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2018年8月

2018年8月20日 (月)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180820)

Harukun5「하루꾼」5巻。鶴山文化社。보민(ポミン)作。4巻の記事はこちら。 人間の不幸の時間を食べる存在「ハルックン イヴ」とさらにその不幸から増殖した?ハルックン達を狂言廻しとした、人々の様々な不幸を描く連作。※私はこの「ハルックン」をどう訳すべきかわからないまま、遂に「第一部完結。ご愛読ありがとうございました」が表記されてしまった。
今回収録エピソードは、最後のオールカラーの短編は、ある野球少年の最後の一球に対する選択を描いた小品。プレ最終回のほぼ一冊を占めるエピソードは、文字通り不幸を描く、一口で言えば「資本主義の寓話」とでもいうところか。
貧しい港町にやってきた帆船は、多くの金銀財宝を積んできで、その財貨で村で交易、というより、町でほぼ一方的な買い物をして、村を潤した。
物語の中心は、その船の乗船者として姿を見せる二人と、その港町で裁縫職人の少女と細工物を彫る職人の少年。
だが、外部から戦争の影が忍び寄り、国の為政者の無能が噂され、少年にはこの町を出て贋金作りの誘いがかかる。
この船の二人の正体がハルックンだったようで、船から突然、金銀財宝が消えてしまう。町の人々が二人をいくら責めても、二人を庇った少年と少女にも何も答えず、戦火が突然町を襲い、船も砂上の楼閣のごとく消え失せた。だが少年と少女は、むしろ晴れ晴れとした表情でまた日々を生きる決意をする。
※輪郭線をあいまいに見せる描き方、登場人物名を全てアルファベット一文字にするなど、実験的な作風と寓話的な展開で貫いた。これらが成功していたかは疑問だが、次回作も期待させるには十分だった。

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2018年8月18日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180818)

Tigau2「이건 좀 아닌것 같아 !」2巻。한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。全編カラー。1巻の記事はこちら
一応、1巻と同じ前振りを書いておくと、24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。
ヒョンビンの相棒となったのは、祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。
そして、新たなエピソードは、画家の義父と実母に精神的に追い詰められ、頼りの兄は家を出て行ってしまっている少女をヒョンビンとヨジュンが救い出す、と要約すれば日本の漫画でもあるようなパターンで分かりやすいのだが、設定がひとひねりしてあって、この少女はやはり「人間の不幸な人生の記憶を食うために「ウル」が作り出した人形」だったというのだ。
ここで、ヒョンビンは自分の力の一部を少女に与えて、人間として生き続けられるようにした。少女に今後の、文字通り人生を生き直すことを促したのだ。
今巻では、ヒョンビンの体質に気付いているが「ウル」かどうか彼の目的もまだ不明な青年、チョンスの出番は、ほとんどなかったが、ヒョンビンに力を奪われた上で見逃されたウルを見つけて食べた(吸収した?)。
まだ、ユニークな設定描写とリアルな人生描写の話運びが物足りないような気がするが、韓国の漫画は日本のそれに比べて「つかみ」に一気に入らないので、今後に注目・期待したい。

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2018年8月16日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180816)

Simuchon9「심청(「沈清」=シムチョン)」第9巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。8巻の記事はこちら
龍神と人間の織り成す複雑な愛憎と復讐のドラマの謎を、シムチョンが解き明かしていく展開と要約してもよさそうだ。
西海龍王がソルの前に現れた。かつて愛し合った二人だが、西海龍王は、定めに従い、ソルは抗った。復讐の為にソルは西海龍王に堕落の花の種を植え付けた。そして現在の朝鮮国王も、ヘユン=イアンも父親は西海龍王だという。
そしてソルは、国王には堕落の花の種を植え付け、もう一人の息子の魂を二人に分離した、それがヘユン=イアンだということらしい。
堕落の花の種を育てるのは、これもソルが西海龍王から受けた「時間のかけら」と呼ばれるもので作った指輪の力であり、復讐の完成のために国王と王妃の初夜の時に、龍王の真の力の源「如意珠」という玉を使って、国王とヘユン=イアンを入れ替えるというのだ。
西海龍王は、ソルから「時間のかけら」を取り返し、ソルからこれ以上の力を封じ、さらにソルに「如意珠」を奪われる前にシムチョンの前に現れ、自身の心臓から「如意珠」をシムチョンにつかみ取らせた。
西海龍王はシムチョンに「私の二人の息子を守ってくれ」と懇願した。
シムチョンは、やはり東海龍王の娘であり、宮廷の巫女シアに「如意珠」を渡したが、シアについて「海と陸の均衡を図るのが己の務めでありこれを妨害するものは敵だと明言するシアに、全てを明かしてしまうと、ヘユン=イアンは敵となり排除されかねない。これは西海龍王の頼みに反する」とヘユン=イアンの真実は明かさない。
シムチョンはシアに
「今の国王は己が半神半人であることに覚醒していない、堕落の花の所為だ。これではソルに対抗できない。しかし「如意珠」はソルに絶対必要なものだ、これを確実に守らねばなりません」とのみ訴える。
するとそこに東海龍王本人が現れ「私が預かり、国王と直接会おう」と宣言した。
※「如意珠」については、龍が咥えた宝玉として、調べるといろいろな神話、説話が出てくるようだ。なじみのない私が知ったかぶりするのはやめておこう。

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