#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20240629)※韓国漫画現役連載最長作品?
「RURE(루어)」39巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社。38巻の記事はこちら。本の帯カバーには引き続き「深淵(심연)」とある。
※38巻でまたしても読み違いをしていた「ハベクがタマルとなり、ハルはハル、そしてミル」と読み解いていたがまるで違う。ハベクはこの深淵の「設定」の一人であり、見た目のハルはあくまでハルのかけらを取り込んだタマルのままだった。※だからハルの描かれ方は常に表情が冷笑的で、本来のハルの感情豊かさがなかった。38巻で描かれたように深淵の中で空虚とタマルは深淵の核心部を巡って見えない戦いを続けているのだ。
ミル、ハル=タマル、ハベクの三人三様の旅が始まった?と思ったら場所としては「深淵」世界の同じ街の中にいるらしい。先ずミルが知るのは地球とルディムナーの世界が川を隔てて共存し、今はルディムナー側にいること、古代種族も現存種族も併存している、神=「空虚」の眷属として翅族が食物連鎖の最上級層に位置し「夜様」として恐れられている、
一方ハル=タマルはこの状況を考察する。創造主の最初の子の死体から生まれた魔獣と、二番目の子、大精霊の眷属ルキアは本能的に敵対する。古の神々と魔獣に対抗するため「空虚」は古の神々に背教者として嫌悪された翅族を眷属として再現し、「空虚」は大精霊の按配に従い多くのルキアを飲み込んできた。だがハルはルキアを食べることをを拒んできた。だから「空虚」は、今のハルを飲み込んでも力が不十分ではないのか?
「空虚」は「完全な神体」を取り戻したい。深淵を前哨基地であり、最初の神に奪われた身体と二番目の神に奪われた精神を取り戻し完全な神に戻るための橋頭堡。であると考察したところでハル=タマルは、ハルのかつての部下の一人渓谷の翅族スマッテイーと出会う。彼等はミュールゲンと翅の神の力で翅を取り戻し、ここの「聖所」に連れてこられたと言うのだ。聖所というならこの深淵の核心部かもしれない。ハル=タマルはあくまでハルとして案内を請うのだった。
ミルの方はチャキと出会う。だが会話内容から彼はあくまでこちらの世界のチャキであり、こちらの世界のミルだと思って対話しているのを悟る。
そしてハベクは、前巻で精霊(幻獣)イクサイクが出会った、こちらの世界のミルと出会う。※またややこしくなるがハベクは、こちらの世界の「設定」の一人なのでこのミルが、ハベクにとっての本物のミルということになる。
こちらの世界のミルは何か思うところがあってハベクを拘束するのだが、気が変わって彼を追い出しイクサイクも出るように促す。※こちらのミルにも何か深い闇=設定らしきものがあるらしい。
イクサイクとハベクが出た所で、ミルとチャキが出くわす。するとハベクが激しく動揺し始めた。それを見たミルは何かを直感したのかハベクに問う「果ての島(ハルとミルの故郷)を知っているか。どこにある?」
するとハベクは空を指さす。そこにはぼんやりと「天空城」が雲間から現れていた!。
ハベクの姿も変容し始める。周辺に怪異が生じ、イクサイクは激しく恐怖し、ミルはハベクに呼びかける「ハベクしっかりしろ!、タマルさましっかりして!」と。それでも反応がないので最後の頼みで「起きろ、シン・ハル!」と。
すると、ハベク=姿は変容した長髪のタマルだったが、目を覚ました。怪異は収まる。ミルはつぶやく「私を騙したな、彼奴はまた私を騙した」※ハル=タマルの言っていたように、ハベクは「設定値」の高い「設定」の一人、どころではない、その中にいたのは「ハルのかけら」だったということだ。ハベク本人にはその自覚は無いようだが。
この時、スマッティーに案内されていたハル=タマルは翅族の「聖所」宮殿?らしき場所で、冷酷にもスマッティーを殺害し「通行証」を奪ったところだが突然血を吐いた。この症状は「設定」外の名を呼ばれた時に生じるもので、同時に大きく「設定値」が揺らいだような感じがした。
それでもハル=タマルはスマッティーに変装して「聖所」に侵入する。
目覚めたハベクは、本人に自覚はなくてもまるで屈託なく昔通りの朗らかなハルだった。この不条理な「敵地」ですらも人々は何故かハベク=ハルに親切だった。ここでハベク=ハルはこちらの世界のミル=※ここから原作で[ミル]と表現され始めた=に助けを求めよう、と提案したがミルは拒絶「あなたの知る[シン・ミル]は[シン・ハル]と本当に仲良かった?あなたが良いと思っても、ここで一番信じられないのは[シン・ミル]だ」。シン・ミルのモノローグ「私は目的の為なら手段を選ばない。[シン・ミル]も同じだろう。」
この時、ハベク=ハル、ミル、イクサイクがいる店内でテレビから速報が流れる。翅族の聖所でスマッティーが殺された件で、容疑者は「シン・ハル」変装したハル=タマルの姿も映され、手配されていた。
この世界ではハルと恋人同士の設定のハベク=ハルは、当然いきり立つが「聖所」が何かもわからない。そこでミルは冷静に説いて聞かせる「『果ての島』(ハルとミルの故郷)こそ『聖所』だ。まさしく未完成の天空城のようだった島。あの人もそこにいる筈だ」と。
※ここで、同時発売の40巻に続く。しかしこの「深淵」篇、SFにある、人間の内面を探求する内宇宙(インナースペース)や、エイリアンが特定の地球人のイメージを具現化再現してみせる世界に加え、今時ならネットの仮想世界、メタバースのキャラクターと本物のギャップ、を複雑に組み合わせた感じで、一段と読み解くのに苦労する。今回も間違っていたが、今後も苦労しそうだ。
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