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2017年11月

2017年11月30日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20171130)

Rure28「RURE(루어)」28巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。27巻の記事はここ
28巻の帯は「神の意のままに」篇といったところか(=신의 뜻대로)。
※波乱に富んだ展開、多彩なキャラの新・再登場、繰り出されるアイディア設定で、盛りだくさん。粗筋すら書き尽くせない程だが、大きくは、前半と後半の2つの舞台、ハルの隠されていた恐るべき姿の一つが現れるのと、大神女신명화(シン・ミョンファ)の下す号令だ。作者のカリカチュアライズされたタッチが大きく怒涛のうねりを見せて戦慄を覚える程だ。

翅族の村でしばらく過ごすシン・ハルは、徐々にルアーの印章の力が低下していることに気づいて愕然とする。翅の力が本来のもので、ルアーの印章は奪った力だからだ。
ハルは、新たな学びを必要と感じ、志願してきた女戦士二人をつれて砂漠の中の交易都市、ワカに旅に出る。ワカは、この物語で最初にハルたちが訪れた都市だ。
パイルの戦の動きに、ワカも金と人の動きが活発になっている。そして以前に出てきたワカの市長の下に新たに総監マヒルという若き実力者が登場した。
このマヒルがどうも北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の関係者であることをうかがわせる。
そして以前にハルも会ったことがある鳥の姿のルキア、ヨークナーが現れ、このマヒルとも友人だったとかで最後の別れをしにきたという。そしてヨークナーは、ワカの入り口にやってきたハルの前に現れる。
※ここからの絵作りが本当にダイナミック、前半の圧巻。文字通り人が変わったハルがヨークナーを食ってしまった。
具体的な背景はまだ解説がないが、ヨークナーは自覚的に、ハルは無自覚に、この為に、この場所に来たのだった。これがサブタイトル「神の意のままに」だったらしい。
何やら意味ありげな数え歌のようなものをハルは感じ取る。※私で可能なら、後で拙訳を試みたい。
正気に返ったハルを、突然の雨が打つ。天の何者かがハルに語りかけ、その声はワカの人々の頭の中にも入りこんでくる(人々は「天のロクが話している」と)。
後半は延期されていたワン・ウィライの儀式「인신공양(人身供養)」が行われる。
火を焚き、以前にも出てきたこの日の為に神殿に囲われた薬漬けにされた奴隷達は焼かれ、次に貴族の子供達の成人式が続く、大神女シン・ミョンファ自ら剣を取ると、子供達の背から黒い片翼が現れ、この翼を一人ずつ一刀両断していく。
※この凄絶な光景を描写と併せてこれを目撃したパイルのルク将軍の手記という形式で解説していく。
※この光景は群衆に公開されており、貴族の子供達が苦しむ様を眺め、儀式後には神殿から薬草とパンが配られるので群衆は喜ぶ。焼かれた翼の燃え残りは、万能治療薬として人気があり高値で取引される。つまりこれらがセットとなって、神殿の財源、権威、権力が維持されているのだ。
さらに儀式終了後、シン・ミョンファは、高らかに神がかりのように聖戦を宣布する。「空虚」という名の悪神が現れた、皆これと戦え、と。そこに映し出された姿は黒い翼の生えたシン・ハルの姿だった。
この狂乱の夜に紛れて「青い月の一族」のルークは、ヤノクを連れ戻しに、彼の寝所に忍び込むが、ヤノクは拒絶する。曰く「子供がいる。俺の子だ。だから行けない。ルーク兄」と。

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2017年11月25日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 バルサ、故郷へ」

最初は違和感ありありだった、構成の脚色にこちらが慣れたのか、あちらこなれたのか(笑)。OPのバルサの「闇舞い」をイメージした?華麗にして象徴的な赤い衣装が良い。
原作の導入部を吹っ飛ばして、チャグムと共に一気に世界政治と国内謀略の世界に突入する構成は、小説の緩急とは違い、ドラマは観る者をそらさない戦術に出る(笑)。
ロケは相変わらず、森林内にスモーク焚いてごまかして(笑)、セットは、先の商業国家の活気とエキゾチックさ、新興国の威圧感、その前の黄昏の王国の見掛け倒しの荘厳さ、とはこれまた違う、厳しい自然環境の中の暮し振りとやはり厳しい人心、切迫感が出ている。
キャラクターでは、「新」聖導師の鹿賀丈史は、笑っちゃうほどハマり過ぎ、吉川晃司はアイドル時代の生意気さがいまだ偏見の残る私には別人のようだ。
なんといっても出色は、渡辺いっけいのカグロ、最初はあるいはいい人にするのかな、とも思っていたが、ハードアクション、油断ならない胡散臭さまで、ハードさと重みがあって驚きの巧さ。
中村獅童のカンバル王のウザい事、この上なさ(笑)とカグロの息子の反応から、もはやこのまま国王に謁見してはならない、いったん逃亡に転ずる、ドラマ構成の必然性もきっちりと出ていた。次回への引きと収束性は十分だろう。

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2017年11月 9日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:パク・ウナ 二冊②(20171109)

Panurukonju7「방울공주(鈴姫)」7巻パク・ウナ(박은아)作。鶴山文化社。
6巻が出てから実に四年ぶりの新刊。生きていた兄の、弟への憎悪やコンプレックスは、死んだ母親の愛の力にはかなわなかった。亡くなった母は生前、貧乏人や孤児に惜しみなく善行を施していたので、人々がその恩に報いるために、独り生き残った兄の面倒を見てくれていたのだ。兄はこのまま下層の人々の中で生きるという。ムキョルは都の宮廷勤めに戻ることにした。
飲み屋兼宿屋で働き、ここでムキョルを待つパンウルは、宿の客だった三人組が盗賊であると推理した。
実際、この三人は宿を出て、国王の子で怪しげな術や式神を使う謎めいた姫(설란公主)の嫁入行列を薬を使って襲い、姫をさらっていった。パンウルは官吏にこの賊の人相を証言したが、噂の拡散を警戒した官吏によって、宮廷の独房に監禁されてしまった。
さらに、6巻のパンウルの前世の罪のエピソード、あれっきりかと思ったら続きが描かれて、今のパンウルやムキョルと交錯し始めた。婚姻を控えた竜宮の姫に懸想した人狼が、姫を追う一途な想いがさてどんな結果をもたらすか、と続いている。

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2017年11月 6日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:パク・ウナ二冊①(20171106)

Nocturn10「nocturne(ノクターン)」第10巻(大元CI)。作者パク・ウナ(박은아)第9巻の記事はここ。9巻から二年半ぶりの単行本。
ポムは学校をやめてしまっているようだが、入院している母親には普通に会っている。ユーリとトウクの間も特に変化はない。
しかし、ポムの母親はポムに「あなたとユーリがお互いに好きならいいが、どうも釈然としない。あなたはユーリに、お姫様に対するように接している」
一方、ユーリは、トウクにいきなりキスして「愛しているわ、おじさん。私の気持ちに気づかない振りをしないで」と自分の気持ちをぶつけるが、「私はお前の父親になるつもりはない」とすげなくトウクに拒絶される。ユーリは「ごめんなさい。私に父親は必要ない。母さん一人から生まれたと思ってる」
※この場面の二人の心情をはかるのは大変難しいが、トウクは、ユーリの気持ちをそらしているし、そんなトウクにユーリもそれ以上追求しない。つまり二人の気持ちはかみ合っていないと思われる。トウクはユーリのあくまで後見人であり、オ・スミンの娘に過ぎない。だがユーリはやはりトウクを愛しているが相変わらずその表現は乱暴だ。
画家정화백=チョン・ファベクの絵のモデルのアルバイトも、彼自身がかつてのオ・スミンへの愛と、彼女そっくりな実在のユーリの存在(彼女の実の娘とは未だ知らない)に気持ちを整理できず「これ以上この絵に満足できそうにない」と作業の打ち切りをユーリに宣言し最後のモデル代を渡してもう来なくていいと告げる。
するとユーリはまたしてもポムに会って「私があなたにしてあげられるのはこれしかない」ともらった金をそのまま渡そうとする。
当然ポムは傷つき「好きなら好きと言ってくれ。そうでないなら俺の前に現れるな。金なんか要らない。」と泣く。
ユーリは、トウク、ファベク、ポムと、立て続けに自分を拒絶された孤独感に包まれる。
ポムの母は、病院にトウクを呼んで、ユーリとポムの関係について話し合い、トウクが「保守的」だと指摘する。さらに、事故の所為でユーリはポムに(罪悪感で)「心理的に(甲乙関係の)乙です。そんな関係は健康とは言えない」と告げる。
※甲乙関係とは、契約用語から派生した流行語で、日本でも契約書で「甲」が「乙」が、と書くが、韓国では、実際の力関係が著しく「甲>乙」となっている現実を訴えている。
そして、ポムに渡そうとした大金の出所がトウクでないのならどうやってユーリは入手したのか?と疑問を呈する。
※後日、この疑問をトウクはユーリに問うのだが、読者から見るとこれがまたとんでもない(笑)。ズバリ「援助交際をしているか」とツッコむのだ。当然ユーリは「してない」と答え、それでトウクもそれ以上ツッコまない。どうもトウクの心情描写はともかく、表に出る表情、言動は常人とはちょっとズレている。まあ元々そういう描写のキャラクターだが。
そして、ファベクのギャラリスト、ソン・ヒョンジョンは、すっかり落ち込んでる彼のアトリエから絵を見つけ出す、(どんな絵か読者には見せないが)「これはトウクさんが買いそうね」とトウクにアクセスして「ぜひ見せたい絵がある」と強引にアポを取った。
さて、これで、画家ファベクと故オ・スミン、その娘ユーリ、その後見人トウクのややこしい因縁が一気に解決するかどうか。(読者には分かっているのだが)
※ユーリはやせっぽちだが、徐々に背が伸びたか、小顔に描かれているようだ。それが一段とトウクとの関係の痛々しさと(私の恒例の表現で言うところの)「タイトロープ」を渡るような緊迫感を増しているかのようだ。

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