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2012年4月26日 (木)

韓国純情漫画感想:最近読んだ原書あれこれ(20120426)

「월흔(月痕)」유시진(ユ・シジン)作。SKネットワークスインターネット発行。所謂WEBマガジンである、純情漫画雑誌「mint」に連載されている(これは今勢いがある韓国のインターネット漫画とは性格が異なる媒体のようだ。もとは紙媒体の漫画雑誌だったのだと思う。韓国のポータルサイトが宣伝の為に掲載するインターネット漫画が自由に閲覧できるのに対し、同誌は外国人が外国から閲覧するには少々制約がありそうだ)。
ユ・シジンは、やっかいな作家だ。シンプルな絵や構図にはこれといって変わったことがないのだが、内容が油断できない。私が最初に読んだのは数年前に純情漫画雑誌「WINK」誌(ソウル文化社)に連載中の「그린빌에서 만나요(グリーンビルで会おう)」。団地を舞台に自分が孤独であることも気付かなかった程の孤独な少年が同じ団地に二人で暮らす兄妹と交流することで、自分の孤独を自覚し、さらに内省していく、その思索を延々と記述するという作品。一昨年読んだのは短編集「首飾りの匠(목걸이장인)」も実験作品集といってよい。本書の帯の宣伝コピーにも「数多くのマニアファンを抱える」作家であると明記している(れっきとした商業漫画本だよ!)。
基本的に他人には見えない、記憶に残らない少女류이든(リュ・イドゥン)が主人公。全くの傍観者になっている訳ではなく、学校内で、比較的孤独な少年に目をつけて、不思議な力を及ぼし、交流を可能に出来る。
と、こう書いても、日本の作品でイメージするようなホラー作品やゴーストストーリーともパターンが違うんだよなあ。エピソードが 0 から始まるのも曲者だ。エピソード1で、独白「私がいるのは認識の隙間だ」と説明してくれてはいる(エピソード 0 が後から描いたプロローグみたいなものじゃないかな。読み終わっても直ぐには気付かないかもしれない程の、高度などんでん返しになっている話だ)。
イドゥンが交流する少年達の、生活と心理描写もかなり深いが、イドゥンも彼らとの交流を通じて何か「鍵」を探しているらしい。さらにイドゥンと目が合う人々がいる。同じように「認識の隙間」に生きている人々らしい(これもなんか曖昧なんだよなあ)。中には、謎めいた人もいれば、時々自分達のことを話し合ったりする付き合いの長い相手もいる。
ああ、そうだ、一番イメージが近いのは、ドイツ映画「ベルリン・天使の詩」だ。

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