本感想: #girls(ガールズ) #濱野京子 作 #牛久保雅美 絵 #くもん出版
『いつ、だれと出会うかは偶然のたまものだ。』プロローグのフレーズに、出会いのもたらす幸も不幸も脳裡に呼び起こされる。そこに必然はない。功罪もない。それが生きていくということだ、だが人は、出会いの偶然を必然に、意義あるものに、きっと輝かせられる。多感な年頃の少女達に作者、濱野京子からのメッセージを感じる。母と娘二人暮らしという十五歳の少女三人の友達の物語が、各々の一人称語りで、文字通り、くるくると視点を入れ替えて語られる。その母子関係も三人三様だ。一筋縄ではいかない。だが個々のエピソードは日常的で特別なことではない筈だ。しかし、少女達はそこに小さな違和感を見出していく。それは見過ごしがちな女性の生き辛さだ。だが友達と母と共に、そんな辛さもきっと乗り越えていける、そんな現実と願いが続いていく。
※母と娘の二人暮らしという、設定に、私達夫婦共に人生最大の影響を受けた漫画家、藤子不二雄の藤本弘、安孫子素雄両先生が母親だけの家庭だったという事実を想起した。
最近のコメント