« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »

2018年3月

2018年3月31日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180331)

Lovelyugly1「러블리 어글리(Lovely Ugly)」1巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。「네가 있던 미래에선(君がいる未来では)」の作者の新作連載。
他人の恋の面倒を見るの得意で、カップル・マネージャー、略してカマとも呼ばれる二十歳の学生イ・ルナが、先輩の美人で有名なジュ・エリの恋を助けようとして相手の、兵役を終えて復学してきたばかりのその名も、シ・ナモンに一目惚れ、この三人に加えて、ルナの親友の女子学生コ・チヨン、カパとしてのルナの相棒幼馴染の男子マ・ルハンを巻き込んで、とくるとお約束なラブコメだが、一巻だけ見ても、過剰なまでに吹き出し(※余談だが韓国の漫画界ではこれを「言葉風船」という)が多くて、セリフの細切れのように、見た目に絵面が騒々しく、いかにもピーチクパーチクさえずっている感じ。
このセリフも、実際の韓国の若者言葉か作者の造語か分からないが、英単語、熟語をさらに省略したことまでは何とかわかる。
どうやらこれが作者の持ち味の一つらしい。前作はBL風なSFだったが、細部のSF的アイディアの解説やデータが頻出して、紙面を満たしていた。今回はそれが恋に関するセリフのやり取りの吹き出しということ。固く言えば情報量で圧倒する。
※作者の後書き漫画によるとここまでの制作中に、完全にコンピュータ原稿の執筆環境になったそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月24日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180324)

Rure29「RURE(루어)」29巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。28巻の記事はここ
29巻の帯は「空虚」篇(=공허)。
※もはや、ヒロイン、シン・ハルが全てのドラマの背景にあるとはいえ、ダイナミックに同時多発的となり、完全に多視点ドラマと化している。
「青い月の一族」のヤノクが、北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の大神女シン・ミョンファの夫となり、連れ戻しに来た兄ルークに「子供がいるから、帰れない」発言に対してルークは、「俺も残る」と言い出した。
※ここから数ページはギャグシーンとなり、ルークが、種族の過去の記憶を有し、共感能力に卓越した青い月の一族の子育てがいかにデリケートなものか、具体的にまくし立てている。つまり超能力SFのパターン、テレパシストが心の平衡を維持するのにいかに苦労するか、という話だ。ヤノクは子育てのことは何も知らないのだ。
そうこうしているうちに、近衛兵とシン・ミョンファに包囲されたが、表面的にはミョンファは、ルークを歓迎する。そして青い月の一族とルアーの混血について、難しい解説をする。以下抄訳を拙訳で試みる。
『青い月の一族の転生術の本質は、ルディムナと交流、子孫の生成だ。その呪術を生み出したルアーの一族、ハベク(河伯)は最善を尽くした。だが、真の解決策は男ルアーではなく、女ルアーしかできない。私は過去ルアーだった。ルアーは全ての世界と調和を成す存在であり、全ての世界の調和を探す存在だ。時空を旅する力は失ったが私が生む子は、青い月の一族でもルディムナと調和を図る存在となるのだ。排斥され続けたお前の一族がついにルディムナの種族になるということだ。転生術が無くても子孫の繁殖が可能、ルディムナの生命体が青い月の一族に拒否感を持たなくなり、術師は、青い月の一族を判別できず、今のように隠れて生きなくてもいい。同時に青い月の一族の呪いである転生が消える。』
※果たしてこれは、青い月の一族にとって本当に恩恵なのか、読者にはまだ不明だ。
一方ワカでルキア、ヨークナーを食ってしまったハルは、従者二人とともに砂漠の飛行生物ルマーニャに飲み込まれる。その中でハルは三人の女を幻視する。
※ここから舞台劇の演出のような絵が展開する。以下、拙訳で抄訳。
「私は空虚の存在」「私はソネッティの子」「私はルアーの印章」
三人揃って「お前を成す根本だ。我ら三人でお前を誕生させた。誰も予想できないことだった。」
※つまり、三人が個々に望んだが、それが一人の子になって現れるとはだれも望まなかった。ハルは望まれて生まれた子ではない、というのだ。だがハルは宣言する。
「私はルアーではないし、翅族でも、空虚の存在でもない。でもルアーと翅族の力、空虚の存在を持っている。私は生きている」
そして、ハルは目覚める。すると旅の道連れだった幻獣が眠り続けて目覚めない。とりあえずやることは決まった、とルマーニャで、この幻獣を治療してくれそうな術師を巡る旅を始めた。
そして、パイルではミュールゲン国王とタマル王子の内戦だが、王子の連戦連勝。その渦中でタマルは軍師からミュールゲンが消えたという噂を聞く。
実は、ミュールゲンは消えたのではないが、城内奥深くに引きこもっている。まだ詳細は描かれないが、眠ると、シン・ミルの呪術に限られた時間だけ、精神が閉じ込められるようだ。それでかなり衰弱している。ミルの傍ではハルの幻獣の精神だけが存在していて、これがミルの呪術を増幅しているらしい。
そして今、シン・ミョンファがミルの前に姿を現した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月10日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180310)

Simuchon8「심청(「沈清」=シムチョン)」第8巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。7巻の記事はこちら
複雑な、海を司る龍王「達」とその娘達と人間の愛憎関係が、推理で解かれ、あるいは告白され、明らかとなって来る。
王宮内では、シムチョンは龍の鱗を大皇太后に提出して、これで王妃は決まりかと思ったら、王妃候補オ・ハヨンが、龍の鱗は自分が見つけたのをシムチョンが強奪したと訴えてきた。
シムチョンは弁明すると匿っているイアンのこともすっかり話さねばならないので、これに黙して語らず。これにより、オ・ハヨンが皇太后から真の勝者と認められ、シムチョンは幽閉されてしまう。
そのシムチョンの前に、西海龍王が現れ「ヘユン」は、イアンに憑依したのではなく、海の神々の代表東海龍王の娘、ソルが人間の魂(イアン)と神の魂(ヘユン)の二つを一つの体に作った存在だと語る。
ソルは、かつて西海龍王と愛しあったが、龍王と朝鮮王朝の盟約(東海龍王の娘=ソルと李朝国王の婚姻)を優先した西海龍王と東海龍王を憎悪し出奔した。
ここまでの展開で、龍王の娘、宮中の巫女「シア」は、ソルは「堕落の花」の種を宮中の人々に植え付けただけでなく、オ・ハヨンを「破壊の呪符」として使い、自分自身では侵入できなかった王宮の結界を弱体化、無力化しているのだと推理した。
しかし、既に結界は破られ、大皇太后とシムチョンが謎の昏睡状態に陥った。これも既に宮中に侵入可能となったソルがやったことらしい(シムチョンの方はまだ何かの伏線かもしれない)。
これに加えて、シアの姿に変身したソルは、李朝国王とオ・ハヨンの婚礼の儀場に現れ、用済みになった彼女を殺害してしまう。
眠るシムチョンは夢の中で「盟約」のいきさつを幻視する。かつて堕落の種を宿し、花を咲かせてしまった北海龍王が、海を荒らし続け、人間を不幸にしている様を見かねた、北海龍王の娘が、父を火炉に封じ込め、さらにこれを二つに分け、片方を東海龍王に、片方を李朝国王に守らせ、加えて自らが国王の妃となることで海を司る龍王と人間の王双方に力の均衡を図る盟約を定めたのだった。
そして目覚めたシムチョンに国王は、と続く。
※西海竜王はシムチョンに「お前の真の王はヘユンかイアンか」と問うた。シアはシムチョンこそ王妃となる運命の人と繰り返し説き、ソルは運命に復讐を誓う。シムチョンは私は王妃になりたいのか?真の目的はあくまで父を探し出すことだと自問自答する。主要な登場人物がシムチョンの「運命」を問い直すことで物語は収束、求心を維持しているようだ。そして振り返れば作者は本作について最初に「シムチョンに『自由』を与えたい」と抱負を記していた。運命と自由を巡る物語の今後に期待。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »