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2015年9月14日 (月)

本感想:「鹿の王」上橋菜穂子(角川書店)

上橋菜穂子の世界に永遠の王国はない、斜陽を控えた、古い王国の黄昏時を描いている。
だが、王国崩壊の予感は国の内側からだけのものではない、新しい時代の胎動は国外から響いてくる。強権主義と共和制の予兆が古い王制を揺り動かす。そういう変革の時代の空気が人心の変化も促すものだ。昨今の小説は個人の内面を描いて評価されても、外部要因が欠けているものが多いようなが気がする。世界の社会システムが堅固過ぎる、そもそも関心がないかのようだ。
その上橋菜穂子が初めて外からではなく内からの変動要因を描いた。しかし、その内側の世界の要因は国内だけではない、人が決めた国境などにお構いなく、人間の世界を侵食していく。
バンデミック・パニック・エンターテインメントととしても一級の迫力満点の展開も読ませるが、それが個々人の体内、国家体制、異民族との相克といった人間の営み、業の諸々を易々と脅かすかに見えていたものが、それまでとは逆に、諸民族固有の文化生活の違いを認めていくことが手掛かりとなって危機克服の展望が開かれ、個々人の体は救われ、その事実が人々の心をも動かしていく。
ラストシーンは、主人公を巡る人々が各々異民族を代表し、かつ愛し合う新しい家族の形成を予想させる構図で素晴らしい。

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