「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より #이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読むその4 #韓国の現代SF小説 #韓国 #SF
業務連絡:次回は十二月四日(水)午後一時半からです。では、いつもの口上から、おそらく(笑)史上初にして唯一、韓国・朝鮮語自主学習教室数多あれど、韓国の現代SF小説をテキストにした月曜会2。昨日から一気に冷え込みまして私も危うく風邪をひくところでした。
今年7月に刊行された新作ハードSFアンソロジー「사랑 과 혁명 그리고 퀘스트(愛と革命とクエスト)」より、이하진(イ・ハジン)「지오의 의지(ジオの意思)」を読みます、今作で私が想定するテーマは『ハードSFにおける戦争と平和』。その第4回目。
AI「ジオ」が管理する「ハック」の中で反物質の対消滅と対生成が繰り返されていたとしたらどうなるのか。スンファは考察と計算を始めます。すると「時間の矢」の群れが揺さぶられ続け、非可逆性が破られて、可逆性の可能性が出てきました。その定量的計算をすると可逆期間は約五年。時間の矢が五年前に放出される可能性が算出されたのです。
スンファはジオのシステムの大前提「全ては人間の為に」を思い出しました。ジオは人類を五年前、戦争で反物質爆弾が使用される前の状態に戻そうとしている「意思」をもっているのではないか。
スンファはウォン・チニョン大将にあって、この件を説明し、自分にジオと対話する許可を求めます。しかし、大将は問います。人類の時間旅行が可能であり、すべて五年前に戻ると、この五年間の記憶も消える。ならば、人類の時間旅行はこれが初めてではない、何度も、あるいは無限に繰り返しているのではないか。我々連合国は勝利し続けることができるのか、少しずつ歴史は改変されていくのではないか。スンファの功績も消えてしまっていいのか、と問いを畳みかけていきます。
しかし、スンファは答えます。自分の利己的な意思で多くの他人を殺してきたことを後悔しています。戦争を回避する可能性があるなら何が何でもやりたいのです、と。果たして今度は何回目の時間旅行なのか。歴史は変えられるのか。もっとましな選択肢はあるのか、というところで続きます。
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