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2017年4月 8日 (土)

本感想: #ことづて屋 寄りそう人 #濱野京子 作 カスヤナガト・イラスト

死者のメッセージを受けとる女性、山門津多恵が指定された人物を尋ねて伝える連作集。前に第2巻の記事を書いてからほぼ一年を経過していた。世相は、この物語の密接な背景である東日本大震災から時の流れに惰性のように身を任せ、当事者の苦悩に背を向け、共感と想像力を失ったかのような不寛容な様相を見せているのが、痛ましい。共感、それは私がここ数年、最重要課題としているものであり、当然本作を読む際にも痛切に感じる。
そして第3巻となる本作で、シリーズは一先ず幕を下ろすようだ。今回は、各作品、設定上、確かにあってもおかしくないアイディア、同一人物に、複数回、複数人物からのことづて、というユーモラスな味を加味したり、邦楽を小道具に彩を添えたり、現在、荒んだ生活をしているように見える人に、心を幾度も救われた故人のことづてというシンプルな中に、深読み可能な凝った構成などを展開した上で、福島を舞台に、未だ故人の死を受け入れられない人、というまさに原点と言っても過言でない世界に挑んだ上で、掉尾を飾るエピソードは、ことづての相手は、あの人、というかこの人だったのか、というべき人物に捧げられる。
そこにあるのは、最近で言うならLGBTの告白にも通じる、それ自体をこれから特別視しない、もう隠さなくてもいい、さらに加えて何事も、もう自分独りで背負うな、背負わせない、という社会のあるべき原点への回帰を求めた、静かなるアピールだと私は受けとった。

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