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2024年10月

2024年10月31日 (木)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241031) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

5_20241031151401 「チョンニョン」5巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。4巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この5巻は奥付によると2022年10月発行となっている。
劇団の経理帳簿を調べていた娘(※彼女も劇団員の実力者で劇団創設時からのメンバーだが、今回の劇では役がもらえなかった)は、劇団事業部が、不正な支出で金塊を入手し、なにやら胡散臭い連中と取引していることを掴んだ。
この件を劇団経営層に相談しようとしていたところ、彼女の前に立ち塞がったのは、経営には無関心の筈の劇団長だった。
団長は、彼女が他の女性国劇団と会っていて、金塊を入手、隠していたと思い込んでた。実は劇団トップスターの一人(団長、娘の母らと共に劇団創設メンバーで皆、妓生(キーセン)出身)がこの不正に噛んでいて、彼女は陥れられたのだ。即刻団長から退団を命じられた。
 そして劇団定期公演「自鳴鼓(チャミョンゴ)」が始まった。各人、練習とキャリアと才能の限りを尽くして順調に芝居が進行し、客席ではチョンニョンの友達も見守る中で「兵卒1」役のチョンニョンがまたしてもやってしまった。
憔悴しきった兵士の体で舞台に現れしかも、勝手に「軍人哀歌」を唄い出して、観客の注目を一気に浴びてしまった。当然の如く、公演一日目でチョンニョンは団長の怒りを買い、当面謹慎。落ち込むチョンニョンだが何がいけなかったのかさっぱりわからない。
※歌うことしか知らない田舎者のチョンニョンは、舞台演劇は皆で作るものだということが、本当に、まだ分かっていないのだ。
そこで、友達の一人が、おそらくその点を、チョンニョンに教えるべく動き出す、というところで続く。

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2024年10月30日 (水)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241030) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

4_20241030210601 「チョンニョン」4巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。3巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この4巻は奥付によると2021年10月発行となっている。
一度はテレビに出たチョンニョンだが、やはり女性国劇がやりたくて、劇団に戻る。団員、研究生達は各々、劇団定期公演、創作劇「自鳴鼓(チャミョンゴ)」オーディションに向けて練習に励んでいる。
そして、オーディションは行われた結果、主演二人は劇団のトップスター二人に決まったが、助演の二人は研究生の二人に決まった。チョンニョンも端役だが台詞が一言ある「兵卒1」に決まった。
皆で劇の稽古が始まる。ここで、チョンニョンはこのたった一言の兵卒をどう演じるか全く見当がつかなくて、何かヒントをつかむために「軍人宴(군인 잔치)」に向かう。※正確な訳語が見つからなかったので仮に訳したが1950年代、キリスト教会などで、市民が兵士に食事をもてなしていたらしい。ここで兵士達をもてなす人々の話や「軍人哀歌(군인 설움)」を聴いて何かをつかんだ。
助演に抜擢された研究生二人も協力して稽古して役作りを進めている。
一方、劇団の経理帳簿を調べていた娘(※彼女も劇団員の実力者で劇団創設時からのメンバーだが、今回の劇では役がもらえなかった)は、劇団事業部が、不正な支出で金塊を入手し、なにやら胡散臭い連中と取引していることを掴んだ。
この件を劇団経営層に相談しようとしていたところ、彼女の前に立ち塞がったのは、経営には無関心の筈の劇団長だった、というところで続く。

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2024年10月29日 (火)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241029) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

3_20241029184101 「チョンニョン」3巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。2巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この3巻は奥付によると2021年6月発行となっているが、本の帯に既に「名作の誕生!ドラマ化決定」と記されている。他にも「ウェブトゥーン初。2020両性平等文化コンテンツ賞受賞」「韓国漫画映像振興院2020優秀漫画図書選定」「2021青少年ブックスタート図書選定」とも記されている。
この巻では劇団研究生公演を終えて、正式に研究生として認められたチョンニョン。次に劇団は定期公演、創作劇「自鳴鼓(チャミョンゴ)」は劇団内で役者の現状の序列を問わずオーディションで行うことになり、皆が練習に励む中、チョンニョンは、研究生公演では気付かなかった「様々な役を演じ分ける」ことに悩むことから始まり、生活費を稼ぐために働いている茶房で急遽代役で、歌を唄ったところ、これを聴いていたパンソリの名匠が、チョンニョンの母親が、戦前、彼女の弟子で「天才」と言われたが戦後、忽然と姿を消した歌手「채공선(チェ・ゴンソン)」であると見抜いた。
※ディズニープラスのドラマ版では、このチェ・ゴンソンのオリジナルエピソードが作られてプロローグとして始まっているようだ。
その場で、チョンニョンは、いきなり記者達の注目を浴び、当時黎明期のテレビ局のスタッフまで「必ず稼がせてやる」とスカウトしてきた。その場をやり過ごしたチョンニョンだが、翌日には、劇団に、茶房で唄ったことがバレ、団長の怒りを買い、いきなり退団を言い渡された。困ったチョンニョンは、テレビ局を訪ね、歌謡曲の歌手になる契約を交わす。即、レッスンもいい待遇も受けるのだが・・・。
一方、劇団の方では、役者で、事務も手伝っている娘が、経理帳簿を調べ直しているうちに、その杜撰さと同時に不明な支出があることを見つけて密かに調査を続けている。
 早々とテレビカメラの前に立ったチョンニョンだが、直立し歌うことだけに集中し、踊りも演技もつけられないことに不自由を感じるのだった、というところまで。

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2024年10月24日 (木)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241024)※韓国漫画現役連載最長作品?

Rure41 「RURE(루어)」41巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社。40巻の記事はこちら。本の帯カバーは「聖所(성소)」(篇)。40巻の続きでミュールゲンは「深淵」に転送することに成功した。※40巻の黒い翅族の実験体とは、この深淵に先に転送した者達の肉体らしい。精神は「深淵」に行ったのだが、テレパシーのような交信に成功していなかったようだ。つまり「深淵」の黒い翅族の内「聖所」にいるのは「深淵」が作り出した複製ではなく、ファイル王国の黒い翅族らしい。
ミュールゲンは、ファイル王国の黒い翅族の呪術師と交信も可能だった。
 一方「聖所」を守護する黒い翅族を虐殺しながら「中心」へと進むシン・ハルの姿のタマル(傭兵時代、ハルとミルが出会った頃の仮名がクヤ)を追う、ハベク=ハル、ファイル王国のシン・ミル、「深淵」のシン・ミル、少女姿の精霊イクサイクは、タマル(クヤ)に追いついた。
「クヤ!」とシン・ハル姿のタマル(クヤ)に呼びかけるハベク=ハル。ここでタマルが立ち止まったので、黒い翅族は殺戮者の姿をようやく目視でき、その姿がシン・ハルだったので驚愕し「ルキア(※ファイル王国の大精霊の眷属)が何故こんなことを、何が望みだ!」と問うと「聖所」の「中心」を破壊すると答える。
シン・ミルの方は「主君!」と呼びかける。
 だがハルの姿のタマルはファイル王国のシン・ミルに対し、ハベク=ハルのことを「(シン・ハルではなく)ハベクそのもの、ハルの影だ」と言い切る。
※ここからまたタマルとハルが次々と転換する虚構の場面での対話が続いて、読者を翻弄する。
そして場面が戻り、ハルの姿のタマルは「印章が認めたハルだろうと、ハルではない」この「深淵」のハベク=ハルは「中心」に閉じ込められた本当のハルを連れ戻す扉の「鍵」なのだ、と断言する。そして尚も「中心」に進むべく黒い翅族を虐殺するタマルをシン・ミルは止める「チャ・クン・タマルのルキアとして主君の過ちを看過できない。常に対話で道を導いてきたあなたらしくない」。
それでもハルを取り戻すために「聖所」の「中心」に向かうことしか眼中にないタマル。この状況を見た、黒い翅族はハルの姿のタマルに対して「ハル様を『中心』にご案内します」と跪いて、ようやくタマルの殺戮を止めた。
そして「中心」へと向かう一行だが、ハベク=ハルは胸中穏やかではない。タマルは自分をハルと認めてはくれない。それにハル自身も自分は自覚がないだけで本当にこの「深淵」のハベク=鍵に過ぎないのではないかと思い始めた。ハル自身が黒い翅族と分かった時点で、もうタマルの傍にいられないと決心した身だ。このまま「鍵」としてタマルの役に立って必要なら死ぬつもりだ、と改めて決意するのだった。
ついに「聖所」の「中心」に着いた。見た目は大きな墓にしか見えないと評する精霊イクサイク。それに答える「深淵」の「シン・ミル」は「あれ(※聖所の中心の建物)が本当にハルなら、ハベクの指先がふれるだけでも本当の姿を取り戻す筈だ。『深淵』が壊れるかもしれないが、自分もどうすれば身を守れるかわからない」とあっさりと言い切る。
 だがそこで突然、ミュールゲンが現れ、ハベク=ハルの胸を、黒い翅を矢にして貫き、さらに翅を自在に操りハルを拘束した。そしてファイル王国の配下の黒い翅族の呪術師に呼びかける「私を戻せ!」
この時、瀕死のハベク=ハルの中からハルが目覚めた、「深淵」の「シン・ミル」の身体にも何かが始まった(※深淵のシン・ミルは元々ハルの印章の一部)。
さらに「本当にこのまま消えてしまってもいいのか?」とハルに呼びかける、小人の姿で、ミュールゲンと同じ印章を額に表した何者かが現れた。そして「深淵」が崩壊した(?)。※この小人が「深淵」を作った「空虚」なのかもしれない。
 戻ってきたミュールゲンが「捕まえた。タマル遂にお前を捕まえたぞ」と快哉を挙げた。※ややこしいが事情を知らないミュールゲンは外見はタマル姿のハベク=ハルをタマルと間違えたのだ。だが、その人物の姿は?
 またいきなり場面が変わり、やはりファイル王国に戻ってきて目覚めたタマル。そこにやはり戻ってきたシン・ミルが「ハベク、ハベクは?」と駆け込んでくると、タマルの姿がミュールゲンだったので、驚愕する。だが、その脇に倒れていたのはハルだった。
 (また場面転換)一方本物のミュールゲンの方は自分が連れてきた者を見て「お前は誰だ?」額にミュールゲンと同じ印章があるが?。実験体には「深淵」から彼らの精神が戻ってきていた。そしてその男?は名乗る「我が名はハベク。天空城の女王ソネッティ―の嫡子にして深淵の王だ。大司祭ミュールゲン、我が民と、深淵を廻る、そなた達の苦労を称える」
※これは単純に「深淵」の鍵としてのハベクではなくてファイル王国の建国以前の、男ルアーであるハベクが現れたのか?、だが男ルアーであるハベクは、翅族のソネッティの子ではなく、夫であった、しかもハベクは生きたまま封印されている筈。
※さらに「空虚」はかつてシン・ハルに、ソネッティの子だと名乗っていた。ということはミュールゲンが捕えたハルに語りかけた小人がもし「空虚」なら、その時、何らかの方法で身体を手に入れたのか。
※なぜミュールゲンがさらった筈のハルが、タマルとミルの前に現れたのか。色々まだ不明。
モノローグは挿入される「今、真正なる主人が来た」
 ここからは台詞なし絵のみで、戻ってきたタマルとシン・ミルが見守る前で、シン・ハルが目を覚ました。三人の帰還を王城の臣下達が喜ぶ(精霊イクサイクも人間の姿から精霊の姿になって戻っていた)。
※私が記述すると、わかりにくくて長ったらしいが40巻の込み入った解説的内容に比べると一気に展開し、詳しいことはまだ説明されていないが「深淵」をめぐる章が収束したのだ。
※韓国のインターネットマンガ「Webtoon(ウェブトゥーン)」全盛期の中で今だ紙媒体の韓国純情漫画雑誌「PARTY」に連載され続けている、この長期連載作品が、韓国漫画業界でどのような位置を占めているのか。今だに私にはよく分からないが、今後もその動向に(優れたSFファンタジー漫画としての内容にも)目が離せない。

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2024年10月23日 (水)

「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より #이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読むその2 #韓国の現代SF小説 #韓国 #SF

Sf_20241022202801 業務連絡:次回は十一月六日(水)午後一時半からです。では、いつもの口上から、おそらく(笑)史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした月曜会2。当会の前回の翌日木曜日にハン・ガン氏ノーベル文学賞受賞。日本で同氏の作品をベストセラーにしたクオン出版社の金承福氏と翻訳の斎藤真理子氏の功績は大きい。
今年7月に刊行された新作ハードSFアンソロジー「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より、이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読みます、今作で私が想定するテーマは『ハードSFにおける戦争と平和』。その第2回目。
 スンファはジオに問いました「あなたはこの計画をどう思う」若干の遅延時間の後ジオは答えました「人間ではない自分に『あなた』という人称代名詞は不適切。自分には大前提に違反する可能性がある価値判断を論じることは許されていない」
スンファは、ジオに人間並みの思考や感情を示してくれることを期待していたのでした。スンファが考案した反物質爆弾で第三次世界大戦は連合国側の勝利に終わり、世界は、人口の三割を失い、その被害者数は枢軸国側に偏りました。そして彼女は大尉から中佐に昇進し、大戦の功労者として認められ、認証システムの受け入れを打診されました。それは、連合国側の高位人物は電子式認証システムを仕込んだチョーカーを首に装着することです。このシステムを受けた者の生命が脅かされると、月のジオに電信され、地球に向けて反物質爆弾を投下する仕組みです。つまり連合国側の高位者が暗殺やクーデターで危うくなれば、地球そのものが滅亡する、故に彼らの地位は脅かされないのです。
しかし、それでも「共倒れ」を怖れない抵抗者が現れる可能性はあり得ますのでスンファは受諾しませんでした。
 場面は変わり、テレビで物理学者がジオとハックの核融合システムと第三次世界の反物質爆弾の解説をし、科学には素人の記者が聴き手となる番組をスンファが観ている場面となります。※つまり作者が読者に解説する叙述上の構成です。
ジオという優れた人工知能システムがハックという人類史上最大の核融合システムをメンテナンスすることを可能にし、その強大な出力のエネルギーは、量子力学的な核反応のみならず、我々の宇宙における物質と反物質の存在比率の偏りの謎を解決した。我々の宇宙とは、物質と反物質の構成比が真逆の世界=鏡映世界が存在することを証明し、さらに、その世界に干渉し、空間を限定してあちらの世界の物質をこちらの世界に移動させる。移動してきた鏡映世界の物質=我々の世界にとっての反物質であり、相互に対生成と対消滅を繰り返し、核爆弾とは比較にならない破壊を限定的な空間=枢軸国側に起こしたのです。これが後に「パーフェクトゼロ」と呼ばれるところとなったのです。
最後に物理学者は解説します。月にジオとハックを建設したのは規模の大きさ故でした、本来の目的は、世界最大規模の粒子加速器という研究施設でした。さらに月には政治的な障壁はなく中立的な環境の筈だったからでした。
しかしこれを観ていたスンファは、苦悩します。偶々連合国側にジオの使用優先権があったのです。中立的だなんてとんでもない。地域が国境から自由だろうと、科学は自由になれなかった場合だったのに。
※という訳で「とりあえず」反物質爆弾の仕組みが解説された処で今回はここまで、次回へと続きます。

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2024年10月 9日 (水)

「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より #이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読むその1 #韓国の現代SF小説 #韓国 #SF

Sf_20241008191401業務連絡:次回は十月二十三日(水)午後一時半からです。では、いつもの口上から、おそらく(笑)史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした月曜会2。一気に気温が下がり一日雨でした。
今年7月に刊行された新作ハードSFアンソロジー「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より、이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読みます、今作で私が想定するテーマは『ハードSFにおける戦争と平和』。その第1回目。
プロローグは、ウォン・チンヒョン大将とチャ・スンファ中佐の対話から始まります。ウォン大将はスンファに粒子物理学博士としての意見を求めます。スンファは「地球は『ジオ』によって消滅します。痕跡すら残りません」
 場面は変わってジオとは『GIOH』=「ヒッグス加速器の巨大インターフェースとオペレーションシステム」地球の衛星「月」の半分を覆う粒子加速器とそこにエネルギーを供給するための核融合施設を合わせた建造物もさしますが。施設の一切をコントロールする超人工知能を「ジオ」と名付けられています。
しかし、第三次世界大戦が勃発すると、将来を嘱望されていた若き粒子物理学者スンファも、連合国側科学者軍人の募集に志願しました。しかし、そこで求められたのはジオの能力を駆使して「鏡映世界」との「対称性」(※=『パリティ』とも言う)を破り「向こうの世界」の「物質」=こちらの世界では反物質=をこちらに移動させて、敵地限定で「対消滅」させる「反物質爆弾」の開発でした。
 さらに場面は現代に戻り、ソウルの「国立ソウル顕忠院」での戦没者軍人追悼式に参席するスンファ。彼女は「国民の英雄」として祭り上げられて注目の的です。だが、今や「ジオ」が地球を破滅に導こうとしている事実を知ったスンファは、自分の犯した罪の意識に苛まれ続けています。
今スンファが物思いに耽るのは「ジオは自意識が存在しなかったか?」という期待でした。かつてスンファはジオに問いました「あなたはこの計画をどう思う」若干の遅延時間の後ジオは答えました「人間ではない自分に『あなた』という人称代名詞は不適切。自分には大前提に違反する可能性がある価値判断を論じることは許されていない」
※というところで本日はこれまで、まだ「反物質爆弾」の原理も、今「ジオ」がどうなっていて地球を消滅させようとしているのか等、一切説明されていません。本編はこのジオをめぐる量子物理学的解説とスンファの韜晦の情緒的な描写がせめぎ合うような文章が続きますので、なかなか難物です。

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2024年10月 5日 (土)

ゴールデンカムイは、アイヌの「冬ソナ」だ。#金カム #韓国 #冬のソナタ #韓流 #ヨン様

こんなことあまり言う人いないみたいだから、私が書いておくけど、二千年代、日本に一大韓流ドラマブーム、ペ・ヨンジュン「ヨン様」を生み出した「冬のソナタ」というメロドラマ。それ以前の韓国・朝鮮語関係者学習者、在日韓国朝鮮人がどう思おうと、彼らの長年の努力を一瞬で凌駕する日韓ポップカルチャーの相互交流を促した。ハッキリ言って、彼らの中には内心忸怩たるものがあった人もいた筈だ。
という訳で、私には漫画「ゴールデンカムイ」がもたらしたものも同様に見えるのだ。「アイヌ」の描き方には不満を漏らすアイヌも少なくない。それでも「アイヌ」という日本の先住少数民族の存在の再認識が一気に爆発的に広まったことを否定できる人はいないだろう。

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