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2014年10月18日 (土)

韓国の漫画 韓国純情漫画感想:日本軍従軍慰安婦漫画を読む その1「나비의 노래(蝶の歌)」①(20141018)

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2014年フランスのアングレーム国際漫画フェスティバルに出展された韓国漫画家達による日本軍従軍慰安婦漫画の作品集三分冊より。原作チョン・キヨン(정기영)、漫画キム・カンソン(김광성)の「「나비의 노래(蝶の歌)」は、一番長めの作品。100頁くらいの中篇で、10代前半の娘ハ・クムスンがビルマの戦地で慰安婦として日本軍兵士に辱めを受けた悪夢の日々と、齢八十を越えた今、在韓日本大使館前で、従軍慰安婦問題を訴える「水曜集会」に参加を決意するまでを描く。
出典作の中で一番オーソドックスな技法で端的に描かれているので分かりやすく、情報量が多い。そこから気がついたポイントをストーリー展開には沿わないが、取り上げていきたい。
日本の嫌韓評論誌上で、よく「私は目撃した!」とかって、在韓日本大使館前で自らの従軍慰安婦体験や日本政府へ誠意ある対応を訴えるハルモニ(おばあさん)達が、後でケロッとして笑い合っているのを見て、「演技だ、ウソだったんだ、ニセモノだ」と喚いて、それがネット上でも伝染しているようだが、これは韓国の文化、習俗、習慣、背景事情等、言い方は何でもいいがとにかく、そういう意識の違いを一切無視しているに過ぎない。
漫画の中では、この「屈辱と怒りや哀しみの体験を笑いながら訴える」姿が当然のように堂々と描かれているのだ。この「水曜集会」を支える人々は、ハルモニ達の70年近い秘めたる苦悩の日々を踏まえて、彼女達がもう辛い思い、親族に後ろめたい気持ちを持たないでいられるようにし、名乗りを上げた勇気を称える為に常に笑い、ハルモニ達を笑わすようにしている。たとえ語っていることが恥辱の内容だとしても、だ。今それを堂々と証言していることは誇らしいことなのだ、と。
そういうことが、漫画という表現手法なら、こんな風にくどくど説明しなくても読めばわかる。やはり漫画とは素晴らしい表現だ!
※つまり日本や欧米なら、シーンとして時に嗚咽しながら聴くもんだ、と思い込んでいるからおかしな偏見を抱いてしまうのだ。
漫画の中で、かつて同じ慰安所にいた娘がハルモニとなった今、「水曜集会」で講演している姿を見て駆け付けたハ・クムスンに、これまた「笑いながら」近況と心境を語る場面のセリフを抄訳してみる。
『あちこち講演に出かけて、日本にもアメリカにも行って面白く過ごしているわ。人生一度きりじゃない。何のとりえもない私が歴史を動かせるかもしれないのよ。興奮するじゃない。恥ずかしい、ひどい私の過去が爆竹のようにはじけて、飛び火してあっという間に世界に伝わっていくのよ。二度と歴史にこんなことが起きないようにするために。』日本だとこれが、詐欺師のセリフのように聞こえてしまうが(苦笑)全然そうじゃないのだ。
「水曜集会」に参加する決意をしたハ・クムスンに反対する息子に言うセリフをまた抄訳してみる。
『それは、あなたが男だからよ。男達は何かというと「国家」だ「民族」だと大げさに言うわ。強制で連れて行かれた私達だけが罪人なの。女は純潔でなければならぬ、と男達はいうのに、私達が挺身隊に連れて行かれた時朝鮮の男たちは何をしていたの』
戦争を始めるのやめるのも、男の都合、女の恨みはどうなるの、と、女性の人権意識に八十を越えたハルモニ達は今、目覚めたのだ。

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