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2010年6月16日 (水)

韓国純情漫画感想(20100616)

クォン・キョジョン作「自分勝手艦船ディオティマ」

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キルチャッキ(日本語でいえば「道探し」)出版。現代韓国純情漫画の中で、今のところ私が見つけた唯一の本格未来宇宙SFマンガ。掲載誌の休刊に見舞われながら出版社を移行して現在は書き下ろしで描き続けられているようだ。現在4巻まで刊行中。
双子の天才科学者兄弟が築いた宇宙開発企業「CSC(Cosmo Spaceway Corporation(宇宙鉄道公社))」が、西暦2092年完工した全長2kmの超巨大宇宙ステーション「ディオティマ」。そのステーションの「駅長」が遅れて着任した。若干26歳のナマー・ジュン駅長、金髪の美人女性であった。彼女は到着するなり自分を駅長ではなく「艦長」と名乗り着任あいさつで「このディオティマは、最高速度秒速540Kmで航行する人類初の宇宙艦船となりうる性能がある」と宣伝して職員達の度肝を抜いた。
この駅長(艦長)は暇さえあれば居眠りと三次元シミュレーションゲームに夢中のすっとぼけた人物かと思えば、軌道上で事故が発生すれば、その年齢からは信じられない程に手慣れた指揮を執り、構内のあらゆる場所を巡回し、人物記録に年齢以外の一切のキャリアの記述がないという謎の人物であった。
このジュン駅長を巡り、やはり25歳の若き副駅長チオン・フッチェンブロブの視点を中心に、ディオティマの乗員、乗客達の人間模様が描かれている。画風は日本では言えば坂田靖子とかの感じ。巻末ではSF設定がカラーイラスト付きで詳細に解説されている。ストーリーは、ステーションの低重力区画と常重力区画、大多数の地球出身者とごく少数の月育ち、ヴァーチャル映像とリアルの認識論などSFならではの環境の違いが引き起こす様々な人間ドラマの連作。そして全体を通じてCSC経営陣とジュン「艦長」らが共有する秘密めいたドラマ、さらに彼女が回想(幻視?)する古代ギリシャのソクラテスらと交友する女性ディオティマ(プラトン「饗宴」に登場するエロスについて語ったという女性)の物語が挿入される。
日本のSFファンが読んでもきっと魅力満載の作品だと思う。作者の他の作品はファンタジイものが多く、現在の雑誌連載はシャーロックホームズを漫画化しているようだし、まさに突然発生的な本格SFマンガ、無事に続いてほしいなあ。

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