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2018年11月25日 (日)

本感想: #ラッキーな菜子 #浜野京子 作、装画・挿絵/ #くまおり純

Girigirinohonya講談社のアンソロジー、競作リレー小説「ぎりぎりの本屋さん」収録。2016年発売の「ぐるぐるの図書室」の2年ぶりの企画第二弾といったところか。
ぎりぎりの立場に追い詰められた少年達が迷い込む不思議な今にもつぶれそうな「ぎりぎりの」ような古ぼけた本屋の物語。
「ぎりぎりの本屋」さん。そういわれて?原体験を、あるいはイメージを他人と共有できるのは何時までか。あるいはもう無理なのか。街の本屋さんはネットのブックショップの興隆の一方で減る一方。私の知っていた本屋も次々と廃業していった。かろうじて都心の鉄道の駅ビル、郊外のショッピングモールに大型書店の支店、チェーン店、あるいは鉄道自身が経営する書店が入っている。私もオンラインショップ以外で普段利用する本屋といえば駅ビル内のそういう本屋が増えた。神保町には通っているが。これからは「街の本屋」と言えば、駅ビルやモール内の書店を皆イメージするのかもしれない。
さて、ここに登場する本屋は、まだ作者、濱野京子と私がイメージを(多分)共有できる古いタイプの本屋が、現代ならではの問題を抱えた、しかし自身はそのことに無自覚な少女が、追い詰められた時に彼女を救うべく現れる、本屋とそこの店員らしき謎の少年がヒーローのごとく現れる。これは本は学びの導き手、手助けであるという寓意だろうか。
しかし、少年達はやがて、自分の危険な状況を自覚し回避できるようになる、助け合える誰かに出遭う。これは体験のことであり、体験が活かされるようになる時、本がヒーローであることは終わり、自分自身がヒーローになる、という成長のことかもしれない。

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