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2016年3月 3日 (木)

本感想:ことづて屋 停電の夜に 濱野京子・作 カスヤナガト・イラスト

文庫書き下ろしの連作もの(短編集でも書き下ろしの時代なんだな、月刊誌が減る訳だ)、前作「ことづて屋」に続くシリーズ第2集。前作の感想 で、このトリオはシリーズ化できると書いたが、やはりさっそく続篇が来た。
前作が2011・3・11の震災前後のエピソードで、今回は震災後のエピソードが続いている。但し、「ことづて」の内容は震災の時の回想、というものもある。
やはり私の思うところでは前作感想でも書いたように、ここで「ことづて」とは、弔いとは残された生者の為の者、という隠喩であり、相棒の大迫恵介が津多恵に施す化粧は、探偵の変装であり、呪術的要素でもあること等を踏襲して物語は進行している。
今回はさらに、津多恵の実家の父親との帰省中描写や、飲酒等の経験的成長(?)、美容院店長竹沢怜が津多恵自身によりそった化粧を施す描写などが加味される。
また前作からだが、津多恵は訪問先で毎回、ささいな点から「推理」をしている。津多恵は単なるシャーマン(シャーマンが単なる者かと言えるかは問題だが)ではなく、他人の人生の秘密を解く探偵でもある。
内容だけでなく、叙述、構成の上でもいわゆる創作のお約束パターンの一つ「悪魔との契約」にずばり挑戦して見せた。
※余談だが、悪魔に魂を売る契約で願いをかなえてもらいながら如何にして悪魔を出し抜くか、とか、三つの願いをかなえてもらおうとするが、何でも願いがかなう事とは、結局何もかなわないに等しいことだ、というオチ話とかだ。さらに余談だが、昨今のネット世代、電子ゲーム世代などの若い子は、こういうお約束をしらないで、その手のパターンのアニメを観て平気で先行した電子RPGの設定の「パクリ」だと騒ぐんだよな。
他に、津多恵が超方向音痴という設定があるのだが、情報過多な生者の現実に彷徨う姿だ、と想像すると私はしっくりする(ややうがち過ぎか)。小説全体が各篇、情報伝達的な背景描写は極僅かで、静かな印象で覆われている。物語が「うるさくない」のだ。

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