「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より #남세오(ナム・セオ)「벨의 고리(ベルの尾)」を読むその2 #韓国の現代SF小説 #韓国 #SF
業務連絡:次回は九月十一日(水)午後一時半からです。先週は甲子園で京都国際高校が話題を集め。韓国映画「ソウルの春」が封切り。深夜にはパリパラリンピックが始まります。
では、いつもの口上から、おそらく(笑)史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした月曜会2。
今年7月に刊行された新作ハードSFアンソロジー「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より、남세오(ナム・セオ)「벨의 고리(ベルの尾)」を読みます、その第2回目。
2022年12月ストックホルム市庁で開かれたノーベル物理学賞授賞式でデモ騒ぎを起こした女性が、自分が勤めるCERNのホイッパー・キャリー博士とそっくりだったことに気づいた「キル・サンウ」類まれな、見真似と微細な数値も見定める記憶力を有している彼は、騒ぎを起こした女性が掲げていたプラカードに記された「神はサイコロ遊びをしない」という言葉と、謎の2つの数値を記憶します。
後日職場の友人アレックが、粒子加速器の測定値にノイズが混じっている、とキル・サンウにボヤきます。彼が提示したグラフと数値データを見たサンウは、直ぐに、妙な数値の周波数を見極めました。しかも、その数値は、あのプラカードに記されていた2つの数値のうちの一つでした。授賞式の騒ぎとプラカードのことをサンウから聞いたアレックは、何も知らないサンウにアインシュタインと量子力学の「量子もつれ」の問題について解説します。
ここから本作前半のハイライト、7節に渡って「神はサイコロ遊びをしない」を巡る量子力学の量子もつれの解説が本編を離れて作者から読者へ直接、解説が始まります。※私は、本文を訳すより、日本語の科学解説を読むのに時間を要しました。ジョン・スチュワート・ベルの「ベルの不等式」、ニールス・ボーア、アスペ、クラウザー、ツァイリンガー、の量子力学者らの名前が出て、解説が終わり本編に戻ります。
謎の周波数について調査したアレックは、その結果をサンウに話し出します。ノイズの発生したのはCERNだけではない、アメリカのLIGO、プエルトリコのアレシボの電波望遠鏡、日本のニュートリノ検出器カミオカンデ、さらに火星探査機パーサヴィアランスでも同じ周波数のノイズが測定されたというのでした。アレックの関心はもはやそちらの現象で、サンウの関心はあくまで女性の方です。しかし最後にアレックは一枚のポストイットに書かれたメモをサンウに渡します。というところで次回へと続きます。
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