« 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160423) | トップページ | 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160505) »

2016年4月30日 (土)

韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160430)

Tsukigaugokuoto5달이 움직이는 소리(月が動く音)」第5巻。(ソウル文化社)。4巻の感想はこちら。ユン・チウン(윤지운)作。
※白か黒かで割り切れない心理の綾を描くユン・チウンのタッチが冴える。
学院(※学習塾や大学受験予備校を韓国ではこう言う)でヒロインのサンホ(산호)に出会った、パク・ヘリ(박해리、サンホの親友)の友達がサンホに「あなたパク・ヘリの友達でしょ?」と話しかけたら、サンホが否定していた、というのだ。またある時は、サンホの母親が再婚したとかしないとか相手によって話が違っていた、サンホはうそつきだ、と。
これらを真顔で追及するヘリ。だが、当時のサンホの心中では、一方的な態度でサンホに、有無を言わせず付き合いを続けさせていたパク・ヘリは、自分の本当の友達と言えるのか確信が持てなかった。高校を出たらそれでおしまいの関係かもしれないと思っていたから、当時そういうリアクションになったのだ。だがヘリの剣幕に、言葉がスムーズには出て来ないサンホにヘリはさらに怒りをぶつけて立ち去る。母親の事情を言ったり言わなかったのも、(※以下、無謀にもサンホのモノローグを拙文で抄訳)
『ウソ、虚言、悪いと知りながらついていたが、こんな代償を受けるほど悪いこととは知らなかった。他人をだましたいとか思っていたわけじゃない。そんな風に話してみたかった。思いつきを口に出して他人に話せば、ほんの一寸、気持ちが現実感を持って事実となった。信じなくても関係なかった。ただ人が聞いている所で話してみたかった』
さらに、タオン(태온)の別人格のレオ(레오)とサンホ、ヘリとサンホのことをどうしてもサンホはタオンには話せない。そんなサンホにタオンがわだかまりを感じ始めた。ここから今度は、タオンの回想が幼時代からサンホと付き合いだすまでじっくりと描かれる。
二重人格の秘密故に、優しい両親とも、交友関係でも微妙な違和感を覚えずにはいられず、日常生活に生じる。そんな日々に友人との会話の後で独りため息をつくサンホを偶然目撃したこと。さらに偶然にサンホが自分から意思を提起してきた場面を初めて見た時は、その相手がタオン自身であったこと。自分の秘密を自然に受け入れてくれたサンホへの感謝と喜び。そして今。
※タオンは、サンホを通じて自分とレオを別人として扱ってくれる体験をして幾らも経っていない。つまりサンホという女性を初めて意識し、秘密を受け入れてくれた喜びと、他人としてのレオに対する嫉妬を立て続けに体験している訳だ。そのストレスの大きさを自覚しているのかいないのか、読者にとっても判断が難しい繊細な描写が続いている。
※つくづく時代の変化を感じるのは、お決まりの言葉を使えば、近現代共通の個人のアイデンティティの苦悩という奴だ。かつて私達は韓国人と日本人の意識の違いを理解するのに腐心していたのが、漫画からはむしろ作中人物の痛みに共感を見出して違和感がない。

|

« 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160423) | トップページ | 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160505) »

韓国の漫画・純情漫画(순정만화=韓国の少女漫画)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/174938/63500917

この記事へのトラックバック一覧です: 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160430):

« 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160423) | トップページ | 韓国の漫画 韓国純情漫画(순정만화)感想:最近読んだ原書あれこれ(20160505) »