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2010年11月23日 (火)

映画感想:「ゲゲゲの女房」

東宝シネマ府中で観たのだが、予告編もCMも注意映像もなしでいきなり本編が始まったのには驚いた。さて、NHKの朝連ドラでは、描けなかった暗さを描いている。NHKのドラマでは、昭和三十年代、貧乏でしたがみんなで助け合って幸せでした、という世界観だったが、映画では、やはり貧乏の辛さ、貧乏暮らしの寂寥感を描いていた。どう描いたかというと、徹底的な画面の暗さだ。そう、当時の電気照明は貧乏な家では暗かったのだ。日が暮れていくにつれどんどん暗くなる、いや貧乏な家の構造は採光も悪いから昼なお暗しだったのだ。そして情けなくなる生活苦だ。
そして印象的だったのはリアルな時代の背景の中に突如無造作に表れる現代の東京の光景だ。この手法について、後で監督の経歴を読んであっと思った。市川準監督の「トキワ荘の青春」に藤子不二雄の安孫子役で出演していたというのだ。私は、この映画「ゲゲゲの女房」を見ている間ずっとこの「トキワ荘の青春」を思い出していたのだ。
「トキワ荘の青春」では新聞社の所謂、写真グラフ誌とかの当時の世相写真を随所に挿入していた。これを私は、よく周囲に「蛇足の見本だ」と口にしていた。ウソをホントに見せる映画の中でこんなことをやったら興醒めだ、と。「ゲゲゲの女房」では、この逆をやったのではないか。「トキワ荘の青春」が昭和三十年代を再現することに執着するのに対して、現代と当時を並べることで時代は隔絶したものではなく連なっていることを現し、ノスタルジーを断ち切ろうとしたのだ。

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 なにも「ゲゲゲ〜」が今年の流行語大賞に選ばれたからと言うわけではありませんが、『ゲゲゲの女房』を渋谷のユーロスペースで見てきました。 (1)本年上半期に放映されたNHKの連続テレビ...... [続きを読む]

受信: 2010年12月 4日 (土) 05時41分

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