息遣いそのものに読者を同調させていくのとは対照的だ。
そして物語を支えるその分野特有の描写、理詰めの試合駆け引きやテクニックの数々がリアリティを高めるのは言うまでもないが、中でも今巻では「足の甲」に感嘆。前記の机君から「はず」を一掃するのに説得力抜群の表現だった。
いちいち挙げればきりがないが、どれも還元すればスポ根共有、固有の表現に過ぎないのかもしれない。しかしだからこそ「ちはやふる」はそれほどに完璧なスポ根だ、ということだ。

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