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2014年8月24日 (日)

吉田とし、という児童・青春小説家がいた。その18

「春の祭り」中篇程度の分量で、実にテーマは盛り沢山。地方の漁村地域の私立女子高生二人が主人公。地方の祭りの太鼓叩きの若い男性の男らしい魅力と女人禁制という伝統行事にありがちな男尊女卑への批判的視点。初恋。地方の青年達の誠実と不実。実の父親による娘への近親相姦という衝撃的な性。女子同士の友情と心身ともに受けた傷の癒しなど。
青年の名セリフ『つらい経験をしたあなたが、毅然とした態度で生きてる姿を見たら、ぼくは感動するだろうと思う。(中略)なんてきれいな女性なんだろう、って』
エピローグは、青年二人と主人公の二人だけの新春の祭りでタイトルテーマに至る。それは伝統の祭りではない、新しい性と生に立ち向かう男女の新しい未来形の祭りへの期待と願いか。
具体的な時代も地域も特定させない簡潔さと、それでいて地に足のついた詳細な叙述と誠実な文体で普遍性と土着性のある生と性の姿を映すことを目指した意欲作、と私は感じた。

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コメント

1955年の生まれの私は、当時小学館から発行されいた学習雑誌をずっと愛読していました。
そして「小学五年生」に吉田としさんの『じぶんの星』が連載されました。
感想文募集っていうのがあり、私も感想文を送りました。
感想文入選者発表の号に吉田としさんが書かれた寸評の出だしの文章は、その後に私が生きる上での指針となりました。
以下抜粋です。

にんげん、という字は、「人のあいだ」と書きます。
人と人とがおたがいに知り合い、理解しあい、じぶんもあいても幸福になれるようにつとめてこそ、
動物とはちがう、すばらしい力を持った『人間』といえるでしょう。


余談ですが、入選者のうち二名の感想文が掲載されました。
そのうちの一人は私です。ちょっとした自慢です。
失礼しました。

投稿: 通りすがり | 2014年10月21日 (火) 14時09分

いい思い出のお話をありがとうございました。

投稿: とべイサオ | 2014年10月21日 (火) 15時30分

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