本感想:パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)
読んだ感想は、「案外、普通の話だ」ということだ。数多の娯楽産業、例えば映画について言われてきたことを思いつくまま断片的に並べてみよう。
「大作主義が横行し、製作費がつぎ込まれいくらヒットしても回収できなくなった」「新しいメディアに観客を奪われた」「事あるごとに規制が厳しくなり、内容が当り障りのないものになった」「大宣伝の時代」「ブロックバスター映画のロングランの陰で地味な小品に光が当たらなくなった」「今時の作品は皆、個性が無くなった」「タイアップ商法」「メーカー直営や大資本をバックにしたシネコンが映画の人口を復活させた」「シネコン興隆の一方で街の映画館は駆逐された」「シネコンの収支も頭打ちとなってきた」「メジャーとは、マニアうけとは、マイナーとは」等々。
切りがないだろうが、そうしたコメントの一つ一つを少し表現を変えれば、本書の内容に全て、当てはまる。映画とパチンコとアニメだけの話ではない、テレビ、出版、ゲーム、全て同様だ。
そうした産業界の栄枯盛衰、景気循環、諸行無常(笑)の果てしない繰り返しだ。
ただあえて違いと問題を指摘するならば、パチンコ業界の世間のイメージの悪さを当事者が意識し過ぎて、著者、安藤健二の取材を拒否、口をつぐんでしまい、安藤を苛立たせていることだろう。
今私は、「意識し過ぎ」と表現した。そう、確かに後ろ暗い事実はあるだろう、しかしメジャーになる娯楽産業には、いずれも負の側面はあった筈だ。それも斜陽となりつつあるというのなら、なおさら業界イメージを変えていく努力をするしか方法は無い筈だ。
私自身、パチンコだけに特別の負のイメージをもったことはない。競馬、競輪、パチンコ、麻雀、問題があるのは、はまり込んだ人間の方で、だから馬が悪い、自転車が悪い、俺の指先の感覚が悪いというか?(笑)。アニメ・マンガ+パチンコ、結構じゃないですか!
そういえば、本書内で証言するパチンコ店主には評判の悪い(笑)某大手パチンコメーカーは、今某女優をCMに投入して自社製品ではなく、自社イメージの宣伝を始めている。たとえ今は冷笑されてもやはりそれしかない。シンジくんも言ってたじゃない「逃げちゃだめだ!」
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