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2016年7月22日 (金)

本感想:最新?在日朝鮮韓国人文学3連荘w #ジニのパズル #もぐらとキムチ #緑と赤

順序は逆になったけれど、まずは最新155回芥川賞候補作だった崔実(チェ・シル)「ジニのパズル」1990年代、騒ぎとなった北朝鮮ミサイル「テポドン」発射前後数年間を時代背景とした、在日朝鮮人少女の、まさに使い古された言い方だが、疾風怒濤、世界の全てが敵となる年頃、日常を侵食してきた政治に対する怒り、哀しみ、復讐、反抗、クーデター、アイデンティティの彷徨を凄絶に、息継ぐ暇もない程に一気に語る。その強烈なインパクトは抜群。物語の核としての、少女のパフォーマンスは不遜、無作法、無神経な表現になって申し訳ないが、私には痛快にすら思えた。
次に、木下繁「もぐらとキムチ」
昭和48年、在日朝鮮人の小六の少年と中学生のその姉を中心に、大阪と北海道を舞台に、1967年生の著者が、在日差別を全篇、ドタバタ、ユーモアで覆いながら、エンタテインメントに昇華させた快作。1965年生の私と共通の時代的文化的背景が郷愁と痛恨を誘う。
そして、最後になったが、多分、昨年の話題の本命、深沢潮「緑と赤」。
ここ数年の韓流、嫌韓という最新の時代の断面を背景に、日、韓、在日の老若男女のアイデンティティーの苦悩をオムニバス・ストーリーで、クールにドライにリアルに描いているが、私にはむしろ期待より印象が薄かった。
個々のエピソードは、確かにそこかしこで私も聴いた現実的に胸や頭が痛くなる話なのだが、まさにその「聴いたような話」ばかりなのだ。私の如きものでも、まがりなりにも、まさにこの手の話に、ざっと三十年、首を突っ込んできたのだ。つまり、この小説中の主な登場人物の誰よりもこの手の「話」と長い付き合いだ。
それでもあらためてそんな自分を振り返ってみると、政治や運動としての朝鮮、韓国関連社会的活動をメインとしないで十年前から韓国の純情漫画読書、収集活動をするようになっておいてよかった。やはり社会活動だけでは、生活が欠落していただろう。既に日本、韓国とも政治が劣化しているのは客観的に見ても明らか、経済・ビジネスが成長し面白くなり、心理・アイデンティティの探求が興味深くなっている。

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