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2010年11月23日 (火)

アニメ映画感想:「マルドゥック・スクランブル 圧縮」

故・本田美奈子の「アメイジング・グレイス」を使うのは反則だ(笑)。これ聴くと無条件に泣いてしまう。
原作がSF大賞を受賞してからもう十年か[付記←はサバ読み過ぎた]。あれは衝撃というのではなく、象徴的な出来事だった。それまでSFは、所謂文学が個人の内面を追及するのに対し、SFは宇宙、社会、政治、心でさえも、広く「世界」として描くものだった。だが同作は、少女バロットのアイデンティティの再生を長尺の中でひたすら追っていた。世界は、人間社会は、個人と対峙するほどに確固とした存在ではない、個人の内面と同様にもろくて崩れやすいものであることが、既に共感されていたからだ、と私は思った。
原作を最初に読んだとき、回復したバロットの最初の望みが「私を愛して」だったというくだりで私は泣いてしまったものだった。あの共感は、十年を経て実現したアニメの中でも変わらなかった。だから満足だ。

[蛇足]今ちょうど「マンガはなぜ規制されるのか」(長岡義幸、平凡社新書)を読んでいる最中だ、都の青少年健全育成条例改正案の類の視点でこのアニメ映画を観たらどんな風に映るのか。それに対してどう反論するか、そんなことを考えている。

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