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2014年9月27日 (土)

本感想:「しえりの秘密のシール帳」濱野京子・作。十々夜(ととや)・絵。みやべゆり・イラスト。

講談社刊。華やかなソフトカバーのペーパーバックスタイルで小学生向けの軽めのタッチの作品かと思って随分読むのを後回しにしていたが、甘く見過ぎていた。シンプルだが深い、確実に濱野京子の描き方は幅が広がっている。
幼稚園の時に友達からもらったシール帳を使い、家族に盗み見られてても分からない、自分だけの日記帳をつけ始める。ここに既に小五の少女の自我の目覚めを描いているが、ストレートに心理を記述するのではなく、いかにして日々の出来事と気持ちをシールの絵を駆使して表現するか、その描写が続く設定が工夫されていて、実に面白い。と同時に少女の一日の始まりである、星占いの内容と日々の出来事の絡め方がつかず離れずで、占いの良いことも悪いことも自分に都合よく解釈するあいまいさ加減が心地いい。
しかしそうして自我に目覚め始めた少女の目に映る出来事は、これまでとは異なる。
クラス替えによる不安、遠くなる今までの親友、新しい出会い、やはり少女を「評価」し出す友人達もまた自我の成長の現れであり、占いという固定された手法との対照になっている。やがて、可愛いだけと思っていた友達の現実も見えてくるし、意地悪、口が悪い、愛想が無い、というイメージしかなかったのも思慮深さ、思いやりの裏返しだったことにも気付かされる。
大人達、というか親達の役割も忘れてならない。昨今ネット社会では、親も親として生きて成長していくものであることを忘れているような硬直的な評価を下す「大人」が目立ってしまうが、ここに登場する親達は自分の役割をきちんとこなしていて魅力的だ。
そういう現実一切に対して評価を「固定」しないで日々成長していく主人公に共感する、とオジサンが言うのも気味が悪いか・・・。※蛇足だが私は十月十八日生。

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