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2015年12月31日 (木)

本感想:「空はなに色」作:濱野京子。絵:小塚類子。そうえん社。

嵐のような女の子。昔からそういう物語はあるね。予期せぬ嵐のように現れて、主人公の日常を書きまわして台風一過のようにさっと去っていく。後に残るのは、少女のいた記憶とそして・・・。というか私の経験では、短編読み切りのマンガでよく読んだ。岩波児童文庫の翻訳ものにもTバックの娘が突然現れて街は大騒ぎってのがあったようななかったような。
神田の小学五年生の女の子規子(ノリコ)の夏休みに、突然埼玉の中学生の従姉美蘭(ミラン)がやってきた、金髪、タンクトップにネイルアートにウソだらけ?のマイペースに振り回されっぱなし。
美蘭は事ある毎に自分の所(関東の北部?)には何もない、とぼやくが、対して都心の行楽地や少子化の小学校の空虚さも規子の目を通じて映しているかのようだ。
そして原発再稼働反対デモにも出くわす二人。
「空はなに色」に見えるのか、美蘭が去り夏休みが明けた規子にはこの問いが浮かぶ。空にはいくつもの色がある。だから答えも人によって違う。自分も友達も家族も色々な顔があることに規子は思い至る。友達の事も何より自分自身を事あるごとに決めつけていたのではないか、と。
10月美蘭はもう一度現れ、規子を誘ってデモに参加する。そこには意外な人もいた・・・。※ここにこの人がいた、という件はいい、実に心地いい。
そして、少子化で簡素な(とはっきりとは書いていないが)学芸会の準備を通じて何か規子は変わった。
※人に色々な顔があるという話と言ったらそれまでだが、私には、かつてこの国に大勢子供がいた時代の子供だった事を思わずにはいられない。そういう時代の対照もされているかのように私には読めた。あの頃は少人数授業が実現できれば全てよくなると思わずにはいられない程の騒々しさがあったものだが、それが実現したこの世界はどうだろう。教室の先生も子供も倦怠感にとらわれ心弱くなってしまったかのようだ。外に出れば今時のデモに、ネットという奴は何であんなにビビったり胡散臭いと感ぐったりするのか、疑心暗鬼だらけだ。嘆かわしい。

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