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2024年2月

2024年2月27日 (火)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20240227)

6「エルスカル(ELSKAR=엘스카르)」第6巻。우나영(ウ・ナヨン)作。鶴山文化社。第五巻の記事はこちら。「バ・エルスカル・アメジスタ、それが約束の宝石。王冠に装飾された宝石=バエル。約束の宝石は敵に。それを開くキーはこちらにあるのです。勝った方が全てを得るのです」。

※訳訂正、ドロイ伯爵と訳していたが以降、公爵に訂正。ノクシド公爵は侯爵に訂正。

国王の王冠の宝石バエルに激しく動揺したビオラ。これをきっかけに国王や国王支持派のノクシド侯爵の関心を引きつけるが、ビオラ自身もランゲ族の求心点となる決意をし、ランゲ族の人々に呼びかける「私を守るのではなく、私と共に戦って下さい」と。
 これを受けて各地に散らばり潜むランゲ族は連絡を取りビオラを中心として団結して活動を図る。中でも有能な女性リーダー、マハの協力を得た。そしてビオラの提案に従ってドロイ公爵にランゲ族の総意として協力を要請する。
 だがノクシド侯爵も宮中でビオラの拉致を強行し始める。その度に助けてくれるのは第二王子だった。同時にランゲ族狩りも強化し、ランゲ族の死者も増える中で狩人のリーダーがエルスカルを食べて超人的な戦闘力を発揮していることが判明した。※またこのリーダーの名はハフロン、そしてノクシド侯爵の息子だった。
 第二王子の行動が露見し、王命により紛争地帯に派遣されることになった。これが最期と覚悟した王子は密かにビオラを呼び出す。という所で続く。

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2024年2月21日 (水)

#해도연 (ヘ・トヨン)「여담, 혹은 이어지는 이야기(余談、もしくは続きの話)」を読むその4 #韓国の現代SF小説

業務連絡:次回は三月六日(水)午後一時半からです。

昨日は突然の暑さ、本日は一気に冷え込みましたが、それでも雨で意外にも蒸し蒸ししています。さて、いつもの口上から、史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした、月曜会2。
さて、三度前提を記述します。かつて当会で読んだ、해도연 (ヘ・トヨン)作「위그드라실의 여신들(ユグドラシル=世界樹=の女神達」という、木星の衛星エウロパを中心とした、本格宇宙SF小説が、先頃、当時とは別の出版社から復刊されまして、その際に、書き下ろしで、その前日談、サイドストーリー、後日談の3場面で構成された短編が収録されました。そこで、この作品「여담, 혹은 이어지는 이야기(余談、もしくは続きの話)」を読んでいきます「第四回」です。
 二番目のエピソード「最後の文章」のクライマックスです。
想像を超えた知性と電磁気的制御技術があり、それも未知の異星生物とコミュニケーションをする意思伝達能力までも備えていクモ虫。キラキラと光りながらクモ虫が八本の触手を潜水艇にのばしてきた時、エウロパに4回目の稲妻が落ちました。するとスミは、意識がクモ虫と同化したように、エウロパの海全体に広がるのを感じました。意識が戻ると、スミは、この驚異の体験をセシリア、マヤと共有できないことを残念に思いつつ、二人の無事と地球への帰還を祈りながら、最後のメッセージを残します。「セシリア、マヤ。最後が来た。ここで待っている。」
 三番目のエピソード「待つ者たちの博物館」に入ります。
地球が宇宙から飛来したウイルスで絶滅しかかり、マヤが地球に帰還し、この危機を脱した後の遠い未来、地球人が宇宙への志向が減退した時代。
地球を救った英雄、マヤ・ベル・パーネル博士の足跡を調べる学生、マヤは、21世紀地球の文化を保存する広場に、「待つ者たちの博物館長」リリャーナ・イワンコビッチを訪ねます。
ここは、様々な思い出の人との縁の記憶とその印となる物件を保存した、という奇妙な博物館です。ここでマヤ・ベル・パーネル博士は晩年を過ごしたというのです。地球人が再び宇宙へ旅立つ日を切望しながら。そして博士がこの博物館に残した物件は、正方形の立体でした。
※SFには「2001年宇宙の旅」のモノリスを想起させるシーンです。では、また次回へ。

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2024年2月19日 (月)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20240219)

5「エルスカル(ELSKAR=엘스카르)」第五巻。우나영(ウ・ナヨン)作。鶴山文化社。第四巻の記事はこちら
「バ・エルスカル・アメジスタ、それが約束の宝石。王冠に装飾された宝石=バエル。約束の宝石は敵に。それを開くキーはこちらにあるのです。勝った方が全てを得るのです」。
毒矢を受けて昏睡中のドロイ公爵。ランゲ族の隠れ家に身を潜めるビオラ。次々と傷つく周囲の人々に自分の無力さを苦悩するビオラ。
ビオラは仲間達と襲撃を受けたランゲ族の村を探索中に、大人達が殺された子供のランゲ族だけの隠れ家に出くわした。そこでランゲ族を狩る狩人達の襲撃を受けるが、とっさの機転で、崖から身を投げ、重傷を負うが子供達は狩人に見つからずに済んだ。
 今度はドロイ公爵が目覚め、入れ替わるように重症のビオラが発見される。昏睡するビオラは王冠とその宝石バエルを幻視する。目覚めて傷が癒えたビオラはこの幻視の意味を探るべく、皇族へのつてを求め、第二王子に謁見する。彼はやはりカフスボタンを投げた男だった。
 一方ドロイ公爵は国王夫妻と謁見し、王女との婚姻をしきりに求められるが、これを辞退。※ドロイ公爵は現国王に敵対する立場。
その代わりにドロイ公爵は王への忠誠の証しとして同家が採掘、皇室に献上しているしている魔石の増量を申し出た。※この魔石についてはまだ詳述されていない。
野心に燃える王女は、ドロイ公爵への愛でも単なる降嫁でもなく、統治者としての器量を持つドロイを必要な駒として欲していたので、ランゲ族の生み出す宝石エルスカルの呪力で表向きドロイ公爵の婚約者となっているビオラを暗殺しようとするが失敗した。ランゲ族の宝石の力でも自らの思い通りにならなかった王女は侍女と共に屋敷に火をつけ自死した。
 王宮での王女の葬儀にドロイ公爵と共に参列したビオラは国王が被る王冠の宝石=バエルに激しく動揺した「バエルが私を呼んでいる」と。
というところで、同時発売の六巻に続く。

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2024年2月 7日 (水)

#해도연 (ヘ・トヨン)「여담, 혹은 이어지는 이야기(余談、もしくは続きの話)」を読むその3 #韓国の現代SF小説

業務連絡:次回は二月二十一日(水)午後一時半からです。

昨日まで都心の雪と寒さが危惧されましたが今日は晴れて気温が上がりました。さて、いつもの口上から、史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした、月曜会2。
さて、再度前提を記述します。かつて当会で読んだ、해도연 (ヘ・トヨン)作「위그드라실의 여신들(ユグドラシル=世界樹=の女神達」という、木星の衛星エウロパを中心とした、本格宇宙SF小説が、先頃、当時とは別の出版社から復刊されまして、その際に、書き下ろしで、その前日談、サイドストーリー、後日談の3場面で構成された短編が収録されました。そこで、この作品「여담, 혹은 이어지는 이야기(余談、もしくは続きの話)」を読んでいきます「第三回」です。
二番目のエピソード「最後の文章」の続きです。
探査艇が受けたエウロパの稲妻で、基地から探査艇へのリモートコントロール通信が断絶しました。しかも、この通信はスミの本体は基地にいても、意識は探査艇のAIと神経系で接続してリモートコントロールをしているので、スミの体は基地に、意識は探査艇にある、という複雑な状況です。
スミはこれまでの記憶を思い出し、自分が本体のコピーではなく、意識は本体と接続していることを確認します。そして潜水艇を起動し基地へ向かいます。ここで奇妙な事態が発生します。推進力に比べて速度が速く、深海から水面へ、基地へと予想以上に早く近付きました。
潜水艇を「クモ虫」の群れが取り囲み潜水艇の速度を上げて、エウロパの海の海流に乗るように誘導し、潜水艇を包む氷が摩擦熱で溶けだすと補修もしてくれているのです。クモ虫には、想像を超えた知性と電磁気的制御技術があったのです。それも未知の異星生物とコミュニケーションをする意思伝達能力までも備えていたのです。
※今回、原書の誤植と思われる個所が見つかりました。197頁四行目から五行目にかけて名前が「スミ」でなければならない所が「マヤ」になっていたのです。
という所で、このエピソードのクライマックスを迎えるところで続きます。

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