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2012年10月13日 (土)

韓国純情漫画感想:最近読んだ原書あれこれ(20121013)

「Lady detective(レディ ディティクティヴ)」5巻。原作전혜진(チョン・ヘジン)。漫画이기하(イ・キハ)。大元CI社。4巻の感想はここ。ハッキリ言って私の一番好きなビクトリアンミステリの新刊。
前巻からの続きで、「聖女の血」事件をきっかけにエリザベス・ニュートン嬢ことリジーの評判を聴いて遂に女王陛下から直々の呼び出しと事件捜査の依頼。
女王陛下の大切なエメラルドをちりばめたティアラが紛失。しかも皇太子に盗難疑惑濃厚。スキャンダルとなりかねないので警察に捜査を依頼できない。
現場を調べたリジーは、痕跡からの推理と得意の化学実験により、ティアラの行方を見つけるが、それだけでなく、もっと大事な心の問題を解き明かす。皇太子が何かと比較される偉大な亡父(女王陛下の夫)大公へのコンプレックスによるストレスが、この事態を引き起こした、と母と息子の和解を促す。物語は、ここに、リジーのニュートン家執事であり婚約者であるエドウィン・ホワイトがかつて大公と出会い、元々孤児で卑しい身分故のリジーに対するコンプレックスと、大公の女王陛下に対する立場が、共に己が影であり、女王とリジーが光であるという意識に共感した経験が重なる。さらに、女王陛下が、そんなつまらないことを気にするエドウィンに「おろか者!」とカツを入れるのだ!これが女王陛下カッコいい(笑)。
次の事件との幕間劇風に、大物ゲストキャラ登場、数学を学ぶ天才学生、マイクロフト・ホームズ、拍手・・・の筈なんだが、このキャラがなんと、頭の回転が速すぎて、言葉が追いつかない、だから人とうまく付き合えない、ひたすら純粋数学の美に浸る超内向的青年。そんな彼がリジーと遭遇、この出会いがまたすごい、喋るのではなく、自分の推理の結論だけを筆談で話しかけたのだ。このアイディア秀逸だと思った。そこでリジーも一目で、「マイクロフト君」の推理は勿論、彼の立場や心情を理解し、共感するとともに彼を激励し、交友を始めるのだった。そんな様子をスゴイ嫉妬の眼差しで睨みつける青年が、モリアーティ君なのだ(笑)。
他に、チャールズ刑事やリジーの家庭教師アーチーも脇役としてちゃんといい味出している。実は最初っからチャールズ刑事に付いている制服警官がレストレイドなんだけど、このキャラデザが何故かロボット、それも古典的な奴にしか見えない、これについては作者の説明は一切ない(笑)。
※今回の、女王陛下のエメラルドのティアラ事件、明らかに原典(聖典)の「The Beryl Coronet」のオマージュエピソード。これ日本語訳題は「緑柱石の宝冠」だが私の子供の頃の児童向翻案作品では「エメラルドの宝冠」と訳されていたんだよね。実際にはベリリウムの宝石はベリルとエメラルドは色が違うらしい、ということはつい先ほど初めて知った(恥)。しかしエメラルドやアクアマリンに人気があるので流通名は、その二つの名で、という事実もあるらしい??。もしかすると原作者のチョン・ヘジンもベリルのティアラではなくエメラルドにしたのは私と同じような原体験に思い入れがあったのかもしれない、と妄想している(自嘲)。

Lady_detective5

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