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2009年11月21日 (土)

韓国純情漫画感想:タムナ Love the Island 1巻

韓国少女マンガの新星チョン・ヘナ登場。

新書館の韓国純情漫画の翻訳コミックス第三弾となる。この作者は、韓国のマンガ出版社ソウル文化社の新人漫画賞を経て、これが初連載という文字通りの新人。それがあっというまにドラマ化(日本でもスマッシュヒットした「宮 Love in Palace」の制作スタッフによるもの。ドラマの評価は高かったが残念ながら裏番組が強くて視聴率で苦戦した)。
作者の力量は、新人とは思えない程。
時は17世紀、過剰なオリエンタリズムを抱き、とりわけ日本の陶磁器を愛する、英国貴族のボンボン、ウイリアムが知り合いの日系オランダ貿易商人ヤンに頼み込んで日本への密航を企てるが嵐で船はあっけなく沈没、漂流した先は、タムナ、いまでいう済州島だった。ノー天気なウイリアムは、島の海女娘ボジンと親しくなるが、当時の朝鮮では国防上の理由から入国した外国人の国外脱出は禁止だったのだ。ここに流罪となった両班(ヤンバン=朝鮮の貴族)パク・キュや済州島の重要な稼ぎ手である海女達が絡んで文字通りてんやわんやの大騒動・・・。

導入からここまでトントンと、達者な描きっぷりで一気に展開し、これが初連載と思えない程チョン・ヘナのストーリテリングには舌を巻く。画力は言うに及ばず、ドタバタギャグも下ネタギャグもあくの強さに、てらいも遠慮もなく(少女マンガと思ってみると日本人的にはややきついが)本当に新人離れしている。

日本人的には、時代考証が興味深い。かの大ヒット韓流時代劇「宮廷女官チャングムの誓い」を観た人なら済州島が政治犯流刑地であったことは知っただろうが、済州島ことタムナは海女の島であることは知るまい。「チャングム」で欠けていたタムナの文化を補える。しかし、このマンガの中での海女は格別だ(笑)。無敵の海女軍団を観たら腰を抜かすぞ(笑)。

だが、この海女生活の厳しさを通してヒロイン、ボジンのアイデンティティの苦悩を描いているのは少女マンガならでの巧さ。そして異邦人ウイリアムとの出会いを通して、少女が海の向こう、未知の世界への憧れを抱いていくプロセスは、日本の若い人たちにもきっと共感を得られるだろう。

さらに、日本語版で忘れてならないのは翻訳はパク・ソヒ作「らぶきょん」、イム・ジュヨン作「シエル」に続き、佐島顕子先生であることだ。韓国純情漫画の日本紹介にあたりこの孤軍奮闘には頭が下がります。

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