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2013年7月20日 (土)

アニメ映画感想:宮崎駿「風立ちぬ」これは夏休みの宿題映画だ

配偶者と東宝シネマ府中で観た。ジブリ作品ならどこでもやるから、ネット予約を利用すれば、初日でもゆっくり鑑賞できる。では、感想を。
一口で言えばこれは「宮崎駿からの夏休みの宿題映画」だ。大正期から昭和への時代の風俗、舞台解説が一切ない、といってよい。年号すら出ない。いまどきのネットレビューだと、「場面の時代背景が分からない」とか「説明不足だ」「不親切な映画だ」「わからない」と、いう感想が目に浮かぶようだ。
だがこれらは、おそらく意図的で、むしろ映画は「分からない所は自分で調べろ!」といっているのだ「ヒントは、その都度、提示してある、それらを手掛かりにして調べれば分かる」と。インターネット時代は、どいつもこいつも「ぼくは分からなくてもいいんだ」病だ。
そうして、映画の台詞、場面から調べる行為の先にあるものは、「昔の日本は良かった、あの美しい日々を取り戻せ」の懐古癖を直せ、目を覚ませ、ということだ。戦前の近代日本は、決して美しいものではなかったよ、急速な近代化政策の負の側面を忘れるな、と。
急激な近代化の中でも、個々人は潔く美しかった、夢を追う人がいた、けれど、日本という国は彼、彼女らの幸せを踏みにじった、ことを訴えている。一番象徴的なのは避暑地の外国人カストルプの台詞だ。「ここはいいところです。みんな忘れられる」と、同時代の日本の政治的トピックを列挙していく。
そういう意味で、想起されるのは、壺井栄の小説、木下恵介監督の映画「二十四の瞳」だ。いずれも戦後民主主義の視点から戦前の封建主義的日本の社会を批評した。

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