カテゴリー「韓国の漫画・純情漫画(순정만화=韓国の少女漫画)」の記事

2018年5月20日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180520)

Ferua10「펠루아 이야기 a Tale of Felluah (フェルア物語)」10巻。김연주(キム・ヨンジュ)。鶴山文化社。9巻の記事はこちら
※初版限定特典としてイラストカード4枚が添付されていた。
※本編はいつまにかフェルアの城内に戻っていたらしい。あるいは私が例によってどこかで読み違えていたか?
親衛隊の紅一点、ジュルスの双子の兄弟、ノックスがしきりにオルテーズに粉を掛けてきているようだ。当然、オルテーズにその気はないが。
インターミッション風のエピソードは、妊娠中のアンナ夫人(確か親衛隊の誰かの奥さん、だったかな?)とジュルスと侍女を一人連れて「徒歩で」城下の書店に、本編に時々出てくる話題、人気ロマンス小説「ユディットとチギスムント」シリーズの新刊、第五巻を買いに行く話。
そして、国王夫妻御一行が冬の別宮に行く途中、フェルアに寄ることにした、というのでその接待準備の様子など。
※作者の後書き漫画は、この国王接待晩餐の余興としての、アントルメ(Entremets)に関する蘊蓄。そして「宮廷夫人たるオルテーズがよく歩いて出かけるのは馬車を描きたくない誰かの怠慢です、とかいう言い訳。これで思い出したが、以前に作者が馬車というのは調べると意外に正確に描き辛いとぼやいていた。
※今春、作者のもう一つの長期連載「Nabi(ナビ=蝶)」が完結したので、当分、いつもの形容だが、インディーズ系ともシュールとも異なるキム・ヨンジュの表現力だけに許されたのんびりムードの漫画に焦点を合わせることになりそうだ。

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2018年5月17日 (木)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180517その2)

Hanagatiredo1「花が散れども」1巻。송 하(ソン・ハ)作。大元CI。「ISSUE」誌連載中。作者は、他にBLらしきインターネット漫画をウェブサイトで連載中らしいが、単行本はこれが初めてだと、表紙見返しにコメントが付いている。
架空の東洋風世界が舞台。寒い大陸のある国、オンラン(온란)。この王権神授らしき国の王は、国を温暖にしてくれるという神話を前提として成り立っている。王の呼称はラアン(라안)。オンランの年中行事として若きラアン自ら自分の足で国内を行脚する最中から物語は始まる。
幼い頃見たラアンの姿が忘れられず、近衛兵となった赤い目をした(表紙絵)異民族の少年イノク(이녹)。山道で襲われ、崖から転落したラアンを身を挺して助けた功でラアン直属の護衛に取り立てられる。ラアンが襲われたことに加え、周囲の人々の口の端から、年々、オンランが寒くなり、ラアンの神格性も薄れ始めていることがうかがえる。
※この先、イノクを目を通して王国の落日が描かれる群像劇となるのか、BLものとなるのかなど、先はまだ見えてこない。今のところ、コメディードラマ中心で、可愛いタッチで描かれている。

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#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180517)

Yonpunon1「ヨン、プンホン(연. 분홍)」サブタイトルが「花のワルツ」。이로모(イ・ロモ)作。鶴山文化社。「PARTY」誌連載中。連載はモノクロだが、この単行本は全編カラー漫画。
タイトルは、二人のバレリーナの名前。バレー教室の趣味クラスに通う15歳の少女노하(ノハ)は、ある日この美しい二人ソンウ・ヨンとフィル・プンホンに出会い、魅せられて、ずっと迷っていた一ランク上の専攻クラスに通う決心をする。今のところは、この三人と周囲の人々の物語となるようだ。このヨンとプンホン、各々複雑な家庭事情があったようだ。
物語は、さらにノハが専攻クラスの教師、やはり魅力的なユ・ミラに出会う。このミラも娘となにかあったらしい。
※他にも伏線らしきところがあるが、まだよくわからない。表紙を見ても分かるように、柔らかいタッチで、まるで色鉛筆のような淡い色彩に、日本でいうところのスポ根バレー漫画とは異なり、リアルな日常の中のドラマでのんびりとしたムードが漂っている。韓国のストーリー漫画は日本のそれほど一気に「つかみ」に入らないので、まだ先は不明だが期待作だ。

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2018年5月13日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180513)

Rure30「RURE(루어)」30巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。29巻の記事はここ
30巻の帯は「パイル内戦」篇。
※29巻は、「青い月の一族」のヤノクが、北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の大神女シン・ミョンファの夫となり、連れ戻しに来た兄ルークに「子供がいるから、帰れない」と発言しルークは、「俺も残る」と言い出した。大神女によれば、子が生まれるとルディムナの生命体と青い月の一族は一体となる、というところまでだった。
が、どうやら、青い月の一族は、ルークに、大神女に対し暗殺の密命を課したようだ。
一方、パイルではヒロイン、シン・ハルの双子の妹ミルが、肉体は眠り続けるハルの精霊の精神や、シン・ミョンファと交感することで、本来のルアーの力を目覚めさせ、肉体の視力も回復し、久し振りに登場したパイル商人チャキを通じて隠密裏に、ミュールゲン国王と内戦中のタマル王子の陣を訪れる。
ミルとの会見でタマルは、ミュールゲンも知らないパイルの王家の秘伝を語りだす。
パイルに真のルアーはいない。やってくるのを待つだけ。以下例によって(性懲りもなく)拙訳の抄訳を試みる。
『私はパイル王家の全知識と秘伝を継承した正統後継者である、28代チャ・クン(=王の称号)タマル。王家はルアーが生まれない。何故なら最初のルアー、ハベクが生きたまま封印されているから。我らはルアーが生まれても印章を受け継げず、発現できない未成熟なままで死んでいく。
だが(ハルとミルにあった時は)まだ何も知らなかった。ハルと共にルディムナを離れ(ハルとミルの故郷である)「果ての島」に行った時、印章が現れ、ルナファー(ルアーの精霊)が消滅し、ルアーの知識が一度に浮かんできた。同時に覚った、ハルがルアーでないことを。ハルがルディムナに合わない未来が怖ろしかったが、私はハルの未来が視えなかった。結局、私はハルを「果ての島」に残して離れた。
印章を受けられず統制できない力が予言として現れるのが未来視。さらに私(が視た未来)は運悪く故郷の滅亡と共にあなた(ミル)が現れた』
しかし、ミルは臆することなく、来訪目的を提起する。簒奪者ミュールゲンを排す為に、解放者タマル殿下と同盟を結ぼうと。タマルは即、受諾。
※異世界SF冒険ファンタジー大河漫画としてまた新しい政治的うねりの期待だ。作者によると表紙のキャラはタマル。

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2018年4月21日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180421)

Vampiretoshokan8「뱀파이어 도서관(=ヴァンパイア図書館 Vampire Library)」8巻。이선영(イ・ソニョン)作。鶴山文化社。7巻の記事はこちら
理事長コンラッドの秘書キムが登場した。理事長の用ではなく、キムの弟が、以前に登場したヴァンパイアハンターの組織の局員で、その弟の依頼で、ある調査をしているという。
その弟の上司セホが、主人公マノの孤児院時代の先輩だったのだが、事件の時の図書館長カベルの超能力(言霊)で図書館に関する記憶を喪失されて以降、何か精神的トラウマに悩まされているというのだ。
カベルによると彼の「忘却」の力で記憶喪失になるより前に、精神的ショックの経験があるなら、あり得るという。マノはセホが心配になり、弟に会いに行くキム秘書についていき、成り行きで弟と二人でセホを尾行することになる。
セホは、少年時代世話になった精神科医に相談に行ったのだが、相手は変装した「美食家」の3番目バロン。セホを助け、バロンと対峙することになったマノだが、マノの呼び掛けで瞬時にカベルも助けに来る。カベルとバロンのバトル開始。
※もうお馴染み?今どきのBL風オカルト・アクション・ラブコメ(笑)。
今回新たな伏線が①バロンの口を通して語られた。美食家の数字は「生まれた」順序で、皆、一番目の美食家「アイン」から「生まれた」という。この時カベルが、アインの名に激しく反応した。②マノには「美食家」の「臭い」が嗅ぎ分けられるらしいことに、図書館司書オリビアが気付いた。

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2018年4月15日 (日)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180415)

Tigau1「이건 좀 아닌것 같아 !」한송이(ハン・ソンギ)作。ソウル文化社。原題は、訳すと「これ、ちょっとないんじゃない!」位のところか。前作が「김영자 부띠끄에 어서 오세요(キム・ヨンジャ ブティックへようこそ)」の作者の新作。リアルタッチな前作から今度は現代を舞台にしたファンタジー。
24歳の女性、ヒョンビンは、異界の存在が見える。自らを「울(ウル)」と名乗る異形のモノ達にとって彼女は、捕食者のヒエラルキーの最上位に位置するというのだ。
さらに、ヒョンビンに食われてしまうことが、彼らの最期にして無上の喜びらしいのだ。そうやって彼女は、これまで無数のウルを体にエネルギーとして取り込んできた。
彼女の両親も人の姿はしているが、母親がやはり上位捕食者で、ヒョンビンはその血を継ぎ、父親は、母と眷属の契約を結んで、結婚したウルで、花の類だったらしい。眷属の誓いを結ぶと、母やヒョンビンに食われないで済むらしい。眷属として他に、雀の姿をしたウルがいる。
但し、ヒョンビンは他人に見えない世界の様々な姿の存在が見えるために、その言動で他人から妙な奴と見られて、子供の頃から人付き合いに苦労してきたコンプレックスがある。
今、ヒョンビンの周囲に、人の姿の二人の男が現れた、
一人は、ヒョンビンの体質に気付いているが「ウル」かどうか彼の目的もまだ不明な青年、チョンス。
もう一人は祖先は異界の蛇で、文字通り地を這っていきる己に幻滅し、人間になりたくて、人の姿になった末裔が、ヒョンビンと出会ったら、捕食関係の気質が現れてしまった21歳の青年チ・ヨジュン。
チョンスは、ヒョンビンと出会ったヨジュンを襲った。何か因縁があるらしい。しかし衰弱したヨジュンに、ヒョンビンはエネルギーの一部を与えて救命した。この行為で、ヨジュンは、ヒョンビンの眷属となり、彼女を主人と崇めることになった。
そしてヒョンビンの前に、これまでとは異なり「お前の人間との辛い関係の記憶を食わせろ」というウルが現れ、彼女に精神的な揺さぶりをかけてきた。ここでヒョンビンの精神にヨジュンが現れて救出を図る、というところで続く。
※基本的には、日本の漫画でもよく見られる、いわゆる「霊とか異界・異形が見える体質」の女性の話だが、韓国人が描く鬼神やトッケビ(おばけ)はかなりグロテスクでエグいのが特徴で、ここで描かれる「ウル」もなかなかユニークだ。

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2018年4月 7日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180407)

Sori1「대답하세요!  프라임 미니스터(お答えください!プライムミニスター=総理)」1巻。임주연(イム・チュヨン)。大元CI。
ファンタジー大作「CIEL The Last Autumn Story(シエル)」や、きらびやかな魔法少女もの「Pure Crown」のイム・チュヨンの新作。
※これまで、イム・ジュヨンと表記してきたが、「イムジュヨン」は姓と名を続けて発音するときの慣習なので、表記としては改めることにする。
簡単に言うとこれは、イギリス議会政治を舞台として、政治家同士のBLもの。イム・チュヨンは同人誌ではBLも描いてきたそうだが、ここは商業誌。あくまでフィクションと但し書きは頻出するが、舞台背景は(多分)同人誌よりリアルで細かい。
保守党の新人一年生議員、ベンジャミン・ノエルは大学時代の先輩後輩、とはいえ特に親しくしたわけでもない、労働党の若き党首、トーマス・カーディナルに飲みに誘われると、いきなりデレッとしちゃって(笑)その夜の内に、彼の家でベッドを共にしてしまう。そして翌朝、トーマスと、保守党党首、ヘレン・ポッツ首相の秘密会談の取材に殺到した記者団の前に半裸の姿をさらしてしまい、一気に恋愛スキャンダルが全国に伝わる。
ここからが、真のフィクションとしての本領発揮。展開を読んでいくと、同性愛であることに関するタブー、白眼視ネタは皆無。つまり、LGBTはすでに浸透して、マイノリティ意識はない、その意味で理想の世界なのだ。
実は、この恋愛スキャンダルは、まだ政治家としての名もキャリアもないノエルを、一気に次期党首、総理へと成り上がらせるために、ヘレン首相が仕掛けたものだった。しかも、野党党首カーディナルを何らかの理由で、ノエルは今、国で一番重要でかつ身の危険が迫っている人物だ、一晩、最も確実な方法で彼を守るにはカーディナル、あなたしかいないと説得したから、目も体も離れてはいけない=いきなり寝台を共にするほかない、と仕向けたものだったのだ。同じ理由で、ヘレン首相は、保守党次期党首選挙の他の候補も説得して立候補を辞退させ、目的をさくさくと進めていく。※その理由はまだ明かされていない。
今のところ、この政治的スリラー背景と、対照的にストーリーは、世論、プレス、与野党のスタッフらのすったもんだのコメディで二人の恋愛は、スキャンダルというよりはむしろ国を挙げて歓迎、祝福ムードで展開していく。
※読者としての私は、果たしてこれは性的マイノリティの現実に対するアンチテーゼ、理想社会を追求していくのか、あくまで二人のBLに収束するのか、政治的スリラーとのバランスをどう描くか、この作品は見掛け以上に挑発的な注目作かもしれないと期待している。

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2018年3月31日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180331)

Lovelyugly1「러블리 어글리(Lovely Ugly)」1巻。이시영(イ・シヨン)作。大元CI。「네가 있던 미래에선(君がいる未来では)」の作者の新作連載。
他人の恋の面倒を見るの得意で、カップル・マネージャー、略してカマとも呼ばれる二十歳の学生イ・ルナが、先輩の美人で有名なジュ・エリの恋を助けようとして相手の、兵役を終えて復学してきたばかりのその名も、シ・ナモンに一目惚れ、この三人に加えて、ルナの親友の女子学生コ・チヨン、カパとしてのルナの相棒幼馴染の男子マ・ルハンを巻き込んで、とくるとお約束なラブコメだが、一巻だけ見ても、過剰なまでに吹き出し(※余談だが韓国の漫画界ではこれを「言葉風船」という)が多くて、セリフの細切れのように、見た目に絵面が騒々しく、いかにもピーチクパーチクさえずっている感じ。
このセリフも、実際の韓国の若者言葉か作者の造語か分からないが、英単語、熟語をさらに省略したことまでは何とかわかる。
どうやらこれが作者の持ち味の一つらしい。前作はBL風なSFだったが、細部のSF的アイディアの解説やデータが頻出して、紙面を満たしていた。今回はそれが恋に関するセリフのやり取りの吹き出しということ。固く言えば情報量で圧倒する。
※作者の後書き漫画によるとここまでの制作中に、完全にコンピュータ原稿の執筆環境になったそうだ。

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2018年3月24日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20180324)

Rure29「RURE(루어)」29巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社(純情漫画誌「PARTY」連載中)。28巻の記事はここ
29巻の帯は「空虚」篇(=공허)。
※もはや、ヒロイン、シン・ハルが全てのドラマの背景にあるとはいえ、ダイナミックに同時多発的となり、完全に多視点ドラマと化している。
「青い月の一族」のヤノクが、北の大国완・위라이(ワン・ウィライ)の大神女シン・ミョンファの夫となり、連れ戻しに来た兄ルークに「子供がいるから、帰れない」発言に対してルークは、「俺も残る」と言い出した。
※ここから数ページはギャグシーンとなり、ルークが、種族の過去の記憶を有し、共感能力に卓越した青い月の一族の子育てがいかにデリケートなものか、具体的にまくし立てている。つまり超能力SFのパターン、テレパシストが心の平衡を維持するのにいかに苦労するか、という話だ。ヤノクは子育てのことは何も知らないのだ。
そうこうしているうちに、近衛兵とシン・ミョンファに包囲されたが、表面的にはミョンファは、ルークを歓迎する。そして青い月の一族とルアーの混血について、難しい解説をする。以下抄訳を拙訳で試みる。
『青い月の一族の転生術の本質は、ルディムナと交流、子孫の生成だ。その呪術を生み出したルアーの一族、ハベク(河伯)は最善を尽くした。だが、真の解決策は男ルアーではなく、女ルアーしかできない。私は過去ルアーだった。ルアーは全ての世界と調和を成す存在であり、全ての世界の調和を探す存在だ。時空を旅する力は失ったが私が生む子は、青い月の一族でもルディムナと調和を図る存在となるのだ。排斥され続けたお前の一族がついにルディムナの種族になるということだ。転生術が無くても子孫の繁殖が可能、ルディムナの生命体が青い月の一族に拒否感を持たなくなり、術師は、青い月の一族を判別できず、今のように隠れて生きなくてもいい。同時に青い月の一族の呪いである転生が消える。』
※果たしてこれは、青い月の一族にとって本当に恩恵なのか、読者にはまだ不明だ。
一方ワカでルキア、ヨークナーを食ってしまったハルは、従者二人とともに砂漠の飛行生物ルマーニャに飲み込まれる。その中でハルは三人の女を幻視する。
※ここから舞台劇の演出のような絵が展開する。以下、拙訳で抄訳。
「私は空虚の存在」「私はソネッティの子」「私はルアーの印章」
三人揃って「お前を成す根本だ。我ら三人でお前を誕生させた。誰も予想できないことだった。」
※つまり、三人が個々に望んだが、それが一人の子になって現れるとはだれも望まなかった。ハルは望まれて生まれた子ではない、というのだ。だがハルは宣言する。
「私はルアーではないし、翅族でも、空虚の存在でもない。でもルアーと翅族の力、空虚の存在を持っている。私は生きている」
そして、ハルは目覚める。すると旅の道連れだった幻獣が眠り続けて目覚めない。とりあえずやることは決まった、とルマーニャで、この幻獣を治療してくれそうな術師を巡る旅を始めた。
そして、パイルではミュールゲン国王とタマル王子の内戦だが、王子の連戦連勝。その渦中でタマルは軍師からミュールゲンが消えたという噂を聞く。
実は、ミュールゲンは消えたのではないが、城内奥深くに引きこもっている。まだ詳細は描かれないが、眠ると、シン・ミルの呪術に限られた時間だけ、精神が閉じ込められるようだ。それでかなり衰弱している。ミルの傍ではハルの幻獣の精神だけが存在していて、これがミルの呪術を増幅しているらしい。
そして今、シン・ミョンファがミルの前に姿を現した。

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2018年3月10日 (土)

#韓国の漫画 韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ:(20180310)

Simuchon8「심청(「沈清」=シムチョン)」第8巻。イ・ソヨン(이소영)作。タイトルは、韓国では誰でも知ってる儒教道徳説話「沈清伝」の主人公の名前。親孝行娘の代名詞。内容は日本語でも直ぐ調べられる。7巻の記事はこちら
複雑な、海を司る龍王「達」とその娘達と人間の愛憎関係が、推理で解かれ、あるいは告白され、明らかとなって来る。
王宮内では、シムチョンは龍の鱗を大皇太后に提出して、これで王妃は決まりかと思ったら、王妃候補オ・ハヨンが、龍の鱗は自分が見つけたのをシムチョンが強奪したと訴えてきた。
シムチョンは弁明すると匿っているイアンのこともすっかり話さねばならないので、これに黙して語らず。これにより、オ・ハヨンが皇太后から真の勝者と認められ、シムチョンは幽閉されてしまう。
そのシムチョンの前に、西海龍王が現れ「ヘユン」は、イアンに憑依したのではなく、海の神々の代表東海龍王の娘、ソルが人間の魂(イアン)と神の魂(ヘユン)の二つを一つの体に作った存在だと語る。
ソルは、かつて西海龍王と愛しあったが、龍王と朝鮮王朝の盟約(東海龍王の娘=ソルと李朝国王の婚姻)を優先した西海龍王と東海龍王を憎悪し出奔した。
ここまでの展開で、龍王の娘、宮中の巫女「シア」は、ソルは「堕落の花」の種を宮中の人々に植え付けただけでなく、オ・ハヨンを「破壊の呪符」として使い、自分自身では侵入できなかった王宮の結界を弱体化、無力化しているのだと推理した。
しかし、既に結界は破られ、大皇太后とシムチョンが謎の昏睡状態に陥った。これも既に宮中に侵入可能となったソルがやったことらしい(シムチョンの方はまだ何かの伏線かもしれない)。
これに加えて、シアの姿に変身したソルは、李朝国王とオ・ハヨンの婚礼の儀場に現れ、用済みになった彼女を殺害してしまう。
眠るシムチョンは夢の中で「盟約」のいきさつを幻視する。かつて堕落の種を宿し、花を咲かせてしまった北海龍王が、海を荒らし続け、人間を不幸にしている様を見かねた、北海龍王の娘が、父を火炉に封じ込め、さらにこれを二つに分け、片方を東海龍王に、片方を李朝国王に守らせ、加えて自らが国王の妃となることで海を司る龍王と人間の王双方に力の均衡を図る盟約を定めたのだった。
そして目覚めたシムチョンに国王は、と続く。
※西海竜王はシムチョンに「お前の真の王はヘユンかイアンか」と問うた。シアはシムチョンこそ王妃となる運命の人と繰り返し説き、ソルは運命に復讐を誓う。シムチョンは私は王妃になりたいのか?真の目的はあくまで父を探し出すことだと自問自答する。主要な登場人物がシムチョンの「運命」を問い直すことで物語は収束、求心を維持しているようだ。そして振り返れば作者は本作について最初に「シムチョンに『自由』を与えたい」と抱負を記していた。運命と自由を巡る物語の今後に期待。

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