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2010年3月12日 (金)

韓国純情漫画感想(20100312)

最近読んだ原書あれこれ

★イム・ジュヨン「CIEL(シエル)」13巻(大元CI 刊)
12巻では、「三月うさぎ」騒動を鎮圧した功績で交換学生として首都シエラへやってきて国王陛下の謝辞も受けたイビエン、ラリエット、ジェニュアリー、さらに身分が明らかになったミス・オクタビアも同行した(呼び戻された)。オクタビアはこの国の第一王女であり、面白いことにその権限は、未来の国王陛下(自分の夫)を指名し、次代の「王女」を産むこと。つまり今の国王陛下は彼女が選んだということだ。
★イタイイタイ国王と王女のエピソード
あまりに痛ましいインパクトが強かったので、この二人の場面の抄訳に挑戦してみたくなった。
突然催された王宮の舞踏会の場面。その名目は明らかにされていないが、室内には、着飾った、しかしこれまでになかったほどに険悪な表情のオクタビア、そしてやはり険しい顔つきの国王。
王「今晩は特にきれいだヌイ(オクタビアのこと)。しかしここで私の妻のふりをしているのは別の女だ。それがこれからのヌイの生涯の運命だ」
オクタビア(以下:オ)「そんなこと全然関係ないわ。これからも私なしで上手くやって!」立ち去ろうとするオ。
侍女「オクタビア様!」。オの手をつかむ王。
オ「離して!、離してったら!」
王「まだ節操がない!これまで皆が君のわがままをどれだけ我慢したと思っているんだ。君の財産、領地、ドレスに宝石、何もかも君が王女を生む条件で認められたものだ。それがわからないか!」
オ「嫌ァァァー!」絶叫して失神するオ。
侍女「オクタビア様、なんということ、早く医師を!」
王「そのまま置いて離れよ」オを抱きかかえる王「この娘は王女としての義務を果たさなければならぬ」
侍女「成りませぬ、陛下!このようなご無体は!。平民でも初夜を無理に奪うようなまねは許されませぬ。どうか高貴な王女に恥辱を与えなさらないで。あんまりでございます、陛下、どうか!」
翌朝、寝台の上でオが侍女に「昨晩は何もなかったわよね。言ってちょうだい。何もなかったと。そうでしょ!」・・・とまあこれだけみると国王陛下が非道に見えるのだが、この後に続く、同じ翌朝執務室で王がジェニュアリーを相手に語る思い出話を読むと必ずしもそうは思えなくなるのだ。

王「私は昨日で本当の王になった。(幼い頃、初めてオクタビアに出会って)本物のお姫様だ。全身が光り輝いて見えた。彼女が私を婚約者に選んでくださった時胸が高鳴った。私があの王女の愛で王になるのだ!・・・あまりにも大きな勘違いだった。こうして話していてもまだみじめな気分になる。彼女が私をなぜ選んだか。私が一番年下だったからだ。あの少女は幼さゆえの一途さと残酷さで、自分の自由を少しでも長く延ばそうとする無責任さで、何の後ろ盾もない田舎の没落貴族を王座に据えたのさ。なんの力も知恵も無い幼き日々に受けた恨みは大人になっても胸にこびりついて離れない(この間、少年時代、未来の国王を巡って大勢の血が流されたことを暗示している)。

という訳で、これまでの話の流れからオクタビアはずっとクロヒテンを愛し続けていたことは明らかなので、王の孤独に耐え続けて職責を果たしている国王陛下と、ずっと身分に抗い自由な愛を求め続けたオクタビアのどっちが悪いとも偉いともいえないと思うし、かといって作者の共感は決してオクタビアだけに向けられているとは思えないのだ。せめてオクタビアが自分の選んだ国王とともにいたわりあってくれれば、と思わせるのだ。

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