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2009年8月15日 (土)

本感想:獣の奏者 3巻探究編(講談社)

上橋菜穂子の描く王国に永遠の繁栄はない。

本作でもそれを再認識した。王国はいつしか終焉を迎える体制であり、上橋の描くのは、王国の滅びの予兆、王国の黄昏、落日の時だ。
だが上橋の描く黄昏と落日は決して穏やかなものではなく動乱だ。新しい時代を作ろうとする人間、旧体制を保守しようとする人間を対立する軸として、激動する時代に否応なく翻弄される人間達が入り乱れて織り成すドラマから目が離せない。
「獣の奏者」は、それらに加えて、王獣、闘蛇など架空の生物の生態と人間社会の関係史の秘密に巻き込まれ、やがてサイエンティフィックにその謎を解き明かしていく少女エリンの運命を描いているが、第三巻では、前巻から一気に11年後、少女も家庭を持った女となった。しかし時代はますます緊迫した情勢となり、エリンをじわじわと追い詰めていく。一度は状況からの逃亡をこころみたエリンだが、それも叶わず、最後に下した決断は、意表を突くが、さらに驚くべき決意を表した人物が・・・このストーリー展開の大胆さも上橋の持ち味だ。

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