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2012年5月28日 (月)

韓国純情漫画感想:最近読んだ原書あれこれ(20120528)

★「RURE(루어)」16巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社。15巻の感想はここ
前回は、「ブカイ・ランという国」と訳していたが気が変わった(笑)。以降は「ブカイ・ラム」に訳を変更する。
カバーの折り返しの作者の言葉がチョット面白い。私なりに抜粋して訳してみると
「今パートを描きながら、私の持てる生物知識を絞り尽くしました。魚類の生態+昆虫(アリと蜂)の生態。種族繁殖のための突然変異。
今回再認識しました。私のファンタジー設定の根幹は結局SFであるということを。」(引用終わり)

カバー帯には「오팔로스(オファロス)海戦」の文字がある。前巻のブカイ・ラムの支配する沿岸海域で今も海賊を続けている族名がオファロス。で、ブカイ・ラムを構成する部族名が、비어(ビア)族。沿岸諸家門の連合国家だ。
前巻でこのオファロスに拉致されたシン・ハルは、相棒の妖精の力を借りて、幽霊騒ぎを引き起こす、ブカイ・ラムの首都マンガラの港のあちこちに姿だけを現して(肉体は拉致されたまま)、救援を求めたのだ。これでブカイ・ラムのビア族は、女神の子が助けを求めている、という訳で大騒ぎ、一気にビア族とオファロス族の全面戦争になってしまった。ここからハードな展開となるのだが、これってハルは後で責任負えるのか?とツッコミたくなる。罪作りな女だ、と言わざるを得ない(笑)。
ここから、年代記風のト書きが挿入されていくのだが、これがなかなかいい味を出しているので私なりに抜き出して訳してみたい。
「これが後に、[オファロス海戦]と命名される戦の始まりであった」
「この戦いでは、多くの英雄が登場した。ブカイ・ラム初代合同議長に選出されたチャイズ・オグランタ。偉大な砂漠王チャ・クン・タマル。ワン・ウィライ(※私注=ブカイ・ラムに隣接する内陸側の大国)の光皇カルトゥス。後に大陸3強を主導することになる彼らが、この狭い地域海戦に登場した事実だけでもオファロス海戦は意味を持つ。」
「特にオファロス族長、“紅いアキ”は魔物扱いされていたオファロスをたった一度の戦で文明を持つ強力な海洋種族と認識させる快挙を成し遂げ、オファロスの父と称されることになる。彼が用いた海洋魔獣によるゲリラ戦法は、今日までも海戦史上最も画期的な戦術と伝えられている。」
「オファロスとビア族の初戦は海の魔獣クロックを利用したオファロスの圧倒的な勝利に終わった。」「この日、戦艦一隻と数百名の兵士を失ったビア族は暫しの小康状態に陥った。そして失踪者の中にはパイルの皇太子、タマルがいた。」(引用終わり)
圧倒的な敗戦なのになぜビア族は「小康」状態かと言えば、ビザ族のチャイズにはまだ次回の勝算があったからだ。
一方、タマルは、ハルを何としても取り戻す為にオファロス族長アキにしっかり張り付いて、海底まで追ったのだ。何故そんなことが出来たのかと言えば、最初から巫女を憑依させて自分を守護させていたようだ。そして、オファロスの住処に現れたタマルは、堂々とオファロスの真の「母」に謁見する。この「母」が巨人なのだ。さらにタマルは、彼女を「全てのビア族とオファロス族の母」と呼ぶのであった。
肝心のハルは、檻を抜け出して、男子禁制、女だけの居住区「内房」に入り込む。そこで、族長アキの双子の妹、女子供を守る呪術師アキの保護を受けることになり、オファロス族の実態を知ることとなる。そこの女達は皆、他部族からさらわれてきた者であり、子供達は皆、他部族との間に生まれた混血。ここの女、イザベルからハルへの説明を抜き出して訳してみよう。
「ここ、マングローブには、ビア族の女はいない。ビア族の女は弱くてここの環境には耐えられない。(イザベルの出身地は)ワン・ウィライ。奴隷として売られてきた所をオファロスに助けられた。ハル、ブカイ・ラムの女は大方、奴隷として売られてきたか貴族に嫁入りした女しかいない。他所からさらわれてきた女も多い。ハルは族長に捕まったの?。元々奴隷ではなかったハルはオファロスが嫌いかもしれないけれど、私はビアはもっと嫌い。同じようなことをしても、オファロスは女に優しくしてくれる。ビアは獣のように扱う。私もマンガラの田舎で村の共有女にされていた。何人の男と寝て、何人の子供を産んだか、思い出せないくらい。子供を産めなくなるとすぐ売り飛ばされた。ビアは女に本当に酷い。」
「だから私はオファロスがいい。女として役立たずの私もこうして生かしてくれる。」
「ただとても悔しいのは、まだ子宮が生きているうちにオファロスの所に来ていれば、子供と一緒に生きられ、子供も奴隷ではなく戦士になれたのに。それが唯一悔しい。」(引用終わり)
そして、ワン・ウィライのカルトゥスも、ブカイ・ラムの実態を調べ上げた。以下の調査報告の場面を抜き出して引用してみる。
「このブカイ・ラムのビア族が男しか生まれない単性人種とは。今も信じられんくらいだ。」
「ん、混血女がいるということは、両性人種の証しではないか?」
「問題はその混血が女しか生まれないことです」
「混血女は寿命が短く体が弱い場合が多い。混血が長生きした例は風術師、ユマイ達位です。」
「ビア族は女に対してかなり二面的な態度を採っています。古代史記を見ると「唯一の母」に対する賛美が多い」「しかしビア族の奴隷は8割が女。ブカイ・ラムの神はやはり大多数が女神です」(引用終わり)
とまあ、シリアスな考察が続いたのだが、カルトゥスは、ビア族の最大の弱点となる「真の女」はどこにいる?という命題を立て、今回の戦の原因となった、オファロスから「女神の子」を救出するという名目に、その女こそ純血種ではないか、と推定するのだ。
ということで次巻へと続くのだが・・。展開としてはスリリングな場面だが、読者としてみると、話題の女がハルだと分かっているから、またハルの所為で話が大きくなっちゃったぞ(笑)とも読めるのだ。あるいは歴史の影に女あり、歴史の分岐点なんてこんなものだ、という作者のシニカルな歴史観があるのかもしれない、かな(笑)。
※何故こんなに長々拙い訳を晒したかというと、単に私が元々SFファンであり、上記の作者のコメントにあるように、SF的設定に作者の「気構え」を感じたからだ(笑)。

Rure16

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