カテゴリー「上橋菜穂子」の記事

2017年3月25日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第9回「#呼びあう魂」

先ず、泣かせるサブタイトルではないかw。第2シーズンも最終回、振り返ると、実写ドラマはウェット、任侠、人情に訴えるキャラ作り、ドラマ作りをするんだな、あらためて原作小説はドライ、クール、知的な作りだったんだなと感じた。
だからこそ、ヒュウゴの食えない奴感(笑)が際立って見えるのだ。敵と味方をはっきりと分けられない、ドライさ、クール、知的にタフさ、と原作要素を体現していたのヒュウゴ(だけ)だったのだ。
一番人気でツイッターを席巻したイーハン役は、どうも、ファンタジードラマの世界の住人になりきっていなかったような気がする。
ヒュウゴの一方でシハナのキャラは、割を食ったような気がする、真木よう子は、自らノリまくってキャラ作りもしたようだが、それが良かったかは、疑問が最後まで残った。ただしドラマ的にもウェット、任侠、人情路線だったので、彼女の責任ばかりとは言えない。但し、私が長年妄想してきたスピンオフした想像のシハナのいずれとも全く異なる姿で意表を突かれ新鮮で印象的だったので、ドラマ的にはおそらく成功だったのだろう。
ストーリーとしては、小説とは視覚に訴えるとはこういうことか、なるほどと思った(笑)。特に周辺の新興大国の思惑と古くて小さな国の為政者の戦略、思惑の知的な戦いの妙味を小説が時にチャグムを直接出さずに俯瞰したような構図から(神の目線とでもいうか)じっくりと記述するのに対し、実写ドラマは、チャグムの逃避行の緊迫感、切迫感を一気に表出することで、理屈抜きに役者の肉体で語らせていた。ドラマは、老いた小国の若い王子のお手並みと肝を試してみようという為政者とブレーン達の駆け引きの妙味がドラマチックだった。
また、今回は、各国の太った(ふくよかな)女性の役者とキャラクターが皆、いい味をだしていたなあ、これは冷やかしでもセクハラでも差別でもないぞ。本当に太古よりの大地の豊穣のシンボルと、現代社会のスリム過ぎる女性への偏愛の不自然へのアンチテーゼとしても十分だろう。

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2017年3月18日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第8回「#王子の足跡」

「天と地」篇開幕。チャグムの足跡を追うバルサ。頭の良さとタフさは、綾瀬バルサに文句はないし、チャグム役の王子らしい気品と器量、線の細さと肝の太さを併せ持つ巧さもいいし、セナ役、その他脇役(クリスや、プロレスラーの方の登場にはニヤリ)もいい味出してるが、やはり光ったのは鈴木ヒュウゴwだ。綾瀬バルサや真木シハナとは違った、クレバーさとタフさ、複雑で奥深い個性もさることながら、今回は。街の喧嘩シーンが堂に入っていて巧い。いわゆる殺陣とは違う腰の入ったタフな喧嘩振りwが実にいい。
新ヨゴ国の王様とその周辺の高位な人々の俗物、線の細さっぷり、小者感は相変わらずだった。まさにチャグム王子と対照的なのは、意図的な演出と役作りだったのだろうか。故・平氏のまるで既に演技を越えて己の運命を悟ったような聖導師振りは皮肉としか言いようがない。

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2017年3月 4日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第7回「#神の守り人」

NHKがやたらとクライマックスと煽っていたが、「神」篇の最終回ということだった。実写版で観るといかにアスラ役に子役の荷は重過ぎるかを感じた。しかし、同時に見事にそれを乗り越えた見事なアスラ役だった。
原作の「生贄」の儀式を舞台に、タル人の神、いや転じて鬼神、あるいは悪鬼を召喚して、対立南北勢力=いずれもイーハンが真の「ロタ王」となる障害となる=を一掃しようとするシハナの深謀遠慮は、ドラマでは今一つスケール感がなかったが、あるいは小説とは違いこういう理屈っぽい政治的大局観の展開は難しく、映像には向かないと判断しての演出だったのかも知れない。
そこで、トリーシアのカルト宗教的な狂気とエロティシズムがクローズアップされる訳だが、これに壇蜜が見事に応えたのが驚いた。ひょっとしたら役者としても飛躍だったのでないか。
故にいささかババをひかされたか?、シハナの真木よう子だが、さすがにバルサ対シハナの殺陣は、文句なし、女優同士の殺陣としても屈指の出来栄えだったかもしれない。
あえて文句をつけえるなら、視聴者にキャアキャア騒がれているイーハン役は、やや線が細くて、異世界ファンタジーの骨太な世界観には力不足だったか。
また、ラストにアスラが目覚めるまでの展開はせっかち過ぎる気がした、もう少し諸々余韻を引っ張ってほしかった。

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2017年2月25日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第6回「#帝国の牙」

冒頭以外バルサの出番なし、後はチャグム側の出ずっぱり、まあ、緊迫の政治駆け引きドラマだから場面を切り替える訳にはいかない。
ヒュウゴのセリフ「私は(チャグム王子の)民ではありません」がちゃんと伏線になっている。だからヒュウゴは、自分の身は構うな、と展開を予測して警告したわけだ。その展開にヒュウゴ役の俳優の肉体が説得力を持っている。
しかし、NHKの新聞のテレビ欄向け紹介分が、狙い過ぎというかあざと過ぎるというか、なりふり構わなさすぎる、というか、これは気に入らないね、いくらなんでも。
話を戻すが、タルシュ帝国の意匠は、中世欧州の騎士風か?いささか生地が安っぽい気がしないでもない。
ラウル王子の飴と鞭的な誘惑と恫喝は、新興の強権主義国家らしい、上記安っぽさは、伝統ある王家ではなくて、あくまで力による成り上がり=たたき上げ為政者という演出かもしれない。
そしてチャグム王子の古王国らしからぬ、戦略が発揮される、これ前回のヒュウゴのセリフ「(チャグム王子)一人ではタルシュとは戦えない」が伏線になっている。このヒュウゴの期待にチャグムは応えた。戦術的には無茶苦茶でも、理屈は通っているのだ。チャグム王子は運命に向かって文字通り泳ぎ出したのだ。
しかし、「神」と「蒼路」を並行させた構成は、難しいが成程と思えてきた。動乱の時代であることが一段と真に迫って感じられる。

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2017年2月18日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第5回「#聖なる場所へ」

順序は逆になるが海賊役で出てきた森公美子が笑っちゃうほど似合ってる。
さて、虐げられる民が依童アスラを使って鬼神を呼び出そうとすれば、シハナはそれを利用して、ロタ国を変えて、しかし民草の安寧を狙う、筈なんだが、どうもせっかくの真木よう子がどうも小悪党感が抜けないのが辛い。なんでこうなったのかなあ。随分期待しているんだが。
つり橋のシーンのアクションはスリリングさ十分。高島礼子のトロガイ再び登場、この安定感はいいねえ。東出のタンダの朴訥さも良い。
ジグロの、刺客となった友をすべて殺した、業の深さと哀しみ、復讐に燃えた時期と殺し殺されの虚しさを経たバスラの昔語りが、アスラを通り越して、右傾化過激化を推し進める現実のこの日本の政治、世界の戦争の虚しさが視聴者に伝わると切に願う。ネット時代は、こういうことを言うと興醒めというのか嫌がる人が多いのだが、私は絶対違うと思う。
対照するかのように語るヒュウゴの姿も同様。強権主義国家の下で、格差も同化も受け入れてきた少数民族の光も影も、夢と現実の生き方を理解する包容力、共感力をネット社会の人々に培ってほしい。

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2017年2月11日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第4回「#笑う魔物」

アスラ役の子役の熱演がインパクト強すぎる。サブタイトル笑う魔物は、アスラがその呪われた力を発揮する度に取り憑いた悪神が本性を現し始めることだけれど、後にバルサのエピソードが挿入されることで、生死を賭けた恐怖と狂気に精神が耐え切れずヒステリーの笑いが出ることをさしているダブルミーニングも思わせる。これ時事的には、自衛隊員海外派遣の肉体的物理的以上に或いは大きな精神的危険に対する風刺までかかった。
本格的にヒュウゴが絡んできた、亡国の辛酸を舐めてきた一人の人間の重みが伝わってくるのはまさに役者の演技の凄みだ。そう支配された辛さよりも豊かさを得て、翻り自国の民を危険にさらしたあげく敗れた為政者への怒りを今こそ日本人は共感すべきだ。
サンガル国はこれで、本格的な出番が終わりだと、南洋の野蛮人といったステロタイプなイメージで終わって損な役回りだな。
トリーシア、母親を無理に出さずひたすらエロチックさを醸し出しているのがよい。
逆にイーハン役が、ネットの人気(笑)とは裏腹にどうも浮いているとしか思えないんだよなあ。これは演技の巧拙の問題じゃない。むしろ演出の失敗じゃないかなあ。
さて、我が偏愛のシハナは、うーん、実はこちらも演技じゃなくて演出に問題なかったか、どうも期待したような現れ方が見えてこない。アクションなしでも、智謀家の凄みが出てこない。最後の最後の笑みでようやくその片鱗がうかがえたか。
ネットでは狼のCGにリアル嗜好の奴があれでも手ぬるいとかいう輩がいるが、リアルにしたらしたで残酷描写だ、と苦情が出るだろうよ。

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2017年2月 4日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第3回「#光の力」

今回は、役者と役のハマり具合について色々感じるところがあった。そして原作のイメージ、いやそれ以上に今この現在の私達の世相との風刺的側面とについて。
壇蜜の妖しさは、カルトな母親に意外にピッタリで、そんな母親に支配されている娘の悲劇に説得力が十二分にある。逆にディーン・フジオカのイーハンとその壇蜜のトリーシアに付き合いがあったというのはどうもディーンに説得力感じないんだよなあ。しかし、ロタ国内の南北対立は、近現代世界の政治経済構図としても十分リアリティがあった。しかもタル人の一掃という発言が出た時には、まさに今この時のトランプ米大統領の出現でシャレ=風刺を現実が追尾していることに改めて戦慄する。
しかも対照的に、相変わらずのヨゴ国帝のエキセントリックで己のカリスマにすがるような古臭い政策を描いて、古い聖人君主国家の滅びと強権主義国家の進出を予感させる。
ミクロな構図の方では、渡辺えりのマーサの説得力が並みじゃない。あれは役にはまっているというよりは、渡辺えりというキャラそのものだ。彼女が素で「反戦」「命の平等」を訴えている発言を観たことがあるが、本当に感動した。
最後にシハナがようやく牙をむいた、これが単なる凶暴な牙ではなく、国の万民の安寧という大局観に基づく冷徹さであるように描かれることを期待したい。

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2017年1月28日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第2回「#罠(わな)」

さて、2回目となると、こっちも随分と落ち着いて観られる。「蒼路」パートに大きな脚色が入った。サンガルとの絡みを文字通りすっ飛ばして、ロタ王との会見を挟み込んできた。さあ、これがどんな伏線になるか。これだけ観てしまうと、原作のチャグムの冒険を経ていないので苦労知らずで軽く見えてしまうが、その辺の「試練」はまだこれからたっぷりと味わっていただくのだろう(笑)。
「神」パートは、アスラにはまだ神様は一人しかいない、そしてそれは母親の呪縛でしかないことが、まだ分からない。それを修正するにはまだ無理のようだ。
シハナとバルサのVS.第2ラウンド、迫力と緊迫感は今回も十分だが、まだお預け、お楽しみはこれからだ程度、出し惜しみだ。シハナの知力もまだ発揮されていない。
順は逆になったがヒュウゴ登場。これからに期待。
そして海洋国家サンガル登場。さらにタルシュもちらっと、内陸の少数部族も。多国籍文化が出揃った。小説とは異なる「視覚」のみで「異文化」を伝える風俗演出は、相当頑張って異国情緒はますます豊富になった。
伊武雅刀のトーサは早くも退場だが、役としてはかなり儲けもの。卑俗な権力者演出が目立つ中で、重厚さと潔さ、知性まで体現した演技は圧倒的。キャスティングしたスタッフは「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のデスラーを絶対意識したな(笑)。

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2017年1月21日 (土)

ドラマ感想: #精霊の守り人悲しき破壊神 第2シーズン第1回「#災いの子」

ついに、日本中の上橋菜穂子ファンの期待と不安の注目を集めるNHK実写版のシーズン2が始まった。一見して、合成、背景美術、セット、ガヤ等、映像面は素人目にもシーズン1を経て、ちゃんとこなれてきた。特にエキゾチックさ、異国情緒感は視覚的に素晴らしい。シーズン1は素人目にも(苦笑)試行錯誤に終始していたからなあ。
俗な感想を連発させてもらうなら、バルサもうハマりだね。タンダ私的には一番原作のイメージに近い。壇蜜ってこんなに危うさ出るとは驚いた。アスラ熱演、チキサ精悍な顔立ちだねえ、チャグムりっぱになり過ぎw。シュガ(髪が)綺麗になり過ぎw。ヨゴ帝地位に相応しくない緊張感ピリピリ感に一段と拍車がかかって危なさ進行、というか先が期待できない感無限大w。
トロガイ、あらゆる映像が高島礼子さんのメークに負ける(大笑)。メークの迫力が増している。
そして私が最大に偏愛するキャラ、シハナ=真木よう子は、私のイメージとは全く違うがいい意味で期待を裏切ったw。国の闇官僚という知的なイメージではないが、タフさでは、バルサを上回り、バルサの「最大の敵」に相応しい。そして期待のバルサとの正面対決は、まだ「今日のところはあいさつ代わりだ」程度だったが前哨戦としては今後の期待十分だ。
そして問題のストーリ-構成だが、なるほど、「神」と「蒼路の旅人」を合わせれば、バルサとチャグムの冒険を並行して交互に描けるんだな、小説と違い、視覚に訴えるドラマではこういう手があるんだな、と。
シーズン1のラストでバルサをお尋ね者にしておくことで、今回の逃亡劇も緊迫感の必然性が維持されている。
あらためて思ったのは新ヨゴ国の王宮内のセット、狭いと評判が悪かったが、これわざとやってんな。落日の王国を象徴するチャチさ、とでも言おうか。

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2016年4月 9日 (土)

ドラマ感想:NHK「精霊の守り人(4)決戦のとき」 #精霊の守り人

正直、あまりにも胡散臭い、脚色に唖然、茫然としたのだが、なんと上橋先生は、私達の心中お見通しで、メッセージを残してくれた。https://t.co/xvZq6DhEvN
ここまで、先生が割りきっておられるなら、何もいうまい・・・・いややっぱりちょっとは言いたい(笑)。
実写特撮とナユグという異界の演出、合成技術演出などは試行錯誤の連続。これよりは高島礼子のメークとノリノリの演技の方が見応えがあった。
キャラクター演出は、今時は威厳よりも、小者振り、お笑い(カリカチュアライズというやつか)の方が受けるのかなあ。その集大成として、チャグムと帝の胡散臭い、茶番は、それはそれとして見応えがあったが。感動やカタルシスとは無縁だな。
バルサの真意としては色々、読み取り様はあるが、ドラマのバルサはまだ精神的に若い、ということか、チャグムにカンバル王に対し余計なわだかまりを断ち切る為か。あえて、カンバルとヨゴ国から逃亡の身となる為か。
いずれにせよ、この後味の悪さで、NHKは一年後に、7年後の世界に私達を導こうというのだから、ここは一年間堪えて(辛いw)お手並み拝見だ。

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