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2009年10月17日 (土)

アニメ感想:獣の奏者 エリン 第40話

「かげりゆく国」

サブタイトルが、今回だけでなく、上橋菜穂子の描く世界そのものを表わしているかのようだ。

今回も、また素晴らしい。最早、子供のドラマではない。子供には難しいと言いたいのではない。その逆だ。子供は成長し大人になって独り立ちいく。子供はいつまでも子供ではいられない。そのことをここまで40回かけてテレビの前の子供達に伝えてきたのだ。エリンだけではない。テレビの前の子供達も、そしてセィミヤ王女も、ということを。そしてそれがどういう意味であるのかをテレビの前の親子が話し合うのだ。そういう意味でまがうかたなきファミリードラマだ。

小説が、活字から読み手の想像力に訴えることに取り組んでいくのに対して、アニメが、こちらの視覚と聴覚に訴えていくものであること、その違いと効果を今回ははっきりと見せられた。
琴を抱えたエリンを見上げるように描いた場面に、正直、?と違和感を覚えたが、後のあの場面であっと思った(案外原作を知らない方が、狙いが先に読めたかもしれない)。そうかこの手があったか!心も体も傷ついた人を慰めるもの・・・。ここで最初に泣いてしまった。
後はずっと涙が出っぱなし。ほとんど全ての場面が、エリンとイアルの顔の一部だけのアップを、黄昏の日差しを当ててを映しだす、二人だけの対話ドラマ。
宿命に生きる女と刹那に生きる男のドラマが問いかけるものは深い。胸が詰まる、心が揺さぶられる、凝縮された「生きるとは何か」という問いかけに。
そして暮れていく背景。二人の時間は否応なく過ぎていく。
さらにエリンの人生を知ったキリクはどうなるだろう、彼は知った筈なのだ。エリンと自分の境遇が同じであることを。同じ境遇でありながらエリンのような生き方も可能であることを知ったキリクに注目したい。

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