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2013年7月27日 (土)

韓国純情漫画感想:最近読んだ原書あれこれ(20130727)

「恋慕(연모)」7巻(大元CI)。イ・ソヨン(이소영)。6巻の記事はここ
王位を狙う월산(ウォルサン)君は今度は、王の暗殺を企てた重臣に密かに接触して揺さ振りをかかける。これに期するところがあったか重臣は王、フィ(휘)を宮中に呼び戻した。そしてこれまた密かに傍若無人な振る舞いでフィから屈辱的な罰を受けた王子、창원(チャンウォン)君を隠遁先から呼び戻した。憎悪と復讐心の炎をたぎらせる(⇒この絵が実に恐い)チャンウォン君を擁立する肚と思われる。
宮女達の間では王、フィ(휘)とチョン・ミス(정미수)に男色の噂が立つ、王の暗殺を企てた重臣も王の権威を貶めてはならぬと、後宮を採ることを強く進言する。しかしこれは王が敢然と拒否、我が夫人は中宗中殿だけ、と明言。この時ばかりは、喜ぶ王妃ノ・イヨン(노이영)であったが・・・。当然、フィがイヨンを抱く訳でなく、痛々しい。せめて秘密を打ち明けてやれば、イヨンも少しは報われるのでは、と読む方としては思わずにいられない。
一連の顚末に対してフィの亡母の母親でありずっとこの母子を守ってきた尚宮の心情は、なかなか印象的だ。
「女が男に惹かれるのは世の理(ことわり)。・・・我が娘に因って強要された人生。・・・つらい過酷な宮中で、我が孫娘に、笑えるひと時、暖かい束の間が、少しでももう少しでも長く、と願うだけだ」
もはや未来への希望も思惑も何もない。逃れようもない狂気の人生に、己は言うまでもなく、フィにも未来がないことは覚悟している、刹那的だ。読者としても本当に痛ましい。
一方、자을산(チャウルサン)君の追及をうけたチョン・ミスは遂に、王暗殺未遂の件と調査過程で妓生(キーセン)セリュジ(세류지)の名が浮上していることを明かす。自分の女だと思っていたものへの疑惑にチャウルサン君はさらに苦悩する。
そしてチョン・ミスに婚儀が持ち上がった。フィの苦悩と悲しみ、孤独・・・が、延々と描かれていく。実はこの縁談に動いていたのは、チャウルサン君だったらしい。といっても悪意ではなく、二人の絆と王の秘密に気付いた彼は、未来のない痛ましい関係に、せめて形式上だけでも踏ん切りをつけさせてやろうという配慮だった。しかし、婚儀の当日、遂にチョン・ミスはこれを拒否したのだった。
性倒錯的な設定と異装が、架空とはいえ朝鮮王朝の謀略の歴史(本当にこの歴史は読むと私的にはうんざりする)を、痛ましいが純粋、将来の夢がない故に無償の、「愛」の苦悩によって「浄化」しているのかもしれない。

Renbo7

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