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2020年5月

2020年5月30日 (土)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20200530)

1_20200529212401「티 나는 사랑(=顔に出る恋)」1巻。조민영(チョ・ミニョン)作。鶴山文化社(학산문화사)。「婚談別曲」の作者の新作。「PARTY」誌連載中。誌上はモノクロ。単行本は全頁カラー。※原題は、티가 나다=一目でわかる、表情に出る、バレバレだ、等の意味の口語表現をさらに縮めて「티 나」と使用するらしい。ヒロインの홍사애(ホン・サエ)は高級デパートの化粧品売場の接客担当で、27歳。ルームメイトは、幼馴染の남주(ナムジュ)とその姉で二人とも医者。現在は先輩のイ代理と秘密恋愛中(※代理とは韓国独特の肩書で日本語でも解説が検索出来るので、ここで私の知ったかぶりはやめておこう)だが、肉体的な関係はない。
このホン・サエは、恋愛すると文字通り顔に出る。学生時代から顔がむくんで、吹き出物がでたり、現在は、イ代理と付き合い始めたら片眼が腫れ上がり、眼帯をして隠している。医者の姉弟によると緊張病の一種で特に心配はないだろう、と診られている。
※要するに俗にいう恋をするときれいになる、と真逆なのだ。素顔のホン・サエは美人なので告白はされるが顔に出ると彼氏は逃げ出してしまう、という設定が、ホン・サエは告白されたという事実だけで舞い上がり、恋のストレスをさらに悪化させて、本気で相手の男を愛してはいないことを読者に読み取れるように描かれている。1巻においては、イ代理もいい加減な男であることが分かり、他の女と修羅場を演じて、恋は終わり、眼が治った。ナムジュとの関係は微妙で複雑。ホン・サエ自身が記憶を封じてしまっているようだが、少女時代にナムジュに告白したり、逆に友達のままでいたいから告白しないで、と頼んだりしたことがあったらしい。
※既に単行本2巻発売中なので、この面倒くさいホン・サエの設定と、職場のVIP顧客対応でライバルのパク・ジェナ、ナムジュ、職場の上司でホン・サエには(今の所)厳しくクールなシン課長が巧く絡められるかに注目している。

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2020年5月25日 (月)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20200525)

1_20200525174001「チョンニョン」1巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。※タイトルのチョンニョンはヒロインの名前。原題「정년이」の「이」は親しい者同士の呼びかけや語調を整える為の口語表現で特に意味はないようだ。強いて訳すなら「チョンニョーン!」と叫ぶのはどうだろうか(笑)。
※韓国のポータルサイトNAVERに連載中のウェブトゥーン(韓国のインターネット漫画)の単行本化。
西暦1956年韓国の木浦の少女チョンニョンは貧乏から抜け出すために、当時大人気の女性国劇団の研究生になる。というストーリとしてはスターを夢見る少女の「青春根性もの」のお約束だ。
※この女性国劇に関しては私なりの思い入れがある。十年近く前、「춘앵전」(春鶯傳)という実在した女性国劇の創始者にして大スター、林春鶯(임춘앵=イム・チュネン)をモデルにした漫画に夢中になっていたことがある。これは絶対、実写劇化されると吹聴しまくったが、企画はあったもののついに実現しなかったという残念な思い出があるのだ。この「チョンニョン」作中にも一か所、チョンニョンの台詞にイム・チュネンの名前が出てきている。

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2020年5月21日 (木)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20200521)

Rure34「RURE(루어)」34巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社。33巻の記事はこちら。本の帯カバーには「空虚,ハル」とある。
シン・ハルの中から実体化した「空虚」はハルの姿で夜毎、第3王子タマルの前に現れる。だが、その姿は他の者たちには見えない。「空虚」はその一方で行方をくらました第二王子ミュールゲンと腹心の呪術師達と同行して、まだ不明だが恐ろし気な何かを行っていた、その場所は「天空城」だった。「空虚」の力で太古の伝説の存在、翅族の天空城が復活したというのだ。
タマルの軍師ヒルデールは、ハルの旅に同行していた二人と、歴史の記録・研究者ヨラムの一行を集めて、タマルの状況を相談するのだが対策がみつからない。
空虚がハルの姿でタマルの前に現れる理由は、人間の愛情に関心を持ち手に入れたいという「欲」ができた為らしい。だがタマルには通用しない。しょせんハルの言動の記憶を模倣しているに過ぎないからだ。それでもタマルはその逢瀬に没頭し寝室に閉じこもり続ける。
そして、内戦の夜(32巻)発見された第一王子アサハが語り始めた「天空城が復活する。ミュールゲンを止めねば」と。
※ここから、アサハによって語られるミュールゲンの長いエピソードが始まる、という展開だ。

ミュールゲンの目的は最初から天空城の復活だった。だが、王位を継承しファイル王城を占領しても、「真のチャ・クン(ファイルの王の称号)」でなければ天空城を復活させられないと分かった。だからタマルが失踪した後は、タマルを待ち続けていた。アサハを人質として。では「空虚」が現れて失敗したのか。違う。神に会えたと喜んでいたのだ。
ミュールゲンは、何年か前、先ずチャ・クンの塔(実は古代の天空城の一部)に入る為に、非常に危険な変身の呪術を、死んだ王、父親の死体に対して行った。その記憶、感情、肉体を己と共有する、さらに、死者が生き返るに必要なものは何か、生者による認定だ。その為にアサハに自分を幻視させて「父上」と呼ばせた。用が済んだアサハは幽閉され、何年か過ぎた後、今度はアサハと一体化した、その時からしばらくアサハは、ミュールゲンと一体化してその内心と見聞の全てを知ることになったというのだ。
※この変身のエピソードは呪術の仕組みとミュールゲンの行動目的が、説明と描写が大変難しく、私の拙い解釈は、こうして記しておいても続きを読まないとまだ自信がない。
※しかし、物語はここで一度、中断、軍師ヒルデールにより、ファイル王国内の勢力・派閥争いの解説が入った。今のタマル王子の権勢は完璧ではない。古代の、翼を自ら捨て地上の人間の生活に入った翅族の子孫である「功臣」達の圧倒的な支持を受けていたが、一度、出奔して傭兵クヤとなったので、支持した王子を失った功臣達は、やむを得ずアサハ王子支持に鞍替えした。
だからタマルが戻ってきたことにも以前裏切られた、というわだかまりが残っているというのだ。
一方ミュールゲンの母は、黒い翼を片翼だけ残した翅族の末裔、通称「渓谷の暗い洞穴族」の呪術師だった。天才的な魔道学者となり、チャ・クンの後宮に入っても出自を明かすことは出来なかった。というところで続く。

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2020年5月18日 (月)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20200518)

Erusukaru1「エルスカル(ELSKAR=엘스카르)」第一巻。우나영(ウ・ナヨン)作。鶴山文化社。前作「童果祓い」でデビューしたウ・ナヨンの新作。成人すると胸の中で宝石が育つランゲ(랑에)族は、村に結界を張って、宝石狙いの人間の迫害「種族狩り」を避けて生きてきたが、人間は宝石で作られた武器と拘束具でランゲ族の村の結界を破り、成人は胸の宝石目当てに殺し、宝石のできていない子供は奴隷として売買されていた。ランゲ族の少女ビオラ・グレイも、村を襲撃され、人間の貴族の家に連行される。だが、そこで突然、王宮に侍女として入宮する為の教育を命じられる。この貴族の若き当主ドロイ公爵は現皇太子ユリアンの従兄らしく、宮中は命がけの権力争いが繰り広げられ、これまでユリアン皇子を守るために王宮に送り込んだ家臣や近親者達はことごとく、暗殺や背信で行方不明となり、ドロイ公爵は彼のランゲ族の侍女セレットの進言により異種族であるランゲ族のビオラを家内の反対を押し切って王宮に送りこむことにしたらしい。
ビオラが入宮すると、ユリアン皇子の毒殺狙いの疑い濃厚な中毒事件直後の混乱の最中で、侍女勤めの前に一先ず下女として勤めをさせられるが早速危険な目に遭う。
※今の所、ストーリー展開や個々の場面は、洋の東西を問わない、宮廷時代劇の権力争いドラマのパターンを踏襲しているといってよい。今後はタイトルの意味、ランゲ族というユニークでファンタジックな設定、ヒロインのビオラの伏線等が、どうストーリーに活かされていくかに注目といっていいだろう。
※私が直接目にしているのは紙媒体の純情漫画(日本でいうところの少女マンガ)誌「PARTY]の白黒連載だが、ネットでは私は未見だがカカオページ(韓国のモバイル向けウェブコミック配信サイト)のウェブトゥーン(Webtoon=韓国のインターネット漫画)ではスクロール形式のカラー連載版が同時進行中らしい(この単行本の帯に「カラー スクロール ウェブトゥーン同時連載!!」というコピーが表記されている)。

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2020年5月17日 (日)

#先代旧事本紀大成経 と小笠原春夫(#偽史、#偽書 についての個人的な話)

私の親父は江戸時代の偽史・偽書の大著、先代旧事本紀大成経の全貌を明らかにした神道思想史学者、小笠原春夫だ。
だが親父には所謂、真贋論争なんてものは関係ない。何故かといえば、本物か偽かなんてことは「一目見れば(読めば)直ぐわかる」ことだからだ。字体、使用されている言葉、文章の中に読み取れる思想等で実際には後世(というか作成時点の現代)に書かれたものだなんて一目瞭然。論争に至るまでもない。
では、何の為に、偽史・偽書を研究するか。実際に執筆された時代に普及・浸透している大衆思想とくに宗教思想なかでも神道思想を抽出するためだ。
江戸時代の文化成熟・爛熟期の偽史・偽書とは、執筆者の所属する寺社を権威付けすることが目的であり、その為には大衆に浸透している、要するに分かりやすい話である必要がある。
ということは偽史・偽書の中には、その時代に大衆に浸透している思想が古今東西を問わず入っている筈だ。その中から特定思想を抽出する為には、神道思想だけに熟知していればいいわけではなく、キリスト教、仏教、儒教他、土着の思想までも知らねばならない。
だから親父の本棚には資料として様々な歴史思想の論文(世界から一地域まで)、解説書(外国語は全くダメだったので日本語の解説が必要だった)、個人の随筆まである。
ここが、所謂マニアと専門の研究者の違いだ。前者は神道なら神道研究だけに終始し、後者は神道を知る為には他の思想も知らねばならない。

店頭で通俗的なオカルト本、新興宗教書などに先代旧事本紀大成経ネタを私が見つけると親父の本をパクったなと憤慨して、そんな本はもちろん買わない。後日親父の本棚に、まさにその本があって、そんなもん何故買うんだ、お人好しと怒る私に、参考の為だと苦笑するだけだった。
先代旧事本紀大成経ネタに限らない、新聞の文化欄で歴史に関して、どこぞの大学の○○という先生のこういう説が注目されているそうだ、と私が紹介すると、あそこの大学は理論優先だから理屈ならそういう説になるな、とか言う事があった。親父は所謂「説」は殆ど提唱したことがない。資料からの実証分析あるのみだ。
だから私は面白い「説」を連発して世間の注目を浴びて金と名声を集めているような学者を見ると腹が立つ。親父のやり方が馬鹿にされているような気がするからだ。
「そう言えば、昔○○にオレの論文パクられたことがあったな」と思い出すことがあって、これも憤慨するのは私だけ、親父は「まあ、それで儲かるわけもないし」とやはり苦笑するだけだった。
親父の論文は大学の紀要に載るだけで本になることがめったにないので、パクるのに都合がいいという事らしい。学会で後輩が親父の論文の一部をパクった発表をして、後で向こうからやって来て、泣いて謝られたなんてこともあったそうだ。

専門の研究者は、神様の名前一つのテーマで論文一つ、本一冊分書けるので、例えば古事記・日本書紀全体についての研究・解説書が「一冊」で刊行されても、そういう本は一般向けの解説書レベルで、オレたちの役には立たない、とも言っていた。

名も無き学者バカ人生を全うして、2018年7月4日、親父は逝った。

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2020年5月 3日 (日)

本感想: #県知事は小学生? #濱野京子 作 #橋はしこ 絵 PHP研究所

Photo_20200503142101内容については、タイトル通り、表紙絵、帯にまで明解に表現されている。事故で一時的に県知事の魂が小学生の中に同居してしまう話だが、この事故も県知事の設定も、この作者らしい、中央政治と地方自治の関係の今日的な風刺。しかし、この県知事の性格描写が面白い。性格が悪いのは言うまでもないが、県知事の描写だけ見ると、単なる悪役ではなく、まるで同作者初のピカレスク・ロマン(悪漢小説)でも読んでいるかのようだ。
ストーリー的には地元利益誘導の実績に拘泥する県知事が小学生の家庭を通じて有権者のミクロな現実に直面し、姿勢を改め、小学生の方は、これをきっかけに身近な人々の県知事に対する反対運動に意識を向けていくのだが、この二人の関係には、小説ならではの伏線が添えてある。

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2020年5月 2日 (土)

本感想: #ぼくが図書館で見つけたもの #濱野京子 作 #森川泉 絵 あかね書房

Photo_20200502111701一節毎に思いがこみ上げる。もっと短時間で読了できる筈の頁をめくる指が、次行を追う視線が、何度も止まる。
濱野京子が、あかね書房から出した、児童書を巡る物語の舞台は、街の書店ビブリオバトル、ときて遂に、図書館の児童書に来た。これまで何度も書いてきたように同作者の描く世界は、私の共感。今回の図書館は、一段と共感を揺さぶられる。簡潔な図書館内の出来事の描写の一つ一つが一々、私の体験を呼び起こす。
以前、ある図書館が夏休み明け、学校に行きたくなかったら図書館にいらっしゃい、と呼びかけたのはまだ記憶に新しい。
本書は昨年2019年の刊行だが、この「巣ごもり生活」の時に読むことになるとは、偶然とはいえ皮肉がきつすぎる。街の図書館の体験、私のみならず今の児童どころか、今の老若男女の居場所、逃げ場の役割すら担うようになった図書館を皆が失い、先が見えない。彼らを思うと胸が痛む。

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