カテゴリー「韓国の漫画・純情漫画(순정만화=韓国の少女漫画)」の記事

2024年11月 5日 (火)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241105) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

10 「チョンニョン」10巻完結。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。9巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)2019年から連載が開始され、この第10巻が刊行され完結した。この10巻は9巻と同時刊行で奥付によると2024年9月発行となっている。
チョンニョンのファン第一号を自称していた、劇作家の娘プヨンの回想は続く。プヨンの女子校の文芸部の先輩とプヨンは「S」の関係だったが、その先輩は、プヨンの婚約者が好きになり交際を申し込んだが、彼に断られ、その腹いせに、文芸誌のコンクール作品の受賞者名をプヨンから彼の名前に変えたのだ。失意の時のプヨンの前に現れたのがチョンニョンだった。そして、これまでのチョンニョンとプヨンのエピソードがプヨンの視点から描写され直され繰り返される。
※「S」というのは、日本では戦前の女子校にあった、先輩と後輩の女子同士の熱い友情。
※回想に入る前に、チョンニョンはプヨンには会えなかったが、プヨンの家で捨てられそうになる台本を見つけてもらっていったエピソードがあった。作家の名前はないが、これがプヨンのオリジナル劇の台本だったらしい。
その回想の中でプヨンのチョンニョンに対する思いと並行して、描かれたのがプヨンの母のこと。実はかつても母も芝居の台本を書いていたが、劇作家の夫、プヨンの父の名で発表されていた。その無念が時に母を苦しめ、普段はまともだが、時に酒におぼれて暴れたり、執筆した台本の原本を暖炉で燃やしたりしていた。
プヨンは書くのをやめていた劇の台本を誰にも内緒で再び書き始めた。だが結局プヨン自身は、あきらめて、婚約者と結婚し、普通の「大人」になることにした。そしてプヨンはチョンニョンに会わなくなった。
梅蘭国劇団は再起に向けて動き出した、先ず、公演の台本選びから始まり、候補作の中から作家不明の台本を選んだのだが、これはどうやらチョンニョンが、見つけたプヨンの台本を紛れ込ませたものらしい。
オギョンオッキョンと共に梅蘭国劇団の二大トップスターだったヘランは、芝居一筋の団長のソボクと違い、経営面も担当し、事業部と後ろ暗いことや政治家との折衝もやっていた、不正に気付いた劇団員トエンも追い出したが、それら全てが失敗すると失意で酒に溺れていた。しかし後輩達の励ましで最後に他団体との協力再開、大口の寄付も取り付けて、舞台からは引退した。
一方で、離れていた団員達も戻ってきた。
プヨンの台本の公演の主役を賭けたオーディションにチョンニョンは合格した。オーディションの結果発表の時プヨンは結婚式を蹴って駆けつけてきた。チョンニョンは再会したプヨンに自分はいつまでも女性国劇を続けるから、いつでも会いに来てくれと約束させる。
 そして7年後1964年12月。女性国劇は第二次全盛期を迎えていた。チョンニョンと仲間達も今や皆、トップスターになっていた。この間、プヨンは破談、家族と共に姿を消していた。年末恒例となった女性国劇団合同公演の閉幕後、控室を訪れた女性が。顔が見えないがプヨンか?振り返って笑顔で迎えるチョンニョン、で本編完結。

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2024年11月 4日 (月)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241104) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

9 「チョンニョン」9巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。8巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この9巻は奥付によると2024年9月発行となっている。
 クライマックスが近づいて物語が大きく唸り出した。入団試験の演目にチョンニョンが選んだのは韓国人なら誰でも知ってる「沈清(シムチョン)」駅前の路上でチョンニョンが見せたのは高音が出ないしゃがれ声のままで慟哭するのを全身演技でカバーするものだった。その唸り声に聴衆が集まりチョンニョンは梅蘭国劇団に再入団した。
各女性国劇団の経営が傾き始めた。梅蘭国劇団のトップスター、オギョンオッキョンが退団、映画会社と契約した、研究生の一人、チュランが付いていった。事業部は、金を持ち逃げした。退団者が続出して、団長ソボク以下残った者だけで出直すことになった。
チョンニョンのファン第一号を自称していた、劇作家の娘プヨンが、チョンニョンの前から姿を消す、聞いた話では、結婚してアメリカに行くのだという。プヨンは以前チョンニョンに「女は台本を書いても自分の名を出すことはできない。男の名前にしないと」と言っていた。
プヨンの過去のエピソードが挿入される。
プヨンは、「女は男によって出来上がるものだ」と教えられて育ったが、これに反発し女子校に入ると、自分で劇の台本を書き始め、学校連合の文芸誌に応募した。作品は受賞したが、誌面に掲載された名前は、プヨンの婚約者の従兄の名前にされていた。
※ここで物語から退場したオギョンオッキョンの描き方に私は不満がある。これまでにも出てきていたが、韓国漫画にしては珍しく?感情表現が描かれていなかったのだ。何かの伏線かと思っていたのだが最後までそのままだった。彼女はアヘンをやっていたという過去も説明されただけで、女性国劇に飽きた、映画に魅せられたというのも語るだけ、そこに内心の葛藤の表現がなかったのが、不満どころか「何故だ?」とすら思った。

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2024年11月 3日 (日)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241103) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

8 「チョンニョン」8巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。7巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この8巻は奥付によると2024年5月発行となっている。
女性国劇団同士の会議で、早々と合同公演は解消となり、梅蘭国劇団単独での公演となった。そして公演に向けての、梅蘭国劇団の団員達の稽古と苦悩の描写が中心として進む。
故郷、木浦の実家に戻ったチョンニョンは家の手伝いをしながら失意の日々を過ごす。そこに劇団長カン・ソボクと劇団の劇作家の娘「チョンニョンのファン第一号」を自称するプヨンが訪れる。先ず、ソボクはチョンニョンの母=今は名前を変えているが、昔はチェ・ゴンソン=と話し合う。
※ここに挿入された回想シーンが、チェ・ゴンソンが、初めてソボクとパンソリの師匠の処に来た時のエピソードなのだが、ドラマ版のプロローグシーンが、ここに基づいて作られていたことが分かった。
ここで、ソボクは、チェ・ゴンソンに、チョンニョンはあなたとは違う、あなたはパンソリの歌手としての自分が好きだった。だがチョンニョンは国劇が好きなのだ、と語る。
一方表に飛び出したチョンニョンは、外で待っていたプヨンと会った。初めは揉めた二人だが、チョンニョンは、歌えなくなった自分の不安をプヨンに吐露し出す。そして演技を始めた。チョンニョンは、母にもう一度劇団に戻ってやってみると言う。すると母は「上手くいくかはわからないが、お前がまた歌えるようになる方法があるかもしれない」と告げる。
※この後チョンニョンは直ぐには劇団に戻らず、母とどんなことを試みたのかは、まだ明かされない。
梅蘭国劇団の単独公演「馬鹿と公主」が人々の様々な思惑を交錯させながら始まった。その舞台の描写が続く。そして公演は、大成功に終わった。
一年後、1958年7月。梅蘭国劇団が入団試験を行う。案内状はチョンニョンの所にも届き、満を持したかのように上京する。試験とは極めて特別な課題で、同時刻、団員と入団希望者が各々別の場所で演技し、希望者が団員並みの見物客を集められたら合格とするものだった。

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2024年11月 2日 (土)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241102) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

7_20241102220401 「チョンニョン」7巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。6巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この7巻は奥付によると2023年11月発行となっている。
1957年5月ソウルで「光復記念合同公演」女性国劇団五団体合同で公演する、朝鮮半島の有名な儒教説話「馬鹿のオンダルとビョンガン公主」に基づく「国劇 馬鹿と公主」のオーディションに向けて劇団員達は盛り上がる。だが練習中にオンダル役の練習をするチョンニョンの歌に相手のピョンガン役の研究生から、チョンニョンの喉は弱い。パンソリ独特の唱法に無理があると指摘された。さらに以前会った母のパンソリの師匠に又会って、教えを請うと、チョンニョンの喉は母親そっくりだ、パンソリには向かない。さらに17歳になった体では喉も出来上がってしまって練習しても直しようがない、と告げられてしまった。
負けん気の強いチョンニョンは、猛練習に励むがやり過ぎて体調が悪化、喉もつぶしてしまった。オーディションもボロボロで、絶望したチョンニョンは、黙って梅蘭国劇団を出て、帰郷してしまった。
 そして、五団体が揃って合同練習が台本読みから始まったが、梅蘭国劇団のトップスターが一人姿を現さず、初日から不穏な動き。本読みも各団体の対抗意識がむき出しになって、途絶した。
さらに、合同公演とはいっても、出資とスタッフは梅蘭国劇団がほとんど持ち出している一方、国会議員の後援、他劇団の思惑も絡み関係者の興行収益の利益配分でも揉めている。そしてオーディション結果を根に持つ他団員と梅蘭国劇団の研究生の喧嘩が始まった。

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2024年11月 1日 (金)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241101) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

6_20241101200901 「チョンニョン」6巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。5巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この6巻は奥付によると2023年3月発行となっている。
公演一日目でチョンニョンは団長の怒りを買い、当面謹慎。落ち込むチョンニョンだが何がいけなかったのかさっぱりわからない。
※歌うことしか知らない田舎者のチョンニョンは、舞台演劇は皆で作るものだということが、本当に、まだ分かっていないのだ。
そこで、友達の一人が、自分の通う女子中高等学校にチョンニョンを連れていき、合唱部に会わせる。
※チョンニョンは「合唱」さえ知らなかったのだ。
そして異なる音声と音声が一緒になって一つの合唱曲を作り出すこと、それは演劇も同じだ、ということをチョンニョンに教える。ここからやり直す為に、自分の役以外、舞台の台本を全て読み暗記し、稽古し、登場人物一人一人の気持ちを考え始め、台本読みの相手として、その友達にも手伝ってもらう。
その間も定期公演は続き、助演で活躍していた研究生の一人が過労で倒れてしまう。団長の指名した代役がビビるのを見るや、チョンニョンは自分が出る、と名乗り出る。チョンニョンの決意に賭けた団長の英断で舞台に上がったチョンニョンは、今度は劇の中の一人として見事に演じきった。そして定期公演が終わると、そのまま地方巡回公演にも出演が決まった。その時「チョンニョンのファン第一号」を自認する、チョンニョンを今迄助けてくれた友達が、実は、この女性国劇団の劇作家の娘だと知ったのだった。
その次は、1957年5月ソウルで「光復記念合同公演」女性国劇団五団体合同で公演する、朝鮮半島の有名な儒教説話「馬鹿のオンダルとビョンガン公主」に基づく「国劇 馬鹿と公主」のオーディションに向けて劇団員達は盛り上がる。

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2024年10月31日 (木)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241031) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

5_20241031151401 「チョンニョン」5巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。4巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この5巻は奥付によると2022年10月発行となっている。
劇団の経理帳簿を調べていた娘(※彼女も劇団員の実力者で劇団創設時からのメンバーだが、今回の劇では役がもらえなかった)は、劇団事業部が、不正な支出で金塊を入手し、なにやら胡散臭い連中と取引していることを掴んだ。
この件を劇団経営層に相談しようとしていたところ、彼女の前に立ち塞がったのは、経営には無関心の筈の劇団長だった。
団長は、彼女が他の女性国劇団と会っていて、金塊を入手、隠していたと思い込んでた。実は劇団トップスターの一人(団長、娘の母らと共に劇団創設メンバーで皆、妓生(キーセン)出身)がこの不正に噛んでいて、彼女は陥れられたのだ。即刻団長から退団を命じられた。
 そして劇団定期公演「自鳴鼓(チャミョンゴ)」が始まった。各人、練習とキャリアと才能の限りを尽くして順調に芝居が進行し、客席ではチョンニョンの友達も見守る中で「兵卒1」役のチョンニョンがまたしてもやってしまった。
憔悴しきった兵士の体で舞台に現れしかも、勝手に「軍人哀歌」を唄い出して、観客の注目を一気に浴びてしまった。当然の如く、公演一日目でチョンニョンは団長の怒りを買い、当面謹慎。落ち込むチョンニョンだが何がいけなかったのかさっぱりわからない。
※歌うことしか知らない田舎者のチョンニョンは、舞台演劇は皆で作るものだということが、本当に、まだ分かっていないのだ。
そこで、友達の一人が、おそらくその点を、チョンニョンに教えるべく動き出す、というところで続く。

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2024年10月30日 (水)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241030) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

4_20241030210601 「チョンニョン」4巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。3巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この4巻は奥付によると2021年10月発行となっている。
一度はテレビに出たチョンニョンだが、やはり女性国劇がやりたくて、劇団に戻る。団員、研究生達は各々、劇団定期公演、創作劇「自鳴鼓(チャミョンゴ)」オーディションに向けて練習に励んでいる。
そして、オーディションは行われた結果、主演二人は劇団のトップスター二人に決まったが、助演の二人は研究生の二人に決まった。チョンニョンも端役だが台詞が一言ある「兵卒1」に決まった。
皆で劇の稽古が始まる。ここで、チョンニョンはこのたった一言の兵卒をどう演じるか全く見当がつかなくて、何かヒントをつかむために「軍人宴(군인 잔치)」に向かう。※正確な訳語が見つからなかったので仮に訳したが1950年代、キリスト教会などで、市民が兵士に食事をもてなしていたらしい。ここで兵士達をもてなす人々の話や「軍人哀歌(군인 설움)」を聴いて何かをつかんだ。
助演に抜擢された研究生二人も協力して稽古して役作りを進めている。
一方、劇団の経理帳簿を調べていた娘(※彼女も劇団員の実力者で劇団創設時からのメンバーだが、今回の劇では役がもらえなかった)は、劇団事業部が、不正な支出で金塊を入手し、なにやら胡散臭い連中と取引していることを掴んだ。
この件を劇団経営層に相談しようとしていたところ、彼女の前に立ち塞がったのは、経営には無関心の筈の劇団長だった、というところで続く。

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2024年10月29日 (火)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241029) #ディズニープラス「#ジョンニョン:スター誕生」 原作

3_20241029184101 「チョンニョン」3巻。原作ソ・イレ(서이레)。漫画ナ・モン(나몬)。文学街(문학동네)刊。2巻の記事はこちら。今年2024年10月からディズニープラスで配信開始された韓国ドラマ「ジョンニョン」の原作ウェブトゥーン(Webtoon:韓国のインターネット漫画)20192020年から連載が開始され、先に第10巻が刊行され完結した。この3巻は奥付によると2021年6月発行となっているが、本の帯に既に「名作の誕生!ドラマ化決定」と記されている。他にも「ウェブトゥーン初。2020両性平等文化コンテンツ賞受賞」「韓国漫画映像振興院2020優秀漫画図書選定」「2021青少年ブックスタート図書選定」とも記されている。
この巻では劇団研究生公演を終えて、正式に研究生として認められたチョンニョン。次に劇団は定期公演、創作劇「自鳴鼓(チャミョンゴ)」は劇団内で役者の現状の序列を問わずオーディションで行うことになり、皆が練習に励む中、チョンニョンは、研究生公演では気付かなかった「様々な役を演じ分ける」ことに悩むことから始まり、生活費を稼ぐために働いている茶房で急遽代役で、歌を唄ったところ、これを聴いていたパンソリの名匠が、チョンニョンの母親が、戦前、彼女の弟子で「天才」と言われたが戦後、忽然と姿を消した歌手「채공선(チェ・ゴンソン)」であると見抜いた。
※ディズニープラスのドラマ版では、このチェ・ゴンソンのオリジナルエピソードが作られてプロローグとして始まっているようだ。
その場で、チョンニョンは、いきなり記者達の注目を浴び、当時黎明期のテレビ局のスタッフまで「必ず稼がせてやる」とスカウトしてきた。その場をやり過ごしたチョンニョンだが、翌日には、劇団に、茶房で唄ったことがバレ、団長の怒りを買い、いきなり退団を言い渡された。困ったチョンニョンは、テレビ局を訪ね、歌謡曲の歌手になる契約を交わす。即、レッスンもいい待遇も受けるのだが・・・。
一方、劇団の方では、役者で、事務も手伝っている娘が、経理帳簿を調べ直しているうちに、その杜撰さと同時に不明な支出があることを見つけて密かに調査を続けている。
 早々とテレビカメラの前に立ったチョンニョンだが、直立し歌うことだけに集中し、踊りも演技もつけられないことに不自由を感じるのだった、というところまで。

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2024年10月24日 (木)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20241024)※韓国漫画現役連載最長作品?

Rure41 「RURE(루어)」41巻。서문다미(ソ・ムンダミ)。鶴山文化社。40巻の記事はこちら。本の帯カバーは「聖所(성소)」(篇)。40巻の続きでミュールゲンは「深淵」に転送することに成功した。※40巻の黒い翅族の実験体とは、この深淵に先に転送した者達の肉体らしい。精神は「深淵」に行ったのだが、テレパシーのような交信に成功していなかったようだ。つまり「深淵」の黒い翅族の内「聖所」にいるのは「深淵」が作り出した複製ではなく、ファイル王国の黒い翅族らしい。
ミュールゲンは、ファイル王国の黒い翅族の呪術師と交信も可能だった。
 一方「聖所」を守護する黒い翅族を虐殺しながら「中心」へと進むシン・ハルの姿のタマル(傭兵時代、ハルとミルが出会った頃の仮名がクヤ)を追う、ハベク=ハル、ファイル王国のシン・ミル、「深淵」のシン・ミル、少女姿の精霊イクサイクは、タマル(クヤ)に追いついた。
「クヤ!」とシン・ハル姿のタマル(クヤ)に呼びかけるハベク=ハル。ここでタマルが立ち止まったので、黒い翅族は殺戮者の姿をようやく目視でき、その姿がシン・ハルだったので驚愕し「ルキア(※ファイル王国の大精霊の眷属)が何故こんなことを、何が望みだ!」と問うと「聖所」の「中心」を破壊すると答える。
シン・ミルの方は「主君!」と呼びかける。
 だがハルの姿のタマルはファイル王国のシン・ミルに対し、ハベク=ハルのことを「(シン・ハルではなく)ハベクそのもの、ハルの影だ」と言い切る。
※ここからまたタマルとハルが次々と転換する虚構の場面での対話が続いて、読者を翻弄する。
そして場面が戻り、ハルの姿のタマルは「印章が認めたハルだろうと、ハルではない」この「深淵」のハベク=ハルは「中心」に閉じ込められた本当のハルを連れ戻す扉の「鍵」なのだ、と断言する。そして尚も「中心」に進むべく黒い翅族を虐殺するタマルをシン・ミルは止める「チャ・クン・タマルのルキアとして主君の過ちを看過できない。常に対話で道を導いてきたあなたらしくない」。
それでもハルを取り戻すために「聖所」の「中心」に向かうことしか眼中にないタマル。この状況を見た、黒い翅族はハルの姿のタマルに対して「ハル様を『中心』にご案内します」と跪いて、ようやくタマルの殺戮を止めた。
そして「中心」へと向かう一行だが、ハベク=ハルは胸中穏やかではない。タマルは自分をハルと認めてはくれない。それにハル自身も自分は自覚がないだけで本当にこの「深淵」のハベク=鍵に過ぎないのではないかと思い始めた。ハル自身が黒い翅族と分かった時点で、もうタマルの傍にいられないと決心した身だ。このまま「鍵」としてタマルの役に立って必要なら死ぬつもりだ、と改めて決意するのだった。
ついに「聖所」の「中心」に着いた。見た目は大きな墓にしか見えないと評する精霊イクサイク。それに答える「深淵」の「シン・ミル」は「あれ(※聖所の中心の建物)が本当にハルなら、ハベクの指先がふれるだけでも本当の姿を取り戻す筈だ。『深淵』が壊れるかもしれないが、自分もどうすれば身を守れるかわからない」とあっさりと言い切る。
 だがそこで突然、ミュールゲンが現れ、ハベク=ハルの胸を、黒い翅を矢にして貫き、さらに翅を自在に操りハルを拘束した。そしてファイル王国の配下の黒い翅族の呪術師に呼びかける「私を戻せ!」
この時、瀕死のハベク=ハルの中からハルが目覚めた、「深淵」の「シン・ミル」の身体にも何かが始まった(※深淵のシン・ミルは元々ハルの印章の一部)。
さらに「本当にこのまま消えてしまってもいいのか?」とハルに呼びかける、小人の姿で、ミュールゲンと同じ印章を額に表した何者かが現れた。そして「深淵」が崩壊した(?)。※この小人が「深淵」を作った「空虚」なのかもしれない。
 戻ってきたミュールゲンが「捕まえた。タマル遂にお前を捕まえたぞ」と快哉を挙げた。※ややこしいが事情を知らないミュールゲンは外見はタマル姿のハベク=ハルをタマルと間違えたのだ。だが、その人物の姿は?
 またいきなり場面が変わり、やはりファイル王国に戻ってきて目覚めたタマル。そこにやはり戻ってきたシン・ミルが「ハベク、ハベクは?」と駆け込んでくると、タマルの姿がミュールゲンだったので、驚愕する。だが、その脇に倒れていたのはハルだった。
 (また場面転換)一方本物のミュールゲンの方は自分が連れてきた者を見て「お前は誰だ?」額にミュールゲンと同じ印章があるが?。実験体には「深淵」から彼らの精神が戻ってきていた。そしてその男?は名乗る「我が名はハベク。天空城の女王ソネッティ―の嫡子にして深淵の王だ。大司祭ミュールゲン、我が民と、深淵を廻る、そなた達の苦労を称える」
※これは単純に「深淵」の鍵としてのハベクではなくてファイル王国の建国以前の、男ルアーであるハベクが現れたのか?、だが男ルアーであるハベクは、翅族のソネッティの子ではなく、夫であった、しかもハベクは生きたまま封印されている筈。
※さらに「空虚」はかつてシン・ハルに、ソネッティの子だと名乗っていた。ということはミュールゲンが捕えたハルに語りかけた小人がもし「空虚」なら、その時、何らかの方法で身体を手に入れたのか。
※なぜミュールゲンがさらった筈のハルが、タマルとミルの前に現れたのか。色々まだ不明。
モノローグは挿入される「今、真正なる主人が来た」
 ここからは台詞なし絵のみで、戻ってきたタマルとシン・ミルが見守る前で、シン・ハルが目を覚ました。三人の帰還を王城の臣下達が喜ぶ(精霊イクサイクも人間の姿から精霊の姿になって戻っていた)。
※私が記述すると、わかりにくくて長ったらしいが40巻の込み入った解説的内容に比べると一気に展開し、詳しいことはまだ説明されていないが「深淵」をめぐる章が収束したのだ。
※韓国のインターネットマンガ「Webtoon(ウェブトゥーン)」全盛期の中で今だ紙媒体の韓国純情漫画雑誌「PARTY」に連載され続けている、この長期連載作品が、韓国漫画業界でどのような位置を占めているのか。今だに私にはよく分からないが、今後もその動向に(優れたSFファンタジー漫画としての内容にも)目が離せない。

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2024年9月21日 (土)

#韓国の漫画 #韓国純情漫画( #순정만화 )感想:最近読んだ原書あれこれ(20240921)

7_20240911190901 「회랑식 중정(回廊式中庭)」7巻。김연주(キム・ヨンジュ)。大元CI社。6巻の記事はこちら
6巻で、学校に行くのを兄チェヒ(大旦那様)に止められた妹セヒ嬢が夜、読書する使用人ユンを相手に、なにやらいたずらっぽく?策を練る。兄に隠れて着替えて学校へ通う「拠点」が必要ね。そんなこと直ぐにバレると相手にしないユンに、セヒは、あなた(=ユン)がチェヒの目を惹きつければいいのよ、とそそのかす。
※この件、セヒがどこ迄本気なのか読者にもよくわからない。
だが、セヒは付け加える「私はあなたと目を合わせるつもりはないわ」と。だが、ユンは「ところで目を合わせる練習をしましょうか。今度は唇を合わせる練習をしてみますか」と誘う。
 チェヒが、館からミソクに車を出し、ユンに随行させて送らせる。どうやら、高級料理店で賓客(後のチェヒへの、ユンの問いからは、また日本人の官憲「佐藤」かもしれないが、ユンは直接見てはいないし、相手は、はっきり出ていない)の接待に同席させるらしい。
外で待つユンが呼び出された時にはミソクも客もいない、チェヒだけ。
そこで酒を飲まされながら、拝金主義だの新女性だのと話しかけながらセヒについて問う。カマをかけてきているようだ。しかしユンは、はぐらかすかのように?
「ミソク嬢は大旦那様を狙っていました。大旦那様の目に入りたがっています」と言い出す。そして酒に酔って、そのまま寝込んでしまった。
 あくる日、すっかり真昼になってやっと館で目を覚ましたユンはミソクの家を知ろうとし始める、意外にも誰も知らない
(※読者から見れば、それでよく雇用したものだ?)そこで、毎週レヒ(チェヒとセヒの弟、若旦那様)がミソクと会って2ウォン払うことを聞いて、その時自分を同行させてくれと頼むのだった。
 チェヒがスガン君(セヒの婚約者候補?)を連れてきて、セヒにお茶の相手をさせた。その間にチェヒはまたユンを長々と問い詰める、昨日の会話の内容を何も覚えていないのか。セヒと何か関係しているのか。
 ユンは館を抜け出して街を彷徨う。様子を不審に思って追ってきたセヒがユンを捕まえた。ユンはまたセヒに「やってみてはダメですか。唇、あわせる練習」そして今度は二人は本当にキスをする。だが、この場面を帰宅中のスガン君が車中から目撃していた。
 帰宅後の晩、独りになったセヒは激しく狼狽する。そしてなぜか、また、亡くなった義姉チョンアのことを思い出す。
雪の降る夜、中庭に面した回廊で制服姿で独り踊るチョンア。
靴も履かずに雪の積もる中庭に出て踊りながらセヒに問う「セヒ、私の名前知ってる、そう、チョンアよ」
※ほとんど説明抜きなので唐突に思える言動の連続なので、何とも言えないミステリアスな雰囲気に読者も翻弄される。さらに、途中にモノローグが意味ありげに挿入されている。
※これは一人称で「己(つちのと)未(ひつじ)年」と韓国では呼ばれる1919年の、3月29日、三・一独立運動に呼応した「水原」の妓生「金香花(キム・ヒャンファ)」が妓生三十余名を率いた集会を目撃した女工が、その場で共鳴し、集会に参加し「大韓独立万歳」を共に叫んだ感動、高揚感を表現したものだった 。
※作者後記では『己未年3月29日。水原の妓生キム・ヒャンファの主導の下、水原の妓生組合所属妓生30余名が健康診断を受けに行く慈恵病院の前で独立万歳を叫びました。そこは水原の中心街で植民統治機構が集まっていました。気概漲(みなぎ)るデモで妓生達は逮捕され、首謀者であるキム・ヒャンファは拘束され、6ヶ月の獄中生活を送りました。彼女の齢22歳の時のことであり、以後の行跡は不明で、2009年になってやっとその功績が認められ、大統領表彰を受けました』
※キム・ヒャンファの、その後の生涯、その生死は、現在に至るまで不明なのだそうだ。

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