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2009年11月 7日 (土)

アニメ感想:獣の奏者 エリン 第43話

「獣ノ医術師」

遂に音無し笛を吹いたエリン。今まで積み上げてきた信念と生き方を自ら瓦解してしまった瞬間。その痛みは想像するに余りある。同時にひたむきな青春の時は終わりを告げた。
王獣をモノとしてしか扱わない王獣使いの態度をこうして映像で観ると、猛り狂うリランの姿は、自然に対し畏敬を払わぬ人間に怒る、荒ぶる神の姿に見えた。
※さすがに凄惨なシーンは抽象的な表現に、「牙に鮮血」はリアルではあるが画像を処理して赤い血の色を消した。単なるボカシでなく、これはこれで逆に印象的に見せたのは、昨今のアニメが、ただリアルに淡々とドキュメンタリー映像みたいなことをする芸の無さと対照的。一つのお手本となるかもしれない。
痛ましい土下座シーンはナレーション付きでさっと。それでもやはり痛々しい。※どこぞの感動モノのようにひたすら陰湿なシーンをこれでもか、と描けばいいってもんじゃないよ。

どこをとっても一般的に見ればファミリーアニメには見えない。しかしストーリーの流れを無視してはいけない、43話に至るこれまで積み重ねてきた流れの上にあることを考えれば、子供も親もきっと考えて分かってくれる。これこそ本物の家族向け成長ドラマだ。

指を失われた左手にエサルは指なし手袋を与え、その厚みで太くなった手首に母の形見の腕輪を通すエリン、アニメオリジナルの腕輪の意味がここで遂に大きく輝く。素晴らしい演出だ。いよいよ政治の世界、大人の世界に身を投じていく。

キリクもやはり自分の生き方とエリンの生き方を対照してアイデンティティを揺さぶられていく。

さらにくどいが、ペット大国日本に、ペットとしての愛情しか注がない日本人に、このエリンとリラン、王獣使い達とリランの姿を通じて、自然と人為、野生とは何かを真剣に考えることも可能だ。

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