« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »

2017年12月

2017年12月23日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第5回「「槍(やり)舞い」(20171223)

こうしてみるとログサム王は卑怯なエボシ太夫(もののけ姫)だ。神殺しをバルサに負わせようとしたわけだ。但し彼も、来るべき強権主義・専制君主制に対応すべく王権神授国に終止符を打とうとしたのだ。米良美一さんのトトが出ると、やはりNHKの特撮より異世界リアリティが増すのは如何ともしがたい。セットや撮影はずいぶんよくなったが、小道具と合成は相変わらず玩具っぽく、嘘っぽい。
しかし、シリーズ構成として、「闇」を後ろに回したのは良かった。バルサの遍歴を描いた上で、成長した彼女が己のアイデンティティに向かい合ったので共感を得られた。
誰を恨むか、私か運命か、愛していたのは誰か、、人はこうした問いを度々発するが、共感はするが、同時になかなか納得のいく答えを得られないものだ、しかし、それは己の心がけ一つだと、これは残された生者の生き方次第だというのは納得のいく答えだ。槍舞いもそうだが、結局、弔いは死者ではない、残された生者の為にあるのだ。
他には、綾瀬バルサの殺陣は腰が入って素晴らしいし、吉川晃司との槍舞いは様式美といい、スピード感といい、やはり素晴らしかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月16日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第4回 ログサムの野望」(20171216)

あらためて思うのは、ナユグという異界が見える少数と人間の世界しか見えない多数で、政治に対する姿勢が異なる、という対照(対等ではないので厳密には異なるが)。
さて、冒頭は久し振りにタルシュ帝国からヒュウガの鈴木亮平の出番が多いし、メイクも異国感がいいねえ。対峙する嶋田久作は芝居を超えた怪人振り(笑)が相応しいので思わず笑っちゃう。にしてもこの二人は芝居が、役者が違うなあ。
但し、やはりタルシュ帝国の衣装は生地の所為かなあ、競馬の騎手みたいで安っぽく見えるんだよなあ。
鹿賀丈史の聖導師さまは、やはり「料理の鉄人」を彷彿とさせるのがまずいよなあ。これまた笑っちゃうのは本人の所為じゃない。
対するというより一蓮托生の帝の藤原竜也はもう線の細さからくるエキセントリックさ極まれりで古き国の黄昏に相応しい。
ログサムは野心家だが、間違っちゃいけないのはいわゆる悪人とは異なる(悪いことしてるけどさ)。貧しく弱い国を強化するのはこの俺だ、という野望は、権謀術数で既得権益を狙う官吏とは異なるということだ。そうしなければ、来る強権主義国家の専制時代にはカンバル国は生き残れない。だからバルサという武人に、自分に変わり山の王という「神殺し」をさせようとしているのだ。
これと対照しているの上述したように、ログサムの倅はナユグが見えるから、父の独裁をとめようとしているのだ。人同士が争っている場合ではない時が来るのが不安だからだ。
後半は渡辺いっけいの独壇場か。バルサとの槍舞いのプレリュードと、幕引きのクライマックスは、これほど懐の深い役者とは驚いた。綾瀬バルサには、ますます期待が高まって来た。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月11日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20171211)

Nabi23_2「Nabi」23巻。김연주(キム・ヨンジュ)。大元CI。22巻の記事はこちら
リュウサンのこれまでの人生がカットバックされ、その都度予知者の손소류(ソン・ソリュウ)が彼に話しかける場面が描かれていく。『リュウサン、あなたを助けてあげる』
次には、ミョウウン묘운(=妙雲)とソリュウの対話シーンが入り、ソリュウが『ハヨン(※ミョウウンの昔の名前)様も私に人生を下さい』
そして、現在?に戻り、相変わらず眠り続けるソリュウだが、飛行船が墜ちた夜、政変、戦火を避けて、ソン家は逃亡、取り残されたソリュウを、またしても、ハリムが背負って山中に逃亡、潜伏する。その潜伏の日々がハリムの視点で描かれている。
潜伏といっても山中の家でソリュウを寝かせ、ハリムが山や街で物資を調達している日々で、これまでの登場人物にも出遭っているのだが。
※今回は、また一段と淡々とした展開で、この後の展開がまるで読めない。作者キム・ヨンジュの日常をコミカルに描きつつも研ぎ澄まされた、脱世俗、超然としたタッチが張り巡らされた空間に、作者独特、唯一無二の緊張感が満ちているかのようだ。難解なのか私の読解力不足なのか本当に分からない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 9日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第3回 ルイシャ贈り」(20171209)

武田鉄矢っていうのは昔から何をやっても「武田鉄矢」だねえ(笑)。原作の構成と登場人物を絞り込んだことで、世界政治の為政者と関わったこととその変化に直面して、ジグロという他人の気持ちに「共感」し、己の復讐心の狭量さに思い至るバルサの心境の変化とアイデンティティの成長が、分かりやすくなっていた。その上でログサム王が迫る、嘘をついているのはどっちだと問う「悪魔の選択」は同時にバルサの試練。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 2日 (土)

テレビドラマ感想:NHK「#精霊の守り人 最終章 第2回 カンバルの闇」(20171202)

結論は「トト」こそリアリティだった!。
前半は、中村獅童のカンバルのログサム王の冷酷非情振りが目玉かと思ったが違った。インパクトでは実は「米良美一」さんだったのだ。これまでのこのドラマは異世界ファンタジーのリアリティを醸し出す特撮に四苦八苦、紆余曲折、試行錯誤etc.の連続で。
しかもネタバレになるが、この異世界はこれで完結・完成した世界ではなく、さらに隣り合わせに人間の世界でない異界が現存している世界なのだ。
ところが第一部では、この異界の魔物が正体を現したとたんに特撮が怪獣映画のようになってしまい、第二部では特撮は大分違和感がなくなったが、考えてみると、アスラの魔力以外に露骨な異界の出番がなかったのだ。
だが、今回はそうはいかない筈だ。早くもルイシャ自体、正直言えば東急ハンズで買ってきたのか、とツッコミたくなった。それが、米良美一さんのトトが出てきたら、失礼ながら普段なら同氏の存在自体リアリティを感じられない存在だが、それが異世界の中で異界を伝える「トト」になったら驚くべき違和感のなさ、伝える言葉にリアリティが付いてきた。もしかしたらこの大河ファンタジーのリアリティは「米良美一」によって達成されるのかもしれない、と当たらない予想をしておこう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )番外篇:SFから見るアジアの未来(中央大学文学部主催シンポジウム)(20171202)

という訳で、先日に引き続き、行ってきました。今度は、大学主催で、同年代の中国と韓国の女性SF作家の顔合わせで、大きな教室で、高学歴学生・研究者を集めたシンポジウムで、内容もより複雑で高度なものだった。
私の感想は、韓国側代表のチョン・ソヨンさんの方に絞らせてもらうが、
・中学時代、カール・セーガンの「惑星へ」を買う為に小遣い3か月分貯めた。
・初めて翻訳した本は、ケイト・ウイルヘルムの「鳥の歌今は絶え」21歳の時だった(※私も学生時代、ウイルヘルムは好きでサンリオSF文庫の訳書4冊読んだ)。
・SFの未来に対する想像とは、技術予測は小さなこと、重要なのは社会を、異なる世界をオープンマインドで受け入れられる事、異なる世界に対する想像がアジアのSFに重要。
・現実の社会が他国に対する認識を歪めているが、SFならそれを越えられる。
・境界はSFにとっては些細なこと。隣の部屋から他国まで乗り越えて、よりよい社会に導く為に。
・韓国人が、韓国語で表現するSFとは何か?それが韓国人SF作家共通の悩みだ。
第二部の討論では司会がしきりに女性としての、女性ならではSFに対する認識を問いかけるのだが、私の印象では、チョン・ソヨンさんの回答は
・SFが性に偏るのは好くない。性差別は批判されるべきだが、自分のSFは女性的とは思わない。
・弁護士として人権問題に関わっているが、SF小説の執筆とは別に考えている。
※どう聴いても、おそらくチョン・ソヨンさんは自分の書くSF小説では、ジェンダーの問題を扱っているつもりはない。あくまで普遍的な人間のアイデンティティを表現している、という意識のようだ。しかし、これこそが、私だけではない、「作家も読者も女性が多数派の韓国SF小説マーケットのチョン・ソヨンさんの小説」(⇒この事実・現象自体がSFであり、フェミニズムやジェンダー論の研究対象ではないのか)を読んだ時に「外国人」の受ける印象との認識の差、違和感だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 1日 (金)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )番外篇:韓国の女性SF作家のトークショー

わずか一時間、参加者十数人程度のミニイベントだったが久し振りに私の中のSFの血が騒いだ。充実の情報量だった。この内容を公開してしまっていいものだろうか(※ダメッだったら遠慮なくクレーム付けてください。直ぐ削除します。)
・韓国のSF小説の世界は、作家も読者も女性が多く、SF作家は30名から50名、その中から小説を出版できる人は10数名。SFなら面白くなくても買う・読む読者は800人と言われているらしい。
(※まずここで、フェミニズム、ジェンダー論として、韓国SF小説マーケット自体が実に興味深いのではないか?)
・韓国SF小説の世界を表現する単語なら「若い」「進歩的」「女性」
・韓国SF小説史はPC通信から出発した。(※後で「するとSF漫画の方が歴史が長いのではないか」と質問したら、特に否定しなかった)
・SF小説とファンタジー小説は、作家と読者いずれもかなりの隔たりがある。チョン・ソヨンさんが好きなSF作家は「アーシュラ・K・ル・グィン」「ロジャー・ゼラズニイ」「テッド・チャン」(※後で「ファンタジー作家として名前が浮かぶのは?」と聞いたらかろうじて浮かんだ(?)のが「トールキン」と。「なるほど日本と比べてもかなり壁がある」、と私が感想を伝えた)
・SF作家専業では、生活できないので、大半の作家は、定職が他にあり(チョン・ソヨンさんご自身弁護士)小説は短編中心、発表媒体は科学雑誌や文芸誌。欧米SFの翻訳が作家修行。ソヨンさんも欧米SFを二十冊位翻訳したそうだ。
・※私の印象では、逆に文学的SFと理工系SFには作家も読者も特に隔たりはなさそうな印象を受けた。
・韓国SFは作家は高学歴である。
・私からの質問でSF「漫画」「ゲーム」「小説」「映画」「アニメ」のファンの壁はあるかと矢継ぎ早に?聞いたのだが、これはあくまで私の聞いた印象としてはそんなにはなさそうだった。但しいずれもジャンルSFの比率自体があまり大きくなさそうだった。それでも今は、インターネット漫画「WEBTOON」にSFやファンタジーが多いという回答だった。
※イベント終了後は、購入した韓国SF短編小説アンソロジーにサインをしていただいた。
さらに、↓これは大変だ(笑)全然知らなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »