カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2016年7月31日 (日)

映画感想:シン・ゴジラ

シネマ府中TOHOで今朝10時から配偶者と観てきた。最初から鳴り物入りで上映回数も上映館数も多い所為で意外にどこでも席は取りやすそうだった。
感想は二言、でいうと庵野秀明は完全主義の天才肌であるということ、庵野はやはり嫌味な奴だ、ということだ。
二時間を飽きさせないのはいうまでもなく、かつて観たことない程タイトなゴジラパニック演出。あまりいい言い方ではないが、かつての福知山線脱線事故から福島原発事故まで、あらゆる災害事象は映画のリアリティの土台になっているのだろう。
その一方でワイシャツはセリフで言うほど臭いそうに見えない。
象徴的なのは議事堂前のデモを空から俯瞰する構図で挿入する一方でゴジラ対策のプロジェクトチームは全員寝込んでいる。後にも先にも、あの対策チームが寝ている場面はあそこだけだった。他では不眠不休。明らかに集団的自衛権に抗議する議事堂前デモをモデルにし、国民が黙っているときは官僚は睡眠を削って仕事、国民が熱くなっているときは官僚はお構いなしの一休み時、という皮肉のつもりらしいが、実に嫌味だ。

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2014年3月27日 (木)

NHK人形劇シャーロックホームズ感想(20140325~27)

三谷幸喜が仕掛けてきたな、というのが第一印象。前の三銃士も面白かった(そういえば、今回は教育テレビでないのが意外だ)が、原作「ホームズ」は、私にとっても、シャーロッキアンには及ばずとも大事な作品。厳しい目で臨んでやる、と意気込んでみたが、3日連続で、楽しかった。原作の主要な登場人物が、みんな学校を構成する人々という脚色は笑える。8月にまたやって、ここまでがプレイベントか?、秋から本格的なシリーズ放送らしいがなかなか楽しみだ。確かに原作のパーツを細かく組み直している。声優はと言えば第3夜は、校長先生が中村梅雀で、アドラー(保健室の先生という設定は笑った)が宮沢りえだったのかな(確証はないが、そうでなかったらキャスティングが間違っていると断言するね笑)。山ちゃんが、原作版のホームズ役というなら意外性はないが、今更?少年役というのは意外性十分で、その演技も意表を突かれるに十二分。

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2013年1月 3日 (木)

映画感想:原作よしながふみ 男女逆転「大奥~永遠~『右衛門佐・綱吉篇』」

東宝シネマ府中で、本日配偶者と観た。いいねえ。原作通りで、役者の演技のいい味。そして衣装の華やかさと独創的なデザイン。堺雅人出過ぎだ、とはいつも思うけれど、観てしまうとやはり比類ない表現力。映画という短い尺の中で、若い男の野望から円熟の境地、さらに老成まで、生涯をかけた愛と憎悪をも表現し切る変幻自在さ。対する菅野美穂もこれに綱吉という大役で向こうを張った。西田敏行は終始ユーモラスに演じたが、私が観ていた場内では、西田の演技の度に、(不愉快な)笑い声を挙げていた人が、徐々にこれが無くなっていった。ストーリーと老いが進むと滑稽が哀れに変化していくのだった。柳沢吉保役の尾野真千子も印象的。原作の脚色もエピソードを欲張らずに絞り込んだのがいい。殿中松の廊下を入れたら収まらなかったかもしれないからね。
とにかく全篇、よしながふみ版大奥のいいところは、男女逆転になることで最新の歴史解釈の中でありながら政治の云々(笑)から抽出された愛と憎悪の葛藤が映えることだ。映画でもそれは十分に表わされていた。

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2012年12月15日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)十話

どっと泣かすのは前回までで最終回は、皆夢から醒めたように、サバサバとして出ていったり、逝ってしまったりと思ったら最後の最後にどおっと泣かされた、有功こと堺雅人の「上様のおなありい」の声もいいねえ、そこだけでもウットリ。そして一段と艶やかな成りで現れるのは11歳の4大将軍家綱、その紅葉のようなお手をとる有功こと堺雅人の所作の美しさ。男女逆転、それだけで何が変わったのか、ドロドロの愛と憎悪と政そして歴史から、愛の純粋さが際立つんだねえ。

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2012年12月 8日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)九話

一気に華やかになった江戸城内、一方で屋内をちゃんと暗くしているのもよい。若手女優陣も立ち居振る舞いはいいのだが、台詞回し、声が出るとたどたどしくなるのが残念だ。これが解消されるまで韓流ドラマの需要は絶えないと思うぞ、と当らない予言をしておこう。髪を上げる江戸風俗、吉原の公娼化などが無理なく?つじつまが合わされていく、そういうところはドラマもいいが、やはり原作よしながふみの技量だろう、「仁」のヒットもそうだけど、もっと時代劇ドラマも漫画を積極的に使えばいい。
そして、ここでまた「堺雅人」効果(笑)、これまでずっと聖人君子、仏の如き有功の人間臭さが一気に奔流の如くに吹き出す様、表現力は比類ない、よしながふみもため息ついてるんじゃねえか?

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2012年11月24日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)七話

玉英が上様のところに。そして似た者通しだ、と慰め合う二人・・・といった若さの演出は、後半、春日の局の鬼気迫る、いや文字通り死期迫る演技に食われた。堺雅人の有功も徳の高い坊さんみたいな言動が板に付いているのは言うまでもない。女の髪結いにもつじつまを合わせたのも見事。と同時に個人的に思った、以前に外国人の方から、一話で、春日の局が有功を脅す為に、連れの坊主をいきなり切り捨てさせたことを、「自分の考える武士文化とイメージが違う」と。単なる時代劇の演出だとその時は特に気にしなかったが、昨今の歴史思想史観では、戦国時代の殺伐とした武士文化が、太平の世の中になるにつれ、文武の「文」中心となる、その集大成が五代綱吉の元禄文化だ、と。そう考えると春日の局に象徴される武士の時代が変わって、上記の外国人の方のイメージする武士文化に変わった、という演出意図かもしれない。

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2012年11月10日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)五話

あらためて、よしながふみの原作は脚色の余地もないのか、と思うくらい、原作通りだなあ。それが本当に日本のドラマ作りにとっていいのか?(笑)。嫉妬に荒れ狂ったと仄めかす、だけのあの部屋の惨状、そこに静かに佇む有功、実写でここまでその姿が絵になるのは堺雅人だけなんだろうねえ。毎回これしか言いようがないが。

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2012年11月 3日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)四話

うーん、堺雅人ってスゴイ、弓を射る姿も絵になるし、文学を教授する講師姿も、ウットリする。ホントにやったら、女性受講者で満員になるだろうね。変幻自在、天性の役者か。にしても、CMがよく入るなあ。昔のように15分に1回じゃ無くなったんだねえ。

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2012年10月27日 (土)

ドラマ感想:大奥(TBS系、よしながふみ原作版)

いやあ、つくづく思う。堺雅人は芝居が違う。第三回のラストシーンも堺雅人の有功(ありこと)に泣かされたのは、上様だけじゃあない。「何故韓流ドラマなのか」は、韓流だけの問題じゃない、というのが私の持論だ。失われた二十年とは、経済だけじゃあない。ドラマ制作激減で、日本の若い役者が演技のキャリアを積む機会も失われたのだ。一方の韓国ドラマは、演出がいかにダサくても、役者がキャリアを積んだのだ。日本の若手役者の演技力の水準が上がるまで韓流ドラマの需要は続くだろう。その中で、日本の宮崎あおいと堺雅人ばかりがこうも、映画やテレビドラマにお呼びがかかるのは、この二人だけは、芝居が全然違うからだ。

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2012年1月 8日 (日)

テレビ感想:競技かるた名人戦 第58期名人位 第56期クイーン戦(20120108)は~

NHKはケチ臭いことに生中継をやめたどころか、翌日のダイジェストでそれも一時間ぽっきり。
アニメ「ちはやふる」ネタもない。それはさておき、今年も現クイーンは2連勝のストレート勝ちで15歳でクイーンになって以来、8連覇で不敗の16連勝。マンガが始まる時には、このクイーンは既に存在していた。いまだクイーンの記録に関しては現実の方が先を行っているのだ。

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