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2010年4月15日 (木)

韓国純情漫画感想(20100415)

最近読んだ原書あれこれ

★パク・ウナ「ノクターン」3巻(大元CI 刊)。2巻の感想はここ
孤児のユリは10歳になるというのに、彼はまだ彼女を学校に通わせようとはしない。恋人、チヨンはこれを非難するが、彼はユリは今までの暮らしが普通ではなかったから、いきなり学校生活は無理だ、という理屈を淡々と主張する。チヨンは、あの子の神にでもなったつもりか、とさらに非難するのだが・・・。母の命日の夜が来るとユリは窓を開けないと不安で眠れない。そんなユリを彼は抱きしめて安心させる・・・。10歳の誕生日プレゼントに何がほしい?という彼の問いにユリはピンク色の口紅がほしい、と。だが秘書に相談した彼は、口紅はまだ早いと人形を与える。しかしチヨンは自分の使い古しの口紅をユリに与える。その後、彼は、口紅を取り上げようとする。泣いて拒むユリ。新しいのを買ってやる、だからチヨンのつかったものは使うな、と。そして彼はユリを残して海外出張に出る、連れて行ってもホテルの部屋に一人で閉じ込めることになってしまうから、と。「連れて行ってください」その思いをユリは口にすることができない。
静かな緊迫感が尽きることのない、男と少女の交情と齟齬の心理の綾。この緊張感に読者と主人公達は耐えられるか。さらに気になるのは、ある母子家庭の親子(母と少年)のエピソードが挿入されていること。この親子が一体今後どんな関係を持つのか。
★パク・ウナ「パンウル公主」3巻(鶴山文化社)。
「ノクターン」と同じ作者。こちらは李朝古典「金鈴伝」を元ネタにした中国が舞台の時代劇。「パンウル」は鈴のこと。前世の罪で、金の鈴の姿で生まれたパンウル。呪われた存在として捨てられるが、前世の恋人の生まれ変わりらしき男と出会い、行動を共にし、都で宮仕えをすることになる。だがその宮中でも不思議な愛憎のドラマに二人は巻き込まれていく。これもなかなか面白い。
★ユン・ミナ「地球防衛LOVE」2巻(ソウル文化社)。
アルバイトで地球防衛隊員となった少女キム・ウナの大活躍。敵は、人呼んでダークムーンというイケメンの異星人の王子。なぜかイ・ジファンという仮の名でウナのクラスメートをしている。要するにウナに気があるので、地球制服の名目で慣れ合いな地球攻撃を繰り返している。その地球攻撃の手駒がタコ型エイリアン、オクトパス軍団なのでまるで緊張感なし。お約束なラブコメアクション。お約束通りダークムーンの母星から彼のフィアンセもやってきて恋のSFバトル開始。お約束尽くしだが、作者のテクニックが十分あるので理屈抜きに楽しめる。
★カラ/イ・ユニ「Tiara」4巻(ソウル文化社)。
原作担当のカラはゲームデザイナーであるらしい。ゲームとのタイアップ企画のようだ。魔法とホムンクルスを操る人々の支配する特殊な身分制社会を舞台にした架空世界の女王位争いもの。コミックスには、ここまで巻末に舞台設定・用語の解説が詳細に記述されていて、こちらも独立して楽しめる。作画担当のイ・ユニもマンガテクニックは申し分なく、ライト感覚の異世界ファンタジーを楽しめる。
★チョン・ジンソク原作/ハン・スンヒ作画「春鶯傳」8巻(ソウル文化社)。
もっとブレイクしてもいい日本支配下の韓国を舞台にした歴史ロマンス。とっくにドラマ化映画化のニュースが伝わってもおかしくないと思っていたのだが。やはり韓国の若者も自国の文化歴史に関心が薄くなっているのだろうか。
日本を通じて西洋の娯楽が流入して、斜陽となったキーセンという職業からその伝統芸能を独立させ「女性国劇」という新しい芸能を立ち上げた実在の女性、林春鶯(イム・チュネン)を主人公にしたスポ根+歴史メロドラマ、歴史版「ガラスの仮面」といってもいい。今巻で第一部完。といっても打ち切りではない。すでに第二部は連載開始している。
ドラマ自体はフィクションで、彼女以外にも同時代の実在した芸能人を多数登場させている。巻末には、各登場人物の実話エピソードも記述されているので、近現代文化史的にも大変興味深い。
この8巻の巻末には東洋劇場を創設したペ・グジャのことが書かれているのだが、日本でも最近「在日音楽の100年」(青土社。宋安鍾・著)という本の中で一章設けてペ・グジャについて詳述されていた。

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